草木も眠る丑三つ時。
俺は学園の自室ではなく、学園外のホテルでベッドに寝転がっていた。十傑の権限で外泊申請は楽に通るし、本当に便利な立場である。
心地良い疲労感に包まれながら、俺は耳元に当てたスマホで愛する女と通話していた。
『それでメイドさんたち、慌てて私に駆け寄って来てくれて……ふふっ、少し笑っちゃうぐらい真剣でしたよ』
「そりゃそうだろ。園果の身体はもう園果だけのものじゃないんだ。俺からの指示でもあるし、彼女たちは優秀だからな」
電話の相手は俺が秋の選抜本戦を利用して攻略した女である、木久知園果。
通話を始めてまだ五分程度しか経っていないが、俺と話せるのが嬉しいのか次々と話題が飛び出してくる。定期的に電話はしているし、顔も見に行っているが、こういう態度を取られると愛されている実感があってとても満足だ。
『……そうですね。今は特に、安静にしなきゃですね』
去年の十一月頃、園果は
確実に孕ませたとは思っていたが、実際にそうなってみると感慨深いものがあった。現在は妊娠九ヶ月目を迎えそうな時期であり、出産予定日は恐らく八月の半ばになりそうな状況だ。園果には俺の実家で暮らしてもらっているので、世話係のメイドたちから緊張を感じると笑いながら話された。
「安心しろ。状態は良好だし、設備は完璧に整えてある。園果の身体も子供のことも、何も心配はいらない」
『……正吾くん。……はい、ありがとうございます』
出産を前にして不安を覚えない女性の方が少ないだろう。そういった不安を可能な限り取り除いてやるのが、出産に於いて男が出来る唯一の助けだと俺は認識している。どれだけ金をかけても構わない。園果と子供のためならば、限度額などないのだから。
ちなみに子供の性別は女だ。園果に似て、きっと可愛らしい顔をしているだろう。
「……そうそう。園果の後輩に小林竜胆って居たろ?」
『はい、竜胆ちゃんがどうしました? ……ひょっとして、手を出したんですか?』
「んー、その通り。なんなら妊娠させたと思う。園果に続いて、二番目に俺の子供を産むことになるだろうな。近い内、園果と同じように実家で面倒見るつもりだ。また先輩として、よろしく頼むよ」
『……はぁぁ。少しは申し訳なさそうにしたらどうです? 私一応、出産を控えた妊婦なんですよ?』
「ハハッ、本当にな。こんな男から愛された不幸に同情するよ」
『自分で言わないでください。……ばかっ』
咎められはしたが、口調から怒りは感じない。俺のだらしない部分についてはもう諦めの姿勢を決めたらしい。
「……おっと、大事なことを言い忘れてた。ちゃんと出産には立ち会うからな。だから安心して元気な子供を産んでくれ」
『えっ……立ち会って、くれるんですか?』
「当たり前だろ? どんな予定が入っていても、全部キャンセルして立ち会うよ」
『で、でも、正吾くん。忙しいんじゃ……』
細々とした声で不安そうに呟く園果。どうやら出産に立ち会ってもらえるとは思っていなかったらしい。俺からすれば不本意な評価だな。
確かに俺はクズだが、愛する女を幸せにしたいという気持ちは本物だ。そんな俺が出産に立ち会わないわけがない。しかも初めての我が子だぞ、早く顔が見たくて仕方ないってのに。
「園果より大事な用件なんてないよ。来月までには
『……わぁっ。や、約束ですよ?』
「ああ、約束だ」
心の底から嬉しそうな声を聞かされると、こっちまで嬉しくなる。
妊娠の影響で元々超巨乳だった園果の胸は更なるバストアップを遂げ、大きくなった腹と合わせてエロの塊のような身体になった。俺が自分の性欲をある程度制御出来る男じゃなかったら、間違いなく安定期に入った途端にセックスしていただろう。
それでも全てを我慢する事は出来ず、ここ数ヶ月は念願だった搾乳プレイで園果の性欲を発散しながら、俺のオカズにもさせてもらっていた。……思い出したら勃起してきたな。また今度やろ。
「「──んんっ」」
『……正吾くん? 今、女の子の声が聞こえたんですが?』
「おっと、バレたか。明日遠月で開かれるイベントの審査員に、俺の女たちがお呼ばれしててな。せっかくだから外泊申請出して、ホテルで愛し合ってるとこだったんだ」
『ああっ、〝BLUE〟の件ですよね? 私も自由に身動き出来たら、喜んで参加させてもらったんですけど』
「薙切えりなを嫁にするには、必ず乗り越えないといけない山場だからな。気合い入れて臨むよ」
『はいはい、どうせ私は愛人ですよ〜だっ。……正吾くんに愛してもらえるなら、別にいいですけどね。私はもう……正吾くん以外の男の人を好きになれる気がしませんから』
やはり園果については何の心配も要らなかったな。攻略する際に限界まで犯しまくったお陰で人格が歪み、俺への依存度だけなら女たちの中でもトップクラスだ。この先一生、俺への愛情が冷めることはないと思う。
『……というか、ずるいですよ。私は全然正吾くんに抱いてもらえないのに。明日の審査に響きますから、早くその女の子たちを寝かせてください』
「嫉妬すんなよ。赤ん坊が産まれたら、また壊れるぐらいに犯してやるから」
『……っ! ……はぁ、はぁ、約束、ですよ……?』
声しか聞こえない状況だが、何故か園果の秘部が濡れていると分かる。ポタポタと愛液を溢しながら発情している園果の顔を想像しただけで、イチモツの勃起が更に強まった。
「さっ、そろそろ寝な。腹を冷やさないように毛布はかけろよ?」
『……んんっ。分かって、ますよぉ。──おやすみなさい、正吾くん。……愛してますよ』
「俺も愛してるよ。──おやすみ」
特にダラダラと会話が長引くこともなく、通話が切れる。
耳元に集中していた意識が解放され、次なる場所へと移動した。そう、ガチガチに出来上がっているイチモツだ。
「──さあ、どっちから挿れて欲しい?」
俺は血管が浮かび上がるほどに勃起するイチモツを愛おしそうに舐めている二人の頭に手を置きながら、挑発的な言葉を投げかけた。
金髪ショートカットと金髪ロングヘアーが同時に揺れ、発情し切った瞳を俺の方へと向けてくる。
「ベルタぁっ! ベルタに挿れてぇっ! しょうごくぅんっ!」
「シーラぁっ! シーラにだよぉっ! ねぇっ、しょうごくぅんっ!」
久しぶりに抱く美人双子姉妹からの熱烈なお誘いを受け、思わず頬が緩む。園果に忠告された通り、明日の審査に支障が出ないレベルに抑えたいが……多分、どうせ無理なんだろうな。
「明日は早いんだろ? ちゃんと起きれるのか?」
「じゅっぽっ! じゅるっ! ……んぱぁっ。へ、へいきっ! どうせしょうごくんが勝つに……決まってるからぁっ!」
「じゅぷぷっ! じゅぼぼっ! ……ごくっ。そう、だよ。だから……おねがいぃ。……シーラたちのおまんこ、ぐちゃぐちゃにして……?」
園果と話していたからか、今と似たような状況だった秋の選抜本戦・準決勝のことを思い出した。あの日もベルタとシーラを夜通し抱いてから、結局一睡もせずに準決勝へ臨むことになったんだっけ。
明日は俺にとっても重要な一戦であることは言うまでもないが、目の前で俺のイチモツを求めている雌穴の誘惑に抗えないのもまた事実だった。
「ちゃんと審査員としての仕事は果たせよ? ……その前に、俺の女としての役目を果たしてもらうけどな」
「……あっ、おっ、おちんちんきちゃ゛うよ……シーラ」
「……んっ、わたしたちのおまんこは、しょうごくんのだもんね……ベルタ」
やはり誘惑を振り払う事は出来ず、俺は朝日が昇るまでベルタとシーラとの3Pを思う存分堪能した。当たり前のように料理の試作なんてしていないが、いつものことだ。
しかしながら、今回ばかりは少しだけ違う。事前に
完全なる好奇心で決めた料理だが、作れるかどうかはやってみなければ分からない。そういった意味では、初めて緊張感のある勝負になるかもな。微塵も負ける気はしないけど。
柄にもなく、明日が楽しみだ。
WGOが開催する料理大会──通称・『BLUE』。
三十五歳以下の若手料理人たちが集う最高峰の舞台であり、優勝すれば世界的な名誉と名声が確約されるという料理人たちにとっては夢のある大会だ。
日本を代表する料理学校である遠月学園にも当然、大会側からの招待状が届いた。表明された参加枠は全部で三つ。要するに、三人の料理人が遠月学園からBLUEに挑戦することが出来るというわけだ。
問題はその参加者をどうやって決めるかという部分にあった。学生たちのトップである十傑の中から選ぶべきという声も上がったが、研鑽を重んじる今の遠月から考えれば公平性に欠けると、現総帥である薙切えりなが判断を下した。
立場ではなく、実力で。
学園の名前を背負うに値する料理人を選び出すため、えりなはBLUEへの参加を希望する一定の基準を満たした生徒全員を巻き込んだ勝負の場を提案した。
──『青の前哨戦』。
秋の選抜を控えている学園側にとっても、悠長に決めている時間はない。やはり分かりやすい方法が良いとのことで、参加希望者全員を同時に審査する料理大会が開催されることになったのだ。
お題の料理は『スープ』。
老若男女の審査員100名による点数審査での評価とされ、一人一人の持ち点は10点。上限が1000点にもなる大掛かりな大会だ。
食材は各自の自由、制限時間内に料理を作り上げ、審査員たちの審査を受けるという流れになっている。
準備期間が三日と少ないが、それも料理人たちの器を試すため。時間が足りないなどと嘆く料理人に、世界へと挑む権利が与えられることはない。
参加希望者たちはそれぞれの技術を磨き上げ、大会当日を迎えた。参戦する人数は三十人を超え、全員が闘志を滾らせて厨房に立っていた。
『それでは、健闘を祈ります。──調理開始ッ!!』
総帥であるえりなの宣言で、料理人たちが弾かれたように調理へと取り掛かった。
二年生と三年生だけが参加していることもあり、並べられていく料理のレベルは言うまでもなく高い。料理を口に運んだ審査員たちは軒並み身体を震わせ、その味を絶賛している。ほぼ全ての料理人たちが合計得点で900点以上を獲得しており、遠月学園の生徒たちが紛うことなき強者であることを証明してみせた。
しかし、ぶつかり合う『玉』たちの中で、一人だけ異質な存在が居た。
周りの闘志には一切感化されず、ただ目の前のスープに向き合っている料理人。子供のような笑みを浮かべており、まるで玩具を与えられた子供のような表情だった。
十傑・第二席にして最大の優勝候補。
──
「『リィンカーネーションスープ〜センチュリー仕立て〜』でございます。召し上がれ」
制限時間終了間際での提供だった。
正吾は時間が許す限りスープを何度も何度も
提供が完了すると、会場から一切の音が消えた。
審査員たちも、料理人たちも、観客たちも。全員がその動きを止め、正吾が出したスープに目を奪われていた。
白いスープ皿に入っている透明なスープと、見た目だけなら何のインパクトもない。しかし、そのスープを認識した者全てが例外なく魅了された。見た目でもなければ味でもない。そのスープ最大の特徴は──
「な、なんなの……これ」
「食べてないのに……香りだけでぇ」
「い、一体……どれだけの食材が……どれだけの旨味が詰まっとるんや」
百戦錬磨の審査員たちが、香りだけで服従させられた。
肉・魚・野菜、想像もつかないほどの食材たちに、これまた想像もつかないほど数多の調味料を使用した完璧な調理。スープに灰汁は一切見当たらず、白く透き通りどこまでも美しい。
震えた手で一人、また一人と、審査員たちがスープへと引き寄せられていく。全員が例外なく夢中で食事に没頭しており、そのあまりの美味さに
全ての料理人の審査が終わり、最終的な結果発表となる。
三位、田所恵【960点】。
二位、幸平創真【975点】。
立て続けに十傑の二人がトップ3へとランクインし、BLUEへの参加を決めた。残る参加枠は後一つだ。
しかし、最後の盛り上がり所にも関わらず、その会場に居る全ての人間が確信していた。否、させられていた。一位の座に君臨する料理人が──誰なのかを。
一位、燦徳正吾。──【1000点】。
十傑・第一席、第二席、第十席の三人によって、BLUEへの参加者が決定。
誰からの文句も出ない結末で、青の前哨戦は幕を閉じた。
青の前哨戦が終わり、俺は無事にBLUEへの出場を決めた。特に手加減する必要もなかったので、結果だけ見れば満点合格の圧勝だ。
やってみたかったことの
まあ、そもそもの話。俺はえりなと同じようにWGO側から招待状を受け取っていたので、別に遠月の参加枠を使わなくてもBLUEに出場することは出来た。
それでも青の前哨戦に参加した理由は改めて周りに実力を示しておくためだ。BLUEではこれまでにない暴れ方をするつもりだし、土台はどれだけ固めておいてもいい。
「……にしても、出来るもんだな。やっぱ思い浮かべた料理なら、ある程度は形になるってことか。恐ろしいねぇ」
他人事のように自分の才能を再評価する。
料理に関して出来ないことはないと思ってはいたが、まさか調理方法すら分からない料理も作り上げることが出来るなんて思わなかった。
使用している食材が本来のものとは違うため、本物の味とは比べられないほどの差はあるだろうけどな。俺が今日作ったコピーの味は、大体オリジナルの千分の一ぐらいってとこか。それでも、この世界じゃ十分にヤバい味だ。食材を吟味した上で、二年か三年ぐらい料理だけに集中すれば、百分の一ぐらいの味までは再現することが出来るかもな。そんな確信が持てるぐらい、俺のチートは恐ろしい力だった。下手したら戦争とか起きかねないので、絶対に作る予定はないが。
「──……ん゛お゛ッ!!!」
「──……あ゛あぁッ!!!」
料理の力にビビっていると、ベッドの上から汚い声が二つ聞こえてきた。俺はコーヒーを机に置き、椅子から立ち上がってベッドに近寄る。
そこには二人の女が股を開いた状態で拘束されており、乳首と秘部にローターとバイブが付けられて無抵抗にイカされていた。目隠し用のアイマスクと
「あ〜、同時に絶頂したか〜。これじゃ引き分けだな。じゃあもう一戦いこうか。緋沙子、美代子」
「「〜〜〜ッ!?!?」」
絶望の呻き声を上げた緋沙子と美代子。
学期末試験で水着姿を見られなかった二人なので、わざわざ穴が空いているエロビキニを着せて辱めているところだ。先に絶頂した方にイチモツを挿れるという条件で絶頂勝負をさせていたのだが、結果は引き分け。情け容赦なく、ローターとバイブの強さを一段階上げてから勝負を再開した。
「んぐっ、んお゛っ! ……い゛ぐっ……!!」
「お゛お゛っ!! …………んあ゛ぁあッ!!」
やっぱりこの二人はこの姿が似合うな。どちらかが次の絶頂を迎えるまで……後五分ってところか。今度も引き分けだったら両方の穴にイチモツを捻じ込んでやろう。
睡眠時間を捨ててベルタとシーラを犯してきたっていうのに、本当に呆れる性欲である。「私たちも正吾くんの子供が欲しいのぉ」とか可愛いこと言うから宥めるのが大変だった。流石にあの二人はまだ十五歳だし、妊娠させるわけにはいかないからな。
「明後日は待ちに待ったBLUEか……
BLUEに全力で集中するため、性欲は出来る限り発散しておかなければならない。幸い、最後の獲物は『WGO』の人間だ。BLUE開催に合わせて日本に来ているだろうし、どこまでも都合が良い。
「──さて、楽しませてもらおうかな」
獲物の写真をスマホで確認しながら、俺はえりなに手を出す前に行う最後の狩りに心を躍らせた。
再現したスープ料理は『センチュリー』って部分でお分かりかと思います。個人的に、あの漫画に登場する料理の中で食べたいやつトップ3に入るぐらいお気に入りです。
そして攻略対象とするキャラは最初から決めていたので、次回のキャラで最後となります。全部で13人って書くと……多いな(笑)。