デビルサバイバー2/ハッカーズメモリー 作:ボルメテウスさん
「名古屋の電力が低下している……それも特定の地点に集中して?」
バイクを走らせながら、俺はリンゴに確認する。
「そう。データを分析した結果、間違いなさそうだね」
風を切る音の中でもリンゴの声はクリアに聞こえる。
前方に見えるのは高層ビル群。シプスの名古屋支部はその中心部に位置しているらしい。
「電力を吸収しているとなると、かなり巨大な存在がそこにいるかもしれない」
「セプテントリオンの可能性が高いよね」
交差点を曲がると、突然周囲の照明が一斉に消えた。街全体が闇に包まれる。
「これも電力不足のせい?」
「違う。意図的に電源が切られているようだ」
リンゴの冷静な声が響く。
シプスの支部へ続く道路は封鎖されていたが、悪路を通って迂回する。近づくにつれ、空気が重くなっていくのを感じる。
「何か……変だな」
「空気中の魔力濃度が急激に上昇している。これはセプテントリオンが近くにいる証拠だよ」
ビルの影から漏れる異様な光が見える。それは通常の太陽光とは明らかに異なる紫色の輝きだった。
「あそこだ」
「うん、行きましょう」
バイクを停め、静かに建物に近づく。
周囲もまた、警備をしていた人間達は何が起きているのか分からず、混乱していた。そうして、一時的な混乱を利用したリンゴは再びバイクへと乗り込みその場を離れる。
『あれがセプテントリオン……フェクダか』
名古屋支部の巨大なホール中央に鎮座する異形の存在。
黄金に輝く巨大なリングが宙に浮かび、その上部には水晶のように透明な冠が装着されている。まるで宇宙船の残骸のようにも見えるその外観は、美しさと不気味さを併せ持っていた。
「リングから電気が……」
リンゴがつぶやく。リングの周囲には青白い電流が走り、時折激しい放電現象を起こしている。その閃光が床を照らし出す度に、周囲の影が歪み、不吉な影絵を作り出していた。
「無機質なのに……何故こんなにも恐怖を感じるんだ」
俺の背筋に冷たいものが走る。その存在感はまるで生きたものではないのに、確かな意志を持ったような威圧感があった。
そう、呟いている間にも、フィクダは、その身体から電撃を放つ。
放たれた電撃は、周囲にいた悪魔使い達に襲いかかり、苦悶の声を上げさせる。
しかし、それだけではなくフィクダの目からは雷撃が放たれ、それが触れるものは全て灰燼に帰す。
「・・・これは、さすがに放っておけないよね」
そして、フィクダの次の狙いは、その中心にいた響。
彼が狙いだろう。
周囲の悪魔使い達の悪魔は、消されていた。
フィクダは、この場での最大の脅威を排除しようとしていた。
最も。
「そんな事はさせないけどね」
フィクダは、その攻撃の狙いを逸らせる。
「先程のは、まさか幻覚っ!まさか!」
「えっ、リンゴさん」
そうして、こちらに声をかける。
「なんで、ここに?」
「セプテントリオンの事を調べていたらね。さてっと、さすがに私一人では少し手がかかりそうだし、少しだけ時間稼ぎをしますか」
そうしながらも、リンゴは構えた。
「回復はまぁ、10分程度で十分だよねっと」
それだけ言い、真っ直ぐとフィクダへと向かって、走り出す。
菅野史はヒロイン入りしますか?
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はい
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いいえ