次の日は、
今回日本にきたのは、学校が始まる前にいろいろ準備をするためだそうだ。
準備を済ませたら、いったん帰国する。
いい物件が思ったより早く見つかって、その後は軽く観光。
ヲタ外人向けのガイドなら任せろ。
案の定、
「オナザル=サンも
……だから、そんなに大声出さないでって……
でも、はしゃぐ
俺まで幸せな気持ちになるんだよね。
楽しい時間が過ぎるのは速い。
「もう遅いし、そろそろホテルに戻ったほうがいいんじゃない?」
そういうと、
「……ひとりになるの、さびしいデース」
ああ、そうか。
大好きな日本といっても、家族も友達もいなくて、たったひとりきりなんだもんな。
「もうチョットだけ、アナタと一緒がいいデス……」
指先で、俺のシャツの裾をつまんでる。
ああーもう!
「じゃあ……もうちょっとだけね?」
チョロいなー、俺。
ぎゅっ。
部屋に入ると、すぐに
そのまま、キス。
背中に回された手が、俺の服をくしゃくしゃにする。
俺も負けじと
外人のエロ動画、
あんな感じ。
体全体で触りたいし、体全体を触られたい。
「生き急ぐ」じゃなくて……イき急ぐ?
いますぐイかないと死んでしまいます。そんな感じ。
そんなふうにまさぐり合って、体をすり寄せ合ってるうちに、流れで背後から抱きしめる形になった。
俺はスカートをまくり上げ、おしりを
パンツをずり下ろし、おまんこを愛撫してあげる。
腰をくねらせながら、
イき急ぐ俺は、さっそく挿入。
「――ひゃっ♡」
立ちバックは膝がキツいらしいが、
俺のペースも速くなる。
――パン♡ パン♡ パン♡
「あぅ♡ すっご♡ おちんぽすっご♡」
――パン♡ パン♡ パン♡
「あっ♡ 先生♡ 先生もっと突いてっ♡ 先生先生先生♡♡♡」
先生?
……って、たぶん漫画家とか呼ぶときの「先生」じゃない気がする……。
まあ、そこは掘らんとこう。
――パン♡ パン♡ パン♡
「あっ♡ あ゙♡あ゙♡あ゙♡ごっ゙壊゛れ゛ち゛ゃ゛う゛ぅ゛ぅ゛♡♡♡」
「俺も……イッ、イくよっ、
――しばらく息を整えてから、第二ラウンドが始まった。
次の日。
俺たちはセックスした。
次の日も。その次の日も。
俺たちはいっぱいセックスをした。
いろんな体位でセックスをした。
――約束した絵のこと。
忘れてしまうはずはないのに。
ずっと待ち続けていただろうに。
それでも俺は、彼女の前で一度も鉛筆を握らなかった。
……ただの一度も。
――いよいよ、明日は
いろいろな手続きにやり残しがないか、ふたりでチェックした。
余った時間でデートしたが、
でも、部屋に戻ってもキスもセックスもしなかった。
俺には、伝えたいことがあったんだ。
「あの……」
と、俺がいいかけるのと同時に、
「オナザル=サン……覚えてマスカ?
約束、ワタシの絵を……描いてくれるって……。
ワタシ、明日帰るので、そしたら会えなくなってしまいマスので……
モチロン、すぐにまた日本に来マスケド、デモ、
約束……オナザル=サンには違う、だったカモしれないデスケド……」
「違わないよ、俺にとっても」
俺は机の上からスケブを取って、
「……?」
「その中からどれでもひとつ、気に入ったやつを選んで?
それをクリンナップするから」
スケブを開いて、
「…………オゥ……!」
いろんなポーズ、いろんな服装、いろんなアングル、いろんな表情。
一冊全部、まるっと
こういってはなんだけど、俺だって絵師の端くれ。
街なかで見かけたかわいい子、おしゃれさん、絵心をそそる顔立ち、ポーズ、個性。
そういうのは短い時間で頭に叩き込み、家に帰ってからスケッチする。
これができるようになるまで、何年もかかった。
でも、その
一緒にいる間、俺はほとんど無意識に、
思い出して描くのは、そんなに難しくなかった。
――ひとりの時間はほとんど描いていた。
ラフとはいえざっくり色も着けたし、これ以外にも何冊も描いている。
いままでこんなに集中したことはないってくらい、俺は描いて、描いて、描きまくった。
ぱらり……
ぱらり……
ページをめくるたび、
――俺が絵のことをなかなかいい出せなかったのには、理由がある。
絵って描き手そのものなんだ。
「描き手の内面が現れる」っていうと精神論みたいであんまり好きじゃないけど、それは本当だ。
同じリンゴでも、自分の目と他人の目とで、見える赤は違うかもしれない。
もし、俺の描いた赤が、ほかの人から「違う」といわれたら……。
いつも恐れながら、絵師は描いているんだ。
それを見せるってことは、自分の隠したい部分まで、さらけ出すってことなんだ。
――もし、俺の目に映る
「オナザル=サン……これ、ワタシですか……?」
スケブから顔を上げて、
「これも? これも? これもデスカ?
ワタシ……ワタシ……、
こんなに
間違いなく、その表情は輝いていた。
うん、
「やっぱりオナザル=サンはチョーヤバイ
あんまり勢いがよすぎて、俺たちは一緒にベッドへ倒れ込んだ。
体を支えようと、とっさに手を伸ばしたら、本棚の何かに引っかかった。
バサバサバサッ!
「Oops...What?」
スケブが何冊か、散乱していた。
落ちた拍子にページが開いていた。
「あ……それは……」
そのスケブは……
本人には絶対見られたくない……
一冊まるっと無修正の、
――ぬちゅっ
――ぬちゅっ
いつもより激しい。
どうやら自分のエロ絵で火が
近づいてくる、そばかすと眼鏡。
メス顔……というのは違う。何ていうのか……
愛しくて、切ない表情。
可愛いちっぱいが、俺の胸の上でつぶれる。
舐めるような、むさぼるような、ディープキス。
その最中にも腰を振るのをやめない。
「...Oh, oh, oh! Oh!
No! I'm coming! I'm coming!
Oh my God, oh my God, oh my God...!!!」
――ありのままの自分。
ふと、
そして、いま、たぶん、俺も。
俺たちは、相手の体をぎゅっと抱きしめたまま、イった。
帰国の当日。
俺たちが空港に着いたのは、搭乗時間ぎりぎりだった。
昨日はあの後も、まあ、盛り上がったっていうか?
だから寝坊したし、その……
いや、今朝は一発だけだったからな?
――
大粒の涙が、あとからあとからこぼれた。
俺は、その可愛いそばかす眼鏡っ子をぎゅっと抱きしめた。
別に、人目が気にならないとはいわないけど。
改札の前で別れるとき、
「アリガト! サヨナラ!
オナザル=サン!!」
……何てことない……何てこと……。
――ちなみに、約束のクリンナップはできなかったけど、かわりにスケブを進呈した。
その中身が、