※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.07_06

Mining district

Esteros System,Alkahera

Jade Falcon

5 July 3151

 

 その日から毎晩、ツェレンは彼女を寝台の上に誘った。

 ママから喜びの時間を奪っているようで、プリヤンカは気おくれを覚える。

 それでも、母の柔肌の誘惑には抗えなかった。

 朝、寝台の温もりから離れたくなくて、つい甘えた言葉を口にしてしまう。

 

 ママの意図は分からない。

 それでもツェレンは数日の間、プリヤンカがドルジの部屋に居続けられるようにしてくれた。

 朝も昼も3人の体温が残るドルジの寝台の上でパッドを操作して時間を潰す。

 夜になるとドルジとツェレンが部屋に帰ってきた。

 報告書を纏めながら、2人の熱を浴び、音を聞く。

 それが終わると、ママの胸元に飛び込めた。

 毎晩、ツェレンママの極上の癒しに包まれながら、眠りに落ちる。

 

 プリヤンカはそんな生活を何日か続けていると、悩みの種だった眩暈も吐き気から解放された。

 身体を覆っていた疲労も徐々にだが、回復していく。

 

 ツェレンの定めた期間が過ぎ、プリヤンカがドルジの部屋から自室に戻った日。

 晩にドルジの寝所を再び訪れると、部屋の中からはアンネの気配を感じた。

 

 彼女がドルジの寝所を訪れている晩は、しばらく間は扉の内には入れない。

 プリヤンカには試しに目の前の扉が開くかどうか、確かめることすらおかしなことに思えた。

 聖域の前で膝をついて、祈りと感謝を捧げる。

 

 儀式のような時間が過ぎると、アンネが寝所の扉を開けてプリヤンカを室内に誘った。

 ここで何が行われているのか、中を覗くことのできない彼女に知る由はない。

 しかし、部屋の中と寝台の上に残る湿った気配だけが、アンネとドルジの深い結び付きを連想させる。

 

 プリヤンカはアンネのことも『ママ』と呼ぶようになった。

 2人とも彼女が抱擁を求めても拒まない。

 冷たそうに見えたアンネの白磁の肌はしっかりと柔らかく温かった。

 普段は漆黒のローブで隠されている胸元にすがると彼女の心音が両耳から聞こえる。

 規則的な音と体温に包まれて、プリヤンカは繭の中にいるかのような幻想に包まれた。

 この繭は週に一度の彼女の楽しみになった。

 

 孤独だったプリヤンカに2人母ができた。

 ママ達は彼女の心の空虚を毎晩、彼女が望む以上に埋めていく。

 そんな夜を連日重ねて、プリヤンカは自分がこの部隊の“内側”に沈みきっていることを自覚した。

 

 もう軍閥の任務はどうでも良くなっている。

 でも、日報は書き続けないと任務が終わってしまうかもしれない。

 だから、それだけは書き続けた。

 数日前までの灰色がかった現実とは違って、レンズ越しの世界が今は美しく暖色を帯びて見える。

 あまりにも優しくて、心地よすぎる現実。

 

 ここが、彼女の居場所だった。

 

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