TS鉄騎戦記 鋼鉄の戦乙女たち、その淫らな記録 作:えぴっくにごつ
「――あなたたち、やめなさいっ!」
少女――クラナは護身用の拳銃を構え、薄暗い廃墟の部屋空間へと踏み込んだ。
「!」
廃墟に、不自然に止められた装甲車などなど。
帰路の最中に見つけた物に嫌な予感を感じ。廃墟ビルを調べるべく、踏み込んだクラナ。
そして彼女のその予感は当たった。
踏み込み、目の当たりにしたのは。
美少女たちが、同じく美少女や美女に嬲られ愉しまれる光景の数々。
輪姦の現場。卑劣で看過されざる行為の場――であるはずなのに。
女達がまぐわい合い見せる背徳的な光景に、上がる甘い鳴き声に嬌声は。凄惨さよりも妖しい艶やかさに、一種の魅惑までもを伝えた。
「ぅぁ……」
目の当たりにしたそれに。戦闘を覚悟して、険しい顔色で踏み込んだクラナは。
しかしその光景に、「色気」に感化されてしまい。頬を染め上げ、思わずの吐息を零してしまう。
「っ――うわ……これはっ」
そのクラナの背後より、その後続援護のために踏み込んで来たのはユエト。
同じく戦闘を想定し、拳銃を構えて踏み込んだユエトもまた。
クラナほどの動揺は見せず、いくらか冷静なものではあったが。場の光景に「色気」に、その頬を微かに染めて声を零す。
「――チっ、なんだ鉄騎のパイロットサマかよ。ハァ、脅かしやがって」
一方。ユエト等とは反対に、最初こそ乱入者に驚き、警戒の構えを見せた散兵たちであったが。
それが同じく皇国軍、友軍のパイロットであり。それによる宴への「横槍」であることが分かると。
あからさまな不機嫌の色と、同時に呆れに近い色を一様に見せ。
そして代表するように、褐色の美女が忌々し気な声を零した。
「っ……あなたたち、旅団の散兵ね……?所属中隊は!?そして何をしているのか答えなさい……っ!」
そんな反応を見せる散兵たちに。クラナは頬の赤らんだ顔に、毅然とした色を取り繕い直し。
拳銃を構え直し、そして詰問の声を向ける。
形式上聞いたが。今に状況に、散らばり見える散兵の戦闘服や、連合側の仕様のパイロットスーツから。
場の光景が、散兵たちの下卑た行為である事は明白だ。
「やれやれ」
「ひぁぅ……っ♡」
しかし。褐色美女の散兵は、向けられた拳銃に臆する色など見せず。
次には覆い被さり抱き捕まえて、嬲っていた黒髪の美少女を放して転がす。
黒髪美少女は今にイかされたばかりでトロトロ状態であり、色の含まれた声を零して床に沈み崩れる。
そんな黒髪美少女には構わず、褐色美女の散兵は立ち上がると。
その一糸纏わぬ姿のワガママボディを堂々と見せつけながら、クラナの前に歩み近づき詰め寄った。
「っ……!」
「第1散兵中隊のグレオン兵長です、補助少尉ドノ」
間合いを詰められ気圧され。しかし同時にその、グレオンと名乗った褐色美女の散兵の艶やかなその身体に、別の意味でも動揺するクラナ。
それに構わず、この場の代表者なのであろうグレオンは。また臆する事など無いと言うように、己の所属に名、階級を堂々と名乗る。
「我々は「戦利品」の「具合」の確認中です、補助少尉ドノ方?邪魔されては困るんですがね?」
そして相対したグレオンは、一応上位階級者であるクラナたちに向けての敬語で。だがしかしあからさまに軽んじた色を含めて、そんなふざけた回答を向けた。
「戦利……!?そんなコトが許されるとでも……!?国際条約違反よ!?」
そのグレオンの言い分に驚愕し。
しかし同時に、目の前で主張するグレオンの張りの良い巨乳に、目のやり場に困りつつも。
クラナはそう訴える言葉を張り上げる。
「そんな機能してないモン、今のご時世誰が気にすると?」
しかしそれに、グレオンはまた嘲る色で返す。。
虚しいことにそのグレオンの言葉通り。
国際法では戦場での性的暴行は禁止されている――のだが。
拡大長期化して拗れた紛争の影響で、現在の国際法機関は実質機能停止に陥っており。今やそんなものに真面目に則る者は、ほとんどいなかった。
「それにこっちゃ、心労に疲労をパイロット様以上に溜めててね。役得くらい無きゃ、とてもやってられねぇんだ」
「……!」
そして続け、グレオンが紡ぎ寄越したのは傲岸すら見えるそんな言葉。
それは鉄騎の操縦手以上に過酷で、損耗率も高い散兵からの。鉄騎操縦者であるクラナたちへの嫌味と皮肉であった。
「――自分等だけで、貪り合っていれば良いものを」
「!」
「?」
そこへ、背後より割り込んだのはそんな声。それは他でもないユエトのものだ。
そしてここまでは、クラナの背後で援護位置につき。場合によってはクラナを連れてすぐさま離脱できるよう、動向を見守っていたが。
ここに来て「これ以上引っ込んでいるのは無理」と判断したように。クラナを下がらせて入れ替わるように前に出た。
それと合わせて今に紡がれたのは。欲にかまけ、捕虜を嬲る散兵たちへの明確な非難と嫌味の言葉だ。
ここで合わせて事情を語れば。
鉄騎以外にも、散兵部隊に配備されるパワードスーツなど。エネルジオの効果特性を利用する兵器装備は、各兵科分野で普及し始めており。
鉄騎操縦者ではない散兵たちもまた。最近にあっては性転換、女体化して戦闘に従事することが当たり前と成り始めていた。
今の散兵たちが総じて、見た目だけは麗しく可憐な美少女や美女になっているのも。それが理由。
もっとも。女体への変貌を面白がり、そして男性時とは違う快楽刺激を好み。
それらをもって戦闘の日々の疲労負担を発散する目的から、性転換している者も多く見受けられたが。
グレオンたちも、その類の者であった。
「言うじゃないか、カワイコちゃんな「ボーヤ」っ?」
そんな、非難に嫌味を堂々と向けて来たユエトに。グレオンは少し威圧感を含めた声色で向け、そして同時に「坊や」などとユエトを呼んで返す。
女体へ性転換した男性隊員は。衛生救護の際の都合から、その事実を身に記す事が定められており。
今は、ユエトのパイロットスーツに記されるその判別の表記から。黒髪美少女のユエトを、しかし正体は男子と判別してそう呼んだのだ。
「他所サマのモノは、また美味そうに見えちまうんでね――キミらとかな?」
そして次にグレオンが寄越したのは。その美人顔に、しかし妖しくあくどい色を作ってのそんな言葉だ。
「ナマイキ言うキミらにも、お仕置きが必要かねぇ?」
続けグレオンは、その褐色の艶やかな女体を少し主張するように、腰に手を当て。
そしてそう宣い。妖しい視線でユエトとクラナのそれぞれの、パイロットスーツによって浮かび飾られる豊かな女体を。
嬲る様に見ながら、ペロと妖艶に下唇を舐める。
「っ……!」
「ッ」
グレオンのそれは美女の容姿で薄められてはいるが、明確な下卑たケダモノのそれ。
それにクラナは顔を強張らせ、しかし同時にまた頬を染めてしまいつつも身構え。
ユエトにあっては表情を真剣なものに尖らせ、少し動きクラナを庇う。
「――何をしている?」
しかしそこへ背後より。凄味を利かせた、しかし美麗な声色での声が届いたのは直後だ。
「ッ?」
「!」
ユエトとクラナは少し驚き、しかしまた身構えつつ同時に振り向く。
そして見たのは、いつの間にか二人の背後に現れ立っていた――一人の美女であった。
長いポニーテールを作り飾る黒髪の元に、美麗な顔が覗き。
巨乳に、豊かな尻や太腿を携える、高めの身長のワガママボディが。ぴっちりとしたボディスーツに主張されている。
そしてそのボディスーツは、皇国軍散兵のもの。
より詳細には。そのボディスーツは散兵用パワードスーツを着装する際のインナーであり。
それには皇国軍大尉の階級章と。今にユエトの例にも見たように、美女が男性からの性転換である記が見えた。
「――まったく……戦闘後哨戒にしても遅いと思ったら、こんなコトか」
その性転換美女である大尉は。今の捕虜輪姦の現場である部屋空間を見渡し、状況をすぐさま理解すると。
しかし次には驚くでも憤慨するでもなく、倦怠のまじった呆れの色で、そんな言葉を紡ぎ零した。
「あ、あの……!」
「大尉殿、あなたは?」
そんな、現れた美人大尉に向けて、クラナがまず少し戸惑う様子で呼びかけ。
それに続けてユエトが、美人大尉へ身分を訪ねる。
「こいつらの中隊長。第1散兵中隊中隊長のヴィレス大尉だ」
それにその美人大尉は、片手間な様子で二人へ自分の名と所属を。散兵たちの上官である事実を名乗って見せた。
「キミらは、鉄騎大隊か」
「っ……はい。第1鉄騎大隊のグリュエス及びルークス補助少尉です……防衛作戦後の帰還時に、ここを見つけました」
そしてヴィレスは、ユエト等に思い当たる所を尋ね返し。
クラナがそれを肯定、そして合わせてこの場の発見に至った経緯を簡単に説明。
「そんなトコだろうとは思った」
それにまたヴィレスは、呆れそしてつまらぬそうな声色で零し返した。
「あっちゃー、大尉ドノに見つけられちまった」
そんな会話が一区切りした所で。狙っていたかのようにグレオンが零したのは、まったく悪びれない様子でのそんな言葉。
「お前ら、女の身体になれるようになってから、欲にかまけ過ぎだぞ」
それにクラナはまた鋭い視線を向けるが。
それ以上を先回りして阻むように、ヴィレスがそんな咎め忠告する言葉を、散兵たちに向ける。
「お開きにしろ。そしてお前らはしばらく罰当番だ」
「チっ」
「あーあっ」
そしてヴィレスは命じる言葉と、合わせてのそんな罰則を与える旨を告げ。
一方、それを受けた散兵たちは。それぞれぼやきを零しながらも緩慢に立ち上がり、命令ならば仕方ないと言うように動き始めた。
「え、な……!この行為を、それだけで済ますの!?」
しかし一方。今のそれに驚き、微かに目を剥き零したのはクラナ。
それは、捕虜の性的暴行と言う下卑た行為に対しての。しかし散兵たちに対する軽すぎる罰と、そしてそれだけで場を収めようとしているヴィレスの意向に向けたもの。
それに思わず敬語すら省いての、抗議の声を漏らし上げたのだ。
「娘っ子、今のご時世では兵は貴重だ。こんな乳繰り合い程度で罰され、その数を取られちゃ叶わん」
クラナのそれに、ヴィレスは気分を害する様子も見せず、咎めることもせず。
しかし僅かに煩わしそうな色を見せて。まるで聞かない子に言い聞かせるように、そんな旨を紡ぎ返した。
「だからって……!」
「あの連合のパイロット娘たちは、適当な言い訳をして衛生中隊に保護させる」
それに食い下がろうとするクラナだが。ヴィレスはその言葉を封じるように阻み。
そして部屋空間で。散兵たちに弄ばれイキまくらされ、トロトロの状態でへたばり沈んでいた、四人の美少女(半分は中身男子)たちを。
雑に顎でしゃくりながら、そんな旨だけを一応というように伝えて来た。
「聞いたな?モタモタするな」
そしてこれ以上は無用と言うように。
ヴィレスはユエトとクラナの側を、すれ違い通り抜け。指揮下の散兵たちに各種行動を命じる声を張り上げる。
「な……ちょ……!」
「クラナ」
そんなヴィレスに、クラナは尚も追って食い下がろうとしたが。
しかしそれを、ユエトがその肩を柔くもしかし確かに掴んで留めた。
少なくとも連合のパイロットの少女たちは、保護の方向となった。
ユエトのそれは、これ以上を望むは事は難しく、引き時と訴えるもの。
「っ……」
クラナも、本心の所では。
今のご時世の元、ましてや戦場で望める事など、その程度と理解はしていたのだが。
やはり複雑な心境なのか、その顔は苦い。
「後はここはやっとくから、キミらはとっとと捌けることだ」
そんな二人に、ヴィレスからそんな言葉が飛んでくる。
「後、老婆心じゃないが言っとく。こういった事にいちいち首を突っ込むと、いずれ禄でもない事態を招くぞ」
そして最後に、そんな忠告の言葉を寄越して来たヴィレス。
彼女(中身は彼)からすればまだ子供も同然の二人への。大人としての一応の配慮なのだろうと見られた。
「心しておきます――クラナ、まずは帰るよ」
「っぅ……」
それにユエトは端的な、しかし微かにだが皮肉を混ぜた色で一言だけ返すと。
未だに明確な苦く険しい色を作るクラナに訴え。そして半ば強引に手を引き、場を後にした。