ある日、御子さんから連絡が入った。
「とある女性と会って欲しいの。」
彼女の声はいつも通り穏やかだったが、その裏にはいつもの依頼が隠れている。要するに、また子作りの手伝いだ。一度引き受けた手前、断るのは難しい。俺はため息をつきながら、指定された場所に向かった。
待ち合わせは駅前の喫茶店。ガラス張りの店内に足を踏み入れると、コーヒーの香りが鼻をついた。奥の席で、すでに女性が座っている。
「お待たせしました。」
俺は軽く会釈して声をかけた。彼女が振り返り、こちらを見た。
その女性は、息をのむほど美しかった。20代後半だろうか。グラマラスな曲線が際立つ抜群のスタイルに、整った顔立ち。落ち着いた雰囲気のテーラードスーツが、彼女の魅力を一層引き立てていた。胸元は控えめに言っても圧倒的で、洗練された色気が漂っている。
「あなたが山口さん?」
彼女は柔らかい微笑みを浮かべ、俺を確認するように首を傾げた。
「はい、山口です。」
俺は少し緊張しながら答えた。
「はじめまして。私は厚生省社会局少子化対策課課長、瀬田と申します。」
彼女は名刺を差し出し、はっきりと名乗った。
「厚生省……!?」
俺は目を丸くした。この若さで課長? 信じられない。
「ええ、委員会には官僚も多く参加していますよ。」
瀬田さんは涼やかな笑みを浮かべ、コーヒーカップを手に取った。
「そうなんですか……。」
俺は唖然としたまま、席に腰を下ろした。
「御子さんから話は聞いていると思いますが、山口さんに子作りの協力をしていただきたいんです。」
彼女は単刀直入に切り出し、書類をテーブルに置いた。
「本気ですか……?」
俺は思わず声を上げ、彼女の顔をまじまじと見た。
「もちろん、本気ですよ。」
瀬田さんは冷静に微笑み、書類を指差した。そこには「誓約書」と書かれ、御子さんの時と同じ内容が並んでいる。最後に、彼女のサインが丁寧に記されていた。
「その、本当にするんですか……?」
俺は書類を手に、改めて尋ねた。こんな美人な官僚と、なんて現実離れした話だ。
「私が相手で不満ですか?」
彼女は少し挑戦的な目で、唇の端を上げた。
「いえ、そんなことは……。」
俺は慌てて言葉を濁し、視線をカップに落とした。
「では、問題ないですね。」
瀬田さんは満足げに頷き、書類を整えた。
「でも、なんで俺なんですか?」
俺は勇気を振り絞って尋ねた。
「あなたの経歴を拝見して決めました。」
瀬田さんは書類を手に、淡々と説明した。
「俺の経歴……?」
俺は首を傾げた。サラリーマンの平凡な履歴に、何かあるはずがない。
「はい。データによると、あなたの精液は非常に優れているんです。」
彼女は真剣な目で、さらりと言ってのけた。
「優れている?」
俺は眉をひそめた。学者でもスポーツ選手でもない、ただの俺が?
「正直、そうは思えません。俺、ただのサラリーマンですよ。」
俺は苦笑いしながら反論した。
「いいえ、あなたの精液には価値があるんです。」
瀬田さんは身を乗り出し、熱を込めて説明した。「優れた遺伝子は、必ずしも突出した才能を持つ人だけにあるわけではありません。女性の遺伝子をより良い状態で次世代に引き継ぐ力が重要なんです。例えば、スポーツ選手の二世が期待されても活躍できないケースがありますよね。それは、遺伝子の継承がうまくいっていないから。あなたの精液は、優れた遺伝子を次の世代に残す可能性を高めてくれるんです。」
「はあ……。」
俺は頭を整理できず、ただ曖昧に頷いた。
「ですから、お願いしますね、山口さん。」
瀬田さんは再び柔らかい微笑みを浮かべ、カップを口に運んだ。
「瀬田さんは、なぜそこまでして子供が欲しいんですか?」
俺はふと疑問に思い、尋ねた。
「私は厚生省の事務次官を目指しているんです。全国育児支援協会に登録したのも、そのため。」
彼女は目を輝かせ、はっきりと答えた。
「どういう目的で?」
俺はさらに突っ込んで聞いた。
「委員会に登録してシングルマザーになれば、上層部が評価してくれるんです。ポストを用意してくれる可能性が高まる。だから、子供が必要なんです。」
瀬田さんは書類を閉じ、自信たっぷりに言った。
「そんなことが可能なんですか?」
俺は驚きを隠せず、身を乗り出した。
「ええ。そもそも、出産で降格する女性が多すぎたんです。国に尽くしてきたのに、冷遇されすぎ。優秀な女性が出産しやすくするには、官僚が率先して制度を活用する必要があります。」
瀬田さんは冷静に、しかし情熱を込めて説明した。
「でも、官僚だけ優遇されるのは、役人贔屓だと言われるかも知れませんよ」
俺は少し意地悪く、指摘してみた。
「確かにそうね。でも、『隗より始めよ』という諺もあるでしょう? 役人が手本を示せば、民間も追随するはずよ。」
瀬田さんは少し笑って、自信満々に答えた。
俺は彼女の論理に、思わず納得してしまった。確かに、彼女の言う通りかもしれない。
「でも、出世に子供を利用するなんて……。」
俺はつい、本音を漏らした。
「もちろん、子供が欲しいのは本心よ。私の遺伝子を残したいのも、間違いないわ。」
瀬田さんは真18n真剣な目で、静かに言い切った。
「そうですか……わかりました。お手伝いさせてください。」
俺は彼女の覚悟に押され、ゆっくり頷いた。
「ありがとう。では、さっそく始めましょう。」
瀬田さんは立ち上がり、颯爽と喫茶店を出た。俺は彼女の後についていき、近くのホテルに入った。部屋に足を踏み入れると、静かな空気と柔らかい照明が広がっていた。
瀬田さんは迷いなく服を脱ぎ始めた。スーツを脱ぐと、華奢な下着姿が現れ、ブラジャーを外すと豊かな胸が露わになった。彼女のグラマラスな身体は、喫茶店での印象以上に魅力的で、完璧な曲線が息をのむほどだった。
「脱いでください。」
彼女はソファに腰かけ、落ち着いた声で促した。
俺は言われるまま服を脱いだ。だが、緊張のせいか、陰茎は元気を失っている。
「あら、どうしたの? 元気がないわね。」
瀬田さんは少し驚いたように、軽く笑った。
「すみません……。」
俺は気まずく呟き、顔を赤らめた。
「大丈夫よ。これから元気にさせるわ。」
瀬田さんは自信たっぷりに微笑み、俺に近づいてきた。そして、そっと股間に手を伸ばすと、温かい唇でそれを包み込んだ。
「うう……!」
俺は思わず声を上げた。彼女の動きは滑らかで、みるみるうちに身体が反応していく。舌が絡み合い、温かい唇が俺を包み込む。陰茎はみるみる硬くなり、完全に勃起していた。
「ふふ、すっかり元気になったわね。」
瀬田さんは口を離し、妖艶な笑みを浮かべた。彼女の目は、まるで獲物を捉えたように輝いている。
「では、始めましょうか。」
瀬田さんはベッドに仰向けになり、柔らかなシーツに身体を預けた。俺は彼女の上に覆い被さり、緊張と興奮の中でそっと挿入した。
「んっ!」
瀬田さんは小さく声を上げ、シーツを握りしめた。俺はゆっくりと腰を動かし始めた。彼女の中は温かく、滑らかな感触が全身を包み込む。
「んっ、あぁ、はぁ!」
彼女の喘ぎ声が、ホテルの静かな部屋に響いた。豊かな胸がリズミカルに揺れる。俺は思わず手を伸ばし、柔らかい感触を確かめるように揉んだ。
「っ、ああん!」
彼女の声はさらに大きくなり、身体が小さく震えた。腰の動きを速めると、肌がぶつかるリズミカルな音が部屋を満たした。
「ん! イク……!」
瀬田さんは大きく仰け反り、痙攣しながらシーツを掴んだ。彼女は俺に身を寄せ、濃厚なキスを仕掛けてきた。舌が絡み合い、熱い息が混じる。
「んちゅ……。」
唇が離れると、唾液が細い糸を引いた。俺はそれを拭うこともせず、彼女を見つめた。
「っ、んん!」
瀬田さんの喘ぎ声に押され、俺は再び腰を動かし続けた。そして、限界を迎えた。
「うぅ!」
俺は射精し、彼女も同時に大きく仰け反って震えた。温かい精液が彼女の中に注がれていく。
瀬田さんはゆっくりと身体を離し、ベッドに倒れ込んだ。
「はぁ……はぁ……。」
彼女は肩で息をしながら、汗ばんだ額を拭った。
「大丈夫ですか……?」
俺は気まずく尋ね、彼女の様子を窺った。
「ええ、大丈夫。とても良かったわ。」
瀬田さんは少し微笑み、穏やかな声で答えた。彼女はベッドサイドのティッシュで膣から流れ出た精液を拭き取りながら、軽く笑った。
「ふふ、やっぱりあなたの精子は優れているわ。こんなにたくさん出てくれるなんて。」
「いえ、たまたまです……。」
俺は照れながら、視線を逸らした。
「謙遜しなくていいわよ。」
瀬田さんは自信たっぷりに微笑み、服を整えた。「これからも、排卵日に合わせてお願いね。」
それから、俺は毎月、瀬田さんの排卵日に合わせて子作りに協力することになった。
同時期、御子さんからまた別の女性と会うよう指示された。
指定されたカフェに着くと、紫木さんがすでに窓際の席で待っていた。
「こんにちは……。」
紫木さんは控えめに微笑み、そっと手を挙げた。20代前半くらいだろうか。ボサボサの茶髪が肩に無造作に流れ、大きめのメガネが彼女の顔に少しだけ個性的な印象を添えている。ぽっちゃりとした体型に、胸の大きさが際立つシンプルなワンピースが、彼女の柔らかく親しみやすい雰囲気を引き立てていた。化粧は薄く、控えめながらも自然な美しさがほのかに漂っていた。
「あの、御子さんのお知り合いの山口さんですよね?」
彼女の声は穏やかで、どこか恥ずかしげだったが、俺に視線をしっかりと合わせてそう尋ねた。
紫木さんは少し緊張した声で、確認するように尋ねた。
「ええ、山口です。あなたは……?」
俺は席に座り、穏やかに聞き返した。
「私は紫木恵美と言います。」
紫木さんは小さく頭を下げ、恥ずかしそうに名乗った。
「紫木さん、よろしくお願いします。」
俺は軽く微笑み、メニューを手に取った。
「はい、こちらこそお願いします……。」
紫木さんは再び頭を下げ、テーブルに視線を落とした。
店員がコーヒーを運んでくると、紫木さんは突然小さな声で切り出した。
「あの、ほ、ホテルに行きませんか……?」
「は? え?」
俺はカップを握ったまま、思わず声を上げた。
「だ、だって、御子さんから聞いてるはずですよね……?」
紫木さんは顔を赤らめ、慌てて弁解した。
「それは聞いてますけど……とりあえず落ち着いてください。」
俺はコーヒーを一口飲み、深呼吸した。「ふぅ……。」
「……すみません。私、焦っちゃって……。」
紫木さんはハンカチを握りしめ、恥ずかしそうに俯いた。
「えっと、紫木さんは子作りを希望されてるんですよね?」
俺は慎重に、話を進めた。
「はい……。」
紫木さんは小さく頷き、視線をテーブルに固定した。
「えっと、そんなに急ぐ必要はないんじゃないですか? これから恋人を見つけて、結婚するという選択肢もあると思うんですけど。」
俺は紫木さんの緊張をほぐそうと、優しく提案した。
「私……今まで男性経験がないんです。それどころか、まともに話したこともなくて……。」
紫木さんは声を震わせ、顔をさらに赤らめた。
「そうですか……でも、それならなぜ子作りを?」
俺は紫木さんの動機が気になり、穏やかに尋ねた。
紫木さんはゆっくり顔を上げ、目を潤ませながら答えた。
「私の母が難病なんです。お金がなくて入院もできず……。たとえ大金があっても、治療できる病院は何年も待たないといけないんです。」
「それは……お気の毒に……。」
俺は言葉を選びながら、相槌を打った。
「でも、御子さんが言ってたんです。全国育児支援協会に登録してシングルマザーになれば、優先的に病院を紹介してくれるって……。」
紫木さんはハンカチを握りしめ、切実な声で続けた。
「なるほど。それで、子作りをして子供を産むことで、お母さんを助けたいんですね。」
俺は紫木さんの状況を整理し、確認した。
「はい……。協会ではシングルマザーにいろんな特典があるって聞きました。」
紫木さんは少しだけ目を輝かせ、頷いた。
「うーん。でも、お母さんが大事なのはわかります。失礼ですけど、子供を利用してるってことにはなりませんか?」
俺は思ったことを正直に、しかし優しく尋ねた。
「……そうかもしれません。」
紫木さんは一瞬言葉に詰まり、目を伏せた。「でも、子供が欲しいのも本当なんです。母に私の子供を見せてあげたいんです。」
「そうですか……。」
俺は紫木さんの覚悟を感じ、しばらく考えた。「わかりました。協力させてください。でも、最初にデートしませんか? いきなり子作りは、なんか抵抗があるので。」
「は、はい……。」
紫木さんは驚いたように顔を上げ、恥ずかしそうに微笑んだ。
紫木さんがこれまでの女性と違い、男性経験がないことから、俺はまずデートを通じて彼女を慣れさせることにした。
「明日、遊園地に行きましょう。」
俺はカフェの席で、穏やかに提案した。
「え? あの……私、あまり行ったことがなくて……。」
紫木さんは目を丸くし、戸惑ったように呟いた。
「大丈夫です。俺がエスコートしますから。」
俺は軽く笑って、彼女を安心させた。
「は、はい……よろしくお願いします……。」
紫木さんは小さく頷き、頬を少し赤らめた。
「じゃあ、明日は11時に駅前の噴水で待ち合わせましょう。」
俺は時間を確認し、彼女に伝えた。
「はい……わかりました。」
紫木さんはハンカチを握りしめ、緊張気味に答えた。
翌日、待ち合わせ場所に着くと、紫木さんはすでに噴水のそばで待っていた。
控えめなワンピースに、普段より丁寧にお洒落をした姿が、彼女の清楚な雰囲気を引き立てている。淡いカーディガンと小さなバッグが、さりげない努力を感じさせた。
「おはようございます、紫木さん。」
俺が挨拶すると、紫木さんは慌てて頭を下げた。
「あ、お……おはようございます……。」
彼女の声は少し震えていた。
「じゃあ、行きましょうか。」
俺は笑顔で促し、遊園地に向かった。
「はい……!」
紫木さんは目を輝かせ、嬉しそうに頷いた。
遊園地に着くと、賑やかな音楽と子供たちの笑い声が響いていた。紫木さんは最初、慣れない雰囲気に戸惑っていたが、ジェットコースターやメリーゴーランドを一緒に楽しむうちに、徐々に笑顔が増えた。
彼女はまるで子供のようにはしゃぎ、綿菓子の甘い香りに目を細めた。
「あの、私、こんな場所に来るの初めてなんです。すごく楽しいです……!」
紫木さんは観覧車の列に並びながら、弾んだ声で言った。
「それは良かった。」
俺は彼女の笑顔にほっとし、優しく微笑んだ。
最後に観覧車に乗り、二人きりのゴンドラに揺られた。紫木さんは窓の外の景色を見つめ、静かに呟いた。
「綺麗ですね……。」
「ええ、そうですね……。」
俺も外の街並みに目をやり、相槌を打った。
「山口さん……今日は本当にありがとうございました。」
紫木さんはゴンドラのシートで、深く頭を下げた。
「いえ、こちらこそ。」
俺は軽く手を振って、笑顔で答えた。「ところで、紫木さん、一日デートして、それでも子作りしたいですか?」
「はい、もちろんです。」
紫木さんは真剣な目で俺を見つめ、即答した。「今日一日で、ますます山口さんのことを好きになりました。」
「そこなんですよ。」
俺は少し声を低め、真剣に尋ねた。「俺は恋人じゃないんです。ただ、精子を提供するだけの相手なんですよ。それ、ちゃんと理解してますか?」
「じゃあ、なんでデートしてくれたんですか?」
紫木さんの声に、ほのかな怒気が混じった。彼女の目は少し潤んでいる。
「それは、紫木さんに後悔してほしくないからです。」
俺は落ち着いて説明した。「もし、これから好きな男性ができた時、俺とのことを後悔しませんか?」
「……私は多分、これから男性と恋愛できないと思います。」
紫木さんは視線を落とし、静かに続けた。「山口さんのこと、好きです。でも、恋人になるのは無理です。だって、男性の期待に応えられないから……。恋愛も、きっと無理。だから、せめて、子供が欲しいんです……。」
俺は紫木さんの言葉を聞き、胸が締め付けられた。彼女は男性と関わること自体に強い緊張を感じ、今日のデートすら、彼女にとって大きな挑戦だったのだろう。何ヶ月、何年も恋愛を続けるなんて、彼女には耐え難いプレッシャーかもしれない。
子作りは、紫木さんにとって、母を救い、子供を持つための唯一の道なのかもしれない。
俺は覚悟を決めた。
「紫木さん、わかりました。子作りをしましょう。」
「本当ですか……?」
紫木さんの顔がパッと明るくなり、ゴンドラのシートで身を乗り出した。
「はい、ただし条件があります。」
俺は真剣に続けた。
「条件ですか?」
紫木さんの表情に、わずかな不安がよぎった。
「ええ。子供が生まれても、ちゃんと友人として関係を続けること。それが条件です。」
「わかりました……それで大丈夫です……。」
紫木さんはホッとしたように微笑み、力強く頷いた。
観覧車を降りると、俺たちは遊園地を後にし、近くのホテルに向かった。
紫木さんはホテルのロビーで、慣れない雰囲気に緊張しているようだった。エレベーターの静かな音にも、彼女の肩が小さく震えている。
「大丈夫ですよ。」
俺は優しく声をかけ、彼女を安心させた。
部屋に入り、ドアを閉める。柔らかい照明が、静かな空間を包んでいた。
「まずはシャワーに入ってください。俺は外で待ってますから。」
俺はバスタオルを渡し、穏やかに促した。
「はい……。」
紫木さんは素直に頷き、浴室に向かった。
しばらくして、紫木さんはバスタオルを巻いた姿で出てきた。濡れた髪が肩に張り付き、緊張した表情が愛らしい。
「終わりました……。」
彼女は小さな声で、恥ずかしそうに呟いた。
「じゃあ、俺も入りますね。」
俺は軽く微笑み、浴室に向かった。
シャワーを浴びている間、紫木さんはベッドの上で待っていた。俺が部屋に戻ると、彼女はシーツを握りしめ、恥ずかしそうに俯いていた。
「あの……私、初めてなので、優しくしてくださいね……。」
紫木さんは顔を赤らめ、震える声で言った。
「わかってます。」
俺は優しく頷き、彼女の手をそっと握った。
ベッドに上がり、俺は紫木さんの唇に触れた。最初は軽く触れるだけのキスだったが、徐々に深みを増していく。舌を絡めると、紫木さんもぎこちなく応え、熱い息が混じり合った。
「はぁ……はぁ……。」
唇を離すと、紫木さんの息が上がっていた。
「大丈夫ですか?」
俺は心配になり、彼女の顔を覗き込んだ。
「はい……大丈夫です……。」
紫木さんは息を整え、恥ずかしそうに微笑んだ。
再び唇を重ね、今度はより長く、深いキスを交わした。唾液が細い糸を引くほど、熱っぽい口づけだった。
紫木さんの首筋にキスを落とし、ゆっくりと肌を愛撫した。彼女は小さな吐息を漏らし、身体を震わせた。
紫木さんを優しくベッドに横たえ、そっと股間に手を伸ばした。まだあまり濡れていなかったが、時間をかけて愛撫すると、徐々に湿り気を帯びてきた。
彼女の胸に触れる。紫木さんの胸は平均以上の大きさで、柔らかく豊かな感触が手のひらから溢れた。
乳首をそっと口に含み、舌で優しく転がした。
「あっ……ああ……。」
紫木さんは小さく喘ぎ、身体をわずかにくねらせた。
もう一度、乳首を軽く吸い、舌先で刺激すると、彼女の声が少し高くなった。
「ああん……!」
しばらく愛撫を続け、口を離すと、紫木さんの乳首は唾液で濡れて光っていた。俺はそっと手を下に伸ばし、割れ目に沿って指を滑らせた後、ゆっくりと中に入れた。彼女の中は狭く、きつく締め付けてくる。
俺は慎重に出し入れを繰り返した。時折、敏感な部分を刺激すると、紫木さんは一際高い声を上げ、身体を震わせた。
やがて、彼女の身体が小さく痙攣し、脱力したように動かなくなった。
「大丈夫ですか?」
俺は心配そうに尋ね、彼女の顔を覗き込んだ。
「あの……もう大丈夫です……。」
紫木さんは小さく頷き、恥ずかしそうに微笑んだ。
「わかりました。じゃあ、そろそろ挿入しますね。」
俺は膨らんだ陰茎を彼女に見せた。
紫木さんは興味深そうにそれを見つめ、囁くように呟いた。
「これが男の人の……すごい……。」
「触ってもいいですか……?」
彼女の声はためらいに満ちていた。
「どうぞ。」
俺は穏やかに許可した。
紫木さんは恐る恐る手を伸ばし、触れた瞬間、驚いたように小さく声を上げた。ぎこちなく手を上下させるその動きは、逆に新鮮な興奮を誘った。
「すごい……硬い……。」
彼女は感心したように目を丸くした。
俺は高まる衝動を抑えきれず、紫木さんをそっとベッドに押し倒した。
「あの……優しくお願いします……。」
紫木さんは不安げに呟き、シーツを握りしめた。
「もちろんです。」
俺は優しく頷き、ゆっくりと挿入を始めた。
「痛いっ!」
紫木さんが小さな悲鳴を上げ、目に涙を浮かべた。俺はすぐに動きを止め、彼女の様子を窺った。
彼女は気丈に振る舞おうとしていたが、緊張と痛みが顔に滲んでいる。俺は焦らず、時間をかけて少しずつ進めた。
何度か小さな声を上げながらも、紫木さんは徐々に慣れてきたようだった。最後には、かすかに気持ちよさそうな吐息を漏らし始めた。
俺はゆっくりと陰茎を動かし始めた。最初は慎重に、徐々にリズムを上げていく。
「ああっ! すごい……こんなの初めて……!」
紫木さんはシーツを掴み、乱れた声で喘いだ。
俺は彼女の唇を奪い、舌を絡めながら腰を振った。
「あ! イクっ……!」
紫木さんは身体を大きく仰け反らせ、絶頂を迎えた。
「待って……今イってるから……。」
彼女が懇願するように呟いたが、俺は彼女の熱に押され、動きを続けた。
舌と舌を絡ませ、激しくキスしながら腰を動かした。
「んん! んふぅ……!」
紫木さんは声にならない喘ぎを漏らし、身体を震わせた。
俺は彼女の豊かな胸に顔を埋め、乳首を軽く摘んだ。
「あっ! それダメ……!」
紫木さんは敏感に反応し、身体をくねらせた。
胸を愛撫しながらピストン運動を続けると、彼女が再び高ぶるのがわかった。
「あっ……またイクっ!」
紫木さんは再び絶頂を迎え、身体を震わせた。
俺も限界が近く、ラストスパートをかけた。肌がぶつかるリズミカルな音が部屋に響く。
紫木さんを抱きしめ、深くキスを交わした。彼女は俺の首に腕を回し、舌を絡めて応えた。
胸を揉み、乳首を軽く吸うと、彼女は小さく喘いだ。
「あん……ダメ……。」
俺は再び腰を動かし始めた。今度はスムーズに入り、彼女の反応もより自然だった。
「あっ……ああ! すごい……!」
紫木さんは快楽に身を委ね、目を閉じた。
彼女の中が痙攣し始めた瞬間、俺も同時に絶頂を迎えた。大量の精液が彼女の中に注ぎ込まれる。
「あぁっ! 熱いの出てる……!」
紫木さんは放心したように呟き、シーツに沈んだ。
陰茎を引き抜くと、白濁した液体がゆっくりと流れ出した。
「はぁ……はぁ……気持ちよかったです……。」
紫木さんは肩で息をしながら、恥ずかしそうに微笑んだ。
俺は彼女の息が落ち着くのを待ち、そっとシーツをかけた。やがて、紫木さんは疲れ果てたように眠りに落ちた。
俺は彼女の髪をそっと撫で、穏やかな寝顔を見つめた。自分も眠気が襲ってきて、そのまま眠りについた。
翌朝、目が覚めると、すでに昼前だった。隣のベッドを見ると、紫木さんが起きていて、俺の視線に気づくと頬を赤らめた。
「あ……おはようございます……。」
紫木さんは恥ずかしそうに呟き、シーツを握りしめた。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
俺は優しく尋ね、ベッドから起き上がった。
「はい……おかげさまで……。」
紫木さんは小さく微笑み、頷いた。
二人でシャワーを浴び、着替えを済ませた後、ホテルを出た。外はすでに夕暮れの光に染まっていた。
「あの……昨日はありがとうございました……。」
紫木さんは歩道で立ち止まり、深く頭を下げた。
「いえ、こちらこそ。」
俺も軽く頭を下げ、微笑んだ。
「ところで、多分一度では妊娠しないと思います。これからどうしますか?」
俺は慎重に、彼女の意向を確認した。
「え……?」
紫木さんは驚いたように目を丸くした。
「もし紫木さんが俺を嫌なら、もう会うのをやめます。でも、よければ今後も連絡を取り合いましょう。」
俺は穏やかに提案した。
「あの……私は山口さんがいいです……。これからもよろしくお願いします……。」
紫木さんは申し訳なさそうに、しかしはっきりと答えた。
「はい、こちらこそ。」
俺は笑顔で頷いた。
こうして、俺と紫木さんの不思議な関係が始まった。
それから、俺たちは月に数回会うようになった。紫木さんは俺が心配していたほど執着することはなく、あくまで友人として自然に接してくれた。
言葉には出さないが、彼女の好意は、あくまで友人としての信頼に基づいていると感じた。紫木さんの落ち着いた態度を見ると、ほっとする一方で、どこか寂しさも覚えた。