勝ちヒロインにとって最高に都合のいい男子 作:愛甲ハマチ
しーん、と俺の部屋から音が消えた。
余りにも唐突なカミングアウトに声に驚愕する。
どうしていきなり姫宮さんの前で……ッ!?
「ち、ちちちち千早ちゃん……?な、何を言ってるのかなっ!?」
姫宮さんも衝撃的なその内容に枕から顔を上げて反応する。
目をあちこち動かす姫宮さんは、私、動揺してますと顔に書いてあるかのようだ。
分かる、俺もそうだから。
「
……いや、してないよ?してないよね?
えっ?その嘘になんの意味があるの?
「(というか、タイミングが最悪過ぎないか?……彼氏と別れたばかりの女性にチンポの大きさについて聞くなんて、下品な口説き文句で朝雲さんを狙ってるのかと思われたらどうするんだ……!?)」
朝雲さんだってそういった話は、周囲の人間に徹底してしてこなかった筈だ。
間違いなく姫宮さんを元気付けるなんて理由じゃないだろうし……。
「(いや、待て。確かこの人、突発的に付く嘘が致命的に下手なんだよな……佳樹への言い訳に『姉弟』だとか『プレイ』だとか言っちゃう人だし、まさか今回もそのパターンか……?)」
だとしたら不味い……姫宮さんの中で俺の評価が地に落ちる。
「え?えっと……なんで、温水君が千早ちゃんにそんな相談を……?」
混乱していて俺の思い至った考えに、まだ辿り着いていない姫宮さん。
だけど、このままでは姫宮さんもすぐに俺と似たようなことを考え付く筈だ。
「(悩み自体は本物だから質が悪い……詰められたら絶対に反論できなくなる流れだこれ。後ろめたいことも多いしなぁ俺……)」
ここで無理やり制止すれば後々大変なことになる。
うん、直感でそれが分かるほどには、この空気には見覚えがあった。
高校生のときの散々墓穴を掘るときのアレだ。
だからこそ、俺にできるのは祈ることだけ。
「(お願いします朝雲神様!千早大御神!姫宮さんをその天才的な頭脳で言いくるめて、どうか俺の名誉を守って下さい!……いや、こうなった原因、全部朝雲さんだけどね?)」
なんか納得できないまま全力で祈ると、どうやら祈りは通じたようだ。
朝雲さんは論理的に話していく。
「いいですか?温水君が基本的に相談できる女性は妹の佳樹さんと、元ツワブキ高校の文芸部の八奈見さん達、生徒会の女性の皆さん。そして私達ぐらいでしょう。この中でこの様な性的な相談は、男性経験がある女性が対象となりますので、文芸部の八奈見さん達には言えません。
関係値が比較的薄い生徒会の女性の方々では、どこまで親身になって答えてくれるかは怪しい……ですから、先ほど集まった私達三人しか温水さんは相談できる相手がいないんです」
おおっ、確かにそれはそうだ。
言われてみると納得……いや、交友関係狭いな俺。
「(いや、でも桜井君とか居るし……ああ、いやでも遠いところに進学しちゃったから、集まる機会もなくてあんまり連絡取ってないなぁ)」
それとあの三人に男性経験が無いとか言わないで上げてくれ。
三人とも顔は可愛いんだぞ。
特に焼塩は男子にモテるんだから。
……あと、なんか個人的に気まずい。
「ですが、温水さんの男性の友達である光希さんや袴田さんの彼女である私達に、その様なことを聞くことはハードルが高いでしょう?だから、今まで質問をして下さらなかったのですが、一月前に光希さんと別れたことを知った温水さんが、私にご相談をされたということですよ」
「そう、なんだ……確かに、相手は限られるね」
……いや、朝雲さんに相談したのは二年前だ。
幾らなんでもサバを読み過ぎなんじゃないだろうか?
まあ、正直に全て言うことはできないし、姫宮さんを納得させてくれるなら充分なんだけど。
「で、でも、それなら草介や綾野君に相談することもできたんじゃない?」
「同性だから説明しにくいこともありますよ。華恋さんもその大きなお胸を持つことの悩みを、友人の女性全員に言えるわけではないでしょう?」
「それは……うん、そうだね」
「(きっと共感して貰えるかというだけじゃなく、嫌味になりかねないんだろうなぁ……)」
姫宮さんの実体験によるものか、その返答はどこか重みがあるように感じた。
俺?俺は友達の人数も経験も少ないから、どこまで話していいのか分からなかったけど?
「それに受け入れる女性の立場からの意見こそ、温水さんは欲しがっているんです。男性からの視点では女性が本当に怖いと思うかは分かりません。大きければ大きい方が良いというのは男性ならでは考えであり、女性のアンケートでは大きさを最優先に考えている人は余りいないのだとか」
うん、これに関しては正論だ。
男子達で集まって良い悪いを言い合っても、女性から悪評ならそれで終わりなのだから。
「温水さんが恋愛に積極的ではない理由が、そのコンプレックスによるものなんです。姫宮さんもどうか相談に乗ってあげてくれませんか?」
……いや、恋愛に積極的じゃないのは元々の気質によるものも大きいから……八奈見さんに会うまで友達を作ろうとさえしてなかった奴だよ俺?
まあ、恋愛でそれを危惧してないって言うと嘘になるけど……。
そんな俺のことを想像してありえると判断したのか、姫宮さんはベッドから起き上がって朝雲さんと目を合わせる。
「(い、いや、ちょっと待ってくれ。胸元が汗で服が染みてすごいことになってる……!)」
水色の薄手のニットが汗で滲み、その暴力的なフォルムを強調しているかのようになっていた。
なんかさっきからエロい気持ちになってるから、そんな無防備な姿を俺の前でしないで欲しい。
「そう、なんだ……うん、分かったよ。杏菜のためだしね。温水君の不安や心配を解せるなら協力する!それに、そういうことなら私は力になれるかもしれないし!」
「ち、力になれるってどういうこと?」
思わず聞き返す。え?……もしや、姫宮さんとそう言ったエッチな展開になったり……いやいや、何を考えてるんだ俺。
思考回路がピンク過ぎるだろ。自分の部屋に美女が二人居るからいつもより意識してるのか……?
あと、何か八奈見さんの名前が聞こえたような聞こえなかったような……まあ、いいかそれは。
「草介も大きいからその辺りのアドバイスできると思うんだ」
「え?そうなんだ」
それは何気に頼もしい言葉だった。既に大きいサイズを体験している人の生の声なんて、そうそう聞けるもんじゃない。
「(そう言えば、朝雲さん以外からの主観は初めて聞けるのか)」
朝雲さんのときはなし崩し的に話すことになったけれど、そのお陰で今日まで朝雲さんのお世話になってきて、多少の自信は抱けるようになれたのは事実だ。
……ちょっとハマり過ぎてる感じは否めないけど。
「それは頼もしいですね!ちなみに、参考までにどれくらいの長さなのか仰って貰ってもいいですか?」
「えっ!?……あー、うん、…………いや、まあ、いっか。言っちゃっても」
一瞬だけ悩んだ姫宮さんだけど、袴田のヤリサー浮気乱行事件を思い出したのか、どこか自棄になってるかのような適当な口調で了承した。
されたことと比べて全然マシだと思ったかもしれない。なんか今なら何でも教えてくれそうなくらいに、やさぐれてる気がする……。
メインヒロインのオーラ(BGM)も鳴りを潜めてしまっているから、相当堪えているんだろうな……できる限り優しくしよう。
「草介も最初はそんなに気にしてなかったみたいだけど、私が大きいって言ったからか気になり始めたらしくて」
姫宮さんは俺のために、今となっては色褪せた記憶を掘り起こして、俺が抱える不安を取り除こうとしてくれている。
「(本当にいい人だな。なんか袴田を殴りたくなってきた)」
まあ、俺も朝雲さんと浮気してたからそんな資格は微塵もないんだけど……なんか死にたくなってきたな。
自分の意志と理性の弱さと、人並み以上の性欲の強さで自己嫌悪に陥っている中で、姫宮さんは袴田のサイズを口にする。
「試しに測ってみたら、15cmだったらしいの。世の中だと巨根って言われてる大きさだね」
「……ん?」
「あー……」
俺と朝雲さんから疑問の声が出る。
……いや、分かる。
自分の大きさを調べるために一通りは調べたから、その大きさが日本人男性にとって巨根だというのは分かるんだけど……。
なんと言えばいいのか分からず、口をモゴモゴさせている俺に気付かずに、姫宮さんは俺のために一生懸命に記憶を辿る。
「通りで色々と圧迫感があるなぁ、とは思ってたんだよねぇ。想像よりも立派でイメージとも違うから、言われると確かにそうかもなーって思ったよ。それこそ最初は苦しかったけど何回もすれば慣れてくるから、別に普通よりも大きくても……ってあれ?二人ともどうしたの?」
「あー、いやその……」
【♀️&♀️&♂️】
「19cmッ!?」
予想外の大きさについ声を荒げてしまった。
そんな大きなことがあるなんて思ったこともなかった。
「う、うん、だから、もし女の子とそういう関係になったら怖がらせちゃうんじゃないかって思うんだ」
心配そうな温水君の反応からそれが嘘じゃないことが分かる。
15cmから巨根と呼ばれるらしいのに、そこから4cmも長いおちんちんなんて、多分この日本で……ううん、世界でも1%未満の人数なんだと思う。
「(19cm……一体どれぐらいの長さなんだろう……)」
無意識にゴクリッと生唾を飲む。そんな私を知ってか知らずか、少し席を外した千早ちゃんが、ニコニコとした笑顔を浮かべながらベッドまで戻ってくる。
「華恋さんでもイメージしづらいと思いますので、こちらの定規を使いますね」
「ふぇ?」
温水君の部屋に置いてあった透明な定規を手にして、ベッドに腰掛ける私のすぐ隣に千早ちゃんは座り、定規を縦にして私の目から10cmほど前に翳した。
「男性の平均的な長さがこの辺りです。光希さんもこのくらいの長さですね」
「え、えーと、……そ、そうなんだ……」
私の顎の辺りに定規の0cmを合わせて、左手の人差し指を13cmの位置に合わせた。
私が少し目線を下げた場所にメモリがある。
「そして華恋さんのお話しですと、袴田さんはこの辺りになります」
千早ちゃんが人差し指を上げると、丁度私の目線と水平になるくらいに千早ちゃんの指が来た。
草介のを咥えたこともあるからこのくらいの長さだったのは身に覚えがある。
視覚的に示されるとたった数センチでも大きさが違うことがよく分かる……それはそれとして、綾野君の大きさを知っちゃったんだけど、千早ちゃんはいいの……?
すごく気まずいよぉ……。
身近に居る高校からの付き合いがある、男の子のあそこの長さを、今日で二人も知っちゃったよ……。
ーーだけど、その認識の甘さをすぐに叩き付けられた。
「そして温水さんの長さはーーここですっ♥️」
「っっ!?!?!?」
置かれた指のその場所は私が想定していたよりも高かった。
私の目線が完全に上を向いている。
たったの4cmの違いが想像以上に大きいのだとまざまざと教えられた。
ーーこれはあとから思い至ったけど、綾野くんの大きさは13cmで草介の大きさは15cmで2cm高くなってる。
そこから、次の温水君は19cmだから草介との差は4cm。
つまりは、最初に見た二人の長さの差から単純計算で二倍になっているということ。
それは小学生でも分かる当たり前の話しだけど、動揺していた私には同じ部屋に当事者でもあり、異性でもある温水君が居ることもあって、意識をすぐ目の前にある定規から外そうとしていた……だからこそ、不意打ちのように示されたその大きさに衝撃を受けてしまったのだ。
それこそ、当時はまさか円満に別れたと言っていた綾野君を、温水君の大きさを際立たせるための前振りにするなんて、私には想像することもできなかった。
再び唾液を飲み込み、喉を鳴らす。
自然とイメージしてしまう。
もしこの長さのおちんちんがあるのならどんな形をしているのかを。
きっと草介よりも亀頭の位置も違ってここら辺に……
「はぁ……っ♥️ はぁ……っ♥️ はぁ……っ♥️ はぁ……っ♥️」
「そんな大きくて硬くて太いこの男性器が、華恋さんのここまで入って来ちゃうんですよ」
目の前に翳されていた定規が顔の前から、ベッドに腰掛ける私の太股の辺りまで降ろされる。
今から何をしようとしているのかを察して、ぼーっとした思考の中だったが、反射的に彼女の細い手首を掴む。
「だ、ダメだよ……千早ちゃん…………それは幾らなんでも……」
身体が熱い。
部屋の湿度じゃなくて、内側から熱せられているかのような感覚。
下腹部がキュンキュンッと疼くような物足りなさが襲ってきて、足が勝手に動いちゃう。
「ふふふっ、いいですか華恋さん。温水さんの不安を拭うには温水さんの雄々しいペニスを、華恋さんが身を持ってちゃんと理解しなければなりません。実感が大事なんです。それをちゃんとしてから温水さんのコンプレックスに、どう感じるのかを華恋さんの言葉で真摯に答えましょう……ね?」
私の背中に回り、膝立ちで私の身体を抱き締めるような体勢を取る千早ちゃん。
何故だか私にはそれが、逃げられないようにするために感じられた。
私の太股に手を置いて少しずつ開脚をさせる千早ちゃんは、温水君の大きなあそこが私の中に入ったらどこまで入るのか、しっかりと目で分かるように正確に測るつもりだ。
「(あ、あれ……?何でだろう……身体が熱い……?はぁーっ、はぁーっ、……千早ちゃんに言われたからか温水君の大きいあそこばかりイメージしちゃう……)」
「ふふっ、そうですよ華恋さん。これも温水さんのためですからね?ふふふふふっ」
そして足を広げた私の股の辺りに定規を置き、19cmが私の身体のどの辺りなのかを千早ちゃんが正確に測り出す。
千早ちゃんを振り解かなかったのは、もしかすると私も期待をしていたのかもしれない。
私が想像もしたことのない男性器が私の中にどれくらい入るのかを……。
定規で測り終わったその場所に白魚のような細く綺麗な指を、千早ちゃんは
「この位置。この位置ですよ華恋さん。華恋さんの形の良いお
「う、嘘……こんなところに……」
服の上からだから分からない筈なのに、千早ちゃんはそんなことを言いながら私のお臍の位置に人差し指と中指の先で円を描くようになぞる。
「想像してみて下さい。袴田さんが三年も掛けて突き入れ耕し開発してきた華恋さんの膣奥が、温水さんとのエッチでさらに奥の奥まで拡げられてしまうんです。温水さんの話では太さも平均を超えているらしいですから、袴田さんのものよりも、確実に拡げられてしまうでしょう。
どちゅん、どちゅんと、ここまでしか拡げられなかった華恋さんの
「はっ♥️ はっ♥️ はっ♥️ はっ♥️」
後ろからハグをしたまま、千早ちゃんが耳元で囁き続けた。
まるで実体験を基にしているかのような、生々しいイメージを膨らませて、温水君の大きなおちんちんを私に伝えてくる。
呼吸が自然と荒くなり、きっと顔も赤くなっていると思う。
そこまでくれば自分の状態も客観的に理解できる。
ーーああ、私……今、温水君に興奮しているんだ。