──何かが、
ここ最近、突然起きた身体の変化に小林竜胆は戸惑いを隠せずにいた。
後輩であり、自分が与えられていた十傑・第二席という地位の後継者でもある燦徳正吾に九州へと連れて来られた日から、確実に自分の身体はおかしくなっている。鈍感と言われる竜胆だが、この違和感に気付かないほど鈍くはなかった。
端的に言えば──
それこそ、起きてから寝るまでの間。自分の身体はずっと発情していた。身体は今までの人生で経験したことないほどに敏感になっており、歩く振動ですら子宮に響く。乳首は常に勃起しており、ブラと擦れる度に電流のような快楽が脳を犯した。溢れ出る愛液によって濡れたパンツを見るだけで、竜胆は理解不能な顔で首を傾げていた。
竜胆とて年頃の女子高生。性に関しての知識はもちろん持っている。しかし、知識を有してるだけであり、実技に関しては全くの素人。授業で習ったから知っているだけで、そもそも興味がなかった。
だからこそ、何故自分の身体にこんな変化が訪れたのか分からない。
原因を探ろうにも、心当たりがない。身近に居る燦徳正吾は竜胆にとって心優しき紳士な後輩。一瞬たりとも彼を疑うことはなかった。
「……はぁ、はぁ」
時間が経てば元に戻るだろう。そんな竜胆の甘い考えを打ち砕くように、身体の発情具合は日を重ねるごとに強くなっていった。
最早、自分の意思では抗えないほどに、竜胆の身体は性的快楽を求め続けた。
腹の調子が悪いと嘘を吐き、トイレで乳首を弄って自慰行為。
風呂場で乳首とクリトリスにシャワーを当てて快楽を得る。
寝る前にベッドで必死になって膣内に指を挿れて掻き回す。
自分には無縁と思っていた行為に溺れながら、竜胆は身体の奥底から無限に湧き上がってくる性欲をどうにか抑え込もうと努力していた。日中に行われる視察の時間を乗り切るためには、そうするしかなかったのだ。
正吾に気付かれるわけにはいかない。それだけが、竜胆の意思をかろうじて守っていた先輩の意地だった。
しかし、協力すると約束した二週間という時間は──余りにも長すぎた。
(弄りたい弄りたい弄りたいイジリたいイジリたいいじりたいッ!!!)
最終日前日の夜、竜胆の心と身体は限界を迎えていた。
何をするにしても身体が反応し、頭の中はピンク一色。乳首を摘んで弄りたい、膣内を気が済むまで擦りたい、何も気にせずに潮を吹きたい。
最近では
(……触りたい。……触りたい)
ホテルに帰るタクシーの中で、竜胆は隣に正吾が座っているという事も忘れて秘部に指を伸ばそうとすらしていた。欲望が溢れそうになる自身の身体を抱き締め、ほとんど壊れている理性を働かせる。
正吾が話しかけてきても何も返せない。竜胆はただ黙って頷くのみであり、早くホテルに着いて一人きりになれることを願っていた。何も考えずに快楽に溺れたい。我慢させられた身体を思いっきり甘やかしたい。今の竜胆に、それ以外のことを考える余裕は微塵もなかった。
「それじゃ、竜胆先輩──」
「おう……また、明日な〜……!」
自分の名前を聞いて軽く肩を振るわせながら、いつものように風呂を何とか終わらせ、食事を共にした正吾と満足なやり取りもせずに竜胆は自室へと走った。ここからは待ち望んでいた一人の時間。誰にも気遣うことなく、自分の世界に入り込める唯一の時間なのだ。
「──……ああんっ!!」
竜胆は浴衣を脱ぎ捨て、ブラを外した半裸姿でベッドに寝転がる。そしてすぐに勃起している乳首を強く摘み上げ、求めていた快楽を貪った。ブラに擦れるという生殺しの状態で高められた感度は言うまでもなく最上であり、乱暴に摘んだだけで大きな喘ぎ声を上げてしまうほどだった。
続けて竜胆は流れるように指を秘部へと運び、変えたばかりだというのに既に愛液が染みているパンツの上からクリトリスを弄った。布の質感と合わさった指の重みが敏感な突起を刺激する度に腰は浮き上がり、息遣いは荒さを増していった。
「……〜〜〜ッ!! ……たり、ない……!」
ベッドに乗ってから五分にも満たない時間で絶頂した竜胆だったが、その顔に満足感は表れていない。むしろその逆で、余計にもどかしさが増したようにも見える。
事実、竜胆を苦しめている要因のほとんどを占めるのが、この『満たされなさ』だった。いくら絶頂しても、一瞬のその場しのぎでしかない。軽い欲望を満たしたところで、次の瞬間には更に強い欲望が襲いかかってくるのだから。
どれだけ絶頂しても、満たされない。絶頂すればするほど、更なる絶頂を身体が求めてしまう。この最悪とも言える負のループが、竜胆の身体を二週間近くに渡って苦しめ続けていた。
どうにかしなければ頭がおかしくなる。解決策を必死になって考えても、最善と思える案は自慰行為だけだった。八方塞がりのこの状況でも、竜胆はひたすら敏感な乳首と膣内を欲望のままに弄り続けた。
「……んっ、あんっ……んあっ!! ……はぁ、はぁ」
プシャッと二度目の潮を吹き、ベッドに力なく倒れ込んだ竜胆。絶頂の余韻に浸りながら、体力の限界も近付いていた。
最近は何故か寝つきだけは良く、寝落ちに近い形での入眠がほとんどだ。今日もこのまま眠るのだろうと目を閉じたが、中々意識は落ちない。
「……どうすっかなー。……やばっ、また、触りたくなっちまう……!」
寝ることが出来なかったので身体を起こすと、竜胆の身体はまたもや絶頂を求めて発情。いい加減にして欲しいと泣きそうになりながらも、竜胆に出来るのは自分で自分の身体を慰めることだけ。部屋にあるシャワー室で身体でも洗おうかと思いベッドから降りると──ガチャリという音が部屋に響いた。
「竜胆先輩〜? 連絡しても返ってこなかったんで勝手に入りますね〜? 寝てたらすみませ──」
現れたのは燦徳正吾。鍵はしっかりと掛けていたので、マスターキーを使って入って来たのだろう。宿泊するホテルは全て燦徳グループの系列と事前に説明されていたので、そう考えるのが自然だった。
激しい自慰行為を繰り返し、息も絶え絶えな状態だった竜胆。咄嗟に動いて身を隠すことなど出来るはずもなく、竜胆は生まれたままの姿──つまりは全裸を正吾に見られた。
「…………ッ!!?」
自分でも驚くことに、竜胆は叫び声を上げなかった。女らしく危機感を持って叫べていたのなら、まだ救いはあっただろう。しかし、竜胆は恥ずかしそうに腕と手で胸と秘部を隠しはしたが、正吾の視線から逃れようとはしなかった。
真っ直ぐに見つめてくる正吾の視線に、危機感どころか
「す、すみません! ……って! り、竜胆先輩……!?」
「……ごめん。燦徳、正吾。……本当に、ごめん」
硬直していた正吾だったが、三秒ほどで我に返る。すぐに視線を外そうとしたが、全裸のまま身体を寄せて来た竜胆に驚愕の声を上げた。
熱っぽい声と視線を向けながら、竜胆はか細い声で謝罪する。そのまま正吾の手を取ると、自身の胸に当てて乳首を擦らせた。
「──……んあっ!!」
襲って来た快楽は
最後の希望と言わんばかりに求めた異性の手は、竜胆にとって紛れもない救世主であった。
(やっぱり……気持ち良い。……男の手、だからなのか?)
ガクガクと震える足で必死に身体を支えながら、正吾の手にすがりつく竜胆。薄々、考えてはいた。際限なく強さを増す疼きを消すために、何が必要なのかを。
生殖行為とも呼ばれるそれこそが、今の自分に最も必要なものではないのかと、竜胆は本能的に理解していた。その証拠に、正吾の手によって得た快楽はどれだけ自分で弄っても得られることのなかった大きさであり、久しぶりの満足感を身体に与えてくれた。
後輩を性的に襲うなど、先輩として恥ずべき行為。そんなことは百も承知で、竜胆は覚悟を決めた。もう溢れ出る欲望を抑えられそうにもない。竜胆は発情しきった身体と声を振り絞り、正吾に身体を当てて上目遣いで頼み込んだ。
「……燦徳……正吾〜。……あたしを、抱いて……?」
男を誘った経験などない竜胆にとって、人生初の誘惑。全くの素人がする全力のお誘いは多くの男を一撃で堕とす破壊力を秘めており、正吾も例外ではなかった。
「んうっ!? ……んんっ、んちゅ、ちゅぱぁっ」
獣のように唇を奪うと、正吾は舌を入れて竜胆の口内を蹂躙。舌と舌を絡ませて、乱暴に唾液を混ざり合わせた。
「……んっ、あんっ!」
それだけに留まらず、正吾は竜胆の肩を押してベッドに転がした。竜胆は自分が明確に『獲物』になったことを悟りながらも、その瞳には強い期待が宿っている。これから何をされるのか、どれだけの快楽を与えてくれるのか、竜胆の頭にはそれしか残っていなかった。
(早く、触って欲しい……! 早く、早くぅ……!)
性行為をするということがどういうことかなど、考える気配すらない。先輩も後輩も関係ない。場所も空気も、既に整ってしまっている。そして何より、自分から誘ったのだ。何をされても、竜胆に抵抗する気はなかった。
「──んんっ!! き、気持ちいい……!!」
秘部に挿入された二本の指によって、竜胆の膣内が指圧される。グイグイと指の腹で押される度に、竜胆は足先をピンと張って目を見開いた。
「残念ですよ、竜胆先輩。……先輩が、こんな変態だったなんて」
「ごっ、ごめ、んっ! でもぉ! 気持ちいい、からぁ……!!」
先輩の威厳など跡形もなく崩れ去り、竜胆は惨めに謝罪しながら快楽に浸る。指の動きに合わせて腰を振る様は、発情した雌としか表現出来ない。
正吾はそんな竜胆に落胆の言葉をかけたが、表情は心底愉快そうであり、ようやくこの時が来たと言わんばかりの喜びを爆発させていた。
「ほら、もっと弄ってほしいなら、四つん這いになってください。情けなくケツを上げてね。弄りやすいから」
「んんっ! わ、わかった……!」
言われるがままに体勢を変える竜胆。四つん這いで尻を上げ、服従とも呼べるポーズを取った。
(……ああ、逆らえない。もうあたし、ダメかもしんない)
どこか他人事のようにそんなことを考えながら、竜胆はGスポットを無抵抗に刺激されていく。自分の指では満足に触ることが出来なかった深い場所を、二つも年下の後輩によって。
「──イケよ。もうイキたいんだろ?」
「…………んぎっ!!」
正吾の言葉通り、竜胆は三度目となる潮を吹いて絶頂した。
尻と腰と脚はプルプルと小刻みに震え、放出した欲望を噛み締めているかのようにも見えた。ベッドのシーツには愛液による水溜まりが出来ており、とても官能的な姿を正吾の前に曝け出している。
「竜胆先輩。……いや、
「……ッ!? ……そ、その、名前呼ぶの……やめっ」
「
「……んぐっ! や、やだぁ……!」
背中にのし掛かってきた正吾の手が胸へと向かい、勃起し続けている乳首を指で挟んだ。そのまま体重をかけて竜胆の身体を押し潰しながら、耳元で優しく言葉を囁いた。
「竜胆、可愛いね。竜胆、可愛いよ」
「ん゛ぐぅっ!! それ゛ッ! だ……だめだっでぇっ!!」
乳首を弄られながら囁かれる言葉に、竜胆の頭は快楽に染まっていく。顎がカタカタと震えるせいで歯は噛み合わず、快楽を逃がそうと腰を振っても滑稽なだけで効果は皆無だった。
「おいおい、腰振って誘ってんのかよ。本当に可愛いな、竜胆。……なら、そろそろ本番といくか」
正吾はそう言って竜胆の背中から離れると、彼女の脚を掴んで仰向けにする。そのままの流れで正吾も服を脱ぐと、血管が浮き出るほどに勃起した巨大なイチモツが露わになった。
「……で、でか……」
「見惚れてんの? ……マジで興奮してきた」
正吾は自身のイチモツを竜胆の鼻先にまで持ってくると、口角を上げて試すように語りかけた。
「──
「……えっ? ……んんッ」
首を傾げたものの、素直に鼻を近付けてイチモツの臭いを嗅いだ竜胆。雄の臭いが鼻を通って脳を犯すと、目の色を変えてイチモツの臭いを嗅ぎ始めた。
まるでマタタビを与えられた猫のように、竜胆は夢中でイチモツを鼻に擦り付ける。すぐに臭いだけでは満足出来なくなったのか、いやらしく舌を動かして舐め始めた。裏筋を舐め上げ、亀頭を口に含み、下品な音を響かせながら懸命にイチモツへの愛を示した。
「れろぉっ……じゅぼっ、じゅるっ、んあぁっ……!」
「おっほっ、良いねぇ。八重歯が軽く当たって……悪くねぇ。センスあるよ、竜胆。……やべぇ、出そう。待った待った、口で射精するわけにはいかないんだって」
「……んじゅっ」
初めて正吾の顔から余裕が消え、慌てた様子で竜胆の口からイチモツを離した。一ヶ月以上も射精していないイチモツにとって、このフェラは劇薬。いかに正吾といえど、うっかり射精しそうになるほどの威力があった。
「ここまで我慢させられたんだからな……。口でも顔でもなく、本命に精液やらねぇと失礼だろ」
顔の真上に置いていたイチモツを竜胆の腹の上に置くと、正吾は顔を近付ける。
「物足りなかったんだろ? ずっと……
「……ッ!!」
耳に響く低い声と腹に当たる火傷してしまいそうなほどの熱を持ったイチモツに、竜胆の理性が跡形もなく溶かされていった。
物足りない、まさにその通りだ。どれだけ弄っても満足出来なかった。乳首を弄っても、膣内を弄っても、本当に弄りたいのはもっと『奥』。指が届くはずもない、一番奥の場所だったのだから。
「コレなら
もう彼女を引き止めるものは何もない。だらしなく舌を出したまま、竜胆は全てを捨てた。
(……そっか。あたしが欲しかったのは……コレなんだ)
元十傑・第二席の誇りも、料理人としての在り方も、小林竜胆であることも彼女は捨てた。そしてただ一匹の雌として、獣に喰われる道を自らの意思で選んだのだった。
「……い、挿れ……てぇ」
涙目になりながらの懇願に、正吾が歯を見せて獰猛に笑った。
竜胆に自分で股を開かせ、挿入の準備を整えさせると、イチモツを握って亀頭を秘部の入口に当てる。ピチャッという水音を響かせた後、正吾は極上の獲物を貪る喜びに身を震わせながら、我慢に我慢を重ねて熟成させた肉に喰らいついたのだった。
「──んあ゛あああああああっ!!!」
動物のような声を上げながら痙攣する竜胆。これまでに感じたことのない圧倒的なまでの快楽に身を焼かれ、女子高生が出してはいけないような叫びを上げた。
欠けていたパズルのピースがハマったように、イチモツは竜胆の膣にフィット。うねうねと動く膣肉がイチモツを歓迎し、奥へ奥へと飲み込んでいった。
最終的に到着したのは焦らしに焦らされ続けた
「お゛ッ! おお゛っ!! ん゛っ!! んあ゛っ!!」
「……マジで、この女……! オラッ!!」
「んぎいっ!! も、もっどぉっ!! もっどづよぐぅッ!!」
女に求められれば、男はそれ以上に腰を振る。男に求められれば、女はそれに応えるように淫らに喘いだ。
「ちゃんと出すぞッ! 子宮の中に精液ぶちまけるからなッ!」
「だしでぇっ……!! 出してぇっ!!」
「──出るッ!!」
激しいピストンを繰り返した後、膨れ上がった亀頭から大量の精液が放出される。熱い白濁の精液は竜胆の子宮を瞬く間に埋め尽くし、膣から勢いよく溢れ出た。
「……やっべぇ。……めっちゃ、気持ち良い……!」
「……んあっ。……ああっ、んっ……!」
久しぶりの射精を最高の形で終え、気絶しそうなほどの快楽に襲われる正吾。尿道に残っている精液の一滴までも残さぬように腰を打ちつけており、一匹の雄としての最上の喜びを味わっていた。
対する竜胆も同様に、気絶しそうなほどの快楽に身体の全てを支配されていた。体力など残っていないにも関わらず、両脚は出された精液を膣から溢さないようにするためか、正吾の腰を挟んで離さなかった。
「……まだまだ。……こんなもんじゃ、満足出来ないだろ? 今から明日の夜まで、休憩なしで犯し尽くしてやるから覚悟しとけよ、竜胆」
「……あんっ。……お、犯して……しょうごぉ……!」
夜が終わり朝を迎えても、正吾と竜胆は交わり続けた。
睡眠も、食事も、今の彼らには邪魔でしかない。汗だくになりながら求め合い、欲望のままに身体を貪る。
「ぎもぢぃいいいっ!! もっとぉぉおおっ!!」
「どこを犯して欲しいんだよッ!? ちゃんと言えって言ってんだろッ!! ド変態のメスブタ竜胆ッ!!」
「おぐぅぅぅううっ!! おくをもっとついでほしいッ!!」
「分かれば良いんだよッ! イク時もちゃんと言えよなァッ!!」
「イグッ! イグイグイグッ!! ──イぐぅぅぅうッ!!!」
朝も、昼も、夜も、二人は一日中性欲に全てを支配された。
竜胆の絶頂回数も、正吾の射精回数も、数えられないほどになり、竜胆が気絶したことによって交尾としか表現出来ない貪り合いは終わりを迎えた。
「……はぁ。流石に、疲れた……」
予定より一日オーバーしてしまったことを反省しながら、正吾は別の部屋のベッドに竜胆を寝かせ、自分も一緒に一日ぶりの睡眠を取るべく──深い眠りについたのだった。
「……あ〜、腰いってぇ……」
遠月学園に戻る飛行機の中で、俺は腰に走る微妙な痛みと格闘していた。原因は言うまでもない、竜胆と丸一日したセックスだ。
あんなに腰を振ったのも初めてなら、あんなに射精しまくったのも初めてだ。一ヶ月の禁欲状態という前提があったとはいえ、我ながらよく出たもんだ。身体中の水分全部が精液になったんじゃないかって割と本気で思った。
まあ、そんな俺に付き合ってセックスが出来た竜胆の体力に一番驚いているんだけどな。伊達に世界中飛び回って自由奔放にやって来た女じゃないか。タフさだけなら間違いなく俺が手を出した女の中で最強だ。
「……時間を掛けた価値はあったな」
隣の座席で俺の肩に頭を預けて眠っている竜胆を見て、そんなことを呟く。今乗っている飛行機は燦徳家が所有しているプライベートジェットなので、俺たち以外に乗客は居ない。だからなのか、アイマスクもせずに安心して寝顔を晒している。
「……小林竜胆。──完食だ」
言葉にすると、何だか感慨深い。
竜胆の顔から視線を外し、窓の外に広がる雲海へと顔を向けた。
竜胆は原作キャラの中でも最上位に好きな女キャラだった。そんな二次元にしか存在していなかった女を自分のものに出来たという言葉では表現出来ない達成感は、何度経験しても良いものだ。
「……このまま必ず、全員手に入れる」
「何を手に入れるって?」
横からかけられた声に反応すると、竜胆が欠伸をしながら金色の瞳をこちらに向けていた。涙目を指で軽く擦りながら、俺の腕を抱き締めてくる。
「へへっ、どうだ〜? 竜胆先輩のおっぱいは柔らかいだろ〜?」
「昨日散々堪能させてもらったからな。俺が世界で一番知ってるよ」
「なんだよ〜、つまんねぇな〜」
「照れさせたかったのか? 可愛いな、竜胆」
「……んっ。……か、可愛いとか……言うなぁ!」
思いっきり性欲を爆発させてやったからか、常時発情状態は解除されたようだ。日常生活に支障が出るレベルだったし、狙い通りとはいえ一安心だ。
「全く〜、生意気な後輩だぜ」
「そんな後輩が好きなんだろ? 竜胆。ド変態の竜胆を抱いてやれるのは、俺だけだもんな」
「……あ、あたしの身体をこんな風にしたのは……お前だろ。絶対そうだ、そうに決まってる」
「だったら? どうする?」
俺の問いかけに、竜胆は少しだけ顔を赤くして答えた。
「──……責任、取れよな」
思わず、口角が上がった。身体だけでなく、心も完全に堕とし切れたと確信出来たからだ。
「安心しろ、俺は責任を取る男だ。手を出した女、全員のな」
「……って、おいおい。堂々と浮気宣言か〜?」
「そうだけど? 俺を見限るか? ──お前に俺が見限れるのか?」
「さいってーだな。……でも、見限ったりしねぇよ。正吾があたしを捨てない限り、ずっとあたしは正吾のモノだから」
やはり、小林竜胆という女は惚れさせたら一途だ。普通からかけ離れている歪んだ愛情でも、愛情には違いない。俺が一生を費やして幸せにしてやる。
「愛してるよ、竜胆」
「は、恥ずかしいこと……言うなよ」
「竜胆は? ちゃんと言って」
俺の催促に、竜胆は困ったように笑う。
そして照れ臭そうに頬を指で掻きながら、これ以上ないほどの色気を纏わせた言葉を返してきた。
「──……