Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants 作:Sykyu
Union class Dropship , Jail
Sargasso System, Nadir JumpPoint
Jade Falcon
25 December 3151
「減棒6ヶ月、独房5日間な。」
オスキャルの裁定に慈悲はなかった。
独房だけは勘弁な。って思っていたのに、この様だよ!
心の中でそう叫んでも、応じてくれる人間はいない。
壊した扉はすぐに修理をしたけれど、それでも壊した事実は帳消しにならなかった。
更にカップルが致している部屋に突撃したことで、艦内ではド変態の称号も拝名する。
これは独房から出ても、しばらくは白い目で見られるのではなかろうか。
そう思うと、人生が詰んだような気すらした。
無言で何度も両手を万歳するかのように高々と上げる。
完全にお手上げだった。
どうせ今後、誰か相手が見つかるはずもなし。
そんな自分の脳裏に、トヤーちゃんが乱れ咲く姿を焼き付けられたことは今後の生涯を犠牲にする価値があったのではないだろうか。
独房の片隅に座り込んで、一人でそんなことを延々と自問し続ける。
気が狂うのではないかと思うほどの時間が経った後、独房の扉が開いて金髪の女の子が食事を持って入ってきた。
「なんだ、シャロンか。」
食事。と金髪の彼女が短く言う前にオーケは口を開いた。
なんで、変態的な前科のある男の元に彼女が送られてきたのかはわからない。
それでも、彼は突き出されたお盆の上の食べ物をガツガツと無言で掻き込む。
シャロンが黙ってそれを見ているので、早く食器を返してしまおうと急いで匙を動かした。
「カッコよかったらしいじゃん。」
もうすぐ皿の中が空になろうというときに、今までまるで口を開かなかったシャロンがオーケに向かって言葉を発する。
「カッコいいもんかよ。」
少し考え込んでから、自分の部下にブスっした返事を返した。
「もうこれで、一生独り身の一生童貞で確定だっつーの。」
「オレと寝たのに、まだそんなこと言ってんの?」
シャロンが呆れたような声を出す。
驚いたのか、狭い独房に彼女の声がよく響く。
「お前、初めては結婚する相手に捧げるんだって言って、俺にはやらせなかったじゃんかよ。お前が処女なら俺だって童貞だろ。」
オーケは食い下がってシャロンの言うことを認めない。
彼女は言葉を詰まらせる。
シャロンは自分のことをオレと呼んだりと粗野な一面が多い割に香水を欠かさなかったりと女性らしさがないわけではない。
オーケは彼女と一度だけ、肌を重ねたことがある。
どんなに自分の肌の上を指や舌が這っても、彼女は頑なにオーケが純潔を奪おうとするのだけは拒み続けた。そこの代わりにその日のシャロンは別の場所を彼に差し出す。
オーケは差し出された場所で欲を収めて、彼女の純潔は守られる。
その一回以降、オーケは他の誰とも男女の関係を結ぶことはなかった。なるならない以前にそぶりを見せる気すら起きない。
異性と関係を結ぶことへの興味がすっかり無くなっていた。
2人の距離もその日から自然と開いて、お互いに2人になるのを避けるようになる。
シャロンの口が悪くなると、その狭間は更に広がりを見せた。
彼女が仕事を辞めるようなことは無かったが、2人の距離が戻ることは無い。
そのままの関係で、お互いに5年の月日を過ごした。