リリカルの崩壊 作:ヒステリア
とある日曜日。
河原のグラウンドで二種類のユニフォームを着た子供達がサッカーの試合をしていた。その隅で長い紫髪と金髪の美少女二人がベンチから立ち上がり、黄色い声で声援を上げる。
「陽人くーん、がんばってー!!」
「あんな連中、陽人なら楽勝よー!!」
その声の先で、ボールを追いかけていた子供達の中から茶髪の少年が駆け抜けてボールを奪い、蹴りつけながら敵陣のゴールに向かって駆けだしていく。それを止めるべく五人の敵選手が立ちふさがるが、陽人はボールを蹴りながら巧みに体を揺らして五人の間をくぐり、そのまま抜き去っていく。
そして赤色のユニフォームを着たゴールキーパーが守る
「させるか!」と息巻きながらゴールキーパーはボールを捕まえるべく体を構える。だがその直後、陽人が放ったボールは大きく右に逸れ、キーパーをすり抜けてそのまま
「翠屋JFC、1ー0!」
審判が得点を告げた瞬間、声を張り上げていた少女二人を中心に『翠屋JFC』の応援席から歓声が上がる。そんな二人から少し離れたベンチに座る高町なのはは面白くなさそうに眉を寄せた。
「……むぅ」
――まさか式条君がお父さんのサッカーチームに入るなんて。一体なんのつもりだろう?
ユーノと出会い、最初のジュエルシードを手に入れた日の翌日。陽人は突然なのはの元にやってきて、
『君のお父さん、サッカーチームやってるって聞いたんだけど。俺も入れてもらえるか聞いてくれないか?』
などと言ってきたのだ。すずかとアリサにとっても予想外の流れだったらしく、二人して陽人の後ろで戸惑っていた。
その日の放課後、なのはの父、高町士郎にも彼の入団希望を伝え、さらに翠屋までついてきた彼と引き合わせたのだが……。
『確かによくない噂を聞くし、腹に一物か二物は抱えていそうな子ではある。しかし、うちのチームに入りたいという希望を跳ね除けるほどの事をしたわけじゃない。スポーツに打ち込んでいくうちに健全な精神を取り戻すかもしれないし、まずうちで彼の心身を鍛えなおしてみようじゃないか』
そう言って士郎は陽人の入団を認め、さらに彼の高い運動神経を見込み、わずか一週間で
一方、なのはも父親から試合の応援をするように頼まれ、ジュエルシード集めを中断し、フェレットみたいな生物“ユーノ”を連れて試合の応援に来ていた。
なのはが来るとみんなの気合が入るからとのことだが、正直自分なんかが応援するまでもない。アリサとすずかが(陽人のついでとはいえ)応援してくれてるし、それに加えて……。
「フレー! フレー! 翠屋JFC!! ファイト翠屋! フレッフレッ翠屋JFC!!」
両手にポンポンを嵌めたチアリーダーは、すずかたちに張り合うように声を張り上げ、大胆に
彼女を見てなのはは『うちにチアリーダーなんていたっけ?』と
「ファイト! 負けるな翠屋JFC!!」
応援歌を口ずさみながら彼女が大きく足を振り上げた瞬間、両チームの選手達が大きく目を開いてめくれ上がったスカートの中を凝視した。彼女に想いを寄せてるキーパーも目を奪われながらも慌てて視線を逸らす。
なのははそんな男子達に呆れつつ、何かおかしいと思うもののあの場に割って入る気など起きず、ユーノを抱えながら試合の続きを眺める。一方、ユーノはチアの下着が見えた瞬間、初心な人間の少年のように自身の目を覆っていた。
その後、陽人の奮闘というかワンマンプレーで5-0という大差をつけて試合は翠屋JFCの勝利で終わり、ご褒美としてチーム全員翠屋で食事をご馳走してもらえることになった。
ほとんどのチームメイトが喜びに沸き立ち翠屋に向かおうとする中、キーパーの少年はチアリーダー姿のまま帰りの準備を進めるマネージャーに近付き――
「ちょっと待って!」
「……? なに?」
マネージャーは首をかしげながらすげない声で聞き返す。そんな彼女に気後れしかけながらも、
「じ、実は、渡したいものがあるんだ。――こ、これ、昨日拾ったんだけど!」
言いながら、少年は懐に手を入れて何かを差し出そうとする。
それを見て、なのはは何かに気づいたように、あちらに顔を向けようとするが――
「さっ、コーチに甘えて俺達も行くぞ。高町も一緒にどうだ?」
「えっ……」
陽人に尋ねられなのはは逡巡するも、すずかに腕を取られ――
「うん、そうしよ。高町さんには陽人君をコーチに紹介してもらったお礼もしなきゃと思ってたし」
「そうね。少ない女の子同士、一緒に行きましょ」
アリサにまで囲まれ、なのはは思わず「うん」と頷く。陽人は数歩前を歩き三人を先導するように歩く。これなら周りから変な誤解をされる心配もない。
何かをやり取りするキーパーとマネージャー二人のことも忘れ、なのははおずおずと三人とともに翠屋に向かうのだった。
そうして翠屋に着き、陽人を含むチーム全員が店内で昼食を摂る中、チームに入ってないなのはとアリサ、すずか、ついでにユーノは店のテラスに座っていた。
「じゃあ改めて自己紹介するわね。アリサ・バニングスよ。これからちょくちょく話すかもしれないし、アリサって呼んでもいいわ」
席について早々、尊大そうな口調でアリサは自己紹介する。続いて彼女の横に座るすずかが口を開いた。
「月村すずかです。私のこともすずかって呼んでください。バスでもよく会ってますよね?」
相方と違い丁寧な口調で自己紹介するすずかに、なのはも思わずたじろぎながら――
「は、はい。いつも仲良さそうにしてるから挨拶する暇がなくて……高町なのはです。こちらこそよろしくお願いします」
『できれば陽人君抜きで』と内心で付け足しながら、なのはも頭を下げてバスで無視した言い訳と自己紹介を終える。
そこでアリサがなのはの前に座っているユーノに目を向けた。
「それにしてもめずらしい動物ね。なのはのペット?」
その問いに反応し、ユーノは思わず彼女たちを見る。その後ろでなのはは頷いた。
「うん。この前、公園の近くで倒れてるところを見つけて、うちで保護してるの。名前は『ユーノ』君」
「へぇ、ちょっと撫でてもいいですか?」
すずかの問いになのははユーノに顔を向け、
すずかは愛おしそうにユーノの頭や体を撫で、アリサが「あたしにも撫でさせなさいよ!」とユーノを撫でまわす。その姿を見て、もみくちゃにされるユーノに同情しつつ『この二人も普通の女の子なんだ』となのは安堵した。
あとは
ついなのはがそう思ったところで軽やかなベルの音とともに店のドアが開き、健闘を労う士郎に教え子達が返事と礼を返すやり取りが交わされる。陽人も声こそ抑えていたものの礼はきちんとしていた。
その姿になのははわずかに感心したところで――
「三人とも仲良くやってるようだね」
見送りを終えた士郎がやってきて三人は彼の方を向く。士郎のすぐ隣には陽人もいた。
「今日は休みの日なのにわざわざ応援に来てくれてありがとう。おかげでみんな気合が入ってたよ。うちの娘とも仲良くしてくれてるようで」
「いえ、陽人がお世話になってますし、なのはさんとは同じクラスですから」
「こちらこそ見学の許可をいただいてありがとうございます」
アリサとすずかは椅子から立ち上がり、丁寧なお辞儀と礼を返す。士郎は温和な笑みを返しながら片手を振った。
「いいよいいよ。よければこれからも遠慮なく遊びにおいで。陽人も今日はよくやった。今日は君のおかげで勝てたようなもんだ」
「いえ、コーチの指導のおかげです。まさか入ったばかりの俺なんかを試合に出してくれるなんて思ってませんでした」
「謙遜するな。お前の実力と頑張りを認めてのことだ」
さわやかな笑みと返事を返す陽人に、士郎もまんざらでもなさそうな微笑みを返しながら肩を叩く。それを見て、なのはの脳裏に『もしかしてお父さん、もう彼を信用しちゃってる?』と不安の影がよぎった。
そこで――
「じゃあ俺は少し寄り道していくから、すずかとアリサは先帰っててくれ。迎えを頼めば執事とかメイドが来てくれんだろう」
「えっ……私達なら陽人が用事を済ませるまで待ってても」
「アリサちゃん、アリサちゃん」
言いかけたところですずかの脇をつつかれ、アリサは言葉を止める。
そんな相棒を制するようにすずかが口を開いた。
「じゃあ私達はノエルに迎えに来てもらうから。陽人君も用事が終わったらすぐに帰って
「おう。お前らこそ気をつけて帰れよ」
陽人は片手を振ってから、懐から出したスマホを弄る。親御さんにでも連絡してるのだろうか? それともSNSかなにかの確認? と首をひねるなのはをよそに陽人はスマホを閉じ、店を後にしていった。
そこがちょうど“マネージャーが帰った道と同じ”だとは微塵も気づかず……。
「で、あいつからなに貰ったんだ」
河原に来て早々尋ねた陽人に、マネージャー少女は“それ”を見せながら答える。
「菱形の青い宝石です。昨日、練習の帰りに拾ったって言ってました」
少女の手に乗った宝石『ジュエルシード』を見て、陽人は「ほう」と声を漏らす。まさかここで見つかるとは。しかもついさっき彼女の手に渡ったときたものだ。
「今さらこんなものもらっても困るんですけど、断ったら余計迫られてきちゃいそうで」
少女は心底困ったように言う。そこへ陽人はさも彼女を思ってのように言った。
「俺が貰ってやろうか。置物にちょうどいいしよ」
その言葉に少女は嬉しそうに笑顔を浮かべ……。
「ありがとうございます……それと、よければまた“
下半身をくねらせながら、物欲しそうにせがむ少女に陽人は苦笑しながら言った。
「ったく、一昨日相手してやったばかりだろうが。しかもこんなところで……まあいい。じゃああの木に手を付け。あそこなら物陰で通行人には見えねえからよ」
“愛しの”彼からの命令に少女は返事を返さず、ただこくりと赤くなった顔を縦に振った。
一方、好きな女の子にプレゼントを渡し、キーパーの少年は上機嫌な気持ちで帰路についていた。
――これであの子の気持ちは僕に向いたはずだ。今日は活躍できなかったけど、次の試合でもっと活躍して式条って奴のことなんか忘れさせてやる!
そう心に決めたところで、彼はぴたりと足を止め、グラウンドがある河原の方に顔を向ける。
――あの子にかっこいいところを見せるためにも、もっと練習をしておくべきじゃないか。
そう思い直し、十秒ほど考えてから彼は決心したように頷いた後、
が……。
「ああんっ♡ 陽人くんのおっきいの、きもちよすぎるぅ♡♡」
グラウンドの隅に立っている木に手を付けた少女は、後ろから陽人の剛直を入れられ、蕩けたよがり声をあげる。その後ろで陽人は彼女の腰を掴み、何度も己の分身を突き入れる。
「どうだ。石を渡す気になったかよ」
「う、ううん。二日ぶりに陽人くんと二人きりになれたんだもん。もっと気持ちよくしてくれないと――あああんっ!!」
要求を拒んだ彼女の尻からぱぁんと快音が響き、それ以上に大きな
「叩かれて喜ぶとはとんだ変態女だ。彼氏に知られたら嫌われるぜ」
脅かすように言うと、彼女はふふっと可笑しそうな笑みを漏らす。
「彼氏じゃないよ。金網の前でじっと立ってるだけの子なんかよりグラウンドを駆けまわってゴールを決める君の方がずっとかっこいいし、試合よりも激しく腰を動かして私を気持ちよくしてくれてる陽人くんの方が大好き――ああああっ!!」
陽人を褒め終えた瞬間、彼女の一番奥に剛直が突き当たる。
陽人は剛直を突き入れたまま愉悦の笑みを浮かべた。
「嬉しいこと言ってくれるじゃねえの。じゃあもっと気持ちよくしてやらないとな!」
言い終えると同時にずんっと下半身の奥が押される感触が脳にまで届き――
「――いひっ! 陽人くんのおおきいおちんちん、私のおくにあたって――ああっ! そこを、もっとそこを陽人くんのおおきなおちんちんで突いてくださいぃ!! あはああああんっ!!」
一番奥を突かれ彼女は大きなよがり声をあげる。その後ろで陽人はさらに腰つきを速めながらちらりと“見物人”の方を見上げた。
「……う……うそ……だろ」
自身の悪口とともによがり声をあげる最愛の彼女。歯を剥き出しながら彼女の中を何度も侵す新米。
そんな痴態を見て少年は練習用のボールを落とす。そして目に涙を浮かべ、血が出るほど強く唇を噛みしめながらその場から逃げ去った。
その翌日、彼は学校を休んで一日中部屋に閉じこもった末に士郎に連絡をとり翠屋JFCを退団するのだが、そんなこと陽人や今の彼女にとってどうでもいいことだった。
「帰ったぜー。風呂の用意はできてるか?」
情事の後、約束通りマネージャーからジュエルシードを貰ってから、陽人は帰宅し奥にいる同居人に向かって荒々しい声をあげる。
その直後、すたすたという足音とともにメイド服を着た同居人、イレインがやって来た。
「陽人様、お帰りなさいませ。お風呂の用意はすでにできています。ただ……」
「ただ?」
訝しげに聞き返す陽人に、イレインは顔色一つ変えずに続けた。
「お客様が二人いらしています。部屋にいるから陽人様が帰ってきたら通してほしいと」
――客、イレインが追い返さないってことは……。
その報告だけで陽人は察しよく、“客二人”の検討をつけ。
「わかった。風呂の温度はそのままにしとけ。しばらくしたら
ぞんざいに命じる
それを尻目に陽人は部屋に戻った。そこには……。
「あっ、陽人君、やっと帰ってきた」
「どう、私たちのチア姿。陽人がサッカー始めたと聞いて用意していたのよ」
すずかとアリサはチアリーダーの衣装を着ていて、短いスカートをまくり上げてピンク色の下着を見せつけながら陽人を出迎える。
それを見て、今からまたたっぷり運動をすることになりそうだと思いながら陽人は部屋に入り、愛人二人をベッドに押し倒した。