俺は週末に琴葉とデートをしていた。
琴葉は最近仕事が上手くいかず落ち込んでいるようだったので、気分転換にと誘ったのだ。
「何するんだ?」
俺が聞くと、琴葉は「映画を観たい」と答えた。
映画館に着くと、ちょうど上映時間だったので、そのままチケットを購入した。
俺たちは適当な席に座った後、上映が始まるまでの間、雑談をして過ごした。しばらくすると照明が落とされ、館内が暗くなった。
映画の内容はある男の妻が死亡し、タイムスリップして過去を変えようとするが、男の家族や自身に悲劇が待ち受けるという内容だった。
主人公がタイムスリップで過去に戻り、妻の死を回避するために奮闘する様子が描かれていたのだが、最終的には妻の死を受け入れて新たな人生を歩み始めるという結末だった。
映画が終わると、琴葉が口を開いた。
「面白かったね。」
「そうだな。」
俺は軽く相槌を打ち、琴葉と映画館を出た。
夕暮れの街を歩きながら、二人でレストランに寄って夕食を楽しみ、ウィンドウショッピングで笑い合った。家に帰り、ソファに腰を下ろして一息ついた時、琴葉がふいに口を開いた。
「ねえ……一休みしたら……久しぶりにエッチしない?」
彼女はソファの端で膝を抱え、いたずらっぽく微笑んだ。
「え?」
俺は驚いて彼女を見返したが、すぐに笑顔で答えた。
「いいよ。」
琴葉の顔がパッと明るくなり、嬉しそうに俺の手を引いた。
「じゃあ、行こ!」
二人でベッドルームへ向かい、ベッドに腰を下ろした。
まず、軽いキスを交わす。柔らかい唇の感触に心が揺れる。互いの服をゆっくり脱がせ合い、シャツやスカートが床に落ちた。下着姿になったところで、再びキスを重ねる。今度は舌を絡ませ合う、濃厚なキスだ。
俺は琴葉の首筋に唇を這わせ、鎖骨へと下りていく。彼女の肌は滑らかで、触れるたびに温もりが伝わる。
「ん……くすぐったいよぉ……。」
琴葉は身体をくねらせ、甘い声で笑った。でも、その目は感じていることを隠せなかった。
俺はブラのホックを外し、形の良い豊かな胸を露わにした。乳首はすでに硬く、ピンと立っている。両手で胸を包み、柔らかさと弾力を楽しみながら揉みしだいた。
「んっ……あ……。」
琴葉の吐息が熱を帯び、身体が小さく震える。
俺は乳首を口に含み、軽く吸ったり舌で転がしたりした。彼女の反応がさらに強まり、乳首が一層硬くなる。もう片方の手で反対側の乳房を愛撫し、ゆっくり下腹部へと滑らせた。ショーツの中に指を忍ばせると、そこはすでに熱く湿っていた。
「んん……そこ、ダメっ……!」
琴葉が甘い声で喘ぎ、クチュクチュという水音が響く。
俺は割れ目に沿って指を動かし、敏感な部分を優しく刺激した。彼女の声が高くなり、身体がビクビクと震え始める。
「あぁっ! イクっ……!」
琴葉が身体を仰け反らせ、絶頂を迎えた。
彼女の息が落ち着くのを待って、今度は俺が攻める番だ。
琴葉を四つん這いにさせ、後ろから覆いかぶさるようにして挿入した。コンドームは事前に装着済みだ。熱く濡れた膣内が俺を強く締め付け、温もりに全身が包まれる。
「はぁ……気持ちいい……。」
琴葉が甘い声を漏らし、俺の動きに合わせて腰を揺らす。
ゆっくりと腰を動かし始め、徐々にリズムを速めた。肉体がぶつかる音が部屋に響き、琴葉の喘ぎ声が一層大きくなる。
「あんっ! すごいっ……!」
彼女の声に煽られ、俺はさらに強く腰を打ちつけた。胸を掴み、揺れる乳房を愛撫する。興奮が高まり、絶頂が近づく。
「あぁっ! 出てるっ……!」
琴葉が絶叫し、膣内の締め付けが一気に強まった。その瞬間、俺も限界を迎え、コンドーム内に大量の精液を放出した。
「はぁ……はぁ……。」
二人とも息を乱し、ベッドに倒れ込んだ。
琴葉は汗ばんだ顔で俺を見上げ、微笑んだ。
「いっぱい出たね……。」
「ああ、そうだな。」
俺は彼女の髪を撫で、穏やかな余韻に浸った。
俺は答えた。
その後、一緒にシャワーを浴びた後、再びベッドに入った。
琴葉は俺を抱き枕のようにして抱きついている。
「ねえ、もし私が死んだら、タイムスリップして私に会いに来てくれる?」
琴葉が聞いてきた。
「今日の映画の話か?」
「うん、ほら、あの主人公は奥さんの死を受け入れられなくて過去を変えようとしたでしょ? でも結局は受け入れて新しい人生を歩み始めたよね。」
「確かにそうだな……。」
俺は考える素振りを見せる。
「私さぁ……こういう性格だからさっぱりしてると思われがちだけど、本当はすごく寂しがり屋なんだよね。だから、もし私が死んだら、きっと未練たらたらで幽霊になって地縛霊になっちゃうと思う。それでずっと現世をさまようことになると思うよ。」
「それは大変だな。」
「静人はどう? 未練なんかない?」
「いや、俺も未練は残るタイプだ。もし琴葉がいなくなったら、多分、一生立ち直れないと思う。」
俺は琴葉の髪に触れながら言った。
「本当?」
琴葉は嬉しそうに言った。
俺は琴葉を抱き寄せた。
「本当だよ。」
「うーん、でも、それはそれで困るなぁ。私が原因で自殺とかされたら嫌じゃん。やっぱ静人には生きていて欲しいな。」
琴葉は冗談っぽく言った。
「でも、あの映画の主人公は奥さんのことよく吹っ切れたよね。ちょっと冷たいと思う。」
「俺はそうは思わないな。奥さんの死を受け入れられたのは、奥さんの記憶が残っているからこの世界で生きていられると思えたからだと思う。」
「え?」
琴葉は少し驚いた表情をした。
「つまり、奥さんの死は辛いけど、それで終わりじゃない。奥さんの記憶があるから寂しくないと思ったんじゃないか?」
「……ふーん、そっか。そういう考え方もあるんだね。」
琴葉は感心したように言った。
「静人は私のこと忘れたりしないよね?」
琴葉は不安げに聞いてくる。
「ああ、俺は結構記憶力良い方だからな。」
俺は自信を持って答えた。
それから半年が過ぎ、御子さんと待ち合わせの喫茶店にやってきた。
「山口さん、お待たせしました。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。」
御子さんは笑顔で言った。
「それで話って何ですか?」
俺は早速本題に入った。
すると御子さんは少し言い淀んだ後、口を開いた。
「見てください、これ。」
そう言うと、嬉しそうにエコーの写真を見せてくれた。
「これは?」
俺は目を丸くして聞いた。
すると彼女は微笑みながら言った。
「赤ちゃんができたんです。」
御子さんは嬉しそうに言った。
俺は一瞬言葉を失った。
「お、おめでとうございます」
「はい、ありがとうございます。」
御子さんは照れ臭そうに答えた。
俺は動揺した。結婚していない女性を孕ませてしまったという罪悪感に苛まれた。
だが、それと同時に、俺は自分が御子さんに子宝を与えたことに喜びを感じていた。
「それで、これからのことなんですけど……。」
御子さんは真剣な眼差しで聞いてきた。
「これから私は産休に入るので、仕事は休職する形になるんですけど、これから友人関係に戻ってくれると嬉しいです。」
御子さんは申し訳なさそうに言った。
「まあ、そういう契約でしたしね。」
と言いながらも、内心は複雑な気持ちだった。
「でも、友人としてお手伝いしますよ。困ったことがあったら何でも言ってください。」
「本当ですか? ありがとうございます。やっぱり山口さんにお願いして良かったです。」
御子さんは嬉しそうに言った。
それから御子さんと別れた俺は帰路についた。
しかし、頭の中は御子さんのことでいっぱいだった。
それはそうだ。なにせ子供ができるようなことをしてしまったのだから。
しかも、恋人でも何でもない女性だ。普通なら大変困った状況だ。
だが、『普通』とは何なんだろうか。
頭が禿げた政治家や、時代遅れのことしか言わないコメンテーターが言うことが普通だろうか。
そんな奴らが決めた『普通』が世間一般での常識なんだろうか。
だったら、そんなものを守る必要なんてないじゃないか。
そうだ、俺は間違っていないんだ。御子さんが望んだことを叶えてあげただけだ。
そう自分に言い聞かせて納得することにした。