※この作品はR-18です。

食の魔王を(性的に)喰らう者   作:スイートズッキー

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49話 永遠の誓い

 

 

 

 ──思えば、あっという間の三年間だった。

 

 季節は春頃、三月の始め。

 本日、俺たち第九十二期生もついに──『卒業式』を迎えた。

 

 卒業到達率が10%未満と言われる遠月学園だが、俺たちの世代で卒業した生徒は約七十人。これは歴代でも飛び抜けて多い数字であり、『玉の世代』と呼ばれるに相応しい結果を残すこととなった。

 例年よりも少しだけ長い卒業証書授与式を終え、桜が舞い散る校舎で多くの生徒たちに笑顔が咲き乱れていた。青春の終わりに涙を浮かべる者も居れば、新たな門出に期待を膨らませる者も居る。

 

 涙こそ流しはしなかったが、俺もそこそこ感動している。やはり、自分が主役の卒業式というのは何か込み上げてくるものがあると実感させられた。

 ベンチに座って晴れ渡った空を見上げながら、まだ少し冷たい春風に当たる。途絶えることのない生徒たちの声が特別な感覚を伝える独特の空間を作り上げていた。

 

「おっ! こんな所に居たのかよっ! 正吾!」

 

 一人で静かな時間を過ごしていると、すぐに騒がしい奴に見つかった。中々に貴重な時間はあっさりと奪われ、現実に引き戻された気がした。声を掛けてきたのが創真だったので、すぐに諦めたが。

 

「へへっ、一人で何してんだよ?」

「ボーッとしてたんだよ。天気も良いしな」

「確かに、眠たくなっちまうぐらい良い天気だな。卒業式日和ってもんだ」

「お前は卒業式で寝てただろ。名前呼ばれてから起きてたじゃねぇか」

「いやー、昨日も遅くまで新作料理の試作しててよぉ」

「……お前は本当に、料理バカだな」

「そういう正吾だって眠そうな顔してるぜ? だから俺が声掛けるまで一人で居たんじゃねぇの?」

 

 痛い所を突かれた。眠そうなという指摘は的を射ているが、原因はもちろん料理の試作なんかじゃない。

 

 卒業式前日は『女子高校生(JK)』というブランドを楽しめる最後の日だ。それ以降はどれだけ似合っていてもコスプレになってしまう。だからこそ俺は最後の晩餐を味わうため、緋沙子・アリス・涼子・美代子という共に卒業する同級生四人と一緒に朝方まで5Pを楽しんでいたのだ。

 徹夜なんてお手のものだが、流石に四人を同時に相手して腰を振りまくるのは疲れた。最高の思い出になったから後悔なんて微塵もないけど。

 

「色々あったんだよ。だから少し、寝不足なだけだ」

 

 俺一人で占領していたベンチだったが、創真が当たり前のように座ろうとしてきたので横に移動してスペースを作る。「サンキュッ」という軽い感謝と共に、隣に創真が腰を落とした。

 

「……あっ、あれだろ? 薙切と料理勝負してたとかだろ?」

「何で卒業式前日に恋人と料理勝負するんだよ……居ないだろ、そんな奴」

「えっ? 俺は田所としたけど? 食戟じゃなくて、個人的にな」

「居たよ、そんな奴が目の前に。……田所さんが不憫だ」

 

 二年生の終わり頃、創真と田所さんは恋人同士となった。陰ながら応援&アシストしてきた俺の努力も報われたというものだ。打算的なことを抜きにしても、個人的にこの二人には結ばれて欲しかったしな。

 

「ちゃんと幸せにしてやれよ? 創真」

「言われるまでもないって。……ていうか、正吾にとって薙切は恋人じゃなくて婚約者だろ? 今でもBLUEの時のことを思い出してビビるわ。いきなりプロポーズするんだもんな」

「競争率の高い相手だったからな、えりなは。あれぐらい強引にいかないと、手に入らないんだよ」

「あの時の料理、マジ凄かったよな。未だに勝てる皿が作れねぇもん」

「料理から少しは離れろや」

 

 これが学園最強と謳われる『十傑』の第一席と第二席の会話だと思うと、威厳も何もないな。

 結局俺は最後まで第二席で、創真は第一席だった。興味がなかったというのも大きな理由だが、それ以上に一番を譲っても文句がないぐらいには、俺は創真のことを気に入っていたんだろう。何気に、最初で最後の友達だったしな。

 

「でも、今日で卒業かぁ。なんかあっという間だったよな」

「三年生はほとんど海外に居て、進級試験もえりなの計らいで何とかしてもらった奴がなんか言ってる」

「わ、悪かったって」

 

 まさか進級試験でも帰国してこないとは思わなかった。創真らしいと言えばらしいけども。

 

「……でもまあ、卒業してからも俺はお前に挑むからな。暇な時にでも、勝負してくれよ?」

「俺に暇な時なんてねぇよ。……まっ、時間を作ってやっても良いと判断出来たら、相手してやらんこともない」

「おおっ! よっしゃっ、楽しみにしてろよ!」

 

 どこまでも純粋で、屈託のない笑顔。いつかコイツには本当に負ける日が来るのかもしれないな。誰にも話すことはないが、あり得るかもしれない敗北の日を楽しみにしておこう。

 

「──創真くん! こんな所に居たんだ。燦徳くんと一緒だったんだね」

「おおっ、田所」

「やあ、田所さん。卒業おめでとう」

 

 小走りで創真を探していたのか、田所さんが少しばかり息切れしながら現れた。卒業式なんだし、創真も俺より先に恋人を優先しろよな。

 

「あ、ありがとう。……えへへっ、私が卒業出来るなんてまだ信じられないよ」

「何言ってんだよ。ちゃんと実力で卒業したんだぜ? もっと胸張れよな」

「創真の言う通りだよ。田所さんの今後の活躍に期待してる。……創真のこともよろしくね」

「も、もう! 燦徳くんっ! は、恥ずかしいべさ……」

「油断したらすぐに旅に出るから、ちゃんと首輪は付けておくんだよ」

「俺は野良犬か」

 

 創真は俺からの評価に不満そうな表情を浮かべるが、間違ってはいないだろ。卒業後は前々から言っていたように実家の『食事処ゆきひら』を継ぐらしいし、田所さんと二人で一ヶ所に落ち着いてもらいたいものだ。昼飯を食いに行くぐらいなら、たまに時間を作れるだろうし。

 

「……あっ、そういえば燦徳くん。アリスさんたちが探してたよ?」

「うん、スマホに連絡がきてるから知ってるよ。ありがとう。……じゃあ、そろそろ俺も行こうかな。このベンチはもう二人の空間になったみたいだし」

「ははっ。悪いな、正吾」

「ちょっ、創真くんっ! 燦徳くんも……やんだぁ」

 

 田所さんは本当にからかい甲斐のある女子だな。こんなに純粋な娘は最近だと珍しい。くっつかせるのに苦労させられた身だし、俺のためにも末長い幸せを願っておく。

 

「正吾。この後にやる卒業祝いの集まりには来るんだろ?」

「悪いな、やることがあるからパスだ。また近い内に飯でも誘うよ」

「そっか、そりゃ残念だ。じゃ、またな」

「燦徳くん。えりなちゃんを……幸せにしてあげてね」

 

 田所さんからの言葉にしっかりと頷いてから、軽く手を振って二人と別れた。

 

 スマホを確認すると、『どこにいる?』という内容のメッセージが四人からそれぞれ一件ずつ届いていた。集合場所として人の居ない空き教室を指定し、呼び出しをかける。

 机の上に座って待っていると、四人の少女が教室に入って来た。どうやら一緒に行動していたらしい。この三年間で本当に仲良くなったもんだ。

 

 新戸緋沙子、薙切アリス、榊涼子、北条美代子の四人は、卒業証書の入った筒を片手にそれぞれの個性を感じさせる態度で近寄って来た。

 

「よっ、卒業おめでとう。緋沙子、アリス、涼子、美代子」

「正吾っ! お前という奴はどうして勝手に居なくなるんだ!」

「正吾くんっ! たくさん探してたのに酷いじゃないっ! 一緒に写真を撮りたかったのに!」

「ま、まあまあ二人とも、落ち着いて」

「この男が自由なことなんて、今に始まったことじゃないだろ?」

 

 開口一番で緋沙子から叱られ、アリスに抱きつかれた。涼子は二人を宥めつつ、美代子は腕を組んで俺をジト目で軽く睨んでいる。

 俺としては友達同士で過ごす時間も欲しいかと思っての配慮だったんだけどな。俺のこと好きすぎるだろ、依存させたのは俺だけど。

 

「そう怒るなよ。緋沙子、アリス。可愛い顔が台無しだぞ」

「なっ……! き、貴様はまたそうやって誤魔化そうと……!」

「うふふっ。じゃあ、怒るのはやめるわね。正吾くんには可愛い私を見て欲しいし」

「流石は正吾くん。一瞬で黙らせたわね」

「……流石って言っていいのか? 涼子」

 

 一番長く同じ時間を過ごした四人だからか、この空気に安心感すら覚えてしまう。えりな以外だとこの四人だけが手を出した女の中では俺の同級生だし、思い入れがあって当然か。俺は自分の女を平等に愛しているつもりだが、こういう部分は仕方ないよな。

 四人とも十八歳になって更に美人に磨きがかかったし、身体の方も成長して色気も増していた。こんな女たちに愛されているなんて、男冥利に尽きるというものだ。

 

「緋沙子。そんなに俺に会いたかったのか? ──昨日、あんなに愛し合ったのによ」

「んんっ! ……お、おい。い、いきなり……触るなぁ」

 

 騒いでいた緋沙子のスカートに手を突っ込み、パンツを指でなぞる。サラサラとした生地の感触と共に、固い物体が指に当たった。俺が卒業式前に挿入しておいた、特製の極太バイブだ。

 

「全員、机に手をついてケツを向けろ。自分でスカートを捲り上げてな」

「「「「──……ッ」」」」

 

 強い口調で命令すると、四人は素直に従った。

 アリスや涼子はともかく、緋沙子と美代子の二人も同様にだ。これも全て、今日までに行ってきた調教の成果である。

 

 清々しい青空が見える教室に並ぶ四つの尻を見て、俺のイチモツは当たり前のように勃起し始めた。昨日の夜から今日の朝まで寝ずに犯しまくったというのに、底なしの性欲だ。……いや、むしろ悪いのは俺じゃなくて、エロすぎるコイツらなんじゃなかろうか。きっとそうだ、俺は全く悪くない。男として当然の反応を示しているだけだ。

 

「バイブを挿れられながらの卒業式なんて、俺の女にならなきゃ経験出来なかっただろ。楽しかったか?」

「そ、そんなわけが……!」

「正吾くん……変態さんなんだからぁ」

「卒業証書を受け取る時に……振動を強くしたり、ね」

「どんな生き方してきたら……こんな変態が生まれるんだよ」

 

 変態変態言われているが、第三者から見れば変態なのは明らかに緋沙子たちの方だ。一人ずつパンツを下ろしてやれば、太いバイブの先端が顔を出す。ブブブッと小刻みな振動を繰り返しながら、ポタポタと垂れる愛液に濡れていた。

 

「もうピルは飲ませないからな。──全員、俺の子供を産んでもらう」

 

 竜胆の卒業式の時にもした、中出し状態でのバイブ挿入。あれが思ったより気に入ってしまったので、卒業式での恒例行事となってしまった。

 一年前には寧々とメアにもしたし、その後二人とも無事に妊娠した。園果、竜胆に続いての妊娠だ。俺も四人の子供の父になったんだと思うと、どうにも感慨深い。

 

 恒例行事をこの四人にやらない選択肢などあるはずもなく、こうして全員に精液とバイブのセットをプレゼントしたというわけだ。バイブで軽くイキながら卒業証書を受け取る様子は何度見ても股間を熱くさせられる。卒業もしたから遠慮なく孕ませられるのもあって余計に興奮した。

 

 唯一の懸念点はアリスだが、どうにか薙切家には隠したまま関係を続けていくつもりだ。俺も全力を尽くすし、アリスはアリスでいざとなったら薙切家と絶縁してでも俺と居ることを選ぶ覚悟を決めている。まあ、そんなことにはならない。やりようなんて幾らでもある。これまでやってきた事の難易度に比べれば、優しすぎて欠伸が出るぐらいだ。

 

「みんな、これからもよろしくな。──愛してるよ」

 

 流石に射精しすぎたからか、勃起しただけでイチモツが少し痛い。回復するための時間が必要だと判断し、バイブの強さを弄って四人を絶頂させるだけに留めておいた。今日の夜にはまた出番があるので、今は休ませないとな。

 

 アリス以外の三人は俺の近くで働いてもらう予定だし、これからも会おうと思えばいつでも会える。なんなら住居も俺が用意しているので、お泊まりも問題なく可能だ。

 緋沙子は引き続きえりなの秘書として、涼子は燦徳グループの副料理長として働く竜胆の補佐として、美代子は中華部門の料理長としての立場を既に決めてある。三年生になって、緋沙子と涼子と美代子の三人は新たに『十傑』入りを果たした。実力的にも問題はない。

 

 ちなみに、総料理長は美作に任せるつもりだ。アイツ以上に使える才能を持った料理人は居ないし、俺への忠誠心も特に強い。一番大事な役割を任せるなら、絶対にアイツで決まりだ。

 美作には俺の料理スキルを覚えてもらい、将来的には料理部門全体を担当してもらいたいと考えている。俺が正式に燦徳家の当主となるまでに、まだまだ鍛えてやらないとな。

 

「ああんっ……! 正吾くん……すきぃっ」

「ア、アリスお嬢……わ、私も……正吾とキスを……んんっ」

「……おい、正吾。……あたしにも、してくれ」

「ず、ずるい……! 正吾くん、私も……お願い」

 

 静かな教室に、美少女たちの喘ぎ声が響く。

 現役女子高校生としての最後を堪能するために、俺は一時間ほど彼女たちへの愛撫を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 卒業式が終わってから時間も経ち、卒業生たちの多くが学園を去って行った。その全員が遠月学園を卒業出来たという達成感に満ちていることだけは間違いないだろう。

 

 アリスたちも仲良く揃って学園を出て行った。どんちゃん騒ぎをしている創真たちに合流するらしい。極星寮のメンバーはもちろんのこと、アルディーニ兄弟に葉山や黒木場も顔を出しているようだ。料理勝負が始まる未来しか視えないな。

 

「……おっ、居た」

 

 俺もそろそろ学園を去るために、一人の女性と合流していた。最愛の恋人にして婚約者である──薙切えりなだ。

 校門付近で待っているとのメッセージを貰っていたので、見つけるのは簡単だった。

 

「お待たせ、えりな」

「いいえ、待ってないわ」

 

 校門の横で待っていたえりな。俺の姿に気付くと、柔らかく微笑んで近寄って来た。可愛い。可愛すぎて思わず抱き締めてしまった。

 

「えっ!? しょ、正吾くん……は、恥ずかしい」

 

 アリスたちと同じように、えりなの女性としての魅力もここ数年で跳ね上がったように思う。やはり、女は抱かれると綺麗になるのかもしれない。

 初めて抱いた日から一年半以上が経過しているわけだが、俺は週に三回は必ずえりなを抱いてきた。イチモツを捻じ込んだ回数は軽く千を超えるだろう。それだけ味わっても全く飽きがこないのだからとんでもない女だ。二度目の人生を本気で生き抜いて来て、本当に良かった。

 

()()()()()()()は無事に終わったか?」

「ええ、安心して。今の私はもう、遠月学園の総帥じゃないから」

 

 燦徳家に嫁入りするために、えりなには学園総帥の座を降りてもらった。遠月学園の総帥は代々『薙切』の名を持つ人間が務めると決まっているからだ。

 新しい総帥は仙左衛門殿の息子であり、尚且つアリスの父でもある薙切(なきり)宗衛(そうえ)殿に決定した。真面目な人のようだし、何も心配は要らないだろう。

 

「そっかそっか、良かったよ」

「薙切家の後継者問題が気になるところね。……アリスは絶対に断るでしょうし」

「そんなの、薊さんと真凪さんに任せれば良いんだよ。念願だった仲直りが出来たんだし、えりなの弟か妹が出来るのも時間の問題だろ」

「それは……娘として、少し複雑かしら」

 

 高確率で出来ると思うけどな、弟か妹。万が一そうならなくても、宗衛殿とその奥さんであるレオノーラさんに頑張ってもらえばいい話だ。むしろあんだけエロくて可愛い嫁が居て、何故アリス一人しか子供が居ないのかが本気で分からない。俺だったら子作りしまくるけどな。

 近い内に作戦を立てて、そういう方向性で後継者問題は解決しておこう。薙切家に繁栄してもらわないと燦徳家も困るしな。

 

「ともかく、これでようやく落ち着いたな。新しい生活が始まるわけだけど……不安か?」

「……そうね。……貴方の妻としてやっていけるか、それだけが不安」

「なら大丈夫だな。えりなは俺の側に居てくれるだけで良いんだから。隣で俺を愛してくれて、ベッドの上で可愛い声を聞かせてくれるだけで良いんだ」

「も、もう……ばかっ」

 

 冗談を言って和んだところで、えりなの手を取って歩き出す。向かう先には実家の人間に用意してもらった車が置いてある。免許は取ってあるので、これからえりなと共に役所へ婚姻届を提出しに行くのだ。高校卒業と同時に同級生と結婚なんて、金がなかったら間違いなくスピード離婚へのフラグでしかないな。

 

「指輪、似合ってるよ」

「……あ、ありがとう」

 

 車へと乗り込み、シートベルトを付ける。えりなの左手薬指に輝く結婚指輪に対する感想を述べてから、ゆっくりと車を発進させた。

 

「学生として見られる最後の学園だ。ちゃんと目に焼き付けとけよ?」

「もう卒業したんだから違うんじゃない?」

「今日が終わるまではセーフだろ。そういうことにしとこう」

「何よそれ……ふふっ、そうね。セーフかもしれないわね」

「婚姻届を出したら、早速俺たちの新居に行くからな。今日からはそこで暮らすことになるんで、よろしくお願いします」

「こ、こちらこそ……よろしくお願いします」

 

 頬を赤く染めるえりなを愛おしく思いながら、バックミラーに映る遠月学園を一瞬だけ見た。三年間、楽しく過ごさせてもらった記憶が蘇る。柄にもなく、素直な感謝が胸に込み上げていた。少しばかりの、寂しさと共に。

 

 青春の詰まった学園に別れを告げ、俺とえりなは新しい人生へと進み始めた。

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

「──……んあっ! イクッ! イッちゃうぅっ!!」

 

 時刻は深夜一時。とある豪邸の寝室には、性の快楽に溺れる女の声が響いていた。ベッドの上でいやらしく乱れるのは苗字を『薙切』から『燦徳』に変えたばかりのえりな。正式に夫となった正吾のイチモツに騎乗位で跨りながら、より深く繋がるために腰を振っていた。

 二人の愛の巣なだけあって、部屋の設備は完璧。壁は防音のため、えりなの喘ぎ声が外に漏れる心配も皆無だ。そもそも家が広すぎて、外に声なんて届きようがないのだが。

 

「〜〜〜ッ!! ……んっ、ああんっ……!」

 

 身体をぶるっと震わせ、力無くベッドに倒れたえりな。

 正吾はそれに合わせてイチモツを抜きながら、彼女の身体を優しく受け止めた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……正吾、くん。……もっと、もっとしてぇ」

 

 息切れしながらも、えりなは自分の意思で股を開き正吾の肉棒を誘った。新生活への不安を塗り潰すように、快楽への衝動が強まっている様子だ。

 そんなえりなの態度に口角を上げながら、正吾はゴムが付いたままのイチモツをえりなの顔付近に移動させた。

 

「なあ、えりな。俺たち、もう夫婦なんだよな。……じゃあさ、もうゴムする必要はないよな?」

「……えっ」

「結婚してからの初夜なんだ。えりなの膣内(なか)に……思いっきり出したい」

「……ッ! ……わ、私も……出して、ほしい」

 

 えりなの返答に笑みを更に深めると、正吾はイチモツに付いていたゴムを取り外す。ローションでヌメヌメと輝くイチモツを握り、迎え入れる準備が万端の秘部へ亀頭を押し当てた。

 入籍するまでは禁止していた生セックス。我慢していた分、その興奮も大きい。

 

「今からえりなのまんこ……俺の精液でパンパンになるまで射精するからな。妊娠するまで射精して、妊娠しても射精する」

「……う、嬉しい。……私も、正吾くんとの子供が欲しい。……妊娠、させてぇ……!」

 

 互いの合意の下、子作りが開始──とはならず、正吾が動きを止めた。

 

「……へっ? ど、どうして……止まるの?」

 

 快楽で上手く呂律の回らないえりなに、正吾は軽く微笑んでから口を開いた。

 

「えりな。俺、ずっと隠してきたことがあるんだ。聞いてくれるか?」

「えっ、な、なにぃ……?」

 

 寸止めで焦らされ、子宮を震わせるえりな。正吾は亀頭でえりなのクリトリスを上下に擦りながら、最悪の告白をした。

 

「実は俺、えりなと付き合う前から他にも肉体関係を持ってる女性が複数人居るんだ。驚くと思うんだけど、緋沙子とアリス。籍を入れるのはえりな一人だけど、緋沙子とアリスのこともえりなと同じように愛してるんだ」

「んんっ、あんっ、こすれてぇ……きもちいっ」

「最低なのは分かってる。それでも、俺は二人のことも愛していきたい。だから、えりなに許して欲しいんだ。一番はえりなだから、俺のことを許して欲しい」

 

 清々しいまでのクズ発言を、挿入を焦らしながら言い切った正吾。まるで認めなければ挿入はしてやらないとでも言うかのように。

 しかし、ここで正吾にカウンターを決めたえりな。亀頭でクリトリスを虐められていることで顔を真っ赤に染め上げながら、言葉を返した。

 

「し……()()()()()()。気付かないとでも……思ったの?」

「……いや、なんとなく、気付いてるかなとは思ってた」

「本当に……酷い人。……緋沙子とアリスだけじゃ……ないんでしょ?」

 

 不意を突かれたように正吾が目を見開いた。まさか二人以外との関係にも気付かれているとは思わなかったようだ。

 

「……バレてたか」

「んあっ! ……わ、わかるわよ。……貴方を見る、彼女たちの目が……私と一緒だったから」

「そっか。それは……盲点だったな」

「……でもぉ、私は正吾くんがすきぃ……! そんな貴方のことを……嫌いになれないからぁ……!」

 

 ついに我慢の限界がきたようで、えりなが正吾のイチモツを両手で握った。亀頭をクリトリスから秘部の入口へと自分で当て、恍惚の表情を浮かべながら正吾に語りかけた。一人の男に堕ち切った──鈍い色の光を目に宿して。

 

「私以外に……居てもいいからぁ。……私を、愛して? ……正吾くんのおちんちん……いれて? ……えりなのなかに……だしてほしいのぉ」

「……ああ、一生えりなを愛するって、命を賭けて永遠に誓う。……今日は気絶するまで中出しして、ちんこ挿れたまま朝を迎えような」

「う、うれしい……! しょうごくん……あいしてます」

 

 ガチガチに勃起したイチモツが、生のままえりなの膣内へと捩じ込まれた。

 

「──ん゛お゛ッ! ……お、おお……!」

「ああ〜、その声、マジでちんこにくるわ」

 

 少しでも奥へ押し込もうと、正吾が腰を押し付ける。えりなは無様に脚を開いたまま、舌を出して喘ぐことしか出来なかった。

 

「んじゅるっ……んちゅ、じゅるっ、ちゅぱっ」

「えりな……かわいいよ……かわいい」

 

 舌と舌を絡めながら、二人の交わりは強さを増していく。顔と背中に汗を滲ませながら、濃厚な繋がりを求め続けた。

 

 

 男は手に入れた女へ、己の欲望の全てをぶつけるために。

 

 女は愛してしまった男へ、湧き上がるの全てを愛情をぶつけるために。

 

 

「えりな、えりな! ……全部──受け止めろッッ!!」

「──……あ゛あ゛あぁぁぁァァッッ!!」

 

 熱い白濁の精液が、燦徳えりなの膣内へと注ぎ込まれる。長い長い射精が終わっても、正吾は最後の一滴まで出し尽くそうとイチモツを子宮口へと押し込んだ。

 手に入れた最愛の女を決して逃がさないよう、決して離さないよう、己の子種を深く刻み込んだ。

 

「……しょうごくんのせーえき……あったかい……♡」

「……なら、もっと喰わせてやるよ」

 

 ──結局、初夜でえりなが絶頂した回数は軽く百を超え、十八回もの中出しをされることとなった。そして人類最高味覚、『神の舌』に選ばれし少女はこの日、生まれて初めて男のイチモツの味を知る。喉に張り付くような粘性のある精液もごくんっと飲み込み、男の欲情を更に掻き立てた。

 

 当然美味とは思わなかったが、不思議なことに『不味い』とも思わなかった。『神の舌』を持つえりなからすれば信じられないことだ。

 しかし、いつまでも固く勃起しているイチモツを夢中になって舐め上げていると、そんな疑問はどうでもいいとえりなは思い始めた。自分をこの世で最も愛し、女としての(よろ)びを与えてくれる存在。それだけでこの上なく満たされているのだからと。

 

 

「……しょうごくん」

「……えりな」

 

 

 繋がったまま、いつの間にか二人は眠りについた。

 

 

 愛の味に満たされた──幸せな表情をして。

 

 




次回、最終話!
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