主人公の生い立ち、貰った能力についてザックリと書いていきます。
男の前世はいたって平凡であった。
生まれ変わる前は男は普通の社会人であった。
大学生活をバイトと遊びで適当に過ごし気が付けば後1年で卒業、流石に慌てて就職活動に取り掛かり奇跡的に待つかった就職先は長時間労働は当たり前、休みもろくに取れずサービス残業、パワハラ・モラハラ上等の絵にかいたようなブラック企業であった。当然労働に対する意欲が湧くわけもなく、かといって辞表を出す勇気もないので流されるままに働いていた。そんな鬱々とした気持ちで日々を過ごしていた時に転機は訪れた。
その日はいつものように憂鬱な気持ちで会社に向かおうとして、独り暮らしのアパートから出た時だった。
朝に会議がある日に限って寝坊をしてしまい、上司に怒鳴られながら謝罪と遅れる旨を伝えいつもより早足でバス停まで向かっていた。何とか身なりを整えながら歩いていると焦っているせいか道端の縁石に思いきり躓いてしまった。顔から落ちてしまい何年振りかの鼻に抜けるような痛みに悶えている中、最後に見たのは自分に向かって走ってくる車の車輪だった。____
《これが貴方の死因ですね》
目が覚めたとたん、淡々と目の前の謎の物体にに自らの死因を映像付きで見せつけられて、死んでいるはずなのに胃液がこみ上げる感覚がした。
「首から上、ないじゃん、、、」
どうやら躓いた先の十字路で頭だけはみ出した状態になり、それに気づかなかった車に頭を押しつぶされたのが死因らしい。最近のホラゲーも真っ青な映像にそれが自分の事であるとはすぐには理解し難かった。
(それにここはどこなんだ)
漫画で見た精神と〇の部屋のような真っ白な空間。建物など何もなく、遠くを見渡しても地平線と空しか見えず遠近感が狂いそうだった。そして正面にはさっきのホラー映像をモザイクなしで見せつけてきた謎の光る珠。こんな殺風景な場所があの世なのか?
《厳密には違います》
光の珠が点滅しながら俺に話しかけてくる。聞こえるというよりかは頭の中に直接響くような、、
テレパシーみたいなもんか?
《ここは転生のための準備室です》
また頭の中で声が響く。どうやらこちらの考えていることがわかるらしい。
「転生とはどういうことですか?私は死んだわけではないのですか?」
理解しがたいが、得体の知れない存在だ、せめて下手に出て相手の反応を探ろう。
《貴方は不慮の事故にあってしまい、自分の人生を全うできませんでした。その為もう一度現世を生きる猶予があるのです》
「それじゃあ生き返ることができるんですか!?」
なんとなくでしか理解していないが俺にはもう1回チャンスが与えられたらしい。
《はい。ですが同じ世界に転生することはできません。その為今住んでいた世界に限りなく似た別の世界で転生してもらうことになります》
その後もでなぜ転生できるのか、どういう流れで転生するのか光る珠に質問していき、やっと自分の現在の状態を把握できた。
・人は死んだ際にこちら(神様?)の判断基準で善か悪か決め、天国か地獄どちらに送るかを選ぶ。
・年老いて先が長くないような老人であれば不慮の事故であってもその時点での生き方を元に判断を下す。
・貴方はその判断基準に達してない年齢で亡くなってしまった。その今現在の環境と限りなく近い別世界で転生してもらい、亡くなった後に再度判断を下す。
・転生の際には何か1つ特殊な能力が与えられる。
・死んだ時と同じ年齢で別世界に転生される(ある程度の調整は可)
まとめるとこういうことらしい。特殊な能力って何?何でそんなの貰えるの?
《貴方が転生するのは先程伝えた通り限りなく元の世界に似た別世界。その為その世界には貴方に該当する個体が存在する確率が非常に高いのです。たとえ出会わなくともほぼ同一個体が同じ世界に存在してしまった場合、最悪二人とも消滅する恐れがあります。それを防ぐための処置です。》
「成程。」
口ではこういったが半分くらいしか理解できなかった。ドッペルゲンガー的なやつ?
《その認識で問題ありません》
《更に伝えておきますが、こちらから付与する能力は先程伝えた消滅を防ぐためどちらの世界にもない能力となります》
《あなたの記憶から趣味嗜好、その他様々なものから判断しこちらで完全に再現できたものをこちらに用意してます。この中から選んでください》
矢継ぎ早に説明され、終わったと思ったら目の前に穴の開いた箱が出てきた。この中にその能力とやらが入っているらしい。
「選ばせてはくれないんですか?」
《残念ながらできません。ですがどの能力でも問題なく使用できると判断されてますのでお取りください》
ここまでスムーズに準備を進めてくれることに少しの感動と違和感を覚えた。
本当にこれは現実なのか?実際は病院で治療を受けながら見ている都合のいい夢ではないか?そう思ってしまった自分の疑念を拭えずに箱の前で躊躇していると、また考えを読んだのか光の珠は点滅しながら俺にこう告げた。
《残念ながら貴方は元の世界において死亡してしまいました。これは変わらぬ事実です。》
《ですがこちらの判断によるものですが別世界にてもう1度生きる権利も有しています。これも変わらぬ事実です。》
《ですからこの箱の中の何れかの能力もあなたが所有する権利を有しています。遠慮せずお受け取りください。》
そう言われて少し心が軽くなった。神様かどうかわからないが、そこまで仰ってくださるのならありがたく頂戴しますか。箱の中に手を入れ、1番最初に掴んだ玉を取り出す。
そこには____
頑なに能力を明かさないスタイル(わざとじゃないよ!)
色々と書きたいこと書いてたらこうなって申し訳ない。
次回から物語を動かしていきます。