ブルアカ 主にチアキ エロ 短編集 作:死人のように生きているクズ
今日の星座占いは9位だったから全くの偶然で運命とかではなかったのだろう。本当に狙ったわけでもなく、偶々、ハプニングが重なった結果ここまで転がってきたようなものだ。
勇気を出して誘った取材に見せかけたデートを先生が楽しんでたのも、急なトラブルに対応してたら終電の時間が過ぎてしまったのも、近くで泊まれるホテルがネオンサインで誘う城のようなホテルだけだったのも全部偶然だ。
”ごめんね?こんな所に泊まる事になって“
部屋に入ってすぐに私の隣に立つ若い大人は気遣いの言葉を言った。眉を困らせて、緊張しているのか声がいつもより上擦っている。彼の着ているスーツがいつも以上に萎びて見える。私はすぐに「大丈夫ですよ」と言った。言ったはずだ。言えたのだろうか?
わからない。私の声は、私の中で響いている。この響きが、身体の中にとどまっているものなのか、声が外に出た後の残りなのかさえ全く。
まるで私の意識と、体を動かしている意識が隔絶されているみたいだ。
身体の意識が大人の顔を見る。大人の口は澱みなく、あ・り・が・と・う、と形を変えていった。不安で声は聞こえなかったが私は安堵した。心の邪な部分がゆっくりと起きて私を動かし始めたのは多分それと同時のはず。
私はまず最初に今日もたくさん使ったオレンジ色のデジタルカメラを構えて部屋の全貌や、細かなあちこちを写真に収めていった。そもそもこんなホテルに泊まる機会は滅多に無かったし、先生も私も緊張していたからいつも通り振る舞って、それを解こうと思ったのだろう。
ラブホテルの部屋は普通のホテルとあまり違いはなく、アニメティやオプションが豊富なのとカラオケがついていたことくらいしか特徴はなかった。
私が部屋を撮っていると先生はスーツを脱いで、ズボンとシャツになってソファに寝転んだ。その行動に私はムスッとして声をかける。
「ベットで寝ないんですか?」
“流石に一緒には寝れないよ”
「私は気にしませんよ」
“でもなあ……”
私は一緒に寝ようと誘うけど、先生は難しい顔をして渋るばかり。
先生の態度に少し心の中がささくれだって、胸が苦しくなる。でも、偶然で手に入れたこんなチャンスを手放すにはまだまだ全然苦しくない。私は一度考えを整理するために先生にシャワーを浴びると伝えて、一度部屋を抜けた。
シャワーからぬるま湯を出して、何をするでもなく私はずっと浴びていた。針に似た形で射出された水が肌を突き刺すように落ちてくる。しかしそれは私の肌に跳ね返されて体を伝って温められ始めた風呂の床に流れていく。
自分の腕の肌を見たがそれは若々しかった、艶をもって、ハリがあってシミやシワの一つも見当たらない綺麗な肌を持っていた。身体も私が見た腕の肌と同じ質感がずっとつながっている。私は若くて、綺麗な存在だと再び確信する。
例えば先生がシワの取れなくなったお爺さんや、経験を積んでいるおじさんとかならこんなことは考えなかった。
でも先生は若い男の人で、責任感はあれど私と同じで未熟なところもあって、性欲もあるはず。
卑怯なことなのかもしれないけど、私はその未熟さにつけ入ろうとしている。若くて、性欲があって未熟なところもあるならつい綺麗な女性に迫られて『間違って』そういった関係を持ってしまうことは何もおかしいことではない。
やっと勇気を出して誘えたデートで偶然でもホテルまで転がり込んだ。もう少し進んで、間違いを犯してもバチは当たらないと高を括る。
ぬるま湯を流していたシャワーの栓を閉めて私はプッシュ式のシャンプー容器を手に取った。水に濡れて背中にベッタリとついた髪の感触や濡れたツノの気持ち悪さは、いつもと違って気にならなかった。
湯上がりに鏡に映った私の裸は自分でも綺麗だと思えた。湯冷めが訪れず、ずっと身体がほかほかと温かい。私の目には畳まれた白いバスローブが留まっている。これはこのホテル備え付けの寝巻き。
寝泊まりなんて考えてなかった私の荷物には部屋着やパジャマなんて入って無かったし、ちょうどいい、もしくは仕方がない、突き動かされて下着もつけずにバスローブを巻く。
身体をまだ伝っていた水滴、新しく湧いた汗もバスローブは吸水して肌にまとわりつく。温かさがより一層こもる。
「今の私……すっごく大人っぽい……!」
鏡に反射するバスローブ一枚の私は自分をまるで別人だと思った。頬が熱を持って赤らみ。まとわりつくバスローブは私の体の起伏を浮かばせて、大人らしい色っぽさを演出している。今の気分は青い空を飛んでいる鳥みたいにスッキリしている。
“似合って、……る”
部屋に戻るとソファからベットに移動し縁の方に腰を掛けていた先生は、私にそう言った。言葉の意味を理解すると温かいと感じていた体温が急激に熱いに変わっていく。
先生の顔はあからんで、目線をどこのやるべきか迷っている。彼から出ている声は、途切れて、繕う、そんな声で、そんな情けない声が私に期待を高ぶらせている。口角が吊り上がっていくのが分かる。すぐに先生の隣に座って、はだけた胸を見せびらかすように動く。
「え〜!似合ってます?嬉しいですねえ!」
“あまり跳ねないでチアキ……”
私はベットのスプリングを使ってわざとらしく身体を跳ねさせて下着をつけていない乳房を揺らす。結び目の甘いバスローブはいつはだけてしまうのか気が気でない。先生の視線は揺れていて、それは私が揺らす二つの果実の動きと連動していた。
彼は目に見えて焦っていて、舌をもたつかせながら”私もシャワー行くね“とベットから離れようとした。私は咄嗟にシャツの袖を掴んで、彼を引き留めた。
“どうしたの、なにかある?”
彼の声は大人というよりは迷子の子供に似た自信のない声だった。視線を合わせないためか首はシャワールームの方向に固定されている。首筋に透明な汗が滲んで、シャツの内側に入り込むのが見えた。背中を書きたそうに身体をかすかに揺らした。
「先生」
私が呼ぶと彼は首をこちらに振り返らせる。その時に見えた瞳が大きく揺れた。袖を掴む指は力を込めて、皺が寄っている。先生の目は期待して私の胸を見ている。私は覗き込んで、目つきを横に流しながらニマニマと笑む。
「ん〜?先生、どこ見てるんですかね〜?」
揶揄うように聞くと彼は分かりやすく焦った。胸への目線が上に向いて覗き込む私の顔見た。わかりやすい誤魔化し方に私は意地悪に笑う。
“いや、ど、どこもみてないけど……!”
「わっかりやすいですね!」
“ごめん……不快にさせたかな……”
「謝らないでくださいよ〜」
顔を真っ赤にさせて俯く先生がとっても可愛い。このまま押せばきっとうまくいく。元宮チアキの勘はそう告げている。
先生の顔は申し訳ないと言わなくてもわかる顔だ。私は先生の不安を吹き飛ばすように目一杯笑って掴んでいた袖を離した。
「それに不快じゃありませんし!」
そう言って袖から離した手を、今度は先生の腕を両腕でまき、抱き寄せて胸の谷間に沈めた。
“チアッ……!?”
先生の腕を胸で挟み込む感覚は、不思議だ。太い腕が挟まって、沿うように胸が変形する。自分の体が脈打って、そのスピードが早くなるほど感覚がシャープになっていく。本当に飛んでいる気分になって、幸福感に包まれていく。
「えへへ……うわあぁ!?」
ついついはにかむと、いきなり強い力が私を押し倒した。ベットに背中をつけて天井を見上げている。私と天井の間に先生の顔が割り込んで、私を見下ろしている。
先生の手が私の白い肌を握っている。力強くて、痛いくらいだ。掴まれた腕を動かそうとするけど、ベットに縫い付けられたようにびくともしない。大人の男らしい力強さ、それを持った対の手が私の左頬を撫でた。手のひらは水滴で湿っていて冷たかったが、撫でられた部分は一番の熱を孕んだ。
“チアキ……”
「せん……せえ……」
自分でも気づかないうちに甘い声を出していた。まだ自分で餌も獲れない未熟なヒナが餌をせがむ時の声に似ていた。先生を求めて、媚びた声は意識で恥ずかしいと分かっていても、つい出てしまう。
先生の顔位置が丁度照明の光と重なって表情が真っ暗になる。瞳がそれを写すと、私は先生が瞬間的に精巧な人形に変わったように見えた。黒いカラスの瞳や、電源を落としたテレビを見つめた時みたく、黒い影に私の顔が反射している錯覚をおぼえる。
“……ごめんね”
無意識の声に思えた。焦りや、照れや、感情はそこに存在しない。先生の意識も存在しない淡々とした言葉の羅列だと思った。ゆっくりと耳に入っていき、溶け込むように四文字が私の体を廻っていく。
「あ……」
黒い影が僅かに伸びたり縮んだりして放った言葉の意味を理解してしまった。
魔法が解ける。シンデレラのドレスが見窄らしくなったように、私の肌をやさしく抱いていたバスローブは羽先を立たせて柔らかな肌に突き刺さっていく。ちくちくして、痒くなる。
熱を纏っていた体が、殴られるような急激な寒気にさらされている。恐ろしい寒気が全身を包んで鳥肌が立って、それを一度擦っても首筋にずっと残っている。
半端な形で声を出したせいで、私はすぐに次の言葉を作らなければならない。ここで声を出せないと、きっとこの寒気に殺されてしまう。声を出すために口を変えるたびに痛みがやってくる。
「あ、あはは〜!そこで日和っちゃうんだ!」
喉がひっくり返りそうな感覚に襲われながらも出た声はまるで別人の声に変わっている感じがした。私の声はずっと心の中に殻を作って閉じこもっている。
私は無理矢理に笑顔を作った。きっと不格好で、可愛くない笑顔を。
先生は腕の力を緩め始めている。離れていく感触に、言いようのない不安感が私を取り巻いた。
「そうですよ、そうです。ちょっと勘違いしてました先生」
「こんな事しちゃいけませんよね。私ってあまり魅力もありませんし!」
「それに一日中付き合っていただいて疲れてるのに全然気遣えてなくて、私ってバカですよね〜!」
あまり意味の通っていない嘘の言葉だけがつらつらと口から語られている。私の意識と、ほど遠く離れたどこかで私の知らない言葉が作られている。先生の手の感触が遠くなっていく。私はまだ、らしくない自分を卑下する言葉を並べ立てている。心で、私の声が叫んでいる。
待ってください先生。
そんなことないって言ってくださいよ。
チアキは可愛いよって、バカじゃないよって、もう一度腕を強く握ってください。
私の頬を撫でて、今度はキスをください。
離れないで、やだ、嫌だ。
私は自分の意識で喋れていない。別の誰か、それか何かが私を必死で取り繕っている。明るい元宮チアキを騙って、そして先生が離れている。頬を撫でられたあとは寒気が止まらない。寒気が覆い被さると私は抵抗できない。
繰り返されて擦り切れたテープの録音みたいな先生の声が聞こえてきた。その声は曇っていて、遠くから長い筒を使って声を送りつけているような感じだ。
シャワー、曇って何にも聞こえなかったのにその単語だけはクリアに聞こえた。先生の温もりは私の中から完全に出ていってしまった。
「謝らないでくださいよ……!」
カーテンも扉も窓も閉じ切って照明も消した部屋で唯一聴こえていたエアコンの稼働音は小さくなり、代わりに耳鳴りだけが聴こえてきた。視界に入る部屋はギュッと圧縮されてしまったのか、入った時よりも狭苦しい。見えているものはどれも微妙に霞んでいる。
私を殴った寒気はどんどんひどくなっている。暖かくもないパサついた布団の隙間に体を挟み込んでも一向に暖かくならない。
ベットから抜けて私は自分のいつも羽織っているコートに袖を通してボタンを閉める。オーバーサイズのコートは着るとブカブカでバスローブの逆立った毛をさらに私に深く突き立たせてくるだけで、ちっとも寒気がとれない。頭が蠢いて、抜け出したベットに吸い込まれるように倒れた。
今日、先生と一緒に歩いて出会った人達のことを考えだす。彼と一緒に食べた店の店員、取材で話しかけた学生。暴れていた不良、一瞬視界に入ってすぐに抜けた記憶に残らない市民の人々、今日出会った誰かと、元宮チアキが知らないうちに入れ替わっていることを願った。彼に拒絶された魅力のない人間は私じゃない、きっと誰かだった。そんな自己中心的な現実逃避なんて、あの人が最も嫌う物なのに、それでも逃げたかった。
完全にいつものポジティブさは深い目覚めない夢の底に溺れて、代わりにどうしようもないほどの不安感にコーティングされたネガティブが昇ってきている。
押し殺した誰かの声が部屋に響いている。腐ったパイナップルみたいな刺激臭がどこからか流れてきて、閉じている瞼を貫いて刺激しているから涙が止まらないんだ。吐きそうで出るえづきを抑えようとしているからこんな声が出るんだ。吐き出して仕舞えば楽だ。必死で暗示して泣くことを肯定しても私は泣けずに、声はずっと押し殺されている。
きっとあともう少しで先生が帰ってくる。今泣いておかないと、彼が来た後で涙が溢れ出したところで、どうしようもないから。軽かった体は重くしく感じられて、ベットから動けなくなる。シャワーで考えていたことが、今になって気持ち悪くなってきたて、心臓に爪を突き立てられてるように胸が苦しい。
脳裏に浮かぶ先生の姿が人形になっていく。押し込んだり、ボタンを押したり、紐をひっぱたりすると何種類かのセリフを繰り返すおもちゃの人形。私が欲しかった先生は人形なわけないのに、頭の中の私は狂ったようにセリフを流す。
チアキ、おはよう。チアキ、いい天気だね。チアキ、今日も元気だね。チアキ、好きだよ。
チアキ、愛してる。チアキ、チアキ、チアキ、チアキ、
ああ、もうこのまま、こんな記憶も意識もどこかに押し出されて溶ければいいのに。
ずっとそんなことを考えながら、先生が戻ってきたのか何もわからないままに静寂の暗闇に揺蕩っていた。
太陽が昇り始めて、磨りガラスが一面銀色に輝いている。光を細かく刻んだガラスは海辺の水平線の遠くを見つめると見える輝きに似ていた。時刻は5時45分。つい先ほど起きた時、先生はこの部屋にはいなかった。朝にシャワーを浴びていたり、トイレで用を足してもいなかった。
まるで悪い夢を見たようだと、すっとぼけていればどれほど幸せだっただろうか。深く寝転んだ跡の付いたソファと、そしてテーブルに置かれた一枚のメモ用紙。
メモ用紙は、私のメモ帳から一枚切り取られたもので私は昨日メモ帳から紙を千切った記憶はない。つまり彼が部屋を出る時に残した書き置き。
「ひどい大人だよ……忘れてた方が楽なのに……」
窓の光を見ながら、左頬を持つ。眠っているうちに引いたらしい寒気がまだ微かに残っているのか、冷たかった。エアコンは消されていて、空気は次第に暖められていってる。冷蔵庫からペットボトルに入った水を取り出して、それを唇に差し込む。渇いていた口内がさっと洗われて、少し落ち着いた。
落ち着いて、決意の固めた私は窓辺から離れてテーブルに向き合う。太陽の光が長方形のボックスになってる場所に手紙が置かれており、ちょうど反射して何が書かれているかは覗き込まない限りは見えない。
腕を伸ばして捲るようにメモ用紙を取った。
『たのしかったよ』
無意識のうちに完成していた呼吸のリズムが崩れた。タイミングがズレる事を意識した。修正しようともう一拍間をおいて息を吸い込む。思いっきり吸い込んだはずなのに気道でも塞がれているのかほんの少しの空気しか入ってこない。次の呼吸はさらに大きくズレた。私はこの一瞬で息の仕方を忘れてしまった。
呻きが止まらず、涙が溢れてくる。昨日願った泣きたいと言う思いが周回遅れで今頃脳に届いたようだった。
「なにがっ……いけなかったんですか……!」
崩れ落ちてつぶやいた問いに答えてくれる人間は部屋からすでに出ていった後だ。問いの意味さえ私にはわからない。
たのしかったならどうして私を求めてくれないの
たのしかったならどうしてまた行こうって書いてくれないの
たのしかったなら、どうすれば、あなたを
私は16にしてきっとこれからの人生全てを含めて泣く時間より、沢山泣いた。
エレベーターから降りるとすぐに、冷たい床の感触が、細かいところまで足の裏に伝わる。白いタイルにペタリ、ペタリ、どうしても足音が灯りの消えた廊下に響いて、その度に廊下から誰か来ないか怯えている。先生のいるオフィスまで、いつもなら近いはずなのに、今日だけはとても遠く感じた。
奥から風が吹く。コートの裾が開かないようにがっちり掴みながら身を屈める。ほとんど裸と変わらないコートの下に風が入り込んで風が私をよく冷やす。その震えが私に良くない悦びを与えている。体が熱くなって、息が上がる。
「はぁ……はぁ……」
なんで私はこんなことをしているのだろうか。本当に、先生との関係が戻れなくなるかもしれないのにどうしてこんなところにまで来てしまったのだろうか?
振り返ると、始まりは一度先生に拒絶されて泣いたあの日から少し経った後だ。私の様子がおかしいと思ったイロハちゃんがみんなに相談して話し合いの場を設けてくれた。
私はイブキちゃんだけ席から外してもらってからあの日のことをみんなに話した。先生を誘ったこと、拒絶されたこと、置き手紙のこと、そして先生がどうして私を拒絶したのかがわからないくて、ずっと考えていることも。
『やっぱり私に魅力がなかったせいなのかな……』
悩みを打ち明けられてスッキリはしたがまだどんよりとした気分に包まれてる私がため息混じりにつぶやいたこの発言に何故かみんなが反応してすごい否定をしてくれた。
マコト先輩は
『貴様の魅力は週刊万魔殿を通じてゲヘナ中にしられてるぞ!』とか言うし
サツキ先輩は
『私のNKウルトラ計画があればより魅力的になるわ』とか宣伝するし
イロハちゃんに至っては
『どうせカッコつけただけです、もう一回押せば堕ちますよ。次チアキ泣かせたら虎丸で吹き飛ばしますし、当たって砕けろ。です』とか物騒なこと言って応援するし
まあでもお陰で元気は復活したし、吹っ切れはした。
『ありがとう皆さん!私頑張ってみます!』
そしてみんなが協力してくれると言ってくれて、あれよあれよと……
「なんでこんな格好に……!!!」
コートの一枚下には黒色の花の刺繍が施されたランジェリーしかない。しかもそれはかなり過激なデザインで、ブラの方は乳首と乳輪以外丸出しで布一枚ずつを紐でくくりつけているようなもの。パンツに至ってはおまんこ周りがぱっくりと割れて布が存在しない丸出しスタイル。完全に痴女だ。
ここに来る時に虎丸でシャーレのビル前まで送ってくれたイロハちゃんはサムズアップして私に言った。
「チアキやっぱりそう言うどすけべなの似合いますね。選んだ甲斐があります」
あの顔はもう衝撃的だった。と、回想しているうちについにオフィスのガラス扉の前に辿り着いた。透ける中を覗けば先生のデスク周り以外に灯りは付いておらず人はいなさそうだった。できる限り音を出さないように慎重に扉を開けて侵入する。
オフィスからは先生とコーヒーの匂いがした。先生のデスクに忍び足で近づくと黒い液体から湯気が立ち昇っている。椅子に触るとまだ生温かい。
ぴちょん
唐突にオフィスに水滴が空虚に響く。それは私の股から垂れた愛液であった。
(わぁ〜〜!?ヤバいヤバいヤバい!すっごく興奮しちゃってる……!イケナイことだからかな……触ってないのにもう濡れてる……じゃなくて!拭かないと流石にバレる!)
内股になりながらデスクの上のテイッシュをとって床を拭き、そして流れるように机の下に隠れた。みんなが考えてくれた作戦はこうだ。
まず最初にコートと下着だけでシャーレビルに潜入しオフィスに入り込む、次に先生のいない隙を見計らって机の下に、最後に帰ってきた油断している先生を襲う……
(いや完全にレイプなんだけど!!?どういう作戦なのこれ!?)
果たしてどうしてこうなったのか、先生が帰ってくるまでもう一度回想しようとしたが扉が開く音が私の耳に届いた。
来た。彼が来た。革靴の足音が聴こえる。何も知らずにのほほんと歩いてこちらに向かっている。先生が近づいてくることを想像すると身体の火照りがより強くなる。上がる息を押さえて、気配を殺すことを意識する。
先生の足が見えた。革靴の乾いた音がこちらをじっと見つめている気がして、冷や汗が垂れる。椅子に大股びらきで座った先生は足を動かして椅子を机に近づける。私は閉じ込められるより速く動いて机の下から飛び出した。
“え?は?ええええ!?……えぶっ”
いきなり飛び出てきた私に向かって叫ぶ先生に抱きつくように覆い被さる。私の胸の位置に顔があった先生が抜けた声を出した。椅子に飛び乗ったせいか前のキャスターが浮いて、椅子全体が傾いていく。
2人分の体重をかけられてバランスを取れるわけもなくそのまま椅子は横に倒れた。その瞬間に先生が痛そうな声を出した。
「ごめんなさい!大丈夫ですか先生!?」
先生を押し倒したまま安全確認をする。私の胸に顔を埋めた先生はもごもがと口を動かしている。息がコートの中に入って素肌に染み込むようで、体が震えた。
“えっほ……ひはひ?”
「……っ……あ、どきますね」
“なにこれ……?夢?寝てたかな……”
胸を上げると顔を真っ赤にした先生が現れた。倒れた椅子に乗り上げる形で私が先生を押し倒している。彼はあまり状況を理解していないようで夢か何かだと思っている。現実に引き戻すために唇をかさねた。
“!?”
驚いた表情で先生の顔が固定される。その顔を両手で挟み込んで私の表面に向ける。そのまま私が唇に近づきながら一言
「嫌なら噛んでください」
“まっってチアっ……!?”
止めようとした声を無視して無理やり口の中に舌を捩じ込む。先生は舌が捩じ込まれた瞬間目を見開いたが噛みはしなかった。先生の口の中に私の唾液を流し入れながら白く濁った水飴を作るようにグルグルと舌を回す。ぐるぐると舌を回すうちに歯や歯茎を舐めていたり、先生のザラザラした舌と重なり合って先生の匂いが私の中に入り込んでくる。
「んっ♡……れぷぅ……♡ぱ……ぁ♡」
しばらく舐め合っていると先生の口に端から練ってできたドロリと白い水飴みたいな唾液が一気に顎まで流れる。それを指で掬い取ってコートの下でぐちょぐちょに濡れた膣内に馴染ませるように指を入れる。
「んっ♡んっ♡れろっ♡はぁ……んぷぅ♡」
舌が爛れるように熱い。また新しい唾液を舌に擦りつけながら回す。身体も熱くなってき乾燥してしまいそうだ。指が曲げるたびに痺れる感覚が一気に体内を巡る。痙攣して、早くもイッてしまうのだと思った。指のスピードが上がり思考があやふやになる。
「ごめんなひゃいへんへぇ♡ちょっといきまふ♡あっ♡はっ♡んっ、ん〜〜〜っ♡」
身体の中心からきりもみされるような快感が広がる。二度、三度痙攣しながら潮を吹いて床を汚す。白いタイルと椅子の支柱に潮がかけられ、水たまりができる。私は絶頂を感じながら抵抗しない先生の舌を根っこから吸い上げる気で吸っている。唾液がどんどん流れてきて、それを嚥下する。
吸い尽くして唇を離すと飲み込めなかった分の唾液がポトポト先生の胸に落ちる。
椅子をどかして先生の硬くなった股の間に尻を置いた。コートのボタンを一つ一つ焦らすようにはずして最後に露出狂がやるみたいに中身を曝け出した。
「先生……私ずっとあの日のことを考えてたんです。なんでだろう、どうしてだろうって。それで考えて、今、わかりました。だから……」
言葉の途中で指のジェスチャーを使い先生は遮った。かと思えば先生が少し動いた次の瞬間、私は押し倒されていた。
「………あれ?」
素っ頓狂な声が出て、タイルの冷たさが首筋に直接触れる。暗闇でも先生の顔がよく見えた。その顔は優しいけど、どこか怖い顔をしていた。先生の手が頬を撫でて、流れるように私の髪に移動してそこを撫で始めながら口を開く。
“この前はごめんね。チアキ”
「いえ……」
“私は嬉しいよ。チアキが一度は拒絶した私のことをここまでおもってくれて……だから。私は覚悟を決めたよ”
盛り上がったズボンのベルトを緩めて、ホックを外しそしてパンツを下ろして先生はそのペニスを私の前に曝け出した。まさに言葉通り雄々しくイキリ立っており始めてみるペニスに私は息を呑んだ。
(なにこれ……でっっっっっか♡すごっ♡え、大スクープだ!今すぐ写真撮らなきゃ……)
“チアキ”
「っっっ♡!?」
先生のペニスの先端が私の臍の穴あたりに乗せられた。たったそれだけで全身が痺れて身体からはたりと力が抜ける。子宮の存在する位置が疼き始める。圧倒的なペニスに身体が今までにないほど興奮して愛液を急速に分泌させている。
”コートの一枚とこんなエッチな下着だけでここまで来たの?“
私は恥ずかしくなって声を出さずに頷く。先生が私の腰を持って立ち上がって机の下まで移動した。逃げ場のない角に追い詰められて私の身体はさらに熱を上げる。先生の反りたったペニスが私の膣内の入り口の前で待機している。
おそらく私は今からコレに雌にされる。抵抗もできずただイカされて孕まされるだけのメスになる。恐ろしいことのはずなのにどうしてこんなに楽しいのだろうか。
「ご……ごめんなさい先生ぇ……♡こんな格好で先生を誘惑する悪い書記に……♡オシオキしてくださいぃ……いいいい♡!?イッッグ♡!!?」
あまりに太いペニスが膣内を押し広げて、肉が裂けるような音が聞こえてくるたびにその振動が絶頂へと導く。すでに今まで経験したことがないような大きな快楽の波に頭を壊されそうになる。挿れただけでもう視界が潰れそうだ。
「はぁ♡うっ……やっばいぃぃ♡先生……チンコ……おっきすぎです♡」
”苦しくない?“
「はいっ♡ぜんっぜん問題ありませんので、本気♡お願いします♡」
その一言で先生の纏う雰囲気が変わった。
”言ったね“
先生ががっしりと私の腰を掴んで大きく自分の腰を引く。先生が腰を振ると膣の奥にあるポルチオが潰れてぐにゅりと変形する光景が浮かび上がった。
「お゛っ゛ぉぉぉ……♡おぉ〜〜〜……♡」
(死ぬっ♡ひと突きされただけでバカになるっ♡壊されちゃう……♡)
きっと今人に見せられないような顔をしているだろう。何か頭の中から溢れ出しそうな感覚でずっと閉じ込められている。それは快感の発散が追いついていないのだと知れるほどの理性は残っているない。先生がまた腰をふる。今度は深くない、連続した腰振りだ。
「んお゛っ♡!あ゛っ♡お♡ ん゛う゛っ♡!?」
「ほ゛おっっ♡!!おっ……♡う゛う゛ぉ♡……!」
私はひたすら動くこともできずに先生のペニスに貫かれている。ペニスが膣内を押し広げて、奥のポルチオを潰すたびに視界が潰れていく。焦点が合わなくなって、自分の居場所から意識が離れていく。
”まだまだいけるよねチアキ?“
「はあっ……あ゛ぁ゛♡!まだ……まだいぐっ♡!?お゛お゛ぉ゛♡!?イギま゛す゛♡!!イグゥ♡!?!!」
突かれるたびに潮を吹いて身体の水分が減っていく感覚は、確実に死が近づいているはずなのにそれ以上の快楽で怖さを微塵も感じない。一度体勢を変えるためかペニスを引き抜き私の尻を回して先生の方に突き出させ、平手で尻を叩いた。
「ん゛っ゛♡!?」
”へばるには早いよ“
「せんっ……せっ……おぉ……♡この体勢っ♡恥ずかしいですよぉ♡」
嫌がるような口ぶりをしても、私の体は先生に向けた尻を左右に振って彼を誘っている。すごく恥ずかしいのに、それに対する羞恥心を感じないのは、完全に心を屈服させられている何よりの証拠だ。
「んっ♡ふっ♡この体勢……さっきよりチンポ感じるっ♡あ゛……♡?あ゛ぁ゛〜……♡」
ペニスが再び入ってきた瞬間、どうやら私は絶頂に達したようで、腰をカクカクと揺らして、震えている。低い声でうめきながら、自分がイッタのかさえ曖昧になっている。先生は腕をツノに持っていきガッチリと掴んだ。
「ん゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ……♡ごれっ♡奥っ♡子宮の中まで入ってる……♡!?お゛お゛お゛♡!!!」
ツノを掴まれながら身体を引き寄せられて、先生のペニスの先端が子宮の奥に入り込んだ。臍の下あたりから異物感と異様な暑さ、そして突き上げられて直接伝わる快楽で、もう膝立ちもできなくらいに体全体が震えている。
「いくっ♡またイクッ♡んおっ♡おっ♡〜〜〜〜っ♡!!?」
私は腹這いに寝転んで、先生はお尻を潰すように体重をかけたピストンをする。子宮の中にまで入り込んだペニスが出入りするたびに頭の中で何かが弾けたり、壊れる音が聞こえて、私は彼の言いなりの人形になっていく気がした。
先生の腰振りがいっそう早くなってもはや言葉を組み立てることもできずに私は彼が生温かい液体を吐き出すまでひたすら喘ぎ続けた。
「んうっ♡!お゛っ♡お゛ぉ゛♡!」
「お゛っ♡!?お゛っ〜〜〜〜っっ♡!!」
「おっ♡ほっ♡ほっ♡いぐっ♡!!イクイクイクイク……♡イ゛グッ゛♡!!?!!?」
そして吐き出した精液を全体重をかけられて身体の一番奥に流し込まれる。それはさっき達したオーガズムの衝撃とまた違う引いて返す波のように繰り返し絶頂を体験させる。
「お゛〜〜〜っ……♡お゛っいくっ……♡」
「ほぉ〜〜〜…………♡」
ペニスが引き抜かれても快感の波は止まらない。先生は私の体をひっくり返し、上半身を起こして抱きしめた。
”お疲れ様チアキ。これからもよろしくね“
「お゛へぇ……♡……イギュッ……♡」
“……ごめん。やっぱまだ足りないかな”
先生が上半身とお尻を持って私を抱き抱えた。足取りはオフィスの外を目指している。確かこのフロアには仮眠室があったはずだ。先生の顔は完全にスイッチの入った雄の顔になっておりまだまだ全然物足りないらしい。
その顔を見て、これからさらに抱き潰されると言うことを理解した。
「……へ?え嘘ですよね先生?無理ですよ!?聞いてます!?先生!先生〜〜〜!?」
身体全部が痛いと言うのに、ぼんやりと差し込んできた日のせいで意識が戻ってきてしまった意識が戻ってきてしまった。頭のそばに盛り上がった黒いシミに見えた、丸められた私の下着があった。布団は独特の臭いが出ている。私の背中の流れに沿って髪が貼り付いている。腰の窪みには汗が溜まっている感覚がある。
ベトつく皺のついたシミだらけのシーツに手をついて体を起こす。知らない部屋だった。シンプルで、簡素な知らない部屋。でも窓の外を見るとそこはシャーレのオフィスから見える景色と違いはあまりなかった。
おそらく仮眠室のベットから抜けて、裸のまま地面に立つ。ローテーブルには白いシャツが畳まれていた。私はそれを見た瞬間、どうぞ使ってくれ、と言われている気がしたので、着た。
サイズが全然合ってなくて、ブカブカなシャツは先生の匂いがする。先生の匂いが脳に届いて、昨日この部屋での情事を思い出した。
月光に照らされながら、ただただ先生から与えられた快楽に狂って、獣みたいな汚い喘ぎ声を叫んでいた、一方的な支配とも言えるセックス。思い出すだけで体が火照る。
“起きたんだ。おはよう”
「先生……」
コーヒーの匂いと共に先生が部屋に入ってきた。手には二つのマグカップを持っていて、一つを私に差し出した。それを頂戴して、啜る。ブラックで苦かったが、すんなり飲めた。先生は自分のシャツに包まれた私の姿を見ると、可愛い、と呟いてその後に苦笑した。
「どうしたんですか?」
“いや、昨日は名前で読んでくれてたのになって”
「え」
“あれ、覚えてないの?”
「ごめんなさい……ちょっと……」
昨日は仮眠室のベットに放り込まれた後の記憶は本当にあやふやだった。確実なことは私は先生の手であられもなくイカされまくったことだけだ。その時に放った言葉や喘ぎは何一つ覚えておらず、気持ちよかったことだけしか覚えていない。
それでも思い出そうと頭を回していると先生が優しく私を抱きしめた。
「え……っと……先生……!?」
“静かなチアキも可愛いよ”
「なんか先生今日近いです!」
“嫌?”
「そんなわけないじゃないですか……でも……!
“ねえチアキ”
“私は情けないし、ビビリだし、失敗も多い。でも責任は取るよ。これからも、よろしくね”
抱きしめながら先生の手は私の頬に触れた。先生の目は真っ直ぐにこちらを見据えて、明るかった。私は体が寝起きなのに熱くなりっぱなしで、顔を俯かせながら静かの頷いて、それを了承した。このスクープはしばらく誰にも知らせないつもりだ。
“そういえば服どうしよっか?”
「あ〜……イロハちゃんに持ってきて貰いましょうかね……」
やっぱりすぐに広まるかもしれない。