思い込みの激しい地雷系女子からセクハラされて流されて、キレてしまったセンパイがエグ反りちんぽでたっぷり生ハメをお返ししてあげる話 作:くるぃとる
「センパイっ。今日、お部屋に行ってもいいですか?」
「え。いや……嫌だけど」
桂木トモヒサが声を掛けられたの大学の講義が終わった夕方、彼の住む学生用アパートの近くだ。
「えーっ!? 急な話なのはわかりますけど、お願いしますぅ。どうしてもダメですか?」
「うん」
サッカーをしていたために体つきのがっしりしているトモヒサとは対照的な、おそらく平均身長よりも低い、華奢な体格の女の子に気圧されるような対応をしているというのはどこかあべこべな印象があり、実際、普段と比べると彼の様子はおかしい。
それもそうなのだ。
「お願いします。どうしても、今日がいいんですぅ」
「そもそも、君、だれ?」
「後輩のサヨですよ」
「マジで誰? え、誰、おまえ……怖いんだけど」
眼の前にいる、まぁ顔は可愛いであろう女の子を、トモヒサは人生で一度も見たことがなかったのだ。
肩よりさらに下あたりまで伸びた真っ直ぐな黒髪。まつ毛を黒く強調しつつ、赤いアイラインを引いた目。パッチリと男を見つめてくる視線の作り方といい、シンプルな白いブラウスかと思えば襟や袖に装飾過多なフリルが着いている服装といい、おそらく彼の人生で馴染みのなかった地雷系の子なのだろうと、トモヒサはぼんやり意識していた。
大きく張り出たおっぱいは気になったが、見るのは罠のような気がして、怖いので見ないようにしている。
きゃいきゃい騒ぐサヨを近所の小さな公園までそれとなく誘導してから(彼の言うことは素直に聞いてくれるようだった)、彼女から情報を引き出そうとトモヒサは会話を重ねていき、思った以上に自分の情報を握っているストーカーを相手にしているのだと思い知らされた。
サヨは彼の中学の後輩だったらしい。話をした覚えもないのは正解で、一方的に『センパイ』へ一目惚れをしたのがサヨの人生のターニングポイントだったと熱弁されてしまった。
一方的に同じ高校へ、同じ大学へと進学して追ってきたサヨは、とうとう今日になって秘めた思いが破裂してしまった。らしい。
「だからセンパイの部屋に入ってみたくなってぇ」
「『だから』の意味がわかんねぇよ」
ひとつしかないベンチの隣に座り、甘え、媚びるのに慣れたサヨの上目遣いを受け止めているトモヒサの警戒心はずっとマックスだ。
妙に角張ったつくりの黒スカートは短すぎて、そこから伸びる肉感的な太ももが男の視線を誘う。服のシワを伸ばすくらい大きく、大きくまろやかさを主張している乳肉も、やっぱり気になってしょうがない。あどけない顔を彩るメイクも彼にとっては珍しくて……だからこそ、こっちを弄んできそうな女だとトモヒサは決めつけていた。
かと言って無視をして、そのうち部屋に侵入でもされたらどうなる事やら。いかにも春先のまだ少し冷える夕風と、尻から体温を奪う冷たいベンチが小憎らしくなってくる。
「ずっと見つめて来ましたけど、生活してるところだけは間近に見たことがないんですよぉ」
「普通そうだろ」
「あっ。ちょっと雑に扱ってますよね。そういう口調って。きゃーっ! はじめて言ってもらっちゃったぁ!」
「ストーカーの反応わかんねぇよぉ……」
「違います。ストーカーじゃありません。そうやって言質取ろう、なんて甘い考えですからね?」
「なんでそういう発想になるの……え、あれ? 録音してるって思ってる? 今からしていい?」
「大丈夫です。もうしてますから。あとで音声ファイルお渡しできますよぉ」
「やっぱストーカーだよね?」
「違います」
「正直に話してくんない? そしたら俺も正直に話すから。色々、できるかぎりで何でも」
「……一般的な範疇だと、そういう言い方ができるかもしれません。ただ、対話で解決できると思うのでまずは話し合いましょう」
「喋り方の切り替えが急ハンドルすぎない?」
妙に素直なところもあるサヨのせいか、『センパイ』も彼女との会話を続けるのが苦ではなくなってきて、そうなると元々の好意が高すぎる娘は、それはもうペラペラと聞いたことに答えてくれた。
中学の時はさすがに普通……どころか地味だったというサヨは、細々とセンパイを遠くから根掘り葉掘りに探り続けていた。が、やがて彼と付き合う相手ができた事によって大きく変貌していったらしい。
センパイが誰と付き合っても構わないけれど、本当は私が良かったけど、声もかけていないから仕方がない。でも女はセンパイに相応しい人じゃないと嫌だから、どんな女なのか納得できるまで調べておきたい。
「だから、センパイの女性関係にはけっこう敏感でぇ。……具体的に、ですかぁ? そうですねぇ。彼女さんは三人いたことがあって、今はフリーですよねぇ。あと、相手が処女じゃないとセックスできないって人じゃないですし、好きな体位と、キスと、あとプレイは……」
「ストップ。なんで知ってんのマジで」
「態度とか表情とか、ずっと見てましたからぁ」
「怖いんだけど! ねぇ! やだぁ!」
「あっあっ。いきなり女の子みたいな怖がり方しないでくださいよ! センパイの周りからちょっとずつ情報を集めただけですってば。……いえ、直接じゃなくてぇ。周りの人が話してる所をこっそり聞いてたりとか。はい。誓ってたまたまです。偶然、偶然ですよぉ」
「セックスだの処女をどう思うだの、さすがに彼女にしか言った覚えねぇんだけど」
「別れた女の子って結構ガバガバに話すというか、気をつけたほうがいいですよぉ」
「……マジ?」
「マジです」
「なるほど……いや、やっぱおかしーわ。いくらなんでも中学や高校ん時にエロの話題を人に聞こえる場所で話すやつ、彼女にしてない」
じっとセンパイに見つめられ、あからさまにサヨの視線が逸れる。やっぱり案外、わかりやすい。
「本当はどうやって知ったの? 俺の好きなカップラーメン教えてやるから。教えて」
「えっとぉ、センパイと別れやがった女って、やっぱり次の男に股を開くじゃないですか」
「そうだね。言い方考えてね」
「その次男をちょっと呼んだり、遊んであげて、それからセックスの練習台に使ってあげてぇ。そしたら、元カノからセンパイの情報引き出せるじゃないですかぁ」
「やっぱ怖ぇよおまえ!」
「で、でもセンパイと別れるとかありえなくないですか!? 私が先に好きになったのに盗られてそれなのにどうでもいい事でセンパイから離れるような奴のことなんてどうでもいいんですけどだってセンパイのはじめてを何から何までもらっていったような女どもじゃないですか私はちょっとやっぱり思うところがあるというかやっぱり憎い憎い憎い憎い憎い憎い」
いきなり言葉が溢れ出したサヨを壊れた蛇口のように見つめて、焦りながらもトモヒサはなんとか言葉を探す。
「あー、えー。俺のはじめてが欲しかったのかよ」
「いえ、全く」
「うお……」
けろっとした表情になるサヨの切り替えの速さに男は引きながら、『やっぱりメンヘラ気質なのかな』とどこか冷静に分析もしていた。ただ動画やバカ話なんかで見聞してきたほど、どうにも会話ができないほど理解不能だとトモヒサには思えなかった。
わかるような、わからないような、くらいの女の子だ。
「地雷系だっけ。俺はファッションって適当だけど、やっぱり性格に合うからそういう格好になるもんなの?」
だから、興味本位で聞いてしまった。もう少し知っておこうと思ってしまって。
「……私、センパイに彼女ができた時、色々考えたんですけど」
「うん」
「セックスの練習しとかなきゃ、って結論になったんです」
「なんて言った? なんで? なんで?」
「ちんちんを掴んだらワンチャンあるかもしれないし、処女はマイナスにはなってもプラスにならないってネットとか男子たちが言ってて! 当時は信じました。人付き合いの少ない子特有の暴走で、タガが外れたんですね」
「自己分析が冷静すぎるだろ」
「センパイが処女にこだわってないって情報が決め手で、色々ヤってきました。この見た目は……こういうタイプの子には男からセックスを持ちかけてくるんで、楽なんですよね。色んなタイプがいますけど、大体こっちをナメてるので隙も多いし。こういうの、センパイの好みではないけど、嫌いでもないですよね?」
「まぁ、ストーカーじゃなかったら別に気にしてなかった……もしかして、俺の性癖も調べてるの? スマホの中身を覗いてさ」
「それはちょっと無理でしたぁ」
「そっか。やったんだ」
「なのでぇ、とりあえず実益を兼ねて、こういうカッコしてまぁす。……あと、私じゃキレイ系はちょっと無理だったっていうか」
ぽそり、と何気なく、自虐のようにサヨが口にした一言がセンパイの気を引く。
こういう口調は彼にも馴染みがある。子供の時から長く続けたサッカーを大学で辞めたのも、これ以上巧くやるのはちょっと無理だったから。同じように諦めた者どうしのシンパシーを感じてしまい、
(いやこれも計算してるんじゃないの?)
という湧き上がってくる心の声をセンパイは押さえつけた。それくらい、自分の心の中で聞き慣れた言い方だったから。
(……いや、違う。こいつは諦めずに続けている。犯罪な気がするとかはともかく、こうしてオレの前に出てくるまでずっと昔から、俺がまだサッカーしてた頃から諦めずに続けてるんだ)
夜の質感になってきた風が流れ、薄闇で見えにくくなってきた目の前の娘が少し震える。
「…………」
まだ諦めてないんだったら、こいつに少しくらい、イイ事があってもいいんじゃないか。
それとなく始まった沈黙を契機にして、センパイが立ち上がった。
「オレ、もう行くわ」
「……はい」
「来いよ」
「え?」
「部屋。入るだけなんだろ」
「……!」
サヨは勢いよく立ち上がると、無警戒だった男の手を握って上下に振る。
満面の笑顔を浮かべながら、大きく何度も娘は頷いた。
「ありがとうございます! センパイ!」
「お、おう」
「わかってましたけど、やっぱりちょっとチョロいですね!」
「おまえもう帰れや!」
「イヤです! 言質取りました!」
思いきりしかめっ面を向けてもニコニコと返ってくるその笑顔は他の女と変わらない。センパイにはそう思えた。
少なくともこの時には、そう思えてしまった。