デビルサバイバー2/ハッカーズメモリー 作:ボルメテウスさん
フィクダが粉々に砕け散り、紫色の光が消えていくのを見届けた俺たちは、背後から感じた気配に振り返った。
瓦礫の山の上に腰掛ける男は、異様な雰囲気を放っていた。赤と黒の縞模様の服を身にまとい、白髪を後ろで束ねている。細長い顔には、まるで何もかも見透かすような鋭い眼光が宿っていた。
「ほぅ、私の知らない存在。いや、これはもしも乗り越えた先から来たのかい?」
その言葉に、全身の毛が逆立つのを感じた。この男は——リンゴの正体に気づいている。
「そういうあなたは、何者かな?」
リンゴは刀を構えながら問いかけた。
男は微笑むだけで答えなかった。
「Aionのエージェント、だね。面白い。時を超えて現れるとは」
「時を超えた?一体、何を」
「ふむ、これ以上は彼女達から直接聞いた方が良いと思うが、それはフェアじゃないよね。そうだね、私の名前は、明かした方が良いかな?」
「良いと思うよ、最も、私としてはあなた達が何を考えているのか、教えて欲しいのだけどね」
「教えて欲しいって、えっと?どういう事?」
その場で、どういう事か分からないのか、青年が尋ねてくる。
「ふむ、君は私の正体が分かるのかい?」
「というよりも、これまでのデータを見たら理解したと言った方が良いね。私の性質、見たら分かるよね」
「確かにね、納得したよ」
そうして、これまで謎だった彼はそのまま降り立つ。
「憂う者、そうだね、そう呼んでくれないか?」
「憂う者ね」
俺はその言葉を口の中で転がした。目の前の男が何者なのか、まるで見当がつかない。
だが一つだけ確かなことがある。この男はリンゴの正体を知っている。それもかなり深い部分まで。
「君達が今ここで出会ったことは、ある意味運命なのかもしれないね」
憂う者はそう言いながらゆっくりと立ち上がった。瓦礫の破片が足元で音を立てた。
「運命?」
響が疑問の声を上げる。
「そう。この世界は複数の可能性が絡み合って存在している。君たちがセプテントリオンと戦うのも、そして未来から来た者がここにいるのも、全て繋がっている」
リンゴは黙ったまま、憂う者をじっと観察していた。
「人間を愛しているからこそ助ける……でも『ここまで』ということは、何か限界があるんですね」
リンゴの言葉に憂う者は頷いた。
「ニカイア、死に顔動画。これらが私に出来る最大限の手助け。そして、それ以上は私自身も介入できない領域なのさ」
周囲の人々は困惑した表情で俺達を見ていた。
話が全く理解できないのは明らかだった。
「なるほどね、あれは明らかに人知を超えているし、サモナーがこの時代でここまでの技術を持っていないはずだからね」
「そうだね、けれど、私としては君達を見れて、良かったよ」
そう、響とリンゴを交互に見る。
「この時代の輝く者。そして、未来での成果。それを見れて、私は良かったよ」
「そう」
それだけ言い、リンゴは背を向ける。
「出来れば、私は君とは戦いたくないな、同じ人間が好きな者同士」
「そうだね、僕も願っているよ」
それを最期に、互いにその場から去って行った。
菅野史はヒロイン入りしますか?
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はい
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いいえ