※この作品はR-18です。

デビルサバイバー2/ハッカーズメモリー   作:ボルメテウスさん

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4日目/狙いは

ビルの頂上には冷たい風が吹き抜けていた。遠くに見える太平洋の水平線に、三つの歪な光点が浮かび上がっている。セプテントリオン・メグレズだ。

 

「来るよ……」

 

リンゴの声が風に乗って聞こえる。その右手には既に銃型に変形したアンティキティラが握られていた。銀色の銃身が朝日に照らされ、鈍く輝いている。

 

「最終確認だ。位置は把握できているな?」

 

「問題ない。三つの本体の中間点、この位置からなら全方向射撃が可能だ」

 

リンゴは左手をアンティキティラのグリップに添え、深く息を吸った。その瞬間—

 

アンティキティラが震えた。

 

最初は微細な振動だった。しかし次の瞬間、銃身全体が脈打ち始める。金属が共鳴するような高い音が響き渡り、銃口から淡い青白い光が漏れ出した。

 

「……さて、力を貸して貰うよ、宝多六花」

 

リンゴの言葉と同時に、銃身の内部で何かが移動し始めた。細長い筒状の部品が伸び出し、次々と接続されていく。まるで精密機械の組み立て工場を見ているかのようだ。

 

銀色のパーツがスライドし、噛み合い、連結する音が響く。ガチャッ!ギュィィィン!という機械的な音と共に、アンティキティラは瞬く間に姿を変え始めた。

 

銃身は二つに分割され、互い違いに配置されていく。左右から伸びた金属アームが伸び上がり、頂点で交差。そこに新たな機構が形成されていく。銃床部分が折り畳まれるように変形し、支脚へと変化。地面に固定するための爪が展開された。

 

「エネルギー伝導路、解放」

 

リンゴの命令に反応するかのように、アンティキティラ内部から赤い光が走り始めた。複雑な回路を辿るように光のラインが浮かび上がり、銃身全体を駆け巡る。その光は熱を帯び始め、金属表面が僅かに歪んで見えるほどだった。

 

金属のきしむ音が激しくなり、変形速度が加速する。二つの銃身は完全に平行に並び、その間に巨大なコイル状の装置が形成されていく。

 

これがレールガンの心臓部——電磁加速装置だ。

 

彼女に関しては、未だに分からない事が多い。

 

だが、どういう訳か、この時代には存在しないオーパーツを身に纏っている。

 

それが、彼女の特性だった。

 

リンゴは、その特性を見て、自身の銃を変形させる事が出来る能力だと気づき、仲間にした。

 

その結果、生まれたのが、このレールガンだ。

 

リンゴの左手が動いた。握られていた特殊弾頭が銃口に押し込まれる。弾頭は普通の弾丸とは違う。先端は鋭く尖り、表面には複雑な刻印が施されている。まるで生き物のように脈打つその弾頭は、銃口に入った途端に青白いオーラを纏い始めた。

 

弾頭が装填されると同時に、アンティキティラ全体の変形速度がさらに加速した。左右の銃身が完全に平行に並び、その間に巨大なコイル状の装置が完成。銃床部分は完全に分解され、六本の固定脚へと変形。脚は自動的に地面に突き刺さり、不安定なビルの頂上でも揺るがない基盤を形成した。

 

最後に、銃口部分が変形する。先端が尖り、内部から幾重にも重なったレンズのような構造が現れる。それはまさに巨大なライフルスコープだ。スコープ越しに見える三つの光点は、すでに標的としてロックオンされていた。

 

「システムオールグリーン。射撃準備完了」

 

巨大なレールガンとなったアンティキティラは、風にも揺るがない鋼鉄の塔のようだった。青白いエネルギーが銃身全体を包み込み、大気を震わせる。リンゴはその巨大な銃床に左肩を押し当て、安定した姿勢を取った。右手の指が引き金にかけられる。

 

「目標捕捉……三体同時射撃モードへ移行」

 

その言葉と共に、スコープ内の三つの光点が赤く点滅し始めた。

 

「あとは、タイミングだね」

 

「あぁ、どの地点がダメージが足りないのか、それとも」

 

「運命の分岐点になるのか」

 

俺達は、確かめるように。

 

そして、それが訪れるのを待つようにゆっくりと構える。

菅野史はヒロイン入りしますか?

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