第1話:再会の誘惑、忘れられぬ「儀式」への渇望
【第一幕:偶然という名の必然、再燃する記憶】
横須賀の米軍基地にほど近い、海辺のカフェテラス。潮風が心地よく吹き抜ける休日の午後、ジョディー・爆竜・カレンは、一人でコーヒーを飲みながら、ぼんやりと水平線を眺めていた。数ヶ月ぶりとなる日本への再訪。それは、表向きは、父親である爆竜大佐への挨拶と、短い休暇を兼ねたものだったが、彼女の心の奥底には、もう一つ、誰にも言えない、しかし無視できない目的があったのかもしれない。
それは、あの男――両津勘吉との再会、そして、前回、彼によって施された、あの奇妙で、強烈で、そして忘れられない「日本文化体験」の記憶の確認だった。
あの「禊ぎ」と「浄化の儀式」。言葉も通じぬまま、彼の言うがままに裸になり、泡にまみれ、身体の隅々までを彼の手に委ね、そして最後には、「気の注入」と称する、未知の領域(尻穴)への侵入まで許してしまった…。思い出すだけで、全身の血が逆流し、顔から火が出るほどの羞恥心に襲われる。あれは、どう考えても、普通の文化体験などではなかったはずだ。彼の、悪質な悪戯か、あるいは、もっとたちの悪い、性的な企みだったのではないか?
理性では、そう結論づけたい。しかし、同時に、彼女の身体は、あの時の感覚を、鮮明に記憶していた。温かい湯の中で、滑らかな泡と彼の肌が触れ合った時の、ぞくぞくするような感触。内部を、指や、あるいはそれ以上の何かが探り、満たしていった時の、痛みと隣り合わせの、痺れるような感覚。そして、混乱の中で迎えた、あの激しいオーガズム…。それは、彼女がこれまでの人生で経験したことのない、強烈なものだった。
(…もう一度、確かめなければ…あれが、何だったのか…)
そんな思いが、彼女を再び、この地へと引き寄せたのかもしれない。
「よう、ジョディー! 奇遇じゃねえか!」
突然、背後から、あの聞き慣れた、しかし今は心臓を跳ねさせる原因となっている、能天気な声が聞こえた。振り返ると、そこには、いつものように、サンダル履きにラフな格好の、しかし、その瞳の奥には、何かを見透かすような光を宿した、両津勘吉が立っていた。もちろん、これは偶然などではない。彼は、ジョディーが再来日しているという情報を、どこからか(おそらく、彼女の父親である爆竜大佐あたりから、うまいこと聞き出したのだろう)掴み、彼女が現れそうな場所を嗅ぎつけ、待ち伏せていたのだ。
「リョーツ!? あなたこそ、どうしてここに?」
ジョディーは、驚きと、動揺を隠せない。心臓が、早鐘のように鳴っている。
「いやー、たまたま通りかかったら、見慣れた金髪美女がいるじゃねえか、と思ってな」両津は、しらじらしく言いながら、勝手に彼女の向かいの席に座った。「元気そうじゃねえか。で、どうだ? 前回の『修行』の後、体の調子は? **『気の流れ』**は安定したか?」
彼は、単刀直入に、しかし、あくまで「文化体験」の続きであるかのように、核心に触れる質問を投げかけてきた。
【第二幕:揺れる心、身体に刻まれた記憶】
「…!?」
ジョディーは、その言葉に、顔をカッと赤らめた。彼が、あの時のことを、はっきりと覚えている。そして、それを、悪びれもなく口にする。彼女は、怒りよりも先に、強烈な羞恥心に襲われた。
「…え、ええ…まあ、特に問題はないわ…」
彼女は、必死に平静を装い、目を逸らしながら答えるのが精一杯だった。しかし、その頬の赤み、泳ぐ視線、そして、微かに震える指先が、彼女の内心の動揺を物語っていた。
「ふーん、そうか?」両津は、そんな彼女の様子を、値踏みするようにじっと見つめる。彼は、彼女が完全にあの体験を忘れているわけではないこと、むしろ、強く意識していることを見抜いていた。そして、その反応の中に、単なる嫌悪感だけではない、別の感情の存在も、嗅ぎ取っていた。
「だがな、ジョディー。俺様には分かるぜ。お前の身体は、まだ、本当の意味では『目覚めて』いない。前回の『禊ぎ』と『浄化』は、あくまで、そのための『準備』に過ぎなかったんだ。お前の身体には、まだ、とてつもないポテンシャルが眠っている…それを、解放したくはないか?」
彼の言葉は、まるで甘美な毒のように、ジョディーの心へと染み込んでいく。
(身体の…ポテンシャル…?)
あの時の、強烈な感覚が、脳裏に蘇る。理性では拒絶したいのに、身体の奥底が、あの痺れるような感覚を、再び求めているような気がするのだ。これは、クセになり始めているということなのだろうか? いや、違う。これは、あくまで、日本の、未知の文化と精神を探求するための、必要なプロセスなのだ。そう、彼女は必死に自分に言い聞かせようとした。
「…どういう、意味…?」
彼女は、かろうじて、そう聞き返した。
「つまりだな」両津は、身を乗り出し、声を潜めて続けた。「真の『気』の覚醒、魂の解放のためには、より高度な、**『アドバンスド・レッスン』が必要だということだ。それは、前回よりも、さらに深く、君の身体と魂の『核心』**に触れることになるだろう。もちろん、それ相応の覚悟と、精神力が求められるがな…」
彼は、挑戦的な視線を、ジョディーへと送った。
「…どうする、ジョディー? このまま、中途半端な状態で満足するのか? それとも、勇気を出して、真の『深淵』を覗いてみるか?」
【第三幕:好奇心と渇望、悪魔の誘いに乗る決意】
ジョディーは、激しく葛藤した。目の前の男は、胡散臭い。言っていることも、常識では考えられないことばかりだ。前回の体験も、冷静に考えれば、ただの悪質な悪戯か、性的な搾取だった可能性が高い。
(でも…もし、万が一、彼の言うことが本当だとしたら…? 私の知らない、日本の、あるいは、人間自身の、深い可能性が、本当に存在するのだとしたら…?)
彼女の、旺盛な好奇心と、常に限界に挑戦せずにはいられないチャレンジ精神が、むくむくと頭をもたげてくる。そして、何よりも、あの、脳髄が痺れるような、強烈な身体的感覚への、抗いがたい渇望。それが、彼女の理性を、少しずつ、しかし確実に、蝕んでいく。
(…怖い…でも、知りたい…! あの感覚の、もっと先を…!)
彼女は、気づけば、両津の瞳を、真っ直ぐに見つめ返していた。その瞳には、恐怖や疑念よりも、強い決意と、未知への期待が、色濃く浮かんでいた。
「………Okay, Ryotsu.」
彼女は、深呼吸を一つして、はっきりとした声で言った。
「…Show me more 'Deep Japan'. I'm ready for the 'Advanced Lesson'.(…わかったわ、リョーツ。もっと『ディープな日本』を見せて。私は、『アドバンスド・レッスン』を受ける準備はできているわ)」
その言葉を聞いた瞬間、両津の口元に、抑えきれない、満足げな笑みが広がった。(ケケケ…かかったな! やはり、こいつの身体は、正直だぜ!)
「よし! よくぞ決断した、ジョディー!」彼は、わざとらしく、彼女の肩を力強く叩いた。「ならば、次回の『レッスン』は、さらに神聖な、特別な場所で行う必要がある。準備に少し時間がかかるから、日時は、また後日連絡する。それまで、心身ともに、最高の状態に整えておくように!」
「了解したわ(Roger that!)」
ジョディーは、軍人らしく、しかし、どこか上の空のような様子で答えた。彼女の心は、既に、これから始まるであろう、未知の「アドバンスド・レッスン」への、期待と、ほんの少しの恐怖で、いっぱいになっていた。
【第四幕:周到なる準備、快楽への調教計画】
ジョディーと別れた後、両津は、ほくそ笑みながら、次回の「レッスン」の準備に取り掛かった。彼女が、完全に自分の術中に嵌りつつあることを確信し、彼の計画は、さらに大胆で、悪質なものへとエスカレートしていく。
(前回の禊ぎと、裏門の「浄化」で、あいつの身体は、かなり敏感になっているはずだ。今回は、もっと直接的に、快楽そのものを叩き込んでやる…!)
彼は、まず、場所の確保に取り掛かった。前回同様、あるいはそれ以上に、プライベートで、かつ、少々騒いでも問題ないような場所。そして、「儀式」に必要な、「小道具」の準備も怠らない。高品質なローションは当然として、今度は、彼女の感覚を、さらに鋭敏にし、快楽への抵抗力を奪うための、特殊な媚薬(もちろん、彼はそれを「気を高める秘薬」と称するだろう)や、あるいは、様々な形状や機能を持つ「法具」(と称する、高性能なアダルトグッズ)なども、用意周到に準備していく。
(今回のテーマは、「快楽による精神統一」だな。強烈な快感を与え続けることで、思考を停止させ、最終的には、あの「白目」を剥くまでイかせてやる。そして、その感覚を、完全に身体に覚え込ませるのだ…)
彼は、ジョディーが、痛みや屈辱ではなく、「快楽」そのものによって、自分に逆らえなくなるように、「調教」していく計画を立てていた。彼女が「クセになり始めている」兆候を、最大限に利用し、それを、完全な「中毒」へと変えるのだ。
(待ってろよ、ジョディー…次回のレッスンで、お前を、本当の意味で、俺様の『虜』にしてやるからな…ケケケ…)
両津の、黒い笑い声が、夕暮れの亀有の街に、虚しく響いていた。一方、ジョディーは、ホテルの自室で、これから始まる「アドバンスド・レッスン」に、期待と不安を抱きながらも、無意識のうちに、自分の身体の、あの時の感覚を、反芻していたのかもしれない…。二人の、歪んだ「文化交流」は、さらに危険な領域へと、足を踏み入れようとしていた。