歪んだTS転生者の汚話(旧題:純愛に挟まりたいTSふたなり転生者の汚話) 作:アスタロット
「むう…近ごろは多忙が過ぎるな。身体が足りん」
後藤密は夜、ウイスキーの氷をカラコロと愛撫しながら、自室のソファで独り頭を抱えていた。
彼女の放課後における時間は、その殆どがアルバイトか部活動で占められている。
その夕方夜の何日かは、星野母娘の相手をする。
週末はアルバイトをするか、教諭の椋梨沙奈か若松琢磨に付き合う。
それだけなら、忙しさはまだ”まし”だ。
それらスケジュールの合間を縫うように、三年の金井ケンジによってホテルへ連れ込まれる。
「金はある。が、急にバイトのシフトを減らすのも店長に申し訳ない。しかも、なんだか最近は客の入りが良いし。部活動もかなり自由にさせてもらっているが、一年の下っ端が練習に不在がちなのも、あらゆる面で心象がわるい。実にまいったものだ」
むろん彼、彼女らの誘いを断れば良いのだが、皆ことごとく後藤へ依存するようになっていた。
「堕とした責任はとる」と妙な所で、律儀に考える後藤は、いよいよもってスケジュール管理の限界を感じていた。
ここまで彼らが、自身の肉体に夢中になるとは、後藤にとって存外であったのである。
はたから見れば、しごく自業自得の極みであるが、彼女にとってはとても真剣な悩みなのだ。
いずれにせよ、彼女の生活習慣が遠からぬ将来に破綻する事は、まさに自明の理であった。
そこで、きたる週末、後藤は晩餐会を催す事にした。
先刻ディナーに招待した客人は、星野母娘の二名であった。
今たびは、三年の先輩である金井ケンジ、担任の椋梨沙奈、二年担当の若松琢磨の計五名。
招待するに先立って、後藤は相手にいろいろと事を明かした。
主に肉体関係について。
その結果、だいたいの者が概ね納得した。
そのうち、金井ケンジ一人だけは”性に奔放すぎる”と後藤に不満を零した。
後藤を心配しての事だった。
そんな金井も、後藤の根気強い説得に渋々と了承した。
後藤に惚れているとは言え、金井自身だけでは、彼女を満足させられないと考えたからである。
話を、晩餐会に戻そう。
前回の晩餐会で後藤は、自身の体液を材料にする変態料理を星野母娘らに振る舞った。
これは古典的条件付けを活用し、星野母娘を性奴隷に仕上げるための企てである。
だが、今回の催しは趣旨がことなる。
晩餐会の目的は彼、彼女らの顔合わせと、スケジュール管理についてである。
よって、ディナーのメニューはいたって”まとも”だ。
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晩餐会の当日。
招待客は過不足無く、椅子に着いた。
・前菜
〜レバー・オ・トルション風のカナッペ〜
ホストとして後藤密は、前菜にメジャーなフォアグラを用意しても良かった。
だが、普段フォアグラを食べ慣れないであろう彼らを慮って、比較的しつこくない通常のレバーをアペタイザーとして用意した。
鶏肝をレバーとハツに切り分ける。
血塊を取り除き、牛乳で臭みを抜く。
下処理をしたレバーをバターで炒め、器に移す。
ハツも同じフライパンで炒め、器に移す。
フライパンに残った破片を、白ワインでデグラッセし、粗熱をとったレバーと共にフードプロセッサーにかけ、筒状の容器に入れ固め半日冷蔵庫で寝かせる。
冷え固まったレバーを輪切りにし、バゲッドに載せる。
本格的な前菜を出され、一同はソワソワし始めた。
食前酒として成人組には、スパークリングワインを。
星野悠月や、金井ケンジら未成年者にはモクテルとして、トニックウォーターにライムを果汁を絞り、叩いて香りを出したミントを添えた。
後藤自身も、未成年者二人に気遣い平素は飲み付けないノンアルコールにした。
なお、妊娠中の星野由嘉里にはカフェインフリーのハーブティーが用意されている。
「本日は私の催しにお集まり頂き感謝致します。拙い手料理ではございますが、どうぞ楽しんで下さい。では、乾杯」
星野親子は既に後藤密の手料理を知っていた為、勝手知ったると言わんばかりに味わった。
各々、箸やフォークを使い前菜を口に運んでいく。
「むぐむぐ、んくっ…おいしいコレ。レバーって聞いたけど、全然臭わないのね。パンにも凄く合うわ。あ、そういえば、ひそかちゃん…すごいわねぇ。ここにいる皆んなと毎週エッチしてるんでしょ?」
由嘉里はレバーパテを味わいながら、後藤に語りかけた。
「まあ、ええ。恥ずかしながら、そうなりますね」
「あのよ、後藤サン」
由嘉里の発言に続いて、金井ケンジが切り出す。
「はい、なんでしょうか金井先輩」
「俺と若松先生、どっちの子供をさ、先に産んでくれんの?」
「あ、そうだ。それ、僕も気になってた。あの金井とデキてたのも驚いたけど。しかも、こんなに真面目になって」
後藤密は、金井ケンジ、若松琢磨の双方と子作りをする約束をしていた。
勿論、彼らは承知しているが、順番が焦点だった。
「真面目って、へへっ…そりゃ後藤サンのおかげッスよ、先生」
後頭部を掻き、金井は恥ずかしそうに笑みをこぼした。
「あ、その件はお二人にご相談があって…」
後藤は申し訳なさそうに、二人へ交互に目を遣りながらそう言った。
「「相談?」」
「はい。私は学園を卒業後に、避妊薬の服用をやめる予定です。なのでお二人には…その私を、ひたすら犯してもらいます。その後に産まれた乳児の遺伝子鑑定を行い、父子関係でなかった方と、次番に子作りをするという事で」
「ご、後藤さん凄い事言うわね。まるで自分を産む機械みたいに…」
椋梨沙奈は驚いた表情で、後藤を見やりそう言った。
「産む機械ですか…まあ概ね、私はそう言う考えですね。私が男性に差し出せるモノと言えば、ここにある卵子しかありませんから。女性は赤ちゃん産んでナンボですよ」
そう後藤はのたまうと、自らの下腹部を指し示した。
「あらあら…なら、私はひそかちゃんのご期待に応えなきゃね」
由嘉里はそう言いながら、これから大きくなるであろう腹を摩っている。
「お母さん羨ましいなぁ。私も早く後藤さんの赤ちゃん産みたいのに」
悠月は、妊娠している母の腹をまじまじと見ながらこぼした。
「悠月先輩も卒業まで我慢して下さい。そしたら好きなだけ避妊無しで、してあげますから」
「もう、約束よ!!」
「勿論、約束しますよ先輩。さてと、そろそろ次の料理を出しますね」
・メイン
〜和牛フィレ肉のロースト〜
スキレットで表面にしっかりと焼き目を付けた、和牛フィレ肉の塊。
それをワイン、ビーフストック、ローズマリーと共にアルミホイルで包みオーブンで加熱。
仕上げに、招待客の前でアルミホイルを切り開く。
するとテーブルには、ローズマリーと香ばしい牛肉の香りが、むわっと立ち込めた。
嗅覚を刺激され、胃袋が肉を食えと脳に指令を出す。
作業を皆が沈黙して見守る中、後藤は熱々の肉塊に刃を入れていく。
本来ならばローストビーフは粗熱を取って、肉汁を閉じ込めてから切り分けるのかセオリーだ。
しかし後藤は肉汁が溢れるのを気にもせず、次々とペティナイフで切り分ける。
ステーキと変わらぬ厚さの一枚肉が、匂い立つ湯気を放ちながら六皿分並んだ。
そこに添えるのは、鮮血のごとき真っ赤なラズベリーソース(タイミング次第では自身の経血を混ぜていた、今回は無し)。
追加のバゲットを用意しておくことも忘れない。
「こりゃすげぇ…めっちゃ柔らけぇ…後藤さんマジでプロじゃね?やっぱ俺の嫁になってくんねーかなぁ」
目を閉じて肉を味わう金井ケンジは、自然と願望が口に出ていた。
「美味い料理は、人の心を開かせる力がある」後藤はそう考え、大切な人と同じ空間で、同じ料理を食べる事を重視していた。
事実、メインが出る頃になると各々が食事を交えながら、率直に意見を交わした。
適度な酒が、招待客の会話を促した。
彼女の目論見通り、彼らは建設的に話を進めた。
後藤を独占しようと利害が対立する時もあったが、ホスト自身が取りなした。
結果、後藤があらかじめスケジュール表を提示して、空いている日時を彼らが調整し埋めていく事に決まった。
これにより、後藤自身の負担は大幅に軽減することになるし、余暇時間も確保できる。
一人一人を相手に、スケジュールを遣り繰りする事だけは、どうしても避けたかった後藤には十分な成果である。
その後、彼らはスープ、デザートと一通りのコースを堪能した。
皆、大満足のうちに晩餐を終えた。
「ふぅ…お腹いっぱい。密ちゃん、バイトなんだけど…ホールより、キッチンの方が良いんじゃない?あ、でも看板娘が裏で篭りっきりなのもアレかぁ」
悠月がそうこぼした。
「えぇ!?看板娘?冗談は勘弁してくださいよ、先輩。私より悠月先輩の方が、ずうっと美人じゃないですか」
「それアナタが言うと、スッゴイ嫌味に聞こえるわよ。あ、星野さんも十分器量が良いから。後藤さんがおかしいだけだから」
そう言うと、椋梨はじっとりとした視線を後藤に向けた。
「えぇ!?ヒドい椋梨先生。んもー、ちょー酷いんですけどー、椋梨センセーの彼ピの若松センセー助けてーお願い♡」
後藤は手を組んで、ぷりぷりと若松にねだる。
「その姿でソラの喋り方は、頼むからやめてくれ」
「ふふっ…琢磨君も面白いわね。あ、そうだ。もしかしたら、次にディナーやる時、メンバーが増えてたりして。例えば…クラスメイトの五十鈴さんとか。良いわよね彼女、カワイくて清楚だし」
椋梨が冗談めいて、後藤を茶化す。
「…」
後藤は否定もせず笑みを浮かべながら、無言で食器を下げ始めた。
ヤる気である。
「いや、教師陣は止めろし。特に担任」
金井ケンジが教師陣、主に椋梨沙奈へ向けて苦言を呈す。
「止めても彼女なら絶対やるから、無理ね。止めたいなら金井君がやって、どうぞ」
お手上げと言わんばかりに、椋梨は両の手のひらを天に向けジェスチャーした。
「私を止めたければ、どうぞお好きに。その場合、金井先輩とは今後一切の関係を断ちますので、ご容赦願います。はぁ…残念だなぁ、先輩(のデカチン)大好きなのに。あぁ…金井先輩の赤ちゃん産みたかったなぁ(チラッ)。先輩の代わりに、別のメンズでも引っ掛けようかなぁ。あ、若松先生の赤ちゃんを連続して産んでも良いかも!」
「うぐっ…」
金井ケンジは、後藤密の肢体を味わい足りぬ。
種付けの日も待ち遠しい。
結局は“それ”を引き換えにする程の正義感は、彼には無かった。
それは後藤との性的関係に依存している他のメンバーも、おおむね同じである。
招待客の中に、後藤密の凶行を止められる者は誰もいなかったのだ。
むしろ先輩二人や教師陣は、学園でする後藤の行動に手助けする事になる。