才能の卵を孵化して最強って母性の発露は聞いてない 作:鴨鶴嘴
山の斜面を滑り落ちて漂う層雲と、肌を刺す冷気を肺に取り込んで深呼吸をすると、頭が冴えていくような感じがする。
木々の爽やかなこの香りは細菌やカビを寄せ付けない命の防衛機能だったなぁと思い出しながら、三歩前を行くアイシャの後に続いて歩いていると、だんだんと視界が開けてきて、目の前に高原の景色が飛び込んでくる。
俺達は森で遊ぶ為にお互いの意見の折衷案を探り、近場でもっとも適した土地に住む魅角族の長から交換条件で森で遊ぶ許可を得ていたので、今日はまずはその挨拶に向かうところから始める予定だった。
そして、遠目に見えた目的地には既に、鍛えられた赤銅色の肌に褌一丁姿の身長がニメートルはある大男が、腕を組んで待ち構えていた。
その頭には、雄牛のような角が生えているのが、魅角族の──思い描いた赤鬼の姿そのものだった。
「……よく来たな人間!それとエルフ。我は魅角族の長のレンだ。では早速、相撲を取ろう」
「あの、本当に相撲を──」
「俺はやる。アイシャはそこで観ててくれ」
無粋なことを言いそうになったアイシャの言葉に腹の底から出した大きな声を被せて服を脱ぎ、俺もまた仕込んでいた褌一丁になると、レンさんの顔面が、ニィイタァ……と狂暴な笑顔を浮かべて喜んでいた。
「気に入ったぞ、名を名乗れ」
「アレン、剣という意味だ」
「それは奇遇だな、レンは角という意味だ」
ゆっくりと、用意されていた土俵の側へと移動する。
「武器道具は無し、殺しは無し、場外は無し、先に足の裏以外を地面に着けたら負けのルールだ」
「ああ、少し違うがよく知った相撲だな。問題ない。始めの合図はこっちのエルフ、アイシャに任せていいか?」
「そうしてくれ、……もう、いつでもいいぞ」
俺とレンさんが土俵の中へと入って、腰を低く落として睨み合う。
「やるんだな……分かった。用意、始めッ!」
瞬間、抉れた地面が飛び散って、赤い砲弾が眼前に急接近する。
バチィィイイン!!
「ぬうッ……」
破裂音の後、力が拮抗して二つの体が静止する。
強者故に、一瞬で決着がつくと確信していたレンさんが予想を上回る手応えに驚いているのが、熱になって伝わってくる。
「アレン、なのか?……否、この相撲も我が勝つ。勝たなくてはならないのだァッ!」
得体の知れない自問自答の呟きから答えを出した後、ミシミシと筋繊維の軋む音がして、褌をがっしりと掴んで寄せてくるレンさんの鬼気迫る勢いに俺も焦りを覚える。
……決めなくては、この技でっ!
「クッ、だらぁっ!!!……ん……」
仕掛けたことで二人の重心が外れて、世界が傾いていく……決着の瞬間だった。
「いい相撲だった……先に地面に触れた我の負けだ」
「ああ、この相撲を俺は生涯忘れないと思う。けど、勝負は俺の負けだと思うが」
・・・・・。
「「ん?」」
「待て、我の角を見ろ。さっきの相撲で片方が取れているだろう?それはつまり、我の心が負けを認めたことを意味する。アレンの勝ちだ」
「いや、体が地面に着くよりも先に俺の褌が千切れているから、相撲のルールで俺の不浄負けだ」
「そんなルールは知らん!」
「俺の国の相撲ではそうなんだよ」
ブチィイッ!!
「我の褌も千切った!これで条件は同じ、故に我の負けだ!」
「いや、それには順番が……だよな?……この場合はどうなるんだ」
「はぁ……気が済むまで何度でも、相撲をすればいいのでは?今日は森を使わせてもらいに来ましたので、その後になりますが」
決着で揉める俺達に心底呆れたアイシャのため息と、出された提案を受け入れて次の相撲の約束をしてから、本来の目的だった森遊びへと向かうのだった。
「……無敗だった我を負かしたのが、人間の男とはな」
地面に転がっていた強者の証である角を拾い上げて見つめる熱視線の先には、エルフと談笑をする人間の後ろ姿があった。
◆
「私の方が、先に会っているんですからねっ!?当然、古い縁を大切にするべきです。分かりましたか?」
「分かってるって、アイシャは俺の親友だからな」
「……えへへっ、ならいいんです!」
俺の新しい交友関係に危機感を覚えてうるさいアイシャに俺達は親友だと強調すると、一瞬で機嫌が直ってしまうちょろさがこわい。
「……というか、俺に親友って言わせたくて機嫌が悪いフリしてただろ」
「あ、バレちゃいましたか。さすがは私の親友ですねぇ!」
「うぜぇぇえ……」
「静かに、あそこに青い鳥がいますよ。あの枝の先です」
「……いた。よく気づいたな。さすがエルフ、綺麗……青くて長い羽だ」
「?羽は短いですよ」
「そうか、あれは短いのか」
口を一文字に結んで指差し、遠くを見つめているアイシャの横顔を見て、つい、綺麗と言ってしまったことが恥ずかしくて、さらに墓穴を掘ってしまう。
そんなことを気にしていない素振りのアイシャが「先に行きましょうか」と踏み出した一歩で落ちていた枝が折れると、青い鳥が飛び立ったので、俺もその後に続いた。
……青い鳥を追いかけなくても、ずっと側にあった幸せに気づくことはなかなかに難しいよな、なんてことを今は考えていた。
「あ痛っ」
「どうしましたか」
「上ばっかり見ていたから、ちょっと躓いただけだよ。なんでもない」
「そうですか。では、エルフ流の森の歩き方を教えてあげましょう。まずは──」
そんなきっかけで歩き方を教わりながら進み、水の流れている沢を見つけると、その流れは川まで続いて合流して、目的地に到着した。
「別れ際にレンさんからオススメの場所を教えてもらったけど、いいところだな。ふぅ……風が気持ちいい……。結構歩いたな」
「ええ、いい風ですね。お疲れ様です。では先に虫除けの結界と、露天風呂の枠を組みましょうか」
「はい……」
森ガチ勢のエルフに、休憩の二文字は無いらしい。
俺も俺で丑年生まれのマイペースさを発揮して、適当にサボりながら露天風呂の枠を作っていると、結界を完成させたアイシャがこっちに合流して、それからあっという間に露天風呂の浴槽が完成したのだった。
「うん、いい感じだな。……次はなんとか工夫して、サウナも出来るようにしたいな」
一仕事を終えて汗を拭っていると、草を踏み分ける音が聞こえてきて、赤銅色の肌の大男を先頭に荷物を担いだ人の姿が現れた。
「……どうやら、無事にここまで到着したようだな。酒と食材、調理道具を持ってきたぞ」
「酒!わぁ、レンさん!それと娘さんですか?わざわざここまで届けに来てくれるなんて、ありがとうございます。料理は俺が得意なんで、どうか一緒に食べていってください!」
「むっ、それは迷惑にならないか?」
「迷惑だなんて、アイシャもそれでいいよな!」
「私はその……いや、こんなご好意をいただいて帰らせるなんて、エルフの恥だ。精一杯もてなすよ。……私のアレンがなっ!」
「おい、今日はお前も料理を手伝うんだよ食う担当」
「私は族長の娘のシウバといいます。魅角族の伝統料理のレシピ、教えますよ」
「では、我はこの露天風呂の本格化を施そう。魅角族も風呂を愛する種族だ。どうやら、アレンとはここでも気が合うようだな」
一変に賑やかになって、シウバさんから興味深い話を聞きながら、肩の触れそうな距離で料理の質問をしてくるアイシャに教えつつ、少し離れたところでは地鳴りのする四股踏みとレンさんの魔法によって固められた露天風呂に川の水を溜めると、アイシャの火球の魔法が落下して湯気が立ち上った。
「くぅ~っ!この芋の香草炒め、ホクホクで風味も良くて美味いな!酒も美味い!」
「シウバさんの料理も美味ですが、女学院で仕込んでいて煙を怒られたりもしましたが、この燻製サーモンのサンドウィッチはオニオンとソースのバランスが完璧に調和していて、さすがは私のアレンですねぇ!」
「アイシャさん、かわいいです」
「アレンにはこの酒の美味さが分かるのか。ますます気に入ったぞ。たくさん飲め」
「ハイペースはちょっと。用意した露天風呂も楽しみたいので、その後に飲みましょう」
「むぅ、そうだな。……美味い!サンドウィッチと言ったか。気に入ったぞ!」
俺の持つ才能でアルコールを毒と認識して浄化することは一応可能だが、それはなるべくやりたくはない。
「お風呂上がりにぴったりな、フルーツを切っておきますから。お二人はお先にどうぞ」
「すみません、ありがとうございます」
食事を終えて川下で水洗いをしていると、シウバさんににこやかに言われて、先に切り上げて、ありがたく善意を受け取ることにした。
ざばーーん……ふぅ。
「……足を伸ばせるって、最高だなぁ」
「はい、本当に。今日だけで、友達とやりたいことリストがかなり埋まりました」
「はははっ……よかったな?」
冷たい!熱い!冷たい!わざとだろっ!?……の試行錯誤があった後に、露天風呂で寛いで見上げると澄んだ青空で、風が通り抜けるとさわさわと擦れる枝葉の音が耳に心地いい。
隣には、少し熱めのお湯でいつもは白い顔を今は赤らめて、女学院で借りた湯着に身を包んだ姿のアイシャがいて、しっとりと濡れた髪と疲れを流すように腕を揉む仕草をじっくりと観察している自分に気がついて、また遠くを眺める。
「……うむ、ひび割れもない。いい露天風呂が出来たな。我も隣でいいか」
「どうぞ……って、どちら様ですか」
「?……ああ、角が取れてから十分な食事をして、もう雌化が始まってしまったか。あまり気にするな。魅角族にはよくあることだ」
赤銅色の肌をして額には片方だけ残った角を生やした筋骨隆々な長い銀髪を後ろで束ねた赤鬼のような風貌だったレンさんが、食事を終えて二十分後には、眉間に皺を刻んだ鋭い眼光の姉御肌な爆乳腹筋尻デカ美人になっていた。
意味が分からない。
すぐ横に座るから、腰が触れて肘におっぱいが当たり、浮かぶおっぱいの下には揺れる水面が透き通っていて、肉感的な股のY字と陰毛がはっきりと見えて、気にするなと言われても!と頭の中がバグっていた。
「魅角族は全員、最初は男として生まれるんです。それから競い合って強く優秀な男だけが残り、敗北を経験した男は角が取れて女になる……そうして今日まで続いてきた種族なんですよ。過去にも、人間の象徴的な存在である勇者?でしたか……に負けた魅角族がいたそうですが、その二人から生まれた子は魅角族の男の赤子だったとか。……遺伝子の不思議ですね。……どうしてくれるんですか?私を負かした族長は、私がお腹に子を宿す前に女になってしまいました。あなたが責任を取ってくれますよね?」
背後から耳元に、かつては青年だったシウバさんが囁く。
「フルーツを切り終えましたっ!私も失礼しますね」
囁くの止めて直ぐに、明るい大きな声を出すと、俺の正面に回って、股の間に腰を落として抱きつくように密着した。
「なっ、ちょっと!アイシャ助けて」
「アレンはモテるんですね。……ふふん!親友として誇らしいです。目の前でイチャイチャしても、私は気にしませんよ」
「いや、そうじゃないだろっ!」
「シウバは魅角族流の歓迎をするために我が呼んだ。好き勝手に女体に触れてこそ、より雄が高まるものだ。気安く楽しんでくれ」
「そういうワケですから、どうぞ触ってください」
「……あー、アイシャ?」
「あっ、湯船は汚さないでくださいよ」
あくまで個人で露天風呂を楽しむスタンスで、アイシャのドライな反応に大きな文化のギャップを感じる。
それはそうとして、我慢を止めて温泉を楽しみながらシウバさんのお尻を鷲掴みにしたり、おっぱいを揉みながら談笑をして、高い体温のスベスベな肌を抱き締めているときの多幸感が、今日一番だった。
「えっ?……これ、マジカルチンポフルーツですか!?うわぁー凄い!!私、初めて見ましたよ」
「マジカル……なんだって?」
「本物のマジカルチンポフルーツですっ!!凄く稀少なフルーツなんですよ!!」
お風呂上がり、大興奮で語るアイシャの今日一番のパワーワードに、俺は頭が痛くなった。
「これを食べるとしばらく味覚が変わるが、我の妻達にもこれは好評だった。今日からは我も、このマジカルチンポフルーツを試すとしよう」
「すみません。私は昔、植物学が専門だったんです。幻のフルーツへの、これはあくまで知的好奇心ですからっ」
「私もいただきます。知っているのは私だけのようですが、とっっても美味しいんですよ」
俺だけが知らない謎の共通認識で話が進み、マジカルチンポフルーツの汁が滴る真っ赤な果肉を三人が食べて、俺も一口だけ、と言い出すのが出遅れてしまうと、全て無くなってしまった。
「フルーツは……ちょっと、酸味の奥のエグみが……美味しいとは言えないですね。舌も少し痺れるような感覚?でしょうか」
「あれ、美味しいんじゃないの?」
「ああ……知らないんでしたね。説明すると、このマジカルチンポフルーツを食べると味覚が変わって、精液がとっても美味しくなるんです。なので、私達のこの舌に、濃厚なザーメンをたくさん出してくださいね?」
早朝は冷え込んだが、今は太陽も出てすっかり初夏の陽気だ。
だから、軽く酔いが回っていたのもあり、躊躇いもなくあっさりと開放的な姿になった三人に求められるまま、湯着を剥かれて勃起していたペニスが露出すると、慣れた手つきでシウバさんがマジカルチンポフルーツの皮をよく揉んでからペニスに擦りつけて風味を染み込ませると、三人が食べた果汁の影響でぬらぬらと鮮やかな紅色に染まった舌を伸ばして、湿った吐息がかかったペニスが、期待にピクンッ!と小さく跳ねた。
それを叩き落とす熊の鮭捕りのように、頭突き気味に飛び込んできたレンさんに押し倒されて、俺のペニスが温もりとざらついた舌の感触に包まれる……。
ジュプッ、ジュプッ、ズゾゾゾゾッ……。
たっぷり分泌された口内の唾液を吸い込んで喉をならし、滲んだカウパーを舌先で舐め取られる。
「魅角族の作法がありますので、真似をしてください。乳首をこうして……れーーろぉ♡んべぇーーぉ♡と、声を漏らすようになめ回してから吸います。正面で真似をしてください」
「分かりました。ん、れーーろぉ♡……どうですか?」
「とても上手ですね。仲のいい友人を労る気持ちがあるからでしょうか。羨ましいです。ちゅーーっ……ぱっ♡」
「えへへっ、なんだかコツが分かりました。ちうちうっ、ちゅーーっ……ぱっ♡」
俺の胸に顎を乗せたアイシャとシウバさんが、交互に乳首をなめ回したり吸われたりして、底抜けに気持ちよくなって力んでいた手を肩に置いていると、シウバさんにたゆたゆと視界の端で揺れていた胸へとを手を運ばれて、それをアイシャも真似をして……二人のふよふよとしたおっぱいの感触を下から支えるように持ち上げて楽しんでいると、レンさんのフェラチオがギアを上げてエッチな水音を鳴らし、ちゅぽん、と抜いてから金玉から亀頭まで上るようにキスの雨が降り注ぎ、れろれろと亀頭を舐め回された。
「っ、こんなのエロすぎて……そろそろ出そうです」
そう言うと、俺は両脇から抱えられて立ち上がり、目の前には黄色い嘴で親鳥のエサを待つ雛のように、膝立ちなった三人が舌を伸ばして手を皿のようにして待機していた。
「味を知っていますから、後からでもいいですよ」
「私はあくまで味が知りたいだけですから、最後の残りカスでいいです」
「もうたまらん、我の舌の上に精液を扱き出せっ♡」
全裸で顔射待ちをしている三人の美女の前で、マイペースに手コキオナニーをしていた俺は、レンさんの舌の上にペニスを置いて、ついに精液をぶちまけた。
ビュルルルルルッ。
レンさんの喉奥を精液が撃ち抜いて、反り上がったペニスの先が唇から外れて眉間を汚す。そして、ぎゅっとお腹に力を入れて、シウバさんの舌の上で力を抜くと、どくん、どくん、と舌の皿の上に白い水溜まりを作り、閉ざされた口内に消えていった……シウバさんの美味しそうな顔に、ゾクッとする。
そして、しごいて滲む程度の残りカスの精液を、アイシャの舌の上に出した。
「へあ……♡……ッ……え、全然足りませんよ?」
ジュルル……ヌポッ……ちうちう……。
俺の両足を抱えて押し倒したアイシャの顔には、最初に遠慮をした自分への怒りが滲んでいた。
体位を変えて俺の目の前にはアイシャのおまんこが押し当てられて、鼻にぷにぷにと触れてムラムラを我慢出来なくなった俺は、食むようにアイシャのおまんこをたくさん愛した。
ギュルギュルと不気味な低い水音を鳴らして膨らむ金玉が真新しい精子を作り、ゴキュッ、ゴキュッ、とエグい音を鳴らして精液を咀嚼するアイシャ。
「独り占めはズルいですよ」
夢中になっていたアイシャを引き剥がしたシウバさんがアイシャの頬を掴んで濃厚なキスをすると、二人の唇が離れたところに俺の精液と唾液が混ざった糸の橋を作っては垂れて、胸に落ちていった。
「んー、とっても美味しいです♡」
「……あれだけ出して、まだまだ余力がありそうだ。これほどの雄を魅せられて、我はアレンをますます気に入ったぞ!」
「お腹の中に、精液の匂いが染み着いてしまったみたいです。呼吸をするだけで、もう。マジカルチンポフルーツは凄いですね。……当然、私はあなたの親友ですから、これからは何度でもこの味が楽しめて、あなたは性欲が満たされる……ベストパートナーですね!」
「……いや、流れでしちゃったけど、アイシャとは今日だけだから」
「駄目です」
「駄目って、俺達は友達だから」
「でしたら、私はあなたの家具に──」
「エルフのお姉さん、それは以上は駄目ですよ。黙っていましたが、あのフルーツには強い催淫作用があるんです。……最後の勇気を出せない人の背中を押す道具とも言えますが、全てを捧げる主従の契約だなんて、一瞬の勢いだけで一生を決めてはいけないですよ」
……楽しかった友人との休日は、日常の軌道から大きくはみ出して二度と戻れなくなりそうになって、俺は正気に戻った。
「俺は自由なアイシャが好きだ。手料理を喜んでくれる笑顔が好きだ。これからもいろんなアイシャの顔をみて、幻滅したり、呆れたり、感心したりするんだろうな。だからさ、急がなくていいよ。時間はあるわけだし」
「……最低ですね、私。あなたに大切にされて、つい、人生まで欲しがるなんて。すみません、どうかしていました」
「……うむ、若いうちに誤りはたくさん経験した方がいい。我も失敗して、反省して、明日の成長に繋がるものだ。……さて、仲直りにはスポーツがいいぞ。つまりは相撲だ。避妊具も用意してある」
「……おい、どうして相撲で避妊具なんだ?」
「?ああ、魅角族では男女でする相撲とは、セックスの隠語だ。我とアレンは相撲の約束をしていただろう?我はすっかりアレンを気に入ったから、シウバと我には避妊具は無しだ」
「避妊具をしたセックスはスポーツですから、喜びを分かち合うことで友情が育まれますよ」
「……そうなのか?私は、もっとアレンを知りたい」
何なんだよこの流れ……催淫作用のせいか。
何度もおまんこにキスをしたアイシャのお腹には、ハートの形をした赤いタトゥーがいつの間にか浮かんでいる。
俺は渡された腸の袋をペニスの根元で縛ると、お互いの両手の指と指を絡めてアイシャと深く繋がって、一時の喜びを共有した。
「……お腹の中、ジンジンする」
「ごめん、痛かった?」
「……全然、そうじゃないよ。私、初めてなのにたくさんイッちゃった。アレンもたくさん出してくれたよね。……体の相性もいいなんて、私達最高の友達だね!」
「おう、そうだな」
──その後、無事に友情をはみ出した俺達は、アイシャが妊娠して、男児を出産した。
俺達は、その子の名前をレンと名付けた。
魅角族から男が消えてしまった責任を取る必要があったので、レンさんとシウバさん、さらにはレンさんの元妻達とも会うたびに相撲をする仲になり、別れる頃には家族もたくさん増えた。
俺がレンさんとの相撲のときに、精霊で得た才能でズルをしたことは、墓場までもっていくことにするつもりだ……だけど、キスをしたときに俺がスキルの説明をして、聞き終えると「許さん!」と俺に母乳を吸わせながら、激しい杭打ちピストンの連続射精で第二子の種をしっかり子宮に残してきたので、うっすらバレているのかもしれない。
魅角族的には薄情な別れとは思わないようで、また会う頃には、もっと強い雄になれ!と背中を叩かれた。
「アレン、そろそろ行きましょう」
一年半の出張を終えて、エルフの住む森を抜ければ、カレイユ支部のギルドで報告をして、二人にアイシャのことを説明する段取りになっていた。
そして、俺はエルフの森へと戻り、エルフの女王と赤ん坊を抱えるエルフ達を不審に思いながら、封印されていた記憶を思い出して、青ざめる。
背後から刺すような視線。
そしてエルフの里は、再び謝肉祭の狂喜に包まれる──
馬車の中で俺が抱き抱えるレンが、ほぎゃあほぎゃあ!と力強く泣く。俺の頬には赤い紅葉がジクジクと痛んで……なんて説明をすればいいのか。
アイシャとも喧嘩をして、頬を腫らしてうつむく俺は、ひどく情けない姿だろう。
……信じられるか、これはまだ序の口なんだぜ?
これはそんな俺の物語だった。