※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.06_10

Mining district

Esteros System,Alkahera

Jade Falcon

28 June 3151

 

「TimberWolf、頭部に被弾!」

 

 通信機が鳴る。アレフの報告と、僚機の小さな悲鳴が重なった。

 

——ツェレン…

 

 被弾したTimberWolfよりも先に僚機の動揺が気になった。まだまだ、自分勝手だなと思う。

 

 見下ろして見ると、濃い緑色の機体がコクピット部分から黒煙を吐いていた。

 

 ドルマーはツェレンの通信機が一瞬アクティブになったのを見逃さなかった。4番機は彼の名を叫んで呼びたいのを必死に堪えてる。

 

 センサーに手を伸ばしかけたその時、TimberWolfがミサイルを発射した。両肩の長距離ミサイル発射器の斉射。ミサイルはFleaの誘導に従って、崖の稜線に隠れるGunslingerを襲う。

 

 TimberWolf、健在の報に通信機の向こうから方々の安堵の吐息が聞こえる。

 

 本人の声色は、相変わらず無機質だ。

 

 周りの動揺を一切気に留めない低い声がアレフに「Gunslingerを測ってくれ。」と伝えている。

 

 すでに被弾して右腕を失っていたFleaが右側を庇いながら、岩場から頭を出して測距に入る。

 

 途端に高所からのGunslingerとGrasshopperによる集中射撃を受ける。Fleaの左脚が吹き飛び、機体が勢いで弧を描くように転倒する。照準機に送信されてくる目標情報がパイロットの無事を仲間に伝える。

 

——飼い主にそっくりね。

 

 ドルマーは急激に高度を落としながら目標に向けて急降下する。ダイブブレーキは使わない。ツェレンも、まるで息を合わせたかのように機体を落とす。

 

 4番機のArtemisⅣが補正情報を照準器に送ってくる。

 

 ツェレンが発射した長距離ミサイルがドルマーの機体を追い抜き、2機を先導する。凄まじい勢いで大地の色が視界に広がる。HUDの中央にはTimberWolfからは集中砲火、KitFoxからのArrowⅣの至近弾を受けて、よろけるGunslingerの機体。

 

 マスク越しに、笑みが漏れる。

 

 機首が安定し、光点が中央に吸い込まれる。

 

 トリガーを引いて、少し間を置いて操縦桿を大きく引く。機体のノーズ脇のレーザー砲が閃光を放ち、弾道が一直線にGunslingerの頭部へ走った。

 

 そのすぐ真上をドルマーとツェレンの機体は掠めて飛び去る。

 

 Gunslingerの頭部が熱と煙と閃光を噴き出す。巨大な機体がぐらりと体勢を崩して、そのまま左斜め前方向に倒れ込んだ。地響きと共に、大きな砂煙があがる。外見は無事でも中のパイロットが無事では済まなかっただろう。

 

 これ以上の継戦は無意味と判断したのだろう。敵の各機体は何とか起き上がり、傾いたまま損傷部を引きずるように退いていく。

 

 彼らが戦意を取り戻さないように何発か地上のメック達が追撃を加えるが、それが当たるよりも早く彼らは逃げ去った。

 

 ドルマー達も機体を反転させ、基地への通信を開いた。

 帰還を急がないと。今回の戦後処理はやることが多そうだ。

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