勝ちヒロインにとって最高に都合のいい男子 作:愛甲ハマチ
加筆しました。真ん中辺り
「(ふふふっ、これで華恋さんの頭の中には、温水さんの規格外のおちんぽのことしかなくなったでしょう)」
荒く熱っぽい息を吐く華恋さんは性欲に支配されています。
理性などまともに残ってはいないでしょう。
「(なら、あとは……)」
チラリとこの部屋の家主でありながら、さっきから息を殺して気配を消している彼に視線を向ける。
「温水さん、お話があります。少しよろしいでしょうか?」
「あぁ、うん。分かったよ……」
そう言って、温水さんを離れたトイレの方に連れ出します。
第一段階は無事にクリア。
それでは、第二段階です。
温水さんの意識を変えましょうか。
「温水さん。私がしたいこと分かりましたか?」
薄暗くリビングの明かりが僅かに照らすその場所で、内緒のお話です。
振り向けば前屈みで気まずそうな温水さんの顔がありました。
「……いきなりな事ばかりだったけど、朝雲さんが姫宮さんを誘導してることには気付いたよ。それがどうしてかは分からないけど、姫宮さんを……その、エッチな気分にさせてたよね?」
あそこまで分かりやすくすれば、当然温水さんも察することはできるでしょう。
「温水さんには華恋さんを抱いて貰おうかと思います」
「な、なんで……?」
「華恋さんが男性不信気味だからです。温水さんに抱いて頂ければ、そんなことを考えることの無意味さに自ずと気付けるでしょう」
「…………朝雲さん、エッチな同人誌じゃないんだからそんなに上手くいく筈がないって。俺、犯罪者になりたくないんだけど」
あっ、『何言ってるんだこの人……』って目を温水さんがしてますね。やれやれ、あれほど傷心の女性に付け込んでいるのに、今の華恋さんが簡単に抱けてしまうということに気付いていないとは……。
いえ、だからこそ、皆さんが心を開くのでしょうね。
温水さんにはその方が得でしょうから、わざわざ言いませんけど。
「問題はありませんよ。無理やりしなければ犯罪ではありませんし、今までのやり取りは全て録音していますので、裁判で負けることはありません。何より華恋さんは温水さんのご友人であり、八奈見さんの親友ですから事を荒立てたりすることはありませんよ」
「えぇ……」
……などと言っていますが、録音した内容には温水さんを受け入れる言質を取れたわけではないので、裁判で有効だというわけではありませんけどね。今、必要なのは温水さんの倫理観と理性を弱め、本能を優先して考えて貰うことですので、油断して勘違いして貰いましょう。
「(……それに今の華恋さんならその様な展開には万に一つも無いでしょうしね)」
まるで目の前の雄に自分を食べて欲しいと、
「ーーいいですか?温水さん。姫宮さんを拒んではいけません。受け入れてください」
スルリと、温水さんの首に両手を回して密着する。
姫宮さんは発情した身体を鎮めようと必死でしょうから、気付くことはありません。
ふふっ、悪いことを隠れてするのは気持ちがいいです♪
「それこそ温水さんからお誘いをする必要はないんです。温水さんは拒まず受け入れるスタンスで居て下さい。華恋さんが求めてくるまで待ちの姿勢で充分です」
それこそ、そこで言質を取ってしまえばいいんです。
それを録音するための仕掛けは作動してますし、今の華恋さんなら簡単に口にしてしまうと思いますよ?
「さらに付け加えるとするなら、私とする前の童貞であったときを思い出して下さい。華恋さんは温水さんには性行為の経験が無いと思っていますからね。どちらかというと、テクニック無しで衝動のまま抱いてしまう方がいいです。そして、もしバレてしまうと嘘つき呼ばわりされて、本当に警察沙汰になりかねませんから」
「け、警察……」
「言ったでしょう?今の華恋さんは男性不信なのだと。何が切っ掛けで爆発するのか分かりません。もちろん、私も無実の証言をしますが、今は女性が強い時代ですからね、不安は残ります。それに私の証言で温水さんが無実になったとしても、無実の人間を訴えるということは外聞的によろしくありません。
何より温水さんの友人である八奈見さんは、訴えた華恋さんを許すことはしないでしょう」
あくまでも可能性の話ですが、真実味を持たせられればその可能性はどうしたって脳裏をよぎりますよね。
「な、なら、初めから嘘なんて付かなければいいだけでしょ?普通にしてれば……」
「ふふふっ、私がそれで納得すると思いますか?温水さんが経験豊富だと華恋さんの前で言っても、私は知らない顔をしますよ。そうすると、温水さんは経験豊富なのに彼氏と別れたばかりの私に、おチンポの長さを言うなんて最低の口説き文句をしたことになりますね?」
そこまで言うと、自分がもう引き返せないところまで来てしまったことを、自覚したようです。諦めたような顔をして肩を落とした。
「続けますね。もし、警察沙汰になってしまえばこのままでは彼氏だった袴田さんだけではなく、親友の八奈見さん、友人の温水さんと私を失います……そんな華恋さんに一体何が残るでしょうか?寄る辺を失った華恋さんは間違いなく壊れてしまうでしょう」
「…………しなくてもいい事をする意味が分からないんだけど……朝雲さん、どうしてそんなことするの?」
その温水さんの質問を待っていました。私は簡潔に答えます。
「ーー実は、今の華恋さんはかなり危険な状況なんですよ温水さん」
【♂️&♀️】
「危険だって?」
まさかの話の繋り方に困惑する。
何でそんな話に?疑問が浮かんでいる俺を無視して朝雲さんは話す。
「袴田さんとの騒動が、姫宮さん達の学校で既に知れ渡ってるんですよ。不自然なほどにいろいろなところから」
どうしてそんなことに?だって二人が別れたのはたった四日前だ。
そして、ヤリサー浮気袴田乱行事件に関係する人間は余り噂を流したくはない筈だ。
「つまり、誰かが意図的に拡散させた?それも例のヤリサーの誰かが?」
「だと思いますよ。華恋さんはあのビジュアルの良さと日本人離れしたスタイルの持ち主ですから、陥れても手に入れたいと考える人は少なくないでしょう……私も最適なタイミングだと思いましたしね」
うん?ちょっと不穏な言葉が聞こえた気がする。
「袴田さんが巻き込まれたのか、華恋さんが巻き込まれたのかは分かりませんが、何者かが暗躍していることは間違いありません。それが偶然か必然かは分かりませんが、……それこそ例のヤリサーに所属している誰かが、『傷心中の華恋さんを狙って起こした騒動なのではないか?』と、私は見てますよ」
「……それなら、袴田はそもそも冤罪だって言う可能性もあるんじゃ……」
「いえ、それならそうと八奈見に伝えている筈です。例の乱行自体はあったと見ていいでしょう」
俺の希望的観測を切り捨てる朝雲さん。仮に嵌められたのだとしても手を出してしまったのなら無実は無理か。
「華恋さんには早急に立ち直って貰う必要があります。今のボロボロの華恋さんでは普段なら相手にしないような黒幕の男に騙されて、最悪なパターンに陥ることも充分考えられますから。温水さんもそんな華恋さんの未来は望んでいないでしょう?」
確かに友人として姫宮さんのそんな未来は望んでいない。普通そんなことありえるか?と思ってしまうが、相手はあの8Kヒロインにして、Jカップと噂の姫宮さんだ。
「大学のミスコンでもぶっちぎりで一位だったらしいし、男はもちろん女性からの嫉妬もありえるか……」
「ええ、なので女性としての自信と男性不信を治して貰って、少し紳士的に振る舞をさせられたぐらいで堕ちる状態から、正常な状態まで戻して欲しいんです」
その黒幕がいつ接触してくるのか分からないために、俺達じゃ対処ができない。
そもそも学校が違うために学校に居る可能性が高いそいつから、姫宮さんを守るなんてできるわけもない。
だからこそ朝雲さんは俺にこんな無茶を言ってまで、姫宮さんを助けて欲しいと言っているんだ。
「……分かったよ。協力する。それでどうにかなるなら頑張るよ」
自分しかできないのなら自分がやるしかない。それで友達が助けられるのなら少しは頑張ってみようと思う。
……気が乗るかどうかで言うと、乗ることは無いけど。
「(あれ?いやでも、これってもしかすると、『女性を惚れさせてその人の人生を救うムーブ』みたいなものなんだろうか?だったらアニメやラノベとかで何回か見たことあるぞ)」
『神のみぞ○るセカイ』だとか『デート・○・ライブ』だとか、『君のことが大大大大○好きな100人の彼女』とかで。
「(ふむ、……もしかして見方をぐるっと変えてしまえば、今だけは俺が主人公みたいなものじゃないか?傷付いたヒロインをあの手この手で惚れさせて、最後にキスしてミッションコンプリート…………ま、まあ、気は乗らないけど?……なるほど、なるほど。そう考えればこの役回りも最悪だとは言えなくもーー)」
「では、頼みますね!童貞の振り!」
「(うん、最悪だな)」
【♀️&♂️】
「(何故だか、遠い顔をされてしまいましたね。まあ、童貞のフリが大事であると伝わっていれば充分としましょう)」
なぜなら、童貞かどうかが露見すれば、芋づる式に私の暗躍がバレてしまうかもしれませんので、隙が多い温水さんを締め直す必要があります。
ですが、締めすぎても問題です。
「でも、そこまで心配することもありませんよ。温水さんは経験の無い童貞さんのときのような、膣穴がどこにあるのかなどを少し気にして華恋さんに聞くだけでいいんです。これが女性なら処女膜があるときの反応などにも、気を付けなくてはなりませんが男性は特にありませんからね。
私を何度も抱いてきた温水さんの技術も、今までに無い過去最高の興奮具合ならば全て忘れて、ピストンをしてしまうでしょうから大して問題はありません」
そう言うと、温水さんはジト目を向けてきます。
……おっと、やってしまいましたね。
「……朝雲さん、やっぱりあのドリンクに何かおかしなの入れた?」
「いえいえ、そんな異物混入なんてしていませんよ?その辺りは素人が手を出すと大変ですからね。あれは元々売られているドリンクを一つに合わせただけのものです」
嘘は言っていません。だってあのドリンクそのものが精力剤なんですから♪
そしてそのドリンクだけではなく、夕食のメニュー全てが温水さんの精力を増強させるための栄養が盛り沢山、というだけですので。
「華恋さんは男性不信気味の上に、自分への自信が無くなりつつあります。今の華恋さんがここまで心を許せる男性なんて温水さんくらいなんですよ?もっと自信を持って下さいね」
「……でも、そんな簡単に行くかな?抱き潰して俺にそう言った感情を持たせるなんて」
「華恋さんは温水さんのおチンポに興味津々ですし、今の精力の多さと大きさ。そして私と鍛えたテクニックがあれば、処女の女性以外ならどうとでもなりますよ。ダメなら私が他の方法を考えますから、温水さんは童貞の振りをして華恋さんの
そんな温水さんのことを信用できる人間として見ていた華恋さんも、今は自分の身体を満足させてくれるかもしれない雄として、温水さんを意識して見ていますけどね。
あとは、温水さんをその気にさせてしまえばいいだけです。
「そんな温水さんに華恋さんは、勇気を振り絞った提案をされるでしょう。それを無下にしてしまえば今度こそ華恋さんは男性を信じられなくなります……忘れないで下さいね。今の姫宮さんが信用できる男性は温水さんだけなのだということを」
「う、うん」
自分が華恋さんを救える最後の砦。
それを自覚してしまえば姫宮さんの、情欲から生まれたお願いでも退けることは難しいですよね?
「それこそ今の華恋さんには、恋人であった袴田さんのことを忘れてしまうくらいに、温水さんがその大きくて強いおチンポで抱き潰してあげることが一番効果的なんです。これは私のワガママです。どうか温水さん、華恋さんを救ってあげて下さい」
あくまでも人助けであり、私からのお願いとなれば温水も乗り気になってくれる筈です。
「……朝雲さんはいいの?」
「え……?」
おや?急になんでしょうか?
性格的に乗り気になることはないかとは思ってましたが、私に向けて気まずいような顔をされるとは思っていませんでした。
私に後ろめたく思うようなところでもあったのでしょうか?温水さんは先ほどのように口をモゴモゴとさせたあとに、まるで懺悔をするように言いました。
「いや、その、今までお世話になってたのに、姫宮さんとするのは申し訳無いっていうかさ……何か思うところとかないのかなって」
「……………」
……この方は本当にそういうところですよね。私は心からの笑みを浮かべます。
「ふふっ、ありませんよ。私は温水さんに肉体関係を持ちながら、光希さんにも彼氏として抱かれていました。その私が温水さんはダメなんて言う権利はありません。今まで隠していて貰ったんですから、温水さんには恩返しをしなくてはならないと思っていたんです。
それに……温水さんだって興味があるでしょう?ーーツワブキ高校で一番人気だったマドンナの身体は」
ゴクリッという音と共に、目の前にある喉仏が上下に動く。
お腹に当たる剛直を感じながら、私は身体を擦り付けるようにして温水さんの性感を高めます。
温水さんの頭の中は華恋さんの身体か。それとも私の身体か。どちらの身体が思い浮かんでいるのでしょうか?
ふふふっ、これで第二段階もクリアです。
温水さんを説得するための時間もそろそろ終わりですね。
これ以上、華恋さんを一人にしてしまうと、身体の発情が収まる危険性が高まりますから。
……でも、そうですね。どうせですし……
「んちゅっ♥️」
「んん!?」
首に回した腕を引き寄せて、温水さんの唇に私の唇を押し付けます。深くまではせずに軽めのキス。
でも、ちゃんと親愛の気持ちを込たキスを送ります。
「チュッ、んちゅっ、チュッ、チュパッ…………ふふっ、私からの激励です。格好良くて魅力的な温水さんで頑張ってくださいねっ」
温水さんの手を掴みリビングに戻ります。
あとは、最後の一つさえクリアしてしまえば私の勝ちですよ、華恋さん。
朝雲さんが何を考えているのか、その話は書き終わってますので二人の行為が終わった辺りで出します。
この小説は、朝雲の暗躍が5割。エッチシーンが4割。日常が1割の配分で提供しています。