※この作品はR-18です。

Alt Key SCP-TCG-JP-J   作:Isaie

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Q: この世界のコロニーは何機ありますか?

A: まっさらなところにあるのはうきすだけ。あと月と火星と宇宙エレベーターの宇宙側にもある。なお、火星のとは音信不通。


VIBLOBE編
013 - 境界もしくは背後の間


 夜1時。エレベーター。4階→2階→6階と移動。しかし、降りはしない。

 

 6階に着くと、2を押して⏵|⏴を押す。

 

 5階でドアが開き、人が2人、男女の生徒が少しまごつきながら乗ってくる。こっちは、異世界に行く方法失敗。なんでこんな時間に乗ってくるのさ。

 

 ふと、男子生徒の右腕の包帯に気づく。怪我してるのかな? 左目に眼帯もしているし。すると、その男子生徒は口を開いた。

 

「気になるか? 俺の右手が」

 

「あ、いや、怪我してるんですか?」

 

「フッ。“眼”を持たぬ者には分からんだろう……。だがまぁ、一応尋ねておこう。如何なる因果によって、この刹那の天地を繋ぐ箱(アーク)の中にその身を存在せしめいているのかと」

 

「へ?」

 

「あー、どうして、こんな時間にエレベーターに乗っているのですか? と」

 

 女子生徒が通訳する。こっちは知ってる。入学時から話題になっていた王子様。名前は、目(さかん)春(はる)。

 

「ええと、異世界に行く方法を試そうとしていて。途中で人が乗ってきたら失敗だから、みんな寝ている夜に。そっちは?」

 

「貴様の記憶(メモリ)に、七不思議(セヴンアノマリー)は存在しているか?」

 

「あなたは、七不思議を知っていますか?」

 

「はい」

 

 うきす学園の七不思議は以下の通り。

 

1. 機密解除待ち[アクセス禁止]

 

2. 実在しない生徒がいる。

 

3. 時折、第2グラウンドに現れる大日本帝国陸軍兵士の霊。1個師団はいる。

 

4. 時折、1階に現れる二宮金次郎像。動いたりはしない。

 

5. 水道から、時折、知らない言語の囁きが聞こえる。

 

6. 地下9階についての情報が執拗に伏せられている件。

 

7. 七不思議の7番目がすぐに解決されたり、破壊されたりで、何十回も入れ替わっていた件。

 

「その中の第陸の真実(ゼクステ・トゥルース)を拝みに来たのだ」

 

「その中の6番目、地下9階の調査に来たんです。って、なんで言うんだよ」

 

「地下9階……。あの、私もついていっても良い?」

 

 私は目を輝かせた。

 

「ほら、ついてきそ……。ああ、そういうことか」

 

 春は私の胸を見て何か納得した。

 

「わかった。ボクは目(さかん)春(はる)。こっちは田村(たむら)一(はじめ)」

 

「フッ、その名は世を忍ぶ仮の名。選ばれた者には真の名を知る必要がある。我が名は无皇院(むこういん)深翳(みかげ)!」

 

「私は⸺」

「銅(あかがね)伊音(いおん)だよね? よく赤原唯と一緒にいる」

 

「は、はい」

 

 まさか知られていたとは。

 

「で、どうやって行くの?」

 

 私が気になるのは何よりそこ。

 

「それはこれから見つけるんだ。その前に1つ、確かめたいこともあるから、まずは地下10階に行くよ」

 

「確かめたいことって?」

 

 すると、春は1個の懐中時計を取り出す。

 

「地下9階が本当にあるのかをね。地下8階から地下10階までの体感時間が1階分しかないからね。このリアルのぜんまい式の懐中時計の秒針が飛んだら、その間に地下9階を通過しているということになるわけさ。その間は認識できないってだけでね」

 

「認識できない?」

 

「ボク達は体内にマイクロチップを埋め込んで、個人の認証やVR/MRに使っているんだけど、そのVR/MR技術を応用して、人工的に反ミーム性を付与しているらしいんだ。フルダイブ型のVRゲーム、やったことある?」

 

「うん」

 

 わりとチェストってる。

 

「ダイブ中、現実での感覚は遮断されているよね?」

 

「うん」

 

「これと同じことをMRでやることで、情報の伝達を防いでいるんだ」

 

 あれ、そういうことだったんだ。

 

「というわけで、地下10階に行くよ」

 

 春が操作盤の前に立つと、B10のボタンがB5の左に現れた。

 

「え、どうして?」

 

「何やら機密情報がありそうな地下9階やプライバシーや防犯の都合がある地下6〜8階とは違って、地下10階は用があればそれを連絡することで行けるようになるんだ。今回は、間違えて捨てたものがあるので、それを取りに行くと連絡している」

 

「なるほど」

 

 春はB10を押した。ちなみに、地下6〜8階には教職員の寮がある。

 

 

 

 下降中。地下8階を過ぎた時、田村一は言う。

 

「時は来た」

 

 春は懐中時計を見る。

 

█

 

「飛んだ! やっぱりあるんだ!」

 

 喜びの束の間、エレベーターは地下10階に着き、ドアが開く。

 

 おそらくヴァーチャルであるロボットに案内された方に行くと、箱があったので、春は中を見る。

 

「おお、あったあった」

 

 ゴムの手裏剣。

 

「で、次はアンダーグラウンド・ナインス・階層へ達する手段についてだが……」

 

「ボクに心当たりがある」

 

 エレベーターに戻る。

 

 

 

「さっき、ボクはB5の隣のボタンを押した。普通に考えれば、ここにあるのは、B6のはず。なのに、押したのは、B10。それに、そもそもそんなボタンはないはずなんだ。現に、ここにはB10のボタンはない」

 

「どういうこと?」

 

「MR技術で距離感も弄れるとしたら?」

 

「!?」

 

「やはりそうか」

 

 田村一はわかったような口を聞いているけど、わかってない表情してる。

 

「でも、それじゃ、どうすれば……?」

 

「五感は当てにならない。だから、第六感で探し当てよう!」

 

「「は?」」

 

「直感でボタンを押して、直感でエレベーターから出よう!」

 

 それから私たちは何もないところを押したり、ドアにぶつかったり、回ったり、ステップを踏んだり、泣いたり、笑ったり、ラジバンダリ、その束の間、遥か過去の光に想いを馳せたりした。

 

 そしてついに、何かのフロアに出た。勢いよくエレベーターから出たので寝転んだリノリウムの上、天井は、知らない天井だ。

 

「ここが、地下9階?」

 

 私は立ち上がりながら言う。壁の色は白、窓はなく、ドアもない。部屋が連続している。

 

「どうやら、そうみたいだね」

 

 春が足元を見て言う。B9と書かれていた。

 

「何か、感じないか?」

 

 田村一が言う。確かに、なんか気配を感じる。どこからとかはないけど。ここには私たち3人しかいないはずなのに。

 

「じゃあ、探索といこうか」

 

 春はそう言うと、糸とセロテープを取り出した。

 

「一応これ持ってきておいて良かったよ」

 

 と言いながら、テープで糸の一端を床に留めた。

 

「?」

 

「アリアドネの糸をご存知だろうか?」

 

 田村一が解説を始めた。

 

「なんそれ?」

 

「古代ギリシャ、クレタの王ミノスは息子アンドロゲオスの殺害を因にアテナイに侵攻。降伏したアテナイは9年ごとに少年と少女を7人ずつ牛頭人身の怪物ミノタウロスの贄として差し出すことになった。テセウスはミノタウロスを打ち斃さんと贄に志願し、ミノタウロスがその存在を維持する迷宮、決して生きては戻って来れぬと言われし迷宮(ラビュリントス)に足を踏み入れる。テセウスに恋をしたミノスの娘アリアドネは彼に糸玉を渡し、迷宮(ラビュリントス)の入口の扉に糸を結び、糸玉を繰りつつ迷宮を進むことを教えた。かくしてテセウスはミノタウロスを討伐し、迷宮(ラビュリントス)からの脱出に成功した」

 

「つまり、糸を辿ればここに帰って来れるということだよ」

 

 古代ギリシャのくだり、要る?

 

 

 

 マッピングしながらいくつか部屋を通過して、プールに出た。それ以外には、特にない。

 

「そういや、2人はどう言う関係なの? 接点がないように見えるけど」

 

「知らないほうがいいだろう……。まだ穏やかな日常を享受したいならな……」

 

「CI(コスモス・インテグレーション)のエージェントなんだ」

 

 隠そうとする田村一とあっさり告げる春。

 

「あーなるほど」

 

「やっぱり」

 

「やっぱり?」

 

「社長の娘兼愛人兼切り札の蔵部赤悉句零口土(アカシックレコード)や契約に真面目な巽まなとは違って、君はこっちに敵意を持ってないようだね」

 

「そりゃ、秩序は大事だし、モアサナイト・パズルも私には関係ないし」

 

「そんなことはないよ! 蔵部哲がモアサナイト・パズルを使って秩序を壊したから、世界は混沌になったんだ!」

 

「えっ」

 

「あっ」

 

 混沌にと言っても、こっちはそんなこと体感してない。うきすは時々窮屈と思うほど秩序立っていて、節城野村もヤバめはあったけど無法とは言えなかった。強いて混沌と言えるのは、20年前からサービスしているVRMMORPGくらい。

 

「ごめん」

 

 春もそのことに気づいたのか謝る。

 

「いや、いいよ。あのお面の人が悪さしているなら、できる限りだけど、協力したい」

 

「ありがとう」

 

 

 

「これで一通り回ったかな?」

 

「だね」

 

「気配の割に虚無だったな」

 

「これもうわかんねぇな」

 

 その後、私たち4人はエレベーターに乗り、5階で解散した。




クレジット
タイトル: SCP-001 - 機密解除待ち[アクセス禁止]
原語版タイトル: SCP-001 - Awaiting De-classification [Blocked]
訳者: Dr Devan
原語版作者: Staff
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-001
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-001
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: SCP-048 - 呪われたSCPナンバー
原語版タイトル: SCP-048 - The Cursed SCP Number
訳者: 訳者不明
原語版作者: DrClef
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-048
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-048
ライセンス: CC BY-SA 3.0
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