※この作品はR-18です。

悠里ちゃんは〇〇なんてみとめない!【更新はしばらく停止】   作:八束祐

8 / 8
学校の課題と卒業制作に時間を取っていたのでやっと続きを勧められます。


二章
◆2章ー1 悠里ちゃんはお友達が遊びに来ることをみとめない!


 

「まぁ~、悠里さんと来夏さんたちに学校を案内しようと出かけたら、道に迷ってしまったお婆さんがいらして、その答えを一緒に探してあげていたらこんな時間になってしまったんですねぇ~」

 

「そうなんですのよ。 まさか私たちも、大事な人生の選択に悩む方を放っておけませんでしょう? ですから、自分たちの貴重な時間を使ってでも、人生の先輩のお悩みを解決して差し上げることにしたのですわ先生」

 

「それはそれはさぞ大変だったのでしょうねぇ」

 

「えぇ、それはもう大変でしたわ。 でも私たちで力になれたのなら、それで帳消しということにいたしましたの」

 

 ……どんな嘘だよ。

 じっと平気で噓をつく幼馴染を見つめるが、ノリに乗ってる所に水を差さなくてもいいだろうと判断する。

 ちなみに今は放課後の職員室であり、私と紅葉ちゃんは担任に呼び出されたところでした。

 

 それなのに――

 

 午前中を丸々サボった私たちは、担任にこってり絞られる覚悟でいましたが紅葉ちゃんの口八丁は鮮やかでした。

 見事に言いくるめてしまったのです。

 っていうか、それ以上に凄い噓ついてきたな。

 

「それじゃあ仕方ありませんねぇ~。 今回だけですからね~ちゃんと授業には出てくださいよ」

 

 もう少しは怒られるものだと身構えていたのですが、拍子抜けするほどあっさり終わってしまい安堵する。

 

「失礼しました」と職員室を出た私たちではあるが、まだまだ悩みは尽きない。

 

「さて……悠里?」

 

 紅葉ちゃんは、猫をなでるような甘~い声で私を呼んだ。

 けれど私には、それが恐ろしい死刑宣告にしか聞こえない。

 

「ハ、ハイ……ナンデショウカ?クレハサマ」

 

「そんなに畏まらなくても、別に取って喰いはしないわよ」

 

 呆れ顔でこちらを見つめる紅葉ちゃん。

 

「ただ、今のあんたの現状を知りたいから、あんたのとこに遊びに行ってもいいかと言おうとしただけよ」

 

 なるほどですねー……ってなんですとー!?

 

「うちに来るってさ、寮に来るというコト?」

 

「えぇ、それ以外にお家があるというならまた別だけど?」

 

「それ以外にあるのか、おめー?」と目が語りかけるような威圧的な視線を放ちながら私を見つめてくる。

 

「……わかったよ。 その代わり、変なこととかしないでよね?」

 

 紅葉ちゃんは、大袈裟なジェスチャーと右手で人差し指と中指の間を親指が出し入れさせながらも「オーケー、オーケー!」と応じてはいるが……

 正直、不安でしかない。 そう思った私はため息一つつくのだった。

 

 ―――――

 

 

 放課後――

 

「いや! いや! いーやーっ!!」

 

 のっけから早々に駄々っ子のように反対の声を叫ぶのは来夏だ。

 

「そいつ、来夏のこと嫌いって言った! 仲良くできると思ったのに!」

「……まぁ、それはね」

 

 来夏は昼間のことが相当ご立腹らしい。

 

「わかるよ、来夏。 紅葉ちゃんに仲良くしようって言われたのに、いきなり正体がバレて手のひら返しされたんだもんね」

 

 うんうん、と来夏は首を大きく縦に振る。

 

「でもさ、来夏? 考えても見てよ?」

 

 来夏は頭に疑問符を浮かべる。

 

 私は来夏を説得する方向で行くことにした。

 博士に頼んだり、紅葉ちゃんを説得するよりは難易度も低そうだからだ。

 

「紅葉ちゃんはもう来夏と私の秘密を知ってしまった。 彼女は今、パニックで『男』を危険視している。 もし彼女を拒絶して、寮以外の場所でパニックを起こして誰かに話したらどうなると思う?」

 

 来夏はちょっと考えて、む…と口を結ぶ。

 

「紅葉ちゃんは、来夏への恐怖心があるからこそ逆に監視したいと思ってるはず。 監視できる場所に来たがっているんだよ」

 

 来夏の眉間にむむむっと皺が寄る。

 

「紅葉ちゃんが傍にいる方が私たちで彼女を監視できる。 この状況で拒否するのはかえって危険じゃない?」

 

 どう思う?と最後に付け加えてみる。

 

「……わかった」

 

 やったぜ! 比較的攻略しやすい来夏の説得で済んでよかったと内心安堵する。

 

 私が喜んでいると、来夏は急に真面目な顔になり、

 

「でも、なにかあったら最優先するのは悠里だから」

 

 真剣な目で私を見つめ、そう断言した。

 

「うん、正直そんな大変なことにはならないと――」

 

 本当にそうなるだろうか?

 相手はあの紅葉ちゃん。 ましてや寮には厄介な博士までいるのだぞ……

 

「悠里?」

 

 来夏が心配そうな顔でこちらを見つめる。

 

「た、多分……大丈夫ではないデショウカ?」

 

 たぶん今の私の顔は、血の気が引いて真っ青になっているに違いない。

 不安だ。 ものすごく、どうしようもなく不安でしょうがない……

 

 そう思いながら、私たちは紅葉ちゃんの待つ校舎前まで向かうのだった。

 

 




説得はポイント式の好感度で

紅葉を説得→失敗に終わり来夏を説得する。
博士に頼むが→構わんだろ?となったので来夏を説得する。

という展開を通して結局は来夏を説得に回る展開になってました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。