コンセプト風俗”コンフー”:有名アイドルと遊べるお店!?いちごより甘ーい対戦 作:桜吐和堵 / フリッツ
私はある土地に降りた。―千代田区新都心。そこは聖地「TOKYO SUPER ARENA」がある街。
忘れもしない、ユニット初のアリーナ単独ライブ。別に深い意味もないのに、円盤をカバンにしまい込んで来てしまった。それも2枚。
1つには「あんだーいちご」のサイン
もう1枚には―「AV Debut」の文字
「経験人数は…一人です」
私はサンプルを見たとき、すでに金玉だった。
見間違えようもない。利発そうな整った顔立ちに、靡く長い黒髪。サイン会に並び、握手までしたあの子。歳にしては大人びた振る舞いに、私は心踊った。
それがどうだろう、今や彼女のステージは男の股の上。右手に竿、左手にも竿で、自身の雌しべに大きな柱頭を咥え込み踊っている。
120分。1室で交わされた情事は、アリーナ1個分に相当する濃厚さだった。
私はホテルの1室で待つ。朝家でシャワーを浴びてきたのに、何だかそわそわしてもう一度シャワーを浴びてしまった。入念に髭のそり残しがないかチェックする。スマホで時間を見る。テレビにDVDデッキがないか確認する。スマホで時間を見る。
ショート動画めくるめく。内容など全然入ってこないのに、めくり続けて空笑い。ピンポーンと気の抜けた音が聞こえる。遠いような、しかしとてつもなく近い扉まで歩いた。
「はじめまして。本日はよろしくお願いします。」
初めは顔を見れなかった。深々と下げた頭を上げたとき、ジッとこちらを下から覗く目を見てようやく、理解が追いついた。
「大丈夫ですか?お部屋入りますね」
受け答えはしどろもどろだったと思う。真っ白になるとはこういう事なのだろう。思わず退いて、部屋までの道をあけてしまった。そうすることが正しいと思わされてしまうほどのオーラと輝き。それは上着が白だったせいだけではないと思う。
―ストロベリーの香り
慎ましいパイスラッシュの服を、グレイブルーのロングスカートで包んで閃かせながら、部屋をぐるっと見渡す。まるで舞台の前入りかのような仕草、職業病というやつだろうか。ポニーテールに束ねた髪が、狐の尻尾のように揺れる。一瞬私はキツネにつままれたのだと、誰かが彼女に化けて私を欺そうとしてるのだと過った。
その疑いは、振り返った彼女の笑顔で消えた。
あぁ、その顔だ。その顔で握手してくれたんだよね、めいめい。
「コンと言います。お名前はなんて呼んだらいいですか?」
バッグを降ろし、伺うような表情。紺だろうか、それとも狐の鳴き声だろうか、と思う。
どっちでもいい、私はイキリ勃つ思いをぶちまけようとチャックを開け、勢いよく取り出した。
「これは…DVDですか?」
一瞬目を見開き、固まる。けれどすぐに、無理やり引き上げたような笑顔に戻る。困惑。恐怖?しかし体は依然として逃げだそうとはしていない。彼女はプロとして、私と一夜を伽げようとしている。
「こっちは分からないですけど…こっちは私のデビュー作ですね、見てくれてありがとうございます!」
彼女はあの時と変わらぬ笑顔で答える。こっちは分からない…か…。彼女にとって、「あんだーいちご」での活動は、「今」と繋げたくない過去なのか。
「確かに元○役アイドル~って触れ込みで売り出されましたけど、実際は他人のソックリさんってやつですよ」
そう言ってからからと笑う彼女の瞳は、空みたいに明るいブルーで、触れたらふっとどこかへ行ってしまいそうだった。
だってその目は、私を見てはいなかったから。
「えい、えへへ~手を握ってしまいました」
その憂いを振り払うように手を握られる。確かにそこに暖かさがある。なのに冷たい。近づくと聞こえる吐息が、熱を帯びていて、冷え込む。耳元で息遣いを感じる。囁き。
「ねぇ、そろそろしませんか。」
頷く私のズボンに手をかけ手慣れたように私を取り出すと、束ねきれず前に流していた髪を耳にかけ、一度だけ私に目を合わせる。そしてキスをする。「はぁむ」と私を咥える。
私はまた金玉になっていた。スポットライト以外の熱を感じない闇の中差す光。他に聞こえるのは、じゅぷじゅぷと引っかかりのあるリズムで脈打つ咀嚼音だけ。唄にならなかった、ただ私はステージの上で勃っていた。
「れぇーみへくらはい、はくさんれましたね」
一瞬だけ苦虫をかみつぶしたような顔をして嚥下し、「のんじゃった」と舌を出して笑うキミ。つられて私も笑ってしまう。
まだ敏感な私を最後までひととおり舐めとると、一息つく。
「まだ時間はあるので、シャワー一緒に浴びませんか?」
水滴が肌を跳ねる。瑞々しい体。計算してみれば、まだハタチを越して間もなくか。
張りのある肌にゆっくり、ゆっくりと指を沿わす。彼女の呼吸は荒くなっているようだが、シャワーの音にかき消されて聞こえない。ただ胸の膨らみと心音がそれを告げていた。
鏡越しに一瞬目が合う。しかしすぐに彼女は目を逸らす。次第に鏡は湯気で曇り、彼女は写らなくなった。
彼女は目を閉じて唇を重ねる。両手は彼女の乳房と蕾を捕らえて撫でる。沈み込むようで反発する若い肌。シャボンに消えたストロベリーの香り。
私の私は再び勃ち上がり、挿れる穴を探した。
「ダメ…ベッドでして♡」
微笑む彼女。甘えるようなリップサービスでやんわりと断られる。もちろんその先はサービスに含まれていない。あくまで彼女はプロなのだ、ゴムよりも厚く遠い距離がある。
彼女は私を隅々まで舐めた。私も彼女をあますことなく舐めた。たどり着いたのは互いの恥部。彼女は私を咥え、私は彼女を吸う。私達は互いの似たところにキスしながら、違った方を向いていた。
「電子タバコ吸うんですね、私ももらっていいですか?」
シュガーキスなんてものはなくて、今さら意識もしなくなった間接キスに憂いを覚える。浮かぶ煙は、やけに慣れたように舞っていた。
あぁそうか、彼女はもう、向こう側の存在じゃなくなったんだな。
私は気づけばDVDをかけていた。そこには元気いっぱいに歌って踊る「碧山めい」がいた。
もう一つのDVDを取り出し、サインを書いてもらおうと彼女に振り返る。
―泣いていた。
静かに肩を落として、小さく震えていた。
私は慌ててDVDを止めて駆けよる。ごめん、と言ったはず、言えたはずだ。その声が聞こえたのか、彼女はこっちを見上げ、睨んだ。
今までで1番大きな、偽りのない、むき出しの感情。
彼女は私を押し倒す。股間を乱暴に摩る。私はどうしたらいいかも分からず勃起した。
驚くべきことに彼女は私を中に挿れた。そして合いの手よりも速く激しく腰を打ちつけた。
「このグズ、ペニスしか取り柄がないクセに私を弄んで、何様のつもり?はあぁっ、どうっせ孕ませたいんでしょう?中学生の頃の私に欲情するグズロリコン。
んん、ねぇねぇ幻滅した?こんな私で夢壊れちゃった?でもどうせ気持ちいいんでしょ?だってただのペニスだもんね。おまんこしか分からないよね?んっ、今の私を見ないで昔の私ばっか見てさ、私のこと何も知らないクセに。本っ当にグズ。ふぅぅ…ほんっと、オクまで届いて、サイアク。
なぁに?言いたいことがあるなら言ってみてくださいよ?何もできずに年下にされるがままになって、情けなくないの?きもっ…ぃい…のこんなの。あはっ、苛められてナカでビクビクして気持ちヨクなってるのまるわかり。変態。
もう出そうなんでしょ?出してみれば?いいよ、出せば。出しなさいよ、出せ。私の中に出しちゃえ。ふふっ、孕ませてみせてよ、種付けしてみよ?ほら。あぁやっぱ出さないで?まって、もうちょっと我慢していっしょに、ちがっ、うぅん…はぁっザッコ、カッコいいとこみせてよ無能、ぐず、愚図、グズ。はあっ、だっ、もう、チンポいっちゃえ。いけっ。濃くてっ白いのビュービュー射精しろ。
ああっ、んんーっ、あぁホントに無理、無理チンポ無理、むっ、りぃぃいっく…ッ!」
コンに果てたタイミングと、その後ろで「碧山めい」が歌い上げたタイミングは、ほぼ同時だった。
真っ赤に腫れた目元と果実。
アンダーヘア越しに溢れた精子は、いちごにかけた練乳みたいに、とろっとしていた。
その後彼女はそのまま下着を履き身なりを整えると、脱ぎ捨てた私のズボンから財布を取り出し、紙幣をすべて抜き取った。
ただの一度もこちらを振り返ることなく、「もう二度と指名しないで」とだけ言って、扉の向こうに消えていった。
部屋にはあんだーいちごのライブ映像の音だけ響いていた。
―あれから私は店を出禁となった。しばらく後、彼女は店からも姿を消した。
映像でも彼女を見なくなっても久しい。というのも私は、彼女の主演するAVよりも、ライブ映像で抜くことが多くなっていたからだ。
あの姿が目蓋を焼いて離れない。
もう一度会えたら、彼女はどんな顔をするだろうか。彼女は私のことを覚えているだろうか。またいつか、どこかの店に在籍することを願って、今この文章を書いている。どうかこれを読んでいるあなたも探してほしい。
確かにあのとき、彼女はプロの衣装を捨てて、一人の女だった。私は、向こう側の憧れを脱いだ、もう一人の彼女を見た。
あんだーいちごのライブ映像が流れている。飛び散る汗と跳ねるような歌声。キラキラ輝く瞳と目が合う。
一切の曇りなく情熱に燃えた碧だった。
※サイト恒例!満足戦闘力レビュー
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