※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.15_03

Badland

Krievci System,Gostivar

Jade Falcon

19 November 3151

 

 背後を追ってきていた軽戦闘機が急に2番機を追うのを止め、機体を翻した。

 見回してみると、他の5機のCorsairも機首を返して帰投しようとしている。

 

「地上の様子はどうか?」

 

 高い高度で機体を操っていたドルマ―は突然の戦場の変化の原因を掴めなかった。

 ゾリグとナランに問いかける。

 

『わからん。だが、社畜が騒いでいる。』

 

 もうやってらんねぇよ。見逃してくれ。とオープン回線で叫んだパイロットの声はドルマ―にも聞こえている。

 ただ、それだけでは地上で何が起こったかまではわからない。

 

『TimberWolfの頭部』

 

 先に機体の高度を下げていた7番機からの通信で、ようやく異常の正体に気が付く。

 白い雲の下にいるTimberWolfの正面から、小さな黒煙が上がっていた。

 機体に動きはない。

 

「ゾリグ。コクピットを撮れる?」

 

 彼を撮れたところで、救助には時間がかかる。

 輸送用のヘリコプターはシャストルの基地にはない。

 TimberWolfへの到着が一番早いのは、戦域の外にいるアリマ達の指揮車両だろう。

 だが、医官のシタがいる基地は更に数十マイル以上後方にある。

 

 高度を下げた5番機がTimberWolfの頭部を翳めるほどに接近する。

 普段のゾリグならば、すぐに撮影した映像が共有したはずだ。だが、今日は違った。

 一度TimberWolfから離れた後に再度、上から背面飛行で最接近する。

 姿勢を直した5番機が更に深緑の彫像の周りをぐるりと飛んだ後。

 ようやくゾリグからの返事があった。

 

『ガウスライフルが頭部を直撃して、コクピットが露出している。』

 5番機が撮影した視覚センサーの情報がようやく共有され、ドルマ―の機体のサブモニターから映像が流れ始める。

 断裂した配線や破損した機器が黒く縁取られた大穴からむき出しになっていた。

 その奥の黒い影が何かは2番機の小さなサブモニターでは判別がつかない。 

『コクピットは空だ。シートはそのまま。パイロットは脱出していない。』

 淡々と短く分けた報告が通信機から聞こえる。

 

 同じ映像は後方の指揮車両にも伝わっているはずだ。

 なのに、彼女達からは何も発信がない。

 

『撤退を』

 

 ナランが短くドルマ―に指示を請うた。

 

「TimberWolf周囲を捜索して。何も見つからなければ退こう。」

 

 ゾリグの眼を疑うわけではない。

 ただ、今彼女たちにできることはやっておきたかった。

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