※この作品はR-18です。

エビ転生。異世界で転生した俺が巨乳美少女料理人に「脱皮を手伝ってもらう」話。〜スキル【脱皮】が最強すぎて世界が俺を狙う〜   作:えびふぉねら

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最終話 エビよ永遠に

 翌朝。

 

 美食ギルドの料理人グレナシアは、そこにはいなかった。

 俺だけが、全裸でベッドの上にいた。

 

「なんだ、もう帰ったのか……もう一回したかったな」

 

 俺は乱れたベッドから降りて服を着ようとした。

 ……ん、いつもより妙にお肌がつやっつやのプルップルな気がするぞ?

 これはあれか? 交尾のせいか?

 

 その時、久しぶりに頭の中に変な声が響く。

 

 

 ※ステータス変動※

 ・筋力 +100

 ・敏捷 +150

 ・魔力 +300

 ・性命力:全快

 

 

 おお!? なんかめちゃくちゃパワーアップしてるぞ。

 てか、性命力ってなに!?

 

 その瞬間、俺の頭は一気に醒めた。曖昧だった昨日の記憶が波のように押し寄せ、理性と思考が走り抜ける。

 

「あぁぁぁぁ!!!」

 

 裏返った叫び声。気づくと俺は、昨日の行為一つ一つにセルフツッコミを始めていた。

 

 

 >俺の腕は、いつの間にかグレナシアの細い腰を強く抱き寄せていた。

 

 何してんの!?!?!?

 さっきまで“味見”とか“皮剥ぎ”とか言ってた相手だぞ!?

 俺の中の危機管理能力はどこいった!! エビの甲殻と一緒に脱いだの!?

 

 

 >目の前の彼女の肢体、こんな甘い誘惑に抗うことなど、エビ……いや、男なら誰もできないだろう。

 

 エビ戻ってきた!? 今エビいたよね!?

 なんで“エビ”と“男”が同列で語られてるの!?

 俺の性自認、甲殻類からスタートしてるの!? いや、エビん時交尾したことないけどさ!

 

 

 >俺の熱いモノが、ゆっくりと彼女の奥深くへと沈んでいく。

 

 うわああああ言っちゃったあああ!!!

 比喩とかもう何も守ってない!! 倫理どころか水分も飛んでるゥッ!!

 なんで人間はこんなに熱くなるんだ!? 自分の熱で茹で死ぬよ! 

 

 

 >「……ふ……く……っ……出る……ッッ……!」

 

 あーあーーーもうダメだーーー。

 完全に出ちゃったよ!! 出たよ!! いろんなものがッッッ!!

 元・エビとして“殻を脱ぎ捨てて一皮剥けた結果”がこれってどうなんだよッ!!

 避妊? 知らないよそんなの!!

 

 

 >俺は、ひとつだけわかったことがある。

 >――人間の身体って、最高だ。

 

 やかましいわ!!!!!

 なんでエビから人間になった感想が“最高でした(性的に)”なの!?

 もっとこう……あるだろ!? 文化とか、言葉とか、感情とか!!

 よりによってそこを最優先にして人間の世界に順応すな!!

 

 ――

 

 ――――

 

「ぜぇ……はぁ……何やってるんだろう、俺……」

 

 俺は安宿を出た。

 なんか知らんが、出る時に店主のオッさんがやけにニヤニヤしていた。

 なんなんだよ、人間、怖いよ……。

 

 

   * * *

   

   

 全ての元凶は、グレナシアだった。

 

 俺の皮を――そう、激しい夜のベッドの上で“脱皮した俺の皮”を持ち帰り、ひときれだけ市場に流したのだ。

 

 結果。

 

「うまっ……」「なんだこれ……」「これが……“エビ由来”……?」

 

 それを食べた料理人、貴族、兵士にごろつき――それぞれが口にしたのは、ほんのひとかけらに過ぎなかった。

 だが、人々が口を揃えて叫んだのは、たった一言。

 

 

「もっと脱げぇっ!!」

 

 

 その瞬間から、俺の皮は“出汁皮”と呼ばれ、どんな貴重品よりも高く取引され始めたのだ。

 都市全体が、俺の脱皮に熱狂した。

 

 じ、冗談じゃない――

 俺は逃げた。逃げて逃げて、逃げまくった。

 少しだけ脱げた皮を囮に放り投げて。

 人間どもは嬉々としてそれに群がった。

 

 が――無情にも、それが仇となってしまった。

 

 倫理を破壊する悪魔の研究結果が発表されたのだ。

 

 

『性的昂ぶり時に脱皮すると、出汁成分が1.7倍に跳ね上がる』

 

 

 ……その一文が、世界を地獄に変えた。

 

「つまり……“ギンギン時に剥く”と、最強の皮が採れる……?」

 

「やるしかねえだろ……!」

 

 そうして、ラナスの文明は壊れた。

 

 

 

   * * *

 

 

 

「いたぞぉお! あれが“源泉”だ!」「まだ勃ってるぞ! 今が旬だァ!!」

 

「ちょっとでいい! ちょっとでいいから! こっち来てギンギンになってくれぇぇ!」

 

 

 俺は走っていた。

 

 フルチンで。

 

 ギンギンで。

 

 全速力で、路地裏を駆け抜けていた。

 

 

「なぜだぁぁぁぁッ!! どうして俺がこんな目に……!」

 

 

 出汁の効いた汗が舞う。股間がぶらぶらと踊り狂う。

 後ろからは、人波の如き足音が押し寄せる。

 

 その中に混ざって聞こえる、聞き慣れた声――

 

「待ちなさい! 金のなる木!!」

 

 美食ギルド料理人・グレナシア。

 豊満なGカップの胸を揺らしながら、爛々とした真紅の瞳で俺を追いかけてくる。

 ……って、そんな所見てる場合か!

 

「あんたかああああああああ!! やっぱあんたが売ったのかあああ!!」

 

 さらに、背後から新たな狂気が迫る。

 

「やっぱ“濃厚出汁”は男の体液からだろ?」「うひひ、オスの味、試してえなあ」

 

 は? は? 男……!? うそだろおい……。

 

「待てぇぇぇぇ!! 俺はノンケだ!! 男に剥かれるとか絶対ヤだ!! やめろォォォ!!」

 

 逃げろ! 振り切れ! 絶対に“勃ったまま”捕まってはいけない!!

 

 

 

   * * *

 

 

 

 そして、最悪の都市伝説が広まった。

 

 

「“あの瞬間”に剥けば、究極の皮が得られるらしい」

 

 

 そう――射精の瞬間に脱皮すれば、伝説級の“超濃縮エビ皮”が採れるという噂だ。

 

 もはや、都市どころか世界規模で、出汁マニアが俺を狙っていた。

 

「よし、次ギンギンになったら、一気に剥くぞ!」

 

「まずは乳首を攻めて様子を見る!」「股間は最後だ! 鮮度を保て!」

 

 なんだこの人たちは。

 なぜそんなに真剣なんだ。

 どうして俺の乳首にだけ執着するんだ。

 

 

 ――何が最強だ。何が異世界無双だ。ふざけるな。

 

 人間……お前らはもう人間じゃない。バケモノだ。

 

 俺は心の底から、こう願った。

 

 ――エビに戻りたい。

 

 その時。

 

 グレナシアが、銀のナイフとフォークを構えて高らかに笑った。

 

「あっはははは! あなたはもう、“世界にとっての食材”なのよ! 誇りなさい!!」

 

「誰が“ギンギン出汁製造機”だああああああああああ!!!」

 

 叫んでも、世界は止まらない。

 コイツらは狂っている。いや、俺が世界を狂わせてしまった。

 

 

 そして――

 

 

 股間は、なぜか反応していた。

 

「やば……また……剥かれる……ッ……! 助けてくれぇーー!!」

 

 

 

 

   【おしまい】

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