※この作品はR-18です。

TS鉄騎戦記 鋼鉄の戦乙女たち、その淫らな記録   作:えぴっくにごつ

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まだ導入です。


Day2:「始まった日々と相棒」

 月日は下り、場所は移る。

 

 そこは皇国本国より離れた地。

 新たな希少資源であるエネルジオの、多分な採掘取得が望める重要な土地であり。

 そして、そのエネルジオを巡り苛烈な戦闘が日々繰り広げられる、戦地であった。

 

 視点をその戦地戦場の最中の。一つの防衛ラインの一角に向ける。

 

 そこでは一機の鉄騎――皇国軍の運用する一つの型式の鉄騎、「98式機動鉄騎」が。

 バリケードが連なる防衛ラインを少し越えて出て、銃砲火を唸らせていた。

 

「――ッ……!」

 

 その98式のコックピット内に収まり機を操るは、齢20には至らない程の少女。

 淡い茶の綺麗なロングヘアが、ポニーテールに結われ。その下には優しくも凛々しい造りの、整った顔が覗く。

 スラっとしているが、出る所は豊かに出ているそのボディは。パイロットスーツである操縦者接続装甲に飾られ艶やかに主張している。

 

 そしてしかし、その可憐ながらも艶やかな容姿の彼女のその顔には。反した険しく焦る色が覗いていた。

 その理由は彼女が現在。コックピットのメインカメラモニター越しに、向こうに見る光景にある。

 モニターが向こうに映すは、敵――「連合」勢力の鉄騎だ。

 

 詳細には有人鉄騎を指令機として。しかしある程度独立して動く、随伴の中型無人機が二機。

 その敵の無人機の内の一機が、少女の操縦操作が反映されて、モニターに表示される照準シーカーに収まった瞬間。

 少女が操縦グリップのトリガーを引き――そして、98式が抱え備える40mm機関砲が咆哮を上げた。

 

 次にはその砲火が見事に叩き込まれ。その無人機は容易く穴だらけにされ、ボロ切れのように吹っ飛び撃破された。

 

「――あと一機!」

 

 その撃破成果にしかし喜ぶ間もなく、少女は残る敵に向けて意識を向ける。

 視覚リンクシステムが操縦手の視線の動きを反映し、照準シーカーがもう一機の敵無人機を抑える。

 そして彼女は再び引き金を引いた――が。

 

「ッ――!嘘、ジャム……!?」

 

 次に聞こえたのは、カチリと操縦グリップのトリガーのみが鳴る儚い音。40mm機関砲は唸りを上げない。

 見ればモニターには、排莢不良を警告するアラート表示が点灯していた。

 

 機関砲は、整備兵が入念に整備を行ってくれたものであったが。だがここまで戦闘で酷使された影響で、それでも損耗を起こして不具合を訴えたのだ。

 

「!」

 

 そして彼女は気づく。モニター越しに向こうを見れば、残る無人機の主砲砲口がこちらを向いている。

 そして機内に響く、ロックオンアラートの音。

 少女はサブウェポンへの換装にての、応戦対応を脳裏に浮かべるが。同時に走った直感がそれは間に合わないと告げる。

 

「――っ!」

 

 撃たれる。

 そう覚悟し、彼女は身を強張らせて思わず目を瞑る。

 

 そして、砲声が響き聞こえた。

 

「――……?」

 

 自分が撃たれた音。彼女は最初はそう思った。

 しかし改めて意識し直せば、自機に自身に被弾の衝撃は襲い来ていない事がすぐに理解できた。

 

「!」

 

 彼女が恐る恐る目を開けば、再びコックピット内の光景が広がり。まだ自分が健在であることが自覚確認される。

 そして同時に、目に映った手元のメインモニターには。被弾撃破された、敵無人機の姿が映っていた。

 

《――クラナ、大丈夫?》

 

 それに彼女が驚いたのも一瞬。次には通信にて、透る声色での尋ねる言葉が響き伝わった。

 呼ばれたクラナという名は、他ならぬ少女の名。

 そのクラナが、機の側面を移すサブモニターに視線を向ければ。彼女の乗る98式の隣に、別の鉄騎が現れていた。

 

 それは――「97式改機動鉄騎」。

 クラナの乗る98式と同系列。共に「97式機動鉄騎」という、皇国軍の主力鉄騎をベースとする派生姉妹機。

 

 そしてその97式改の機体姿を移すサイドモニターに。次には小さくワイプ画面が重ね表示される。

 それに映ったのは、黒髪の凛々しい美少女――ユエトの姿であった。

 

 

 クラナの操る98式の側面に位置し、カバー援護するようにユエトの97式改は立ち構え。

 そしてメインウェポンである105mmライフル砲を抱え、突き出し構えている。

 その砲口は、今に撃破された無人機に向けられており。砲口からは硝煙が上がっている。

 無人機を仕留め、クラナの危機を救ったのはユエトであったのだ。

 

 

 戦闘行動の経緯を説明すると。

 二人は共に、此度に展開された防衛作戦に参加していたのだが。

 

 苛烈なものとなったその戦闘の最中。

 防衛ラインの一角が手薄となり、穴が開けられてしまい。その事態に危険性に真っ先に気づき、そこをカバーすべく飛び出していったのがクラナ。

 

 だが今に見えた通り。慌て急き、単騎飛び出して行った彼女は危機に陥った。

 そしてしかし幸いにもそれを、クラナを追いかけ駆け付けたユエトが救った形であった。

 

 

《ユエト、助けてくれてありがとう……ゴメンなさい……っ》

 

 ユエト側の97式改のコックピットで、メインモニターにクラナの顔に姿が映り。

 明らかな苦く申し訳無さそうな表情で、彼女は一番に礼と謝罪の言葉を寄越す。

 

「バディなんだから、当然だよ」

 

 それにユエトは当然と言うように、そう返した。

 

 ユエトとクラナは、バディだ。

 

 二人はほんの数か月前に、同時期にそれぞれの訓練学校での訓練を終了。

 そしてこの地に配備され展開する旅団の、それも同じ小隊に共に配属となる形で出会い。

 そしてバディとなった関係だ。

 

 ちなみにクラナ彼女にあっては、元よりの女性性であった。

 

《っ、今のは私の明確な失態……ホントにごめん……っ》

 

 そのクラナはしかし。単騎飛び出していってしまった結果危機に陥った事に、多分に負い目を感じているのか。

 ユエトの言葉に、また苦く険しい色で返す。

 

「……誰かは危険に気づいて、真っ先に駆け付ける必要があった。それをクラナが務めて、僕がカバーに追い付いて間に合った――急な対処が求められる事態だったし、うまく運んだよ」

 

 クラナのそんな様子を受け、ユエトは今度は少し言葉を探してから。そうフォローする言葉を紡ぐ。

 確かに危機があったとはいえ、クラナの行動は無理な面もあったかもしれない。

 しかしユエトは戦場ではすべてが理想通りとはいかず、だからこそ互いのフォローが物を言うのだと。まだ戦場に身を投じて間もなくも、しかし徐々に連ねる経験から考えていた。

 

「だから、自分をあまり責めるのはやめて欲しいかな?」

 

 また同時に相棒であるクラナを。真面目でとても良い子だが、気負い過ぎるきらいあり、時に自分を悪く言ってしまうのが玉に瑕だと考えており。

 次には少し悪戯っぽく、そんな言葉を紡ぎ向けて見せた。

 

《キミはいつも優しくて、冷静だね……》

「ううん……そう、取り繕っているだけ」

 

 そのユエトの言葉に。次にはクラナより微かな笑みと合わせての、少しだけ崩した声色での言葉が寄越され。

 今度はユエトはそれに、自嘲気味に返した。

 

《――サクラ3及び4、応答せよ。無事か?状況は?》

 

 そんな所へ、通信に別の声が割り込む。

 二人の所属する小隊の隊長からの、安否に状況を訪ねるものだ。

 

「サクラ3です、4と共に無事。左方より突破を試みた敵ユニットは排除に成功、今の所さらなる攻撃は確認できません」

 

 それにユエトはまずは自分等が無事である旨を答え。続けて敵の撃破成功と、向こう周囲に他に敵の姿は無い事を答える。

 

《了解、航空偵察が敵主力の後退を確認した。向こうさんの退勤時間だろうな、少なくとも今日はお開きだ》

 

 ユエトのそれを受け取り、それから小隊長は。敵は引き上げ、この周辺全域での戦闘が終わったことを伝えて来た。

 

《中隊に復帰してくれ、俺たちも今日は上がりだ》

「了解」

 

 そして少しの冗談交じりの声色で寄越された復帰の要請に、ユエトも了解。

 

「クラナ、戻ろう」

《うん……了解》

 

 そしてユエトはクラナに促し。

 クラナもまだ思う所はあるのだろうが、それをひとまずは払って取り繕って答え。

 それぞれの鉄騎を操り、中隊への復帰合流のために動き向かった。




次でモブエロシーンの予定。
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