※この作品はR-18です。

デビルサバイバー2/ハッカーズメモリー   作:ボルメテウスさん

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4日目/全てを貫く光

三つの光点が同時に爆ぜた。

 

東京地区、大阪地区のメグレズが崩れ落ちる様子を、スコープ越しに確認できた。

 

「名古屋地区も……」

 

安堵の息が漏れかけたその瞬間だった。

 

名古屋地区のメグレズが膨張した。体表を覆っていた棘が一斉に震え出す。

 

「くそっ!最後の抵抗か!」

 

リンゴの声が硬直する。スコープの中の光景は悪夢だった。無数の棘が射出されようとしている。

 

あの棘が降り注げば、地上で戦っている連中はひとたまりもない。

 

「間に合うか……」

 

俺の脳裏を走馬灯のように駆け抜ける映像。もし外したら。もし間に合わなかったら。

 

リンゴの左手が微かに震えている。

 

「大丈夫だ。私と君ならできる」

 

声をかけたつもりが、喉が乾いていて音にならなかった。

 

スコープの中の棘が発射された。

 

時速はおそらく秒速1000メートル以上。通常弾では絶対に間に合わない。

 

「ふぅ」

 

呼応するように銃身がさらに変形した。コイル部分が膨張し、青白い光が赤熱する。

 

エネルギーの奔流が銃身を駆け巡る音は、もはや金属の悲鳴だ。

 

リンゴの指が引き金にかかる。

 

その一点に、全ての緊張が集約される。

 

指先から伝わるトリガーの重さは、まるで巨大な何かを押し出す感覚。

 

「今だ!」

 

声と同時に、リンゴの指がトリガーを引いた。

 

世界が白く染まった。

 

轟音。

 

それはもはや音ではなく衝撃波だった。

 

放電現象が周囲の大気を焼き焦がし、ビルの窓ガラスが一斉に震え出す。

 

レールガンから放たれた弾丸は、光そのものだった。

 

青白い軌跡を残しながら、音速の数十倍の速度で宙を切り裂く。

 

スコープの中の世界がスローモーションのように見えた。

 

降り注ごうとする無数の棘。その中心に向かって吸い込まれていく青白い光。

 

命中。

 

衝撃波が大気を揺らし、光の爆発が名古屋の空を染め上げた。

 

無数の棘が花火のように四散していくのが見えた。

 

それは破壊的な光景でありながらも、どこか神々しくさえあった。

 

「やった……」

 

リンゴの声が震えている。緊張からの解放と達成感が入り混じった声だ。

 

レールガンの銃身からは白煙が立ち昇り、金属部分は高温で赤熱していた。

 

アンティキティラが再び震え始め、元の姿へと戻っていく。

 

銀色の銃がゆっくりと収束するのを見ながら、俺は深く息を吐き出した。

 

全身から力が抜けていく感覚。

 

緊張という名の鉛のような重圧が消え去り、代わりにやってきたのは疲労と、それ以上の爽快感だった。

 

ビルの頂上から見下ろす名古屋地区には、被害がほとんど見当たらない。棘の破片が散らばっているだけで、建物や人々には致命的な被害は及んでいないようだった。

 

「ギリギリだったね」

 

リンゴが笑う。その笑顔はいつもの飄々としたものではなく、どこか達成感に満ちたものだった。

 

スコープ越しに見る世界は、もう一度静けさを取り戻しつつあった。

 

風が冷たく頬を撫でる。遠くで聞こえるサイレンの音。

 

悪夢は終わった。少なくとも今は。

 

だが、銃口の奥に残る微かな熱は、次の戦いの予感を告げているようだった。

菅野史はヒロイン入りしますか?

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