※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.06_09

Mining district

Esteros System,Alkahera

Jade Falcon

28 June 3151

 

 最前線の高所を陣取っていた翡翠色のバトルアーマー隊。

 彼らは誘導役のホバー戦車が地表を逃げ回り、全滅するのを見届けるしかなかった。

 

 今回の作戦は、ArrowⅣありきだった。それの誘導手段を失ったからにはさっさと撤退するのが上策。

 だからこそ、アレフのFleaには逃げ道を指示した。

 

 しかし、狙いの獲物を逃したGrasshopperは次の目標を確実にボルド達に定めていた。

 ボルド達の姿を覆い隠していた木々が、Grasshopperの放つ光弾に焼かれて焦げた臭いをあげる。

 対してバトルアーマー隊からは一発も撃ち返さない。

 

──まだだ。

 

 部下たちを抑えて、攻撃に耐える。

 目隠しに使っていた頼みの綱の木々が、何か途方もなく重いものに押しつぶされ、折れてはじけている音が聞こえる。

 痺れを切らした重メックが広葉樹の森に足を踏み入れて来たのだ。

 

 判断が早い。思い切りのいいパイロットだ。

 ボルド達の狙いが時間稼ぎを含んでいることを見破ったのだろう。しかし......

 

 ズン。と地鳴りのような音を立てて大地の一部が沈む。ドルジが仕掛けた古典的な罠だった。

 Grasshopperの脚が沈み、壕の縁を崩しながらずぶりと腰まで飲まれる。ボルドは静かに唇を結んだ。見下ろせば、バランスを失った哀れな獲物が穴の底でもがいている。

 

 ボルドがアレフのFleaを逃した直後、ドルジはバトルアーマー隊にほんの少しの移動を指示した。彼が何を狙っていたのかは、移動した先で察した。言葉を交わすまでもなかった。Grasshopperを臨む、ボルド達の視線の先にはメック壕が隠されていた。

 

 こうなれば、主戦場は狭く深い壕の中。こちらが主導権を握ったも同然だ。

 ボルドはバトルアーマー隊に撤収指示を下した。壕を制圧しきることは最初から考えていない。

 時間を稼ぎ、全体の損失を最小限にとどめることこそ任だ。

 元海賊の娘が期待以上に働いたらしい。メック部隊が前線を押し上げている。

 戦局は持ち直した。痛み分けといったところか。

 

 だが、壕を出たその瞬間、彼の胸に重く冷たいものが沈んだ。

 

 一筋の閃光が、TimberWolfの頭部に突き刺さった。

 瞬間、爆ぜる音と共に装甲がはじけ、視界が白く焼かれる。

 コクピットのあたりから黒煙が立ちのぼる。

 

 時も音も全てが、止まった気がした。

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