※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.06_08

Mining district

Esteros System,Alkahera

Jade Falcon

28 June 3151

 

 戦場の反対側から、誰かの悲鳴が無線越しに漏れ聞こえてきた。

 

──たぶん、こっちも狙われてる。なら。

 

 Kit Foxを山肌に沿って滑らせる。隠れてたって、役に立てないなら意味がない。

 あたしの背中にも、そろそろツケが回ってきてる気がした。

 

『トヤー!ドルジ!Longtomがそっちを撃った!』

 

 通信機を鳴らすアレフの声を聴いてKitFoxの脚の速度を上げた。

 焼け焦げたバヤルのキャリアが見えた。センサーが赤信号を出すほど、まだ熱を帯びている。

 

──あんなに騒いでたのに、たった一発で終わりって……

 

撃つってなった瞬間、テンション爆上がり。「空が割れるぞォ!」って、なにそれ。子どもかっての。

 

 ……好きだったけどなぁ……。

 

 焼け焦げたキャリアの残骸が、ついこの前の景色と重なる。

 あの時も、上から火が降ってきた。

 あたしの乗っていた海賊船を燃やした編隊の同じ戦闘機が、今も頭の上を飛んでいる。

 

 ArrowⅣの残弾はまだある。あたしの狐は誘導弾だけじゃなくて、座標指定して弾道射撃ができる矢も積んでる。

 

 ……知ってるよ、全部、バヤルが教えてくれた。

 

 視界の先では、ドルジが岩陰で敵と撃ち合ってる。逃げるアレフを援護してる。いいタイミング。

 スイッチを入れる。照準器が音を立てて顔の前に拡がった。

 

──なにこれ、便利……Jennerにはついてなかったなあ。

 

 少し緊張していた。前に出るなんて柄じゃないけど、いまさら引き返す理由もなかった。

 無線が鳴った。ドルジの声だった。『トヤーに、Phoenix Hawkのデータを渡せ』と。

 Fleaから受け取ったデータが計算されて、すぐに敵の予想進路が照準に投影される。

 アレフの背後に、ぴたりと張りつく影。

 

──うわ、近っ!

 

 笑ってしまいそうになる。

 怖くてたまらないのに、顔が勝手に緩む。

 

 ふと、昏い緑の巨影に追われた時のことが蘇った。あれも、嫌な距離だった。

 あんな至近距離で撃たれたら、何も残らない。誰も助からない。

 

 Kit Foxの脚にブレーキをかける。真っ白な機体が、ちらちらと崖の向こうに見えた。

 

─あんなの、見えてるじゃん。

 

 指先が軽くトリガーを撫でた。

 

──行ってらっしゃい。

 

 狐の矢が、唸り声を上げて地を裂く。

 

 次の瞬間、崖の向こうが白く弾けた。

 レーザーの音が止まり、土煙が一気に吹き上がる。

 見なくてもわかる。これは、決まった。

 

……どんぴしゃ。

 

 ヤバッ、クセになる。マジで。

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