シズカの性癖
春の訪れと共に深い雪は解け、道路上にはまばらな残雪が薄っすらと見えるのみになったある日のことだ。
この状況であれば多少の距離は問題なく移動できると判断した俺は、徒歩で国道沿いにあるコンビニまで物資調達のために向かった。
残雪に足を取られて下手な怪我でもしないようにとシズカが靴に着けておいてくれたゴムバンドが想像以上に滑り止めとして役立っている。
転ばないようにと雪を踏みつぶしながら麓まで歩いて二時間、ようやくたどり着いたコンビニ店舗の外観に大きな異常は見られなかった。
電気が止まっているせいで半開きになっている自動ドアから中に入ると、そのせいで埃が宙に舞ったのか目に刺すような痛みが走る。
「ゲホっ…!ゴホッ!あ~やっちまった」
埃塗れの店内から避難する為に一度外に出ると、電気の停止により止まっている自動ドアを無理矢理引っ張って全開に開き切ってしまう。
脱いだコートを使って大きく空気を仰ぎ換気を済ませながらコンビニに立ち入って周囲を見渡すと…予想はできていたが店舗内にあった商品はごっそりと抜かれているようだった。
残っていたのは緊急時には必要がないモノだと思われ放置されたままの目覚まし系カフェインドリンクが数本。そしてあの日から日付が止まったままの雑誌が少々あるのみ。
包まって暖を取ることや最低限の寝床にも使える利便性の高い新聞紙は既に全て持っていかれてしまったようだ。
こういった雑誌類を燃やすのはあまり体によろしくないらしいので火種には利用できないが、掃除用具としての使い道はありそうなので回収していく。
結局雑誌だけで背負ってきたザックの中がパンパンにしてしまった。
窓際の白いラックに残されたまま埃を被った雑誌を取り上げ、その表面をパンパンとはたくと
表紙にはきわどい水着を着た美女がポーズを取って笑っている写真と芸能関係の下世話なニュースが目につく。
…どうやらこれは成年誌だったようだ。
「はぁ…成果がこんなもんじゃ次はもう来なくていいかもな」
成年誌をページを適当に捲り、パラパラと流し見しながらそう呟いた。
わざわざ時間をかけて危険性のある場所まで出てきておいて、この程度の成果ではなかなか割に合わない。そう考えていたところで…俺の雑誌を捲る手が止まる。
「あ…いや。これはなかなかいい事思いついたかもしれねぇわ」
そう独りごちた俺はザックを背中に担ぎ上げ、重量も気にならないほど軽快な足取りで住処へと戻った。
――――――――――――――――――――――
翌日、俺とシズカは真昼間からベッドルームに引き籠っていた。
これからやろうとしていることには最低限の明るさが必要なので日が昇っているうちにやる必要があるからだ。
「それで?こんなものを用意して昼間からいったい何をするつもり?それにわざわざストーブまで点けて…そこまでして薄着になる意味があるのかしら」
正面に立つ俺に対してそう辛口で述べるシズカはベッドに足を組んで腰かけている。服装は春先だというのにピンクのタンクトップとショートパンツの軽装だ。
「なにってナニに決まってるだろ」
俺の返答を聞いたシズカは「はぁ…」と、俺たち二人を挟むようにして立てられている三脚を見ながらこちらに良く聞こえるように露骨なため息を吐いてみせる。
不機嫌さを隠そうともしない彼女の口端は若干の怒りと呆れでひくついている。
そんな彼女の機嫌を気にすることもなく俺は手に持っているビデオカメラの電源を入れると三脚に固定すると、撮影を開始した。
「じゃあ自己紹介をお願いできる?」
「なんで今更…」
成年誌から着想を得ていわゆるAVがIV撮影の真似事をしようと思ったのだが、俺の指示に対してシズカは怪訝な顔を浮かべている。
…もしかしてAVを見たことがないので所謂「お約束」というものを知らないのかもしれない。
「いいからいいから、まず名前と職業を教えてくれるかな~?」
「三日月閑…元は外資系の金融会社に勤めていたわ」
「へぇ~シズカちゃんって言うんだ、可愛い名前だね~。金融マンってことは勉強できるのかな~」
「はいはいどうも………というかその喋り方はなに?ちょっといつもと違い過ぎて気持ち悪いわよ」
わざとらしい煽て文句にシズカが辛辣な言葉を返し、表情は更に険しくなっていく。できればもう少し砕けた感じでインタビューを……いや、ここは少し方向性を変えよう。
俺はビデオカメラを三脚から外して手に持つとベッドの方へ近づき、彼女の隣に座りなおした。
「次、年齢は~?」
「今年で27、まぁこの社会じゃ年齢なんて気にしても仕方ないことよ」
う~ん、まだ返事が硬い。俺は彼女の肩に右手を回すとそのまま引き寄せ、左手で彼女の胸を鷲掴みにした。
「ちょっ…!」
俺の突然の暴挙に彼女は反射的に胸を揉む手から逃げだそうと腰を浮かし後ずさるも、しかし逃がさないために背中に身体を密着させていたのでそれは叶わない。
さすがに彼女はもう諦めたのか、こちらをジト目で睨みながらも抗議の声は飲み込んだようだ。
「はぁ……最低、もう好きにして……」
「じゃあお言葉に甘えて…身長とスリーサイズをお願いできるかな~?」
そう言いながらタンクトップから覗く彼女の胸の谷間にカメラを向けた。
俺が現在進行形で揉んでいるせいで胸はぐにゅぐにゅと変形し、シワができた服の隙間からは鮮やかな緑色をしたレースのブラジャーがはみ出ている。
「身長158cm、スリーサイズは…ねぇ、これセクハラだってわかってるかしら?」
「いやいや。気持ちを盛り上げるための最低限の会話でしょ会話」
ブラの縁に指を引っかけて肩から抜くようにひっぱると、押さえつけられていた乳房がぶるんっと勢いよく飛び出て…
タンクトップを押し上げる豊満な胸とツンと張った先端の突起を画面に収めることができた。なかなかのベストショットだ。
俺は下着から解放されてたわむそシズカの胸を揉み続けながらインタビューを続けていく。
「……81・56・88よ、これで満足?」
「はぁ~…よく運動してるからケツの方がデカいのか、やっぱお前エロい身体してるよな」
「お尻の大きさを聞いて急に素に戻らないでくれないかしら?」
尻がデカいことを気にしているのかそれを指摘されたシズカの顔は不機嫌さを隠そうともせず、その口端は若干の怒りで吊り上がってひくついている。
あと、インタビューもののAV男優っぽく振る舞っていたがやっぱり違和感しかないから口調に戻すことにした。
そんな彼女の様子も無視して黙ってカメラを上半身から下半身へ滑らせる。そして胸を揉んでいた手を彼女のショートパンツの中へと突っ込んだ。
尻を撫で回しながらぐにっと指をめり込ませると、胸より固く引き締まった尻肉は指の力に従って形を変えながら気持ちいい弾力を手に伝えてくる。
「ちょっと、いつまで触ってるつもりよ……」
「はは、もう待ちきれねぇか?じゃあシズカちゃんのデカケツを御開帳だ」
「あなたね…。はぁ…どうせダメって言ったってヤるんでしょ。もう自分で脱ぐから」
怒りを通り越して呆れた様子の彼女は自分の意思でゆっくりと服を全て脱ぎ捨てていき最後に足から抜き取ったショーツをベッドの傍へ放ると
彼女は俺の前に腰かけ、目の位置を合わせると真っ直ぐこちらに視線を向けた。
「次は何をすればいいの?撮られてあげてもいいけど、あまりくだらないことには使わないで」
そう言いながら見せた彼女の笑顔はどこか挑発的だ。
俺はカメラを隅に置きやるとシズカの胸を掴みなおして押し倒す。出会った時よりも少し伸び、彼女の肩にかかる長さになった髪がベッドへと放射状に広がった。
勢いのまま覆いかぶさりながら仰向けのままポカンとこちらを見上げてくるシズカの唇を奪い、口内を犯すように舌を挿し込む。
「んっ…ふっ…はぁっ♡…ねぇ、もう撮るのはやめるの?」
口に籠った熱気を吹き上げながら不思議そうにそう問いかけてくる彼女に対して俺は「やっぱ邪魔になった」と短く答えると、再び舌同士が触れ会う濃厚な口づけが始まり
舌の形を確かめるように互いに這わせ合えば唾液が口の中に入り込み、ぐちゅぐちゅと淫猥な音をたてながらかき混ぜられていく。
「んちゅ♡……はぁ……ぷはっ!ちょっと待っ……んんぅ!」
言葉を遮るようにまた口を重ね、今度は舌を伝えて口内に溜まった唾液を口内へ流し込んでやった。
シズカは流し込まれた俺の唾液を吐き出そうともせずに喉奥で受け止め、ゴクリと喉を鳴らしながら従順に飲み込む。
唾液の橋を作りながら口から口を離し短い呼吸をあげる彼女を見ると、なんともだらしくなく口元に涎を垂らせて内股をモジモジと擦り合わせながら熱く蕩けた顔をこちらに向けていた。
「はぁ……♡はぁ……♡…いきなりは止めて♡…驚くっ♡…はぁ♡…から」
唇から頬に垂れている涎を舐めとりながら、そのまま首筋へと舌を這わせていく。
汗で少ししょっぱくなった首筋をくすぐると「あぁっ…♡」と艶のある吐息を零す。
シズカの既に期待に濡れた目ともどかしそうにくねらせた肢体を見た俺は彼女の胸を掴んだ手に力を籠め、いいように揉みしだきながら上を向いて隆起した乳首を手のひらで撫でた。
手のひらが根元から乳首を擦り上げる度に彼女は堪らないと言った様子で腰をひくつかせる。
「はっ♡……んぁ♡……ぁっ♡」
俺が名残惜しくもシズカの胸と尻を鷲掴みにしていた手を離し、一気にズボンを下ろしたところでベッドの片隅に転がっているビデオカメラを思い出し、右手を伸ばして拾い上げる。
そして右腕を上に投げ出し、左腕で顔を隠しながら肩で息をしているシズカの股をゆっくりと開いた。
右手に持ったカメラのレンズに彼女の女性器がしっかりと映る。それを満足いくまで撮影してから全身を舐めるようにカメラを添わせていく。
「んっ♡……はぁっ♡……ちょっと!…はっ♡それはっ♡…恥ずかしいっ……♡」
「まぁまぁ…こういうの、割と嫌いじゃねぇだろ」
この数か月の間で気付いたことだが、どうやらシズカには羞恥心を煽られると興奮してしまう「癖」があるようだ。
その証拠に、彼女は顔を真っ赤にして嫌がりながらも彼女の秘部は淫液を流し潤っている。
…そろそろいいだろう。ビデオカメラに気を取られてしまったせいで晒しっぱなしになっていた自分のモノを秘部へとあてがった。
そして、ゆっくりとめり込ませ……先が挿入ったところでグッと腰を突き出して一気に奥まで挿入する。
「んくあぁっ!!♡……ダメぇっ♡♡……んっ!♡」
その瞬間、シズカは身体を弓なりに仰け反らせながら嬌声を響かせる。
既に熱くなっていた彼女の膣内はきゅっと締まり、腰を前後せずともペニス全体を包み込むように肉ヒダが絡みついてきた。
…快感と共に肩への僅かな痛み。シズカが何かに耐えるように俺の肩へと甘く噛みつく。
これも何度もセックスを繰り返している内に気が付いたことなのだが、シズカはこうして痕を作るのが好きなようだ。思ったより独占欲が高いのかもしれない。
まぁ、独占欲を向けられるのはこちらとしても嫌な事ではないので好きなようにさせてやろう。
「ふっぐっ♡……んっ♡……もっ…♡うぃっ…!♡♡」
俺がゆっくりと腰を動かし始めると、それに比例するようにシズカは鼻から抜けるような声を漏らしながら肩に噛みつく力を強める。
体重をかけて腰を打ち付ける度に彼女の形の良い胸はたぷたぷと卑猥に揺れながら目を楽しませ、突かれた膣奥が変形するが、嬌声は止まらない。
……そして、ブルっと身体を小さく痙攣させた。
「あっ♡あっ♡あぁっ♡♡……イくっ♡……イクっ♡♡」
徐々に激しくなるピストン運動に絶頂感が近付き、シズカは組み敷かれながら背中に手を回してぎゅうっと強く抱き着くと
その膣内が今まで以上に強く締まり、自分の形に合ったペニスから精を搾り取る為にぐねぐねと蠢動した。
「はっ…ぁん!♡♡やっ♡ぃあっ♡……グッ♡……ほっ♡……くうぅ!!♡♡♡♡」
「ぐっ……!」
シズカの口から奏でられる淫猥な喜悦の声と、精液を求め絶頂した膣内の刺激に耐えきれず思わず俺も声が漏れてしまう。
そして俺は熱を受け止めながら身体を痙攣させ、彼女の一番奥に突き込みながらドクドクとゴムの中に精が注がれた。
長い射精が終わった後、彼女の膣内からペニスを引き抜くと水風船のように精液がみっちりと膨らんだコンドームが垂れ下がる。
その排泄感にシズカは「んっ…」と呻いたものの、絶頂の余韻が続いているのか仰向けに倒れてしまったまま動かない。
もはや互いの裸身はどちらのものとも知れない汗塗れでべとべとになっており、肌は熱く火照り上がっていた。
「あーさすがに疲れたなぁ……」
思わず欠伸をしてしまうほどハッスルしてしまった。そそくさとハメ撮りしていたビデオカメラだけ片づけると俺の意識は暗転し、そのままベッドに倒れた。
数時間後、俺の隣に寝転がりながらで憮然とした顔で見つめてくるシズカに「ベッドの汚さ」についての説教を食らったのはまた別の話だ。