Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants 作:Sykyu
Union class Dropship , Jail
BlueHole System, Nadir JumpPoint
Jade Falcon
9 January 3152
――おい、エレナをどこにやった。
艦内を独りで歩き回っている時に、ふと影のように動くあの男を見つけた。
追いかけて、エレナの行方を問い詰める。
――エレナに、何をした。同じことを私にもやってみな。
親指を自分の胸に突きつけて、啖呵を切る。
男が妙な動きを見せるようであれば、即座に地面に叩き伏せてやろうとすら、思っていた。
エレナを見つける。その一心で自分の目が曇っていたことに気がつかない。それが自分の思い上がり、相手の力量の見誤りだと気がついた時には全てが遅かった。
独房の並ぶ通路に引き込まれて、後ろから回された太い片腕で全ての動きを封じられてしまう。
パイロットスーツを剥かれて、こぼれ出た片胸の先端の周囲を執拗に指で撫でられ続けると、どうしてかマイの理性はあっさりと限界を迎えた。
下着越しの刺激にも関わらず、マイの肢体はもう、男の指の動きに反応すること以外の、全ての動作を拒絶している。
男に丹念に触られ、身体の中で限界まで膨れ上がった何かは、もうマイの意思で抑えることができそうにない。
それでも、と身じろぎをするたびに、身体の出っ張りに引っかかっていたパイロットスーツは、彼女の足元に向けて滑り落ちていく。
これは自ら脱いだわけではない、という言い訳をマイは何度も頭の中で反芻する。
マイは狭い通路の左側に並ぶ重厚な2枚の扉を見上げた。
独房の中には人の気配がある。中の人の興味を引くような声を出してはいけないと思っているのに、それは全く成せていない。
小さくて短い、高い音を喉が連続して奏で続ける。
この音が狭い空間で反響するのは、発声している本人の耳にもよく聞こえていた。
それが聞こえていないはずもないのに、独房の中の囚人達がまるで反応を見せないことが、却ってマイの羞恥を煽る。
男はこの通路の片隅に両方の脚を投げ出して、背を壁にもたれ掛けさせた。
男の顔に背を向けて、彼のちょうど腰の辺りに跨るような姿勢をマイはさせられる。
彼が膝を立てると、男のゴワゴワした服がちょうどマイの股の間の割れ目の表面を擦った。
早くその指で胸の頂点を突いて欲しい。
そうで無ければ、彼女の煮えるように火照った下腹をどうにか鎮めて欲しかった。
そう心の中では懇願しているのに、口からはロクに声を出せない。
途切れ途切れの小さな喘声は、何の意味も為さないただの音だった。
ヌルと肌を重ねても、感じることのなかった昂りに、もうマイは何度も白旗を揚げている。
男の指が肌に触れるまでは、強くて激しい肉体のぶつけ合いこそが、至高の快楽を生むのだと思っていた。
だが、この静かで一方的な焦らしは、彼女の理想とは真逆にある。
だというのに、彼女の表情は、自分がだらしなく垂らした唾液と涙で塗れていた。
それをこの男は、見て見ぬフリを続けている。
「お願いだ、もう...。」
どうにか絞り出した自分の言葉が脳裏でエレナの「御慈悲を...」という口癖と重なった。
あの言葉の裏にあった彼女の願いの切実さを、マイはようやく理解する。
同時に今、男がマイの理性を蹂躙している行為の意味をも理解した。
男が行なっているのは、捕虜への乱暴狼藉ではない。もちろん、彼が彼女を本当に愛しているわけでもない。彼はエレナに降した慈悲を、マイが望んだ通りに彼女の身体にも行なってみせているのだ。
だが、それが分かったからと言って、マイは後に引き返す気にはなれない。
この行いに愛がないと知ったとしても、マイの掲げた白い布に偽りは無かった。自分を負かした者に従うのは氏族の掟。何百年も彼女らが続けてきた鉄則だ。翡翠隼の歴史とマイの中の女が、この服従の感情を全て肯定している。
――これぞ、我らの道。
腰の横で結ばれていた下着の紐を引いて、更に胸を覆っていた布も引き剥がす。
肢体の向きを反転させて、男に向けて横に並んだたわわな実りを見せつける。
男の股の起伏に、彼女の小さな黒い茂みが覆いかぶさった。
マイの動きを強い力で制約していた男の指先が、彼女の胸の先端をピンと弾く。
途端にマイの内から溢れ出た透明な液体が、男のズボンの表面を濡らした。
これから、彼女はこの男に全てを捧げる。生も死も、喜びも悲しみも、始まりも終わりも、全てだ。
マイは身体を浮かして、男の上から自分の身体を退けると彼のズボンのチャックを降ろす。
重なった布を掻き分けて、そこに埋もれた誓いの剣を探り出した。
溢れる期待で胸を溢れさせながら、床に仰向けになって、男に視線を送る。男が彼女を拒絶するという想像は、マイの頭の中にはなかった。
彼が身を起こすと、マイは男が目的を達しやすいように脚を開いて、膝を立てる。
すでに主従は定まっていた。あとは彼女の奥底に誓いの印を押し込まれるだけだった。
男が彼女に覆い被さった次の瞬間に、マイはエレナの変化の全てに納得をする。
固いモノが身体の中に入り込んできた感触に、彼女は全てを忘れ去って歓喜の声を上げた。