A: 名前は「うきす」。長さ4200kmくらいのダンベル型。オニールシリンダーやスタンフォードトーラスは建設コストが高いんよ。
で、居住区は半径500m高さ200mくらいの円柱形。これが両端にあって、一方が丸々「うきす学園」で、もう一方が、生産セクション。
「うきす学園」は中央の木のような柱から枝状に通路が伸びていて、そこに葉や実のように部屋が付いているイメージ。
ふわふわしながら宇宙船に乗り込む。ちなみにさっきの2分後の便じゃない。窓はなく、小部屋が一対、その向こうの扉は閉まっている。天井には
安全ビデオを見た後、リフトオフ。すると、体が徐々に後方の壁に押さえつけられ、やがてその力は一定になり、後方の壁が床であり、通路の天井の
「唯は宇宙船は初めてじゃ、ない?」
「3回目。1回目は物心つく前、2回目はうきすに来た時。あんたは初めて?」
「うん。うきすから出たことない……」
「ふーん。じゃあ、本物の星空を見たこともない?」
「本物の、星空?」
「うん。まあ、
飛行時間は1時間くらい。
「これが、本物!?」
月の宇宙港でガラス越しに見る本物の星空はVRのそれとは比べ物にならない深さがあった。
「あの星は?」
一際輝く星を指差す。
「太陽ね」
「あれが……」
思ったのと違う。もっとこう……
「もっと明るいのかと思って」
「地球じゃ大気で光が拡散されるからねー。で、あれが地球」
唯さんは青い星を指指した。
「と、こんなことしてる場合じゃないんだった。そろそろ行くわよ、伊音」
動く歩道→リニアで市内に入る。ちなみに、リニアと言ったけど、タイヤ走行だったっぽい。で、入ると、唯さんは大声をあげた。
「なんじゃこりゃああああああああああああああ!!」
そこはダンジョンだった。
「え、こ、こういうコンセプトじゃ?」
私は唯さんに訊いた。
「んなわけないでしょ! どうしてこうなった!? ってかいつの間に!?」
唯さんが頭を抱える。
「とりあえず、行こう!」
私は一歩踏みだす。
「ま、待って」
唯さんが後を追う。
「あ、あれは……」
早速宝箱発見。私はそれに急接近し、ミミックの可能性を加味して背後に回って、そこから手を伸ばして開ける。すると、ぬるっとしたものが後ろ襟から服の中に入ってきた。
「あひゃっ!?」
パニックになること数分、ようやくそれを取り出すことができた。
「魚!?」
生きてる。
「秋刀魚ね。焼くと美味しいわよ。今は旬じゃないけど」
唯さんが説明する。
「へえ。で、宝箱は!?」
「紙が一枚」
書かれていたのは、
「なにもないだな、これが」
私が読み上げると、唯さんはその紙を無言で床に叩きつけた。
「行くわよ!」
宝箱を後にした。
デルタヤンキーはステップを踏んだ。私の心に恐怖を刻んでいく。私は回った。
唯さんはカードを1枚出して言う。
「『SCP-444-JP █████[アクセス不許可]』でクロステスト」
「うわー!!」
デルタヤンキーは消滅しました。
おめでとう!緋色の鳥!
クリスタルめいた石を見つけた。
「なにこれ? セーブポイント?」
「リアルでセーブはないでしょ」
そう言いながら、唯さんはその石に触れる。
「ふっふふふ……あはははははははははは!!」
唐突に高笑い。
「血、血、血、血が欲しい……」
うわ物騒なこと言い出した。
「さあ、行くわよ、混沌なる地へ」
そう言って、歩き出した。
30分後、唯さんは顔を隠してしゃがみ込んだ。
「え、え!?」
「み、見てないよね、伊音?」
「がっつり見ましたが。血が欲しいとか」
「うわあああああああああ!!!」
「えっと、何だったの?」
「聞かないで! クソ恥ずかしいんだから! 終わった……! 死のう……。伊音、殺して」
こんなに弱ってる唯さんは配信含めて初めて見た。
「嫌だよ!!」
唯さんの肩を揺さぶる。
「とりあえず、行こう? 誰にも言わないから」
「……あとでラーメン奢るわ」
唯さんはようやく立ち上がった。
再び、宝箱を見つけた。小部屋になっている。今度は上にも注意しながら背後から手を伸ばして開ける。
小部屋のシャッターが降り、私たちは閉じ込められた。
宝箱の中には怪レい文訁。
「部屋ゐ贵樣は叶っぱレない。6を持っこ」
「?」
意味不明。
「こっちにも宝箱あったわよ」
と言いながら唯さんはもう一つのを開ける。すると、彼女は上半身を喰われた。ミミックだった。
私は顔の3倍はあるアホ毛を高速回転させてミミックを切り刻んだ。
「ありがと。え、それどうなってんの?」
そう言う唯さんの後頭部にはヘイローめいたものが浮いている。
「こうなったら、力ずくで出るしかないようね」
唯さんがそう言うと、ヘイローめいたものの中央に光が集まり、シャッター目掛けてビームを放った。
ズゴォォォン!!
穴が空いた。
何階層か進むと広けた空間に出た。目の前には鱗を持った巨大な生物。
「ドラゴン?」
私はそれっぽいものを口に出す。正直、実物は見たことがない。て言うか、いないでしょ。
「みたいね。伊音、地球のレギュレーションは知ってる?」
「なにそれ」
「2030年、世界は核の炎に包まれなかった」
「え、
「マリアナ海溝で発見された“モアサナイト・パズル”が引き起こしたAK-クラスシナリオから60年、世界は、なんかよくわからんレベルに分かれ、混沌を極めていた……。そんな中、暴力に代わって戦う手段となったSpeed-Card-Protectionをスムーズに行うために、暗黙の了解とノリと酒の席で決まっていった不文律のレギュレーションがあるのよ」
「酒の席て」
「破ったら良くてムラハチ」
「厳しい!」
「第一条、頭部を破壊された者は失格となる」
「カードゲームだよね!?」
「第二条、最期の1本を攻撃してはならない」
「?」
「うん。第三条、破壊されたのがたまごポケット以外であれば、何度でも湯を注ぎチキンラーメンを作ることができる」
「何の話!?」
「第四条、グロコダスは己のたまごポケットを守り抜かなくてはならない」
「誰!?」
「第五条、1対1の闘いが原則である」
ああ、だから唯さん、『共同実験』は得意じゃないって言ってたんだ。
「第六条、は紛失しているわ」
「そんなことある!?」
「多分、どっかの財団が収容している」
「適当言ってない!?」
「第七条、俺がガ█ダムだ!」
「いきなり何!?」
「第八条」
「まだあるの!?」
「挨拶前のアンブッシュは一度だけ認められる!」
そう言いながら唯さんはヘイローめいたものからドラゴンにビームを放った。爆発。
「第九条、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
「それ絶対違うやつ」
爆煙が晴れると、当たった部分の鱗がパイナップルになっただけで、ドラゴンはほぼ無傷だった。ドラゴンはこっちを向こうと体を動かし、天井に頭をぶつける。
「
「喋ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
喋ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「狭そうね」
唯さんは冷静に言いながら対戦申し込みをする。
ドラゴンは瞬殺した。あれから何階層くらい進んだかな?
「……あの、唯さん」
「何?」
「私たち、下行ってない?」
「そうね」
「都市って上では?」
「そうね」
「なんで下に?」
「そっちにしか行けないから」
「ここ、どの辺?」
「わからん。200階くらい?」
「おかしくない?」
そんなに階はなかったはず。
「そうね。火星腕と木星腕を含めてもせいぜい19階程度のはず」
「腕?」
「そういう火星と木星の重力に相当する階があるのよ。そういえば、体が重くない。通常なら、これだけ下層に来れば、遠心力の影響で重くなるはず。でも……」
私は試しにその場でジャンプしてみた。まるでうきすにいるような、いや、でも、それどころじゃなくって、なんだろ? この感覚。重力じゃなくて、別の方向の何かがないような……?
「どう?」
唯さんが声をかける。
「跳んだ時、なんか変な感じが」
「変な感じ? 重力?」
「違う。横の」
「まさか」
唯さんはそう言うと、四角い物体を真上に投げる。すると、手元に戻ってきた。
「ここ、ほんとにざくろ市?」
「どういうこと? あとそれは何?」
唯さんの疑問の意味を問う。
「ざくろ市も回っているから、投げた物はコリオリの力でズレるはずなのよ。これはVAPE。フレーバー付きの蒸気を起こして、それを吸って楽しむという物」
「コリオリ……?」
「習ったはずよ。ここが回転してると、投げた物はまっすぐ進もうとするけど、私達が回ってるせいで、普通はズレるのよ」
「?」
「帰ったら復習しなさい」
突如、前方の壁から壁と同じレンガ模様の人型の何かが走り出し、私達の間を通り抜け、反対の壁にぶつかって、倒れた。
「え? 何? 今のって」
「さあ」
唯さんはそう言うとVAPEを吸う。
瞬間だった。前方の壁から、今度は3体の人型。すると、後方から、音楽と共に光が。
「バ〜█ラ、█ニラ、バ〜ニ█、求人、バ〜█ラ、バニ█、高収入!!」
光の正体はアドトラックであり、そのフロントガラスが開いたかと思うと、中からネギが出てきて人型を掃いていった。
「なんでざくろにバ█ラトラックがあんだよ。条例はどうなってんだ条例は」
と唯さんは言った。
「█ニラ?」
「とにかく戻るわよ」
「なんで?」
「この看板がそうしろと言っている」
唯さんが指差した先には、黄地の看板に「0」と書かれていた。
「わ、わかった……」
よくわからないけど、そうしておこう。
で、戻ると、黄地の看板には創英角ポップ体で「国防人民委員令第227号 一歩も下がるな!」と書かれていたので、看板に近寄ると、背後を、何かが猛スピードで通り過ぎて、壁にぶつかった。それはプリウスだった。
ぶつかったことで壁に開いた穴から扉が見える。「社長室」と書かれた木の扉。隙間からそこへ向かうと、唯さんは扉を蹴破った。
| クレジット |
|---|
| タイトル: 恐怖!怖すぎ屋敷!! 著者: ©︎Genryu 作成年: 2024 URL: http://scp-jp.wikidot.com/deleted:this-is-creepy-pasta ライセンス: CC BY-SA 3.0 |
| SCP-444-JP █████[アクセス不許可] タイトル: SCP-444-JP - █████[アクセス不許可] 作者: ©locker ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-444-jp 作成年: 2014 ライセンス: CC BY-SA 3.0 画像出典 タイトル: 意識、認識、阿頼耶識を飛べ 作者: koikoi_Rainy4L ソース: http://scp-jp.wikidot.com/arayashiki 公開年: 2016 ライセンス: CC BY-SA 3.0 カード出典 制作者: @ksk_accel_ 2017: https://twitter.com/ksk_accel_/status/876872040417853441 |
| タイトル: SCP-CN-048-J 原語版タイトル: SCP-CN-048-J 訳者: BenjaminChong 原語版作者: JustinTrenchcoat ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-cn-048-j 原語版ソース: http://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-048-j ライセンス: CC BY-SA 3.0 |
| タイトル: SCP-2079 - グロコダスの掟 原語版タイトル: SCP-2079 - The Law of the Grokodus 訳者: C-Dives 原語版作者: Anaxagoras ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-2079 原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-2079 ライセンス: CC BY-SA 3.0 |
| 共同実験 Author: Aelanna Title: SCP-Logo-2400.png Source: https://scp-wiki.wikidot.com/dr-mackenzie-s-sketchbook 公開年: 2014 Card designer: 1311_eastwood Source: 19.07.31: https://twitter.com/1311_eastwood/status/1156218711881084928 |