※この作品はR-18です。

Battletech:Tales of Jade Falcon Remnants   作:Sykyu

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Ep.08_03

Mining district

Esteros System,Alkahera

Jade Falcon

20 July 3151

 

 撃つ。渡す。また撃つ。渡す。

 あたしとバヤルのミサイルリレーは、砂嵐の中でも絶好調。

 

 KitFoxの肩に積まれた発射機が唸っている。

──行ってらっしゃい、狐矢さん。

 トリガーを引いた瞬間、また背中にビリッときた。最初の一発と、まるっきり同じ感触。

 バヤルが誘導を受け取ったのが感触で分かる。彼の気配が、ひんやりと背中に触れた気がして、あたしの息が浅くなる。

 ゾリグが送ってきた座標へ、“狐の矢”が消えていった。

 白い尾を引いて、バヤルのビーコンに吸い込まれるように。

 

 トリガーから離した指先が、なぜか少し、熱い。

 喉元に残る心地のいい発射音が、また、身体の奥をなぞっていく。

 

──これ、クセになりそうなんだけど。

 

 再装填が待ちきれない。まだ撃ち足りない。

 足の付け根がずっとムズムズしてる。

 

 それなのに、Riflemanの反応がHUDから消える。

 

──そっか。もう終わり、か。

 

 物足りなくて、手が伸びる。

 背中に伝わる衝撃の快感が忘れられなくって、指が自然と次の目標をなぞった。

 再装填の完了の振動が肩を伝う。

 ランプの確認なんか要らない。

 Jagermechの位置を誘導装置に送って、またトリガーを引いた。

 発射の震えが痺れのようにあたしの体にも伝わってくる。

 照準をバヤルのヘリに渡せば、すぐに誘導が始まる。

 

 せっかく3度目の快感に身を震わせてるところだったのに、ふいにどこかから視線を感じた。

 砂嵐の向こうから、あたしを覗き見ている鈍く光る塊がいる。

 Jagermechが、こっちを見ていた。

 

──なに、覗き見してんのよ、変態っ!

 

 少し恥ずかしくなって、心の中でツッコんだら、撃ってきた。容赦なく。ガチのやつ。

 あたしに向かって凄い量の実弾が飛んでくる。

 少し晴れた砂のスクリーンの向こう、あいつの全身が見えた。

 

 ……いや、でかすぎ。

 武装、盛りすぎ。

 あたしの倍はあるって、反則でしょ……。

 

 何発も弾が当たってKitFoxが軽く揺れる。こっちは体が小さいから必死だ。

 頑張って耐えたら、覗き魔はそっぽを向いて逃げ始める。

 

 肩を撫でる感触がもう一度。

 4回目のトリガーを引いて、照準をバヤルに渡す。

 それだけじゃ足りない気がした。

 体の疼きが収まらない。

 

 あたしはKitFoxを急加速した。

 矢を飛ばすのと同時に、地面を蹴って、覗き魔のすぐ後ろに潜り込む。

 右脚で踏み込んで、そのまま勢いで逃げる背中に左脚でケリを入れる。

 Kit Foxの機体が少し跳ねた。その瞬間、下から突き上げるような衝撃があたしを跳ね上げた。

 撃ったときとは違う、妙な快感があたしの中に残る。

 

──撃った時とどっちの方がキモチ良かったかな?

 

 ……うん、もう一発。

 自分の気持ちを確かめたくなって、もう一発だけ、覗き魔の脚にケリを入れた。

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