夏と言えば海、そんな風に考える人も多いだろう。
事実、この季節は海水浴場が賑わい、海で遊ぶ人たちが大勢いる。
しかし、海が嫌いという者もそれなりに存在する。海水でベタベタするのが嫌、砂浜が熱くて嫌、潮風が嫌などなど。嫌いになる要素はそれなりある。
そういった理由から、海には行きたくないが冷たい水で気持ち良く泳ぎたいという面々が集まる場所。それが今俺の歩いている場所──プールだ。
「ちょっと! アリス! 貴女、燦徳くんに密着しすぎよ! はしたないからやめなさい!」
「何よ! えりな! 私は燦徳くんに紳士的にエスコートしてもらってるだけじゃない!」
両手に花──と言うには、手に余るほどの女に挟まれていた。
食の魔王と恐れられる『薙切家』の令嬢、薙切えりなと薙切アリス。
女優ですら比較にならない顔面偏差値とグラビアモデルにも引けを取らない抜群のスタイル。そんな絶世の美少女を二人侍らせながら歩くプールサイドは最高だ。
すれ違う男たちはまず確実に二人を二度見し、その後俺に対して憎しみの視線を向けてくるのだ。これが笑わずにいられるか。
まあそれでも、盛った猿のような視線を向けてしまうのは理解出来る。
アリスもえりなも魅惑的な身体でビキニを着用しており、露出が多いにも関わらず上品な色気を放っている。えりなはまだ上着を羽織っているが、それはそれでエロいのでヨシ。
「まあまあ、薙切さん。せっかく遊びに来たんだから、仲良くしようよ。アリスさんも、そんなに引っ付かれると俺も恥ずかしいからさ。手を繋ぐ、とかにしない?」
「むーっ、仕方ないわね」
「……まあ、それなら、良いけど」
俺の左側を歩きながらアリスに怒鳴るえりなを柔らかく宥める。確かにエスコートと言うには腕に胸が当たりすぎだ。俺としては文句など無いし、むしろありがとうございますなのだが、えりなの機嫌を損ねるのは避けたい。
「さっ、この辺で良いかな。パラソル立てちゃうね」
アリスに誘われて来た今回のプールイベント。
男は俺が居るからということで、アリスのお付きである黒木場は屋敷に置いて来ていた。カレーの試作をしたいと言われたので、置いていく判断にも迷いはなかったのだと。
アリスは既に選抜予選でどんな品を作るか決めているようで、暇だったから遊びたいと今回のプールを企画したらしい。俺も当然料理の試作なんてしていないし、えりなが参加すると聞けば断る理由なんてない。この二人の水着が拝めるなら、どこにだって飛んで行く。
正直、黒木場が居ないのはかなり嬉しい。こんな贅沢なハーレムを味わえるのなんて、薙切家の関係者を除けば俺ぐらいのものだろう。
何十人ものSPが至る所で目を光らせていなければ、それこそ言うこと無しだったのだが。
「ありがとう。燦徳くん。──ところで、えりな? いつまで上着を着ているつもり?」
「わ、分かってるわよ……」
アリスの指摘に、えりなが恥ずかしそうに上着のチャックを下へ降ろした。隠されていた胸元が露わになり、周囲の男たちから一斉に視線が集中した。
アリスよりは健康的な肌色の身体に、紫色の水着がとてもよく映える。色が濃いからか、スタイルもより一層美しく見えた。
「よく似合ってるね。薙切さん」
「ええっ!? ……あ、ありがとう」
「私はどうなの? 燦徳くん」
「さっきも言ったでしょ? とても似合ってますよ、お嬢様」
「ふふんっ。何度でも褒めて良いんですからね」
パラソルの設置も終わり、拠点が完成した。これでプールに入る準備は整ったのだが、今回訪れたのはまさかの市民プール。大混雑とまでは言わないが、それなりに人は多い。いくつかあるプールのどれに入るか、慎重に確認した方が良いか。
「行くわよ! えりな! 燦徳くん!」
「あっ、ちょっと! アリス!」
「おおっ、マジか」
などと考えていると、アリスに手を引かれ近くにあった流れるプールに勢い良くダイブ。飛び込みはマナー違反だろうが、幸いなことに怒られはしなかった。丁度人が少ないタイミングで助かったな。
「あはっ、冷た〜い! えりな、隙ありよっ!」
「い、いきなり水をかけないでっ! このっ!」
バシャバシャと水をかけ合う薙切ズ。美少女たちが戯れる光景は眼福以外の何ものでもない。
二人とも薄い布一枚で楽に支えられるサイズの胸ではないため、はしゃぐ度にブルンブルンに揺れている。もうそこにしか目がいかない。
俺は勃起しそうになるイチモツを死ぬ気で抑え込んだ。今はそういうアレじゃない。純粋にプールを楽しんで、えりなからの好感度を更に引き上げるのだ。ここでの狙いはアリスではなくえりな。そこだけは間違えないよう心がける。
「──ほら! 燦徳くんも!」
「……み、水が冷たくて、気持ち良いわよ?」
学園の男どもが血の涙を流して羨ましがりそうな光景だ。文字通り、水も
「ああ、今行くよ」
水の冷たさを利用することで、イチモツの熱を緩和する事が出来た。ズボンと違って水着だと、勃起しているのが丸わかりなのが男として辛いところだ。
俺は下衆な性欲に蓋をし、純粋な顔で水遊びを楽しんでいるお嬢様コンビに加わった。
時刻は午後七時。日が落ち始め、辺りが暗くなってきた頃だった。
えりなとアリス。このSSランク美少女二人とのプールを存分に堪能し、俺は最近滞在している別荘に戻るためリムジンで帰路についていた。一人ではない、プールでの疲れからか眠そうにしている──アリスとだ。
以前した、もう一度マッサージをするという約束。それを果たすには今日が都合も良く、アリスからの了承もされやすいと判断したので別荘に招待したのだ。
時間が時間なので泊まりは確定。SPたちは『燦徳』の名前による安心感と威圧感で全員帰らせたし、邪魔者は居ない。
アリスを堕とすのに、これ以上のチャンスは無いだろう。
「ははっ、疲れたよね。でも楽しかった」
「……うふふっ、そうね。えりなのおマヌケな姿も見られたことだし、満足よ」
「マヌケ? 何かあったの?」
「更衣室でね、お着替えを隠すアイテムを渡したの。……ふふっ、てるてるボウズみたいで、面白かったわ」
睡魔に襲われながらも、楽しそうに言葉を返してくるアリス。やはり実年齢よりも精神年齢は幼いな。その分、豊満な身体とのギャップがエロすぎるんだけど。
「──おっ、着いたか。アリスさん、着いたよ」
「……ええ、分かったわ。……ふわぁ」
アリスは可愛らしい欠伸をしながら、俺と一緒にリムジンを降りる。足元がフラフラしているので、転ばないようにと手を繋いだ。
「うふふっ、ありがと。燦徳くん」
ふにゃあっとした笑顔でアリスにこんなことを言われてしまえば、大抵の男は惚れるだろう。
今日一日プールで遊んだことにより、ボディタッチなどのスキンシップが数え切れないほどあった。特にアリスとはおんぶに抱っこなど、恋人同士でしかやらないような過度な密着が多かった。アリスの人懐っこい性格と異性に対する意識の低さ。後は俺の〝誠実な人〟を徹底した立ち回りが効果を発揮したのだろう。
恥ずかしがり屋なえりなとは人混みでぐれないようにとの建前で手を繋ぐ程度に留まってしまったが、それでも大きな進歩ではある。手を繋ぐ度に真っ赤になるえりなが可愛すぎて勃起を堪えるのが大変だった。
「さっ、まずは夕食と風呂にしようか。マッサージは……その後でね」
こくんと頷くアリスの腰に手を当て、別荘の中へ入れる。
ここでは一週間ほど前に涼子を抱いたばかりだ。この短い期間に二人も同級生の女に手を出せるなんて興奮が止まらない。
プールで空腹もあるが、疲労も溜まっている。ステーキやカレーなどを食べるのはアリスがしんどいかと思ったので、手軽に食べられて満足感が得られるスープを用意しておいた。
俺自らの手で昨日の夜から仕込みをしておいたので、味は言うまでもない。この世界の人間は美味いものを食うと絶頂する謎種族だし、食事の時から発情させておけるのは楽だ。
「ふ〜っ、腹一杯。どうだった? 俺の作ったスープは?」
「……んっ、そ、そうね。……美味しかった、わ」
自分の身体を抱き締めるようにして身悶えするアリス。
肌は少しだけ赤く染まり、息は艶めかしく荒い。薬なんて全く使用していないので、ただ料理の影響でこうなっているんだろう。料理の力ってすげーっ。
「はい、ここだよ。お待ちかねのマッサージといこうか」
腹を満たし、入浴も済ませ、いよいよマッサージの時だ。
少しだけ暖房の効かせた部屋にアリスを案内し、密室へと誘い込む。
「寒くない? アリスさん」
「平気よ。暖かいわ」
風呂上がりということもあり、アリスはこちらで用意しておいたバスローブを身に付けている。生足が見えるように下は短めなので、露出が多くて興奮する。
バスローブ姿のまま犯す──ではなく、マッサージするのもアリなのだが、素肌を刺激するのが一番快楽を与えられるので今回は諦めた。そういうことは、アリスを堕とし切ってからやれば良いのだから。
「さっ、バスローブを脱いでくれる?」
俺の言葉に頷きながら、アリスがゆっくりとバスローブを脱いだ。
露わになった身体は芸術品とも呼べる美しさを放っており、事前に着ておいてくれと渡しておいた極薄のビキニが大事な部分を隠している。流石に少し恥ずかしいのか、アリスは腕を巨乳の下で組みながら落ち着かない様子で部屋を見回した。
「……本当に、燦徳くんがマッサージしてくれるのね」
「うん。安心して、腕は良いから」
「そういうことじゃなくて……。その、私と貴方の二人きりってこと?」
「そうだよ? 他の人の目はないから、安心してリラックスしてね」
アリスには前回のマッサージ師を呼びつけるという話をしていたが、当然そんなもん真っ赤な嘘だ。
〝担当者が急用で来られなくなったから、俺が代わりにマッサージさせてもらうよ〟。──という言い分を押し通すためでしかない。
「……ふぅん。……まあ、貴方のことだから腕は良いでしょうけど」
「ご期待に添えるよう、全力を尽くしますよ。……じゃあ、始めようか」
ビキニ姿のアリスをベッドにうつ伏せで寝かせ、リラックス効果のあるアロマを焚く。前回のとは違って、本当にただのアロマだ。
今回使用したいのはアロマではなく『オイル』。所謂、オイルマッサージだ。摩擦が緩和された肌と肌の触れ合いは、性感帯を刺激するのにも適している。身体への負担が少ないのはもちろんのこと、快楽も想像を絶する程に倍増するのだ。
「今からするマッサージはオイルを使うからね。前回同様、声が出そうになったら我慢しなくて良いからさ」
「だ、だから声なんて出しませ……ひゃっ!」
背中にオイルを垂らすと、可愛らしい声が部屋に響いた。いきなり声を出してしまっている。これは早くも興奮するな。
「大丈夫? オイルは多少温めてるけど、熱かったりしない?」
「す、少し驚いただけよ。平気です」
「分かった。じゃあ背中全体にオイルを広げていくね。力を抜いてリラックスして〜」
それから一時間ほどかけて、アリスの全身をマッサージ。ここまでは前回と同じだ。マッサージによって血行を良くしておき、身体の感度を高めておく。料理と同じで、調教も下準備が重要だ。
「──さて、そろそろ本格的なマッサージに入ろうかな。準備は良い? アリスさん」
「……はぁ、はぁ。……え、ええ。……いつでも、よろしくて、よ」
完全に脱力した情けない身体を晒しながら、ベッドにだらんと仰向けで転がるアリス。良い感じに汗も出ており、極薄のビキニは無いも同然に透けている。
上半身にはぷくっと勃起している二つの乳首、下半身にはピッタリと布が張り付いて形まで分かる秘部が丸見えの状態だ。
照明がオイルに反射し、白い肌には更に艶がかかっている。極上の料理が目の前に置かれているようだ。これを喰わないなんて、男が廃るどころの話じゃない。
「では二時間ほどの施術となります。力を抜いて、リラックスしてね」
俺は爆発しそうなほどに膨らんだ己の性欲に従い、薙切家の令嬢──薙切アリスの身体へ手を触れた。
最近また原作を読み返してるんですけど、田所の退学を取り消すために創真が四宮に食戟挑むところはマジでカッコよかったです(語彙力皆無)。