異聞帯『受胎都市トウキョウ』 混沌王・人修羅の罠 作:緑茶わいん
鉄と土、肉と血の臭い。
荒廃した街並みはかつて訪れたとある亜種特異点に似て非なるもので。
跋扈するのは、異形の怪物。
彼らは、今まで出会った敵とはどこか異なるモノのようにマシュ──マシュ・キリエライトには感じられた。
「……ふう」
手にした大楯で防ぎ、守り、時には敵を弾き飛ばして。
一団の殲滅を確認すると、マシュはほっと息を吐き出した。
身体を締め付けるデザインの袖なしボディスーツ。
滑り止めを兼ねたグローブとプロテクター付きブーツ。
薄紫色の髪に紫色の瞳。
一見すると荒事には不向きな、大人しい印象の少女である。
しかし、任務遂行時──サーヴァントクラス『シールダー』としての彼女は立派な戦力。
カルデアにいる時とは違い、身体能力も大幅に向上。
機能優先の衣装は少々恥ずかしいものの、数々の戦いを潜り抜けた今となってはもう慣れた。
「先輩、お怪我はありませんか?」
振り返り声をかけると、後方で指揮と支援を担当していた『マスター』が微笑んでくれる。
「お疲れ様。マシュこそ、痛いところはない?」
「わたしは大丈夫です。あの方のおかげでだいぶ楽ができましたから」
言って、現地にて出会った協力者に視線を向ける。
紅の槍を携えた長髪の女傑。
サーヴァント『ランサー』英霊スカサハは、手にした槍を振って汚れを払うとマシュたちを振り返った。
「なに、礼には及ばん。お前達に同行するのは私自身の目的のためだ」
「ええっと、それで、その目的というのは……」
「答える必要はない」
取り付く島のない返答に、マシュとマスター──藤丸立香は顔を見合わせた。
単にさばさばしているだけで、刺々しいわけではないのだが。
若干の掴めなさと底知れなさを感じずにはいられない。
それから彼女の──黒を基調とした、ある意味マシュ以上に煽情的なコスチュームと完璧すぎるプロポーション、あふれ出る大人の魅力にも、ある種の敵意を。
ぐぬぬ、と人知れず思っていると、見せたい相手兼取られたくない相手である少年は「?」と呑気に首を傾げた。
はあ、と、深いため息をついたマシュは気持ちを切り替えて、
「拠点に戻りましょう。探索を急ぎたいところですが、無理は禁物です」
◇ ◇ ◇
新たに発生した特異点の調査に乗り出したマシュたちカルデア。
休める場所を確保しつつ敵の掃討、特異点の調査──任務はいつになく順調に推移している。
このまま行けば大きな問題はなく完了できるかもしれない、そう思っていたのだが……。
「ん……っ♡」
仮の拠点にて、(一応)立香とは別の部屋を確保し眠りについて。
疲れもあってさっそく眠りに落ちたマシュは、やがて夢を見た。
霞がかった視界。
皮膚感覚は鮮明にあるのに、自由に身体を動かせない。
夢の中で、マシュは誰かを前にしていた。
姿はぼやけてはっきりとはわからない。
ただ、『彼』を見ていると不思議と高揚してくることだけは確かで。
熱に浮かされたような感覚のまま、服に手をかける。
一つずつ、落ちていく着衣。
生まれたままの姿を『彼』に晒すと身体の芯に熱が生まれる。
はぁっ、と、熱っぽい息を吐き出して。
裸足で近づき、『彼』の足元に跪く。
眼前には猛々しくそそり立った男の象徴。
強い雄のにおいに頬が熱くなるのを感じながら両手で捧げ持ち、誓うように口づけをして。
唾液をたっぷり溜めた口を開くと、舌を伸ばしてそっと触れる。
舐めるように動かして、次第にその範囲を広げて。
存在そのものが雌を支配するためにあるような『それ』の味を口いっぱいで味わう。
髪と同じ色の陰毛を薄くたたえた股間から愛液が床にしたたり落ちて。
「────」
「……はい♡」
マシュは、『彼』の命じるままに口を大きく開け、その竿をぱくりと咥えこんだ。
そう。それはあまりにもリアルな夢。
それでいて細部はあやふやで、なのに、淫らな興奮だけは起きても強烈に焼き付いていて──。
「マシュ、何か悩み事?」
「……えっ?」
急に呼びかけられたマシュは朝食用の携帯食を落としそうになった。
見れば、近くに立香の顔。
思わず頬を赤らめるも、マスターの顔が心配の色に染まっているのを見て、
「だ」
脳裏にあの淫らな夢の情景がよぎる。
「大丈夫です。その、少々夢見が悪かっただけで」
「夢? それって、魔術で操られてるとかじゃないよね?」
「っ」
考えもしない可能性に息が詰まった。
マシュたちの赴く戦場は英霊が駆け魔獣が跋扈し、時には神の干渉が行われる領域。
知らないうちに魔術をかけられた可能性はもちろんある。
あるが、その、なんとなくあれはそういうものとは違っていたような……。
助けを求めるようにスカサハ──同じ部屋で眠っていた彼女に視線を向ければ、
「安心しろ、うなされてはいたが魔術の気配はなかった。もちろん、夜中に一人で出歩いたりもしていない」
その答えにマシュは心底ほっとした。
「ほら、ただの夢ですよ。心配しないでください、先輩」
「う、うん。ならいいんだけどさ」
なおも心配そうな立香を無理やり元気づけて話を終わらせる。
できればあまり追及されたくなかったからだ。
例えば「何かの事件じゃないか」となって、あの夢を詳細に話せと言われたら困る。
立香に「マシュは欲求不満なのか」なんて思われたら死んでしまうし、何より、マシュが自分から「あんなこと」をする相手と言えば、敬愛するマスターその人に違いないのだから。
そう、だから。
マシュはスーツの下、しっとりと湿ったショーツに気づかないふりをした。
◇ ◇ ◇
身体を隠す薄絹を落とし、下にあるボディスーツを『彼』に披露する。
時折、後ろを向くよう指示されながら上から下へとくまなく観察されて。
許しが下りると、床へぺたんと手をついて這うように近づいていく。
腹部の開いたスーツを引っ張り、竿を差し入れる隙間を作って。
谷間で挟み込むようにして逞しい肉棒を包み込む。
大きい。大きすぎて先のほうが胸からはみ出してしまう。
至近で感じる『彼』のにおいにくらくらしながら唾液を垂らし、先端へとしゃぶりついた。
時折、身体を揺するようにして乳房で扱き上げながら、次第に強くなる脈動を感じて。
『────』
「あっ……♡」
跳ねるような反応。
直後、撃ち出すような勢いで吐き出された大量の白濁を口で受ける。
全ては受け止められず、いくらかは胸にこぼれて谷間を汚す。
精と雄臭にまみれたマシュはうっとりしながら、どろりと濃い精液をごくんと飲み下した。
脱衣の後に残った衣装は、胸と股間の開いた煽情的なランジェリー。
玉座のような椅子の上、『彼』の膝へと体重を預け──しなやかでありながら力強い身体に腕を回す。
「んっ……♡」
口を大きく開け、唾液の溜まった口内を晒しながら舌を大きく伸ばして。
自分から顔を寄せるとねっとりと、濃厚なディープキスを求めた。
吐息と嬌声、唾液のたてる淫らな水音。
愛情表現のためのキスとはまるで違う、肉欲を刺激するためのキス。
『彼』の唾液の味を脳に刻み込みながら自身の唾液とカクテルして。
口内に注ぎ込まれたそれを快く嚥下する。
露出した胸は彼の身体にぎゅっと押し付け、ぴんと勃った乳首を擦り付けるように動かす。
力強い男の手が尻肉をぎゅっと掴み、ぐにぐにと弄んで。
とっくにとろとろになった秘所をも『彼』の膝に押し付ける。
「あっ、───様っ、マシュ、いく、いきますぅっ♡♡」
愛する人にして支配者たる男の眼前で、甘やかな絶頂がマシュの全身をたっぷりと満たした。
「見て、ください……♡ マシュの、えっちなオナニー姿……♡」
首にピンクの首輪を装着して。
同色のバニー衣装に身を包み、玉座の前でぺたんと尻をつく。
服従を示すように足を開き、M字を作って。
股間部分をずらすと、愛液で濡れた秘所を指でくぱ、と開いた。
綺麗なピンク色をした膣肉。
他人の目に晒す羞恥と、『彼』の視線に撫でられる高揚。
くちゅ、と水音を立てながら指を押し当てると、くちゅくちゅと愛撫を始めて──。
胸元のファスナーを外すと乳房を露出、空いているほうの手で豊かな胸を揉みしだく。
頃合いを見て乳首やクリトリスへの刺激を加えると、マシュの身体はあっという間に昂っていった。
カルデアの自室でこっそり行う時よりもずっと気持ちいい。
口から淫らな声が漏れるのも止められない。
絶えず甘い息や嬌声を吐き出しながら、びくっ♡ びくっ♡ と身体を揺らす。
水音はぐちゅぐちゅとはしたない音に変わり、胸を弄る手つきも激しくなった。
人前でオナニーをして絶頂してしまうなんて。
考えたこともなかった背徳的な行為なのに、快楽の余韻に浸りながら『彼』の顔を見上げると、どうしようもなく被虐の愉悦を覚えてしまって。
場所は玉座の前ではなく、豪奢なベッドの上へ。
ブライダルウェアを連想させる白のランジェリー。
ガーターベルトの上から白のシルクショーツを脱ぎ落すと、マシュは「ああっ……♡」と恍惚の声を上げた。
「───様のおちんぽ、こんなに勃起してくださって……♡」
既にマシュの唾液で濡れた肉棒は天井へ向けて雄々しくそそり立っている。
キングサイズのベッドに寝た『彼』の上に足を開いて跨ると、秘所を指で開きながら腰を落として。
「───様に、マシュの処女を捧げます♡」
未だ誰も受け入れたことのない入り口へと主人の竿を受け入れた。
かすかな痛みと共に流れ出る鮮血。
シーツを汚すその赤は、マシュが愛する男のものとなった何よりの証で。
しかし、そのことに深い感慨を抱くよりも先に、ずん、とお腹の奥を強く突き上げられた。
「っ、あああっ!♡♡」
反射的に悲鳴が上がるも、そこには隠しようもなく嬌声がまざっていて。
溢れるほどの愛液が潤滑液となって竿の動きを助け、本能的に動いた腰が自分から気持ちいい部分へと雄を迎え入れる。
度重なる調教によって淫らに開発されたマシュの身体は、初めてだというのにどんどん膣性感を引き出して。
きゅっ収縮した膣肉が太く硬い肉棒を締め付ける。
避妊具の使用も、膣外射精もがないことは初めからわかっていた。
『彼』に傅く以上、膣内射精を受け入れるのが当然のこと。
初体験にして生挿入の快感を覚えてしまったマシュは、これから待ち受けるさらなる背徳──子宮へと精を受け入れる瞬間を待ちわびて。
どくん、と。
お腹の奥で熱いものが吐き出された瞬間、弾けるような絶頂に目の前が真っ白になった。
◇ ◇ ◇
「っ、はぁっ♡ はぁっ♡」
身体が熱い。芯の部分が熱を持ち、際限なく疼いている。
自分が強い発情状態にあるのを自覚しながらも、マシュは盾を振るい続けていた。
──順調だったはずの調査は難航。
襲来する敵の種類、数ともに危険度を増す一方で、日々継続する戦いに疲労は蓄積、状況は日に日に悪くなっていた。
厳しくなる襲撃を乗り切るか、その原因を突き止められればいいのだが。
スカサハを前衛に置き、立香の支援を受けてもなおギリギリの戦い。
本来、守りが本領のマシュまでもが率先して攻撃し、同時に敵の攻撃から立香をかばい続けて。
なんとかその日の襲撃を撃退した時にはもう、マシュは限界に達していた。
「マシュ!」
意思とは裏腹に崩れ落ちる身体。
倒れそうになったマシュを支えてくれたのは、思ったよりはしっかりとした立香の腕だった。
カルデアにやってきた頃はいかにも「ごく普通の少年」という感じだった彼も、幾多の戦いを潜り抜け、僅かな休息にも鍛錬を欠かさなかったことで随分と逞しくなっている。
だからきっと、あの夢の相手は、『彼』は立香だと思っていたのだが。
──違う。
腕の力強さも、胸板の逞しさも、雌を芯から蕩けさせるようなにおいも。
こんなものじゃない、と、本能的に断定できた。
断定、できてしまった。
今までのマシュ・キリエライトは、本来のマシュとしての感情は『先輩』の優しさに感謝し、その身体の温かさに心安らいでいるのに。
『彼』の雌となったマシュは、立香では男として、雄として足りないと感じてしまっていて。
「───っ」
無意識のうちに、立香を押しのけてしまう。
「ま、マシュ……?」
呆然とした少年の表情に、マシュは自分がとんでもないことをしてしまったとようやく気付いた。
あの夢はもちろん、ただの夢だ。
現実なんかじゃない、それなのに『彼』と立香を比べてしまうなんて。
でも。
あの夢がもし、マシュの秘められた願望を表しているとしたら。
あれ以来夜ごと見るようになったアレと、夢が続くにつれて淫らに疼くようになった身体が、それを証明しているような気もして。
だとしたら、もし、立香と結ばれたとしても、女として満足することなんて──。
絶対にしてはいけない思考。
はっとしたマシュは慌てて弁解しようとするも、そこへ、異形の雄たけびが割って入った。
ありえない。
さっきあれだけ戦ったばかりだというのに、化け物の群れがすぐそこまで迫っていて。
「マシュ!」
態勢を立て直せないまま戦闘に移行した藤丸は、苛烈な攻勢に対処しきれないまま後退して、
「先輩……っ!」
異形の一体に拘束されたマシュは、身体がふわりと浮き上がるのを感じた。
連れ去られる。
サーヴァントとしてあるまじき失態に涙がにじむも──マシュは瞳の端にふと、あるものを映した。
スカサハ。
なぜか異形たちから一切攻撃されることなく、槍を構えることすらないままに立って、『笑みを浮かべている』彼女は。
その意味は、連れ去られた先で明らかになった。
◇ ◇ ◇
「ここ、は……♡」
マシュたちが拠点にしていた場所から十数キロ。
とあるビルの地下に存在していたのは『玉座』だった。
「どうして。どうしてここに、あの夢の……っ!?♡」
幾度となく立ち、裸を晒したその場所に自然と身体が騒ぎ出す。
玉座には誰かが座っている。
姿は、視線を遮る位置に舞い降りた何者かのせいでよく見えないが、男、のように見える。
どくん。
まさか、という思いと、もしかしたら、という思いが交錯して。
くすくす。
間に入った何者かが楽しげに笑った。
ドレスを纏った美女のように見える異形。
背に生えた翅が妖精、という単語を想起させる。
「ようこそ。我が主──混沌王、人修羅様のお膝元へ」
「混沌、王……?」
どくん。
「わたくしはティターニア。人修羅様に仕える雌の一人よ。……そして、あなたも」
「あっ……♡」
そんなはず、ないのに。
ティターニアがマシュの背後に回り、その肩に手を置くのと同時。
隠れていた男の姿がはっきりと目に入った。
少年と男の境目のような容姿。
けれど、身体には黒い紋、あるいは痕のようなものが何本も走っており、彼が常人でないことを一目で理解させてくれる。
令呪、ではない。
彼はマシュたちとは別種の何かだ。
そして、彼の漂わせる威圧感、力強さは英霊たる『王』たちと同等か、それ以上のものがある。
──王。
きゅん♡ と子宮が疼く。
人修羅、と呼ばれた男は玉座から立ち上がると、ゆっくりマシュに近づいてきた。
一歩、距離が近づくたびに『あのにおい』を感じる。
「だめ」
弱々しい声は当然、聞き入れられることはなく、彼は、無造作にマシュの手に触れて。
「っ!!♡」
瞬間、予感は確信へと変わった。
あの夢に出てきた存在──愛しい『彼』は立香ではなく彼、混沌王・人修羅に他ならない。
つまり、彼こそがマシュの初めての相手。
いや、あれはただの夢で、マシュはまだ、
「ふふっ。あの夢、とっても良かったでしょう? あなたもう、人修羅様の雌の顔をしているわ」
「っ!?」
振り返るマシュを無視して、ティターニアはマシュの背中を撫でた。
「ここに、『スカサハ』の刻んだルーンがあるの──気づかなかったでしょう? それによってあなたは、『わたくしの見せた夢』と連動するように、毎日身体を開発されていたの」
「っ♡ そん、な……っ!?♡」
「だから、あなたの身体はもう既に淫乱な雌奴隷。……でも、人修羅様に捧げるにはもう少し開発が必要かしら?」
ティターニアから「よろしいですか?」と尋ねられた男は鷹揚に頷き、
「決まりね。さあ、マシュ。あらためて、人修羅様にふさわしい雌として躾けてあげる」
マシュは今度こそ現実に、淫獄へと堕とされた。
◇ ◇ ◇
「わ、わたしは絶対、あなたたちなんかに屈しません……!」
「無駄よ。夢のすべてを思い出せば、あなたは必ず堕ちるわ」
マシュはもともと英霊としては非力な部類。
疲労と興奮の影響もあって抵抗はままならなかった。
半有機的な拘束台へと固定され、頭にもヘッドギアのようなものをかぶせられてしまう。
「あなたが夢の中で何年過ごしたか理解しているかしら? ──二十年よ」
「にっ……!?」
「驚いたかしら? 胡蝶の夢とはよく言ったもの。夢の世界では時間なんて仮初に過ぎないの」
二十年。
マシュの全人生よりも長い期間、夢の中であの男に奉仕し続けていた……?
覚えてはいない。
断片的な記憶はせいぜい数日分に過ぎない。
しかし、身体は「その通りだ」とでも言うようにさらに強く疼きだして。
「安心して。夢で何度処女を捧げても、現実で破瓜することはないわ。あなたはまだ処女。……それは、人修羅様に捧げるためにとっておかないとね?」
装置が起動し、マシュの頭に知らない『記憶』が流れ込んでくる。
正確には、すでにあった記憶が蘇り始めたのだ。
人修羅の前で裸を、下着を、淫らな衣装を晒した記憶。
彼の足元に跪き忠誠を誓った記憶。
フェラチオ。パイズリ。キス。
手コキに足コキ、素股……その他、信じられないくらい淫らな行為まで無数に。
処女を捧げた記憶だけでも数えきれない。
もちろん、初めてではなくなった秘所や尻穴を思う存分蹂躙された記憶も。
幾度となく子宮に精を注ぎ込まれ、その熱さを味わった。
騎乗位、正常位、後背位……ベッドの上でありとあらゆる体位を体験し、玉座や、屋外でも人修羅と繋がり、奉仕した。
淫らな言葉を覚えさせられ、自ら進んで口にするようになった。
『おちんぽっ♡ おまんこっ♡ せーえきっ♡』
『人修羅様、どうかこのマシュ・キリエライトにお慈悲をくださいませっ♡』
『あああっ♡ 入ってるっ、入ってますぅっ♡ 人修羅様のおちんぽっ♡』
『好きですっ♡ 愛していますっ、人修羅様ぁっ♡ マシュを一生、あなたのお傍に置いてくださいっ♡』
マシュのこんな姿、立香が見たらどう思うだろうか。
恐怖で身が震えると同時に、ぞくぞく♡ と興奮も覚えてしまって。
「いやっ、やめてくださいっ! こんな記憶、これ以上思い出せられたら、わたしっ、先輩のことっ!♡」
「先輩? ……ああ、いいじゃない。『あんな軟弱な男』への気持ちなんて、忘れてしまいなさい」
夢の記憶を思い出したからと言って、立香との思い出が消えてなくなるわけではない。
しかし、二十年もの間、人修羅に仕えた記憶は立香とのそれを押し流していく。
深く、激しく、どろどろとした情交の興奮が、若く初々しい交流のときめきを色褪せさせていく。
次第にマシュは、自分がどうして立香に惹かれていたのかわからなくなって。
夢の内容を自覚するほどにマシュの身体も開発の度合いを高めていく。
もともと十分なサイズのあった──立香などは幾度となくチラ見しては目を逸らしていた胸はさらに二回りは大きくなり、窮屈になったボディスーツは切断されて用を成さなくなった。
形のいい尻もより大きさが強調されて。
五感は鋭く、人修羅の存在を、精液の味やにおいをより強く感じられるように。
子宮は人ならざるものの子を孕めるように、代わりに『ただの人間』相手には適合しないように変化した。
「っ、はぁっ♡ はぁっ♡ ぁっ……ふっ♡」
全ての記憶を思い出したマシュは、解放されてもなおその場から動けなかった。
鋭敏になった身体をうまく動かせなかったのもあるが、期待と興奮で「逃げる」という発想がなくなってしまっていたのだ。
立香のことは、まだギリギリで想っている。
忘れてはいけない。
彼こそが真の思い人だという意地のようなものが最後の一線をなんとか保っている。
裏腹に、脱出する気力は完全に失われて。
「きっと、先輩たちが助けに……っ♡」
「ありえないわ。スカサハがそれとなく妨害しているし……そもそもここの位置が簡単に露見するはずがない」
マシュは、ティターニアによって綺麗に身体を洗われ、純白のウェディングドレスを身につけさせられた。
そうして導かれた寝室には、見覚えのある大きなベッドと、裸の人修羅が待っていた。
◇ ◇ ◇
足が竦む。
身体が勝手にセックスの準備を始めるのを感じながら、マシュは足を止めようとした。
直後、ティターニアの手に押されて前に歩かされてしまう。
気づいた時には、すぐ傍にベッドがあって。
「────」
「あっ……♡」
人修羅の意思に、身体がひとりでに反応した。
嫌なはずなのにベッドに乗り、這うようにして彼のもとへと向かってしまう。
子宮はきゅんきゅんと歓喜を表し、口内には唾液が溜めこまれていく。
はぁっ……♡ と、息を漏らして。
立香よりもずっと力強い腕に抱きすくめられた。
頬が熱くなり、全身が雌の喜びに包まれる。
無意識に唇を寄せたマシュはそのまま人修羅と唇を合わせ、舌を絡めた。
はっと離れようとするも、もう遅い。
彼の腕から逃れる術はなく、舌の感触を強く感じさせられながら何度も唾液を嚥下させられる。
片方の腕がスカートの下へと伸びて、白いショーツの上から秘所を丹念に愛撫。
染み出した愛液にショーツが染みを作り、耳に水音を届けると同時に思考をピンク色へと染め上げていく。
「いくっ、いきますっ……♡」
教え込まれた作法に則り宣言しながらびくびくと絶頂。
はーっ、はーっ♡ と息をしながら見上げると再度唇を奪われた。
大きくさせられた胸を乱暴に揉まれると、これまで以上の甘い快感が一気に広がる。
ドレスの上から乳首をかりかりと刺激され、またもあっさりと絶頂に導かれて。
ぺたん、と座り込んだマシュは肩を軽く押されてベッドに倒れ込んだ。
「……せん、ぱい」
天蓋が見える。
夢で数えきれないほど見た光景に、ああ、と理解する。
自分は、これから彼に処女を捧げるのだ。
破瓜を持って服従と忠誠を証明し、人修羅の所有物として、彼に傅く雌として生まれ変わるのだと。
抵抗などできるはずがない。
マシュの身体は、心は、人修羅の存在を感じただけで絶頂しかねないほど淫らに開発しつくされている。
もしも今、この瞬間に立香が助けに来てくれれば、もしかしたら立ち直れるかもしれないが。
奇跡は、簡単には起こらない。
人が全力を尽くしたうえでようやく手繰り寄せられるもの。
深呼吸。
立香は──来ない。
マシュは、ぎゅっと目を閉じようとして、
「────」
「え……?」
人修羅は、マシュに選択肢を与えてきた。
⇒ 人修羅に純潔を捧げる
立香の元へ帰る
最初に思ったのは「どうして」だった。
覚悟が決まった途端に逃げ道を用意してくる。
これでは──負けたことを彼のせいにして、堕ちてしまうことができない。
帰れる、というのなら。
帰るべきだ。決まっている。
マシュの想い人は、敬愛するマスターは立香ただ一人。
これまでいくつもの戦いを一緒に潜り抜けてきた彼を、今さら裏切れるはずがない。
けれど。
『マシュ自身がどうしたいか』で言えば?
帰って、立香の胸に飛び込む自分を想像する。
疼きでおかしくなりそうな今のマシュはもう、セックスしなければ収まらない。
思いのたけを彼にぶちまけて、半ば無理やり押し倒して、立香のペニスを秘所に収めて。
愛を囁きながら笑いあって、万一にも間違いが起こらないように外に出すか避妊してもらって──。
想像して、「ああ」と笑った。
ありえない。
おちんぽを生でおまんこに入れてもらわないなんてありえない。
人修羅のおちんぽとは比較するのも馬鹿らしい並レベルのおちんぽで一度や二度射精してもらったからどうだというのか。
そんなものは、子供の遊びと同じだ。
堕とされた。
堕ちる、とはこういうことなのだ。
屈服した心が奥底から彼の色に染まっていく。
立香と人修羅の優先順位が入れ替わり、そして、固定されて。
自然と艶のある、雌の笑みが浮かんだ。
「お願いします。マシュを──マシュ・キリエライトを、人修羅様のしもべにしてください♡ マシュの処女を奪い、忠誠の証を刻み込んでください♡」
足を左右に開き、スカートをめくり上げて『主人』を誘う。
人修羅はこくりと頷くとショーツに手をかけ、マシュの足から一気に抜き取った。
指が秘所に突き入れられ、乱暴にかき回すと、膣肉はひくひくっ♡ と歓喜を示して。
屹立した、数えきれないほど夢で見た肉棒が現実に突き付けられる。
それの気持ちよさは身体が良く知っている。
反芻しただけで軽く絶頂に導かれながら「お願いします♡」とおまんこを左右に割り開いた。
ティターニアの言っていた通り、綺麗なピンク色で膜も残っている。
同時に、膣内には男性器を気持ちよくするためのひだや突起が無数に備わっていて。
処女でありながら徹底的に解され躾けられたそこは柔軟性と強い締め付けを両立している。
まさに、人修羅に捧げるためだけに作り替えられた雌のおまんこ。
そこへついに、雄々しい男根が侵入する。
「あっ♡ あああ……っ♡♡」
痛みは、ほとんど感じなかった。
まるでそうするのが当然であるかのように秘所を割り開いた人修羅の分身は、あっさりと処女膜を突き破って奥へと到達。
がくがくと震える腰。
あるべきものが収まったような安心と心地よさを感じたマシュは、蕩けるような笑顔を浮かべながら膣を締め付けた。
「ありがとうございますっ♡♡ マシュは、人修羅様に永遠の忠誠を誓います♡♡」
行為の始まりは、それが合図だった。
「ああっ、あっ、ああああっっ!!♡♡」
ぱんぱんと、遠慮のない力強さで腰が叩きつけられる。
マシュを壊そうとするかのような激しさなのに、昔からそれをよく知っているかのように身体が馴染む。
正確には知っているのはマシュのほうだ。
彼とのセックスに順応するために、ティターニアとスカサハが教えこんで『くれた』。
二十年分の夢によって身体に染み込んだ呼吸が、マシュの腰を自然に動かして人修羅に合わせる。
「いくっ、いっ……あっ、ああああっ!!♡♡」
押し流される意識。
都度「いく」と宣言する余裕なんてまるでない。
簡単に、意味のない嬌声以外は発せられない状態に持っていかれて。
破瓜の血と愛液でシーツを染めながら髪を振り乱し、肌に汗を浮かべ、寝室いっぱいに響くように喘いだ。
回数を数えるのも馬鹿らしいくらい絶頂を繰り返しながら。
胸を揉まれ、唇を奪われ、ドレスを引き裂かれて裸に剥かれた。
「注いでくださいっ♡ 人修羅様の子種、マシュの子宮にくださいっ♡♡」
熱い精が、今まで何も受け入れたことのない子宮に注ぎ込まれて。
夢で体験した無数の『過去』が呼び起こされて深い絶頂が来た。
竿が引き抜かれたかと思うと眼前に突き付けられ、本能のままに口づけ、舌で奉仕して。
お掃除が終わればまた秘所を貫かれる。
都度、体位を変えながら。
子宮に注ぎ込むだけではなく、時に人修羅はマシュの身体にも精を叩きつけてきた。
避妊などという弱々しい理由からではない。
絶倫の彼にとって一回の射精など戯れに消費できる程度のもの、自分のものとなった雌にマーキングするように、濃く大量の精液を吐き出したのだ。
胃の中も、髪も、胸も、すべて人修羅の精で汚されて。
マシュは今まで感じたことのないほどの幸福を覚えた。
もう、カルデアでの使命も立香への想いもどうでもいい。
人修羅に仕え、彼のために働くことがマシュのすべてになった。
圧倒的な快楽。
これがあれば何もいらない。
雄に服従し、付き従うのが雌としての役目であり、運命なのだと心の底から実感した。
そうして。
最終的に何度、射精されただろう。
気づくとマシュは息も絶え絶えの状態でベッドに転がっていた。
丸一日、通しで弄ばれ続け、彼の存在を刻み込まれていない場所はもはや一つもなくなった。
そんなマシュに、人修羅はさらなる改造を施した。
──悪魔合体と呼ばれる、この世界特有のシステム。
人修羅の配下である天使エンジェルと、マシュは心も身体も一つにさせられた。
生まれ変わったマシュは、新しい姿を得た。
身体のベースは彼女のものであるものの背中からは白い翼が生え、目の部分には一つ目の紋様が施された目隠し。
胸や腹、腰は首輪と一体化した革帯で覆われている。
これらの装備は単なる衣装ではなく、身体の一部に近い性質を持つ。
目隠しをされていても周囲を問題なく認識することができるし、エンジェルの持っていた力を引き継いだマシュは、サーヴァントとしての力と併用することによって、スカサハのような純正のサーヴァントにも負けない強さを得た。
人修羅によって与えられた新たな名前は、マシュ・エンジェル。
「ありがとうございます、人修羅様♡ このマシュ・エンジェル、誠心誠意あなた様にお仕えいたします♡♡ 今度とも、どうぞよろしくお願いいたします♡」
心からの歓喜と共に跪くマシュ──マシュ・エンジェル。
彼女のこれからの使命は人修羅のしもべとして戦い、奉仕し、王である人修羅のために尽くすことだ。
そのためならばかつての仲間である立香、そしてカルデアと敵対することになったとしても構わない。
過酷な運命を送ってきた少女はいま、ようやく本当の意味での幸せを手に入れたのかもしれない。
◆ ◆ ◆
「……マシュ。くそ、マシュは一体どうなったんだ!」
「落ち着け立香。憤ったところでマシュが返ってくるわけではない」
「スカサハ。それは、そうだけど……」
一方、藤丸立香はスカサハを含めた他のサーヴァントと共に一度異聞帯を脱出していた。
本格的に準備をやり直さなくてはマシュの救出どころか攻略もままなかったからだ。
しかし、相棒を失った立香の自責と悲しみの念は深く。
荒れる彼の身体にそっと手を置くと──スカサハは、マシュにそうしたようにルーンを刻み込んだ。
邪な意味合いを持つ、しかし、マシュとは異なるルーン。
(どうやら、次の計画も上手く行きそうだな)
そっと彼女が浮かべた笑みには、他の誰も気づかなかった。