Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants 作:Sykyu
Union class Dropship , Medical Sect
BlueHole System, Nadir JumpPoint
Jade Falcon
9 January 3152
病室は決まった時間に真っ暗になることになっている。
赤ちゃんの体内時計をちゃんと作っていくためには、灯りのコントロールをしなければならないらしい。
暗闇の中は少し寂しくて、アンネさんにお願いして同じベッドに入れてもらった。
ほんの少しだけ、胸を肌けてもらって赤ん坊みたいに彼女の母乳を吸わさせてもらう。
甘い味と柔らかい感触に、記憶のない不安が和らぐ。
それが気持ちよくて、アンネさんの口から声が漏れるくらいに熱心に吸ってしまう。
前は、記憶が無いことをあたしはそんなに気にしていなかった。
でも、あたしのお姉ちゃんを名乗る人が出てきて不安が湧く。
オドントヤーって、あたしのことなのかな?
後からどんどんと色んな疑問が湧いてきて、それはあたしの不安をより強く揺さぶった。
――デッカいなぁ。
あたしの手の平よりも大きな2つの球を、片方の手と唇でそれぞれを弄ぶ。
その間、アンネさんは自分の足の指先同士を擦り合わせるように連続で交互に交差させる。
調子に乗って、先端から乳を強く吸えば彼女の背筋がビクンと反応した。
やがて、彼女の膝がピンと伸びて、脚全体が強張る。
強張りが解けて、アンネさんの身体から力が抜けるのを待って、あたしはアンネさんの寝台から飛び出した。
「アンネさん、ありがと。」
巨大な怪獣を討滅したような達成感を覚えたあたしは一言、お礼を言って自分の寝台に戻る。
毎日、好きな時にあの柔らかいクッションに包まれることが出来るのなら、赤ちゃんというのは素敵な立場に思えた。
再び寂しさを感じた時、あたしは暗い病室の扉の向こうから、覚えのある気配を感じる。
どこか迷いを見せながら、気配の主のゾリグはノックすらせずに、ドアを開けて病室の中に入ってきた。
「エッチ」
顔を合わせるなり、あたしは彼に罵声を浴びせる。
あたしが目覚めてから、もう10時間以上経っていた。さすがにこれは遅いのレベルじゃない。
このくらいのスネは許されても良いはずだ。
「アンネさんが授乳中だったら、どうする気だったのさ?」
そこまで言って、ハッと思い出す。
さっきまで、授乳されていたのは他でもないあたし自身だった。
急いでアンネの寝台に駆け寄って、彼女の開き切った胸部の布を元に戻して、乱れた脚の形を直す。
シーツをかけ直して、これでよし。
「ゾリグのエッチ!」
あたしはもう一度、彼に罵声を浴びせる。
これはどっちかと言えば、あたしが悪い。
「お前、俺を覚えてるのか?」
少しは言い返してくるかと期待してたのに、ゾリグはあたしの予想外の反応を返してくる。
そういえば、他の人のことはボンヤリとしてたのに彼のことはあっさり思い出した。
「ううん、そうだね。」
少し頭を捻る。
自分の寝台に戻りながら、ちょっと前のことを思い出そうとする。
「寝てる最中に、ゾリグのお友達って人に会ったからかな。カメラ持ってずっとパシャパシャうるさい人。」
そこまで言ったところで、あたしはゾリグに肩を掴まれて、ベッドの上に押し倒された。
――相変わらずいきなりだなぁ。
そう思っても、あたしは彼をいつでも迎え入れられるように脚の間を大きく開く。
目を瞑って、唇を薄く開いた。
両手はもう既に彼の背中に回っている。
彼の口が大きく開く。
「お前、サリーナに会ったのか?」
――今、そういう時間じゃないだろぉ!?
あたしは心の中で、本気でゾリグを罵倒する。
目を見開いて、キッと彼を睨みつけようとして、彼の表情に驚く。
勘違いをしていたのは自分だったことと、自分が何かの地雷を踏み抜いてしまったらしいことだけはすぐにわかった。