※この作品はR-18です。

【R-18】男女比1:50の貞操逆転世界で、僕は   作:オッパイダーマン

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#10 三人でぇと2

僕の目の前にめっちゃ可愛いヤンキー女子がいる。

ピアスも開けてるし、ニヤニヤと下品な笑みを浮かべている。

この世界基準だと柄が悪いんだろうけど、容姿が可愛過ぎて全然怖くない。

 

 

「それで、どうすんの?ついて来ないの?」

 

 

呆けているとヤンキー女子……八木原(やつぎはら) 伊織(いおり)さんが僕を見て笑みを浮かべた。

あ、八重歯だ。

可愛い。

 

けど──

 

 

「ごめんね、今日は他の女の子と来てるから、一緒には行けないや」

 

 

まぁ、初対面の人に付いて行く事はない。

だけど、出来るだけ角が立たないように断りたいなぁ。

 

 

「えー、いいじゃん。そんなのほっといてさ……アタシと“いいこと”しようよ♡」

 

 

伊織さんが僕に擦り寄って、ボディタッチしてくる。

 

うっ、良い匂いする。

しかも胸押し付けてくるし、流されてしまいそうに……ならない。

 

 

「それでもごめんね。そんな事をすると二人に悪いから」

 

 

流石に、今一緒にいる二人を蔑ろにして、いっときの欲に流されたりはしない。

僕の意思は硬いぞ。

 

瑠璃子さんや茜さんを裏切る事は出来ない。

そう考えて断ったけど……伊織さんはムッとした顔で僕に目線を合わせた。

 

 

「だからさー、ほっとけばいいじゃん。なに?アタシのいうこと聞けないわけ?」

 

「あ、ちょっと……」

 

 

腕を引っ張られる。

筋力的には僕の方が強いから、耐えようと思えば耐えられるけど……急に引っ張られたからバランスを崩しそうになる。

 

 

「ねー、いいでしょ?気持ち良くしてあげるからさぁ」

 

 

しかし、どうやって断ろうか。

逆ナンされた経験なんてないから、どう解答すれば相手を傷付けずに済むか分からないというか──

 

 

「ちょっと、あんた!雄介に何してんの!」

 

 

茜さんが、伊織さんの腕を掴んでいた。

 

 

「あ?何だよ。アンタに用なんてないんだけど?」

 

 

伊織さんはその腕を振り払って、茜さんを睨んだが……茜さんは少しも怯む様子はなかった。

 

 

「私にはあるの!」

 

 

一触即発、という様子。

慌てて僕は周りを見渡すが……助けてくれそうな大人は居ない。

みんなトラブルに巻き込まれたくないのだろう。

 

というか瑠璃子さんも居なくないか?

どこに行ったのだろうか。

 

 

「は?何だよ、オマエ……コイツとどういう関係なんだよ」

 

 

って、今はそれより茜さんが心配だ。

どうにか、この状況を収めないと──

 

 

「私は、雄介のパートナーだから!手を出すな!」

 

 

僕は息を呑んだ。

思わず胸キュンしてしまいそうに、いや、胸キュンした。

これが少女漫画のヒロインの気分か。

 

しかし、相手は不良だ。

こうして言い返してしまうと、逆上して暴力沙汰になるかも知れない。

その時は僕が茜さんを庇わないと──

 

 

「……は?パートナー?」

 

 

しかし、伊織さんは僕の想定とは違い、逆上する事もなく顔を呆けさせた。

 

 

「そ、そうなんだから!それはもう仲睦まじいパートナーなんだから!」

 

「なっ、てめ、じゃあ、オマエ、こいつと普段からパコパコやってんのか!?」

 

「は!?当たり前でしょ!パートナーなんだから!」

 

 

ちょ、公然の場でそんな大声で下世話な話しないで。

ほら、周りのお客さん(女性)もドン引き……してないな、顔を赤くしながら興味津々って感じだ。

 

 

「じゃ、じゃあ、キスとかも!?」

 

「してるけど!?それが何?あんたに関係あるの!?」

 

「じゃあ、キスしながらのエッチも!?」

 

「当たり前なんだけど!もう毎日のようにしてるし!」

 

 

いや誰か止めてくれ。

周りの女性客は興味津々にしてて止める気配はないし、ヒートアップする二人の会話は声がデカいし。

僕は死ぬほど恥ずかしいし。

 

耳に、周りの客の声が聞こえてくる。

 

 

「……いいわねぇ、若い男の子とキスハメエッチ」

 

「……羨ましいわね。あー、ムラムラしてきた」

 

 

倫理観どうなってるんだ、この世界。

誰か助けてくれ。

 

神に祈っていると、遠くから瑠璃子さんの声が聞こえた。

 

 

「茜〜、警備員さん呼んで来たよ〜。もうすぐ来るって」

 

 

た、助かった。

不良に絡まれてる事よりも、公衆の面前で喧嘩腰の猥談を始めた方が正直辛かったんだ。

 

 

「チッ……くそっ──

 

 

伊織さんが茜さんから目を離して、俺を睨み付けた。

 

 

「可愛い顔して、とんだビッチだったな!オマエなんか、こっちから願い下げだ!」

 

 

なんて捨て台詞を吐いて、伊織さんは逃げ出した。

……ビッチ……ビッチか。

僕ってビッチだったんだ。

 

……変だな。

罵倒された筈なのに、全然実感湧かないし、悲しくもないや。

 

 

「雄介はビッチじゃないし!」

 

 

ぷりぷりと怒る茜さんに苦笑しつつ、早足で合流した瑠璃子さんの方へ視線を向ける。

その両手にはクレープを、合計三つ持っていた。

 

 

「瑠璃子さん、助かったよ。ところで警備員さんは──

 

「え?あれ?嘘。時間なかったし呼んでないよ」

 

「あ、そうなんだ」

 

「ふふん、褒めてもいーよ?」

 

「うん、凄い機転だったよ。ありがとう」

 

 

そう言いつつ、瑠璃子さんからクレープを受け取った。

そんな中、茜さんも瑠璃子さんの手からクレープを預かった。

 

 

「茜さんも、ありがとう。咄嗟に助けてくれて」

 

「へ?え、あ……あはは……まぁね、雄介のピンチにはいつでも助けに来るからね」

 

 

照れたように笑いながらも、茜さんが僅かに震えているのが僕には分かった。

本当は怖かったのだろう。

だというのに、僕を守ろうと勇気を振り絞ったのだ。

 

そんな事に比べたら、公衆の面前で性事情を暴露された事ぐらい……ぐらい……う、うん。

 

 

「……二人とも、このクレープは別の場所で食べない?」

 

「へ?うん、いいけど?」

 

 

茜さんは自分の発言を覚えていないのか、呆けた顔をしている。

 

 

「もち、ちょっと視線が気になるしねー」

 

 

対して瑠璃子さんは人の視線に敏感なようで、僕に同意して頷いてくれた。

 

なんかこう、凄い、こう、鬼気迫る目で僕達を見て……いや、僕を視姦してるんだよね、女性客が。

流石に気まずいし、居心地悪いし……逃げさせて貰おうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、テラスまで移動して来た僕達は、ベンチに座ってクレープを食べ始めたのだけれど──

 

 

「瑠璃子、それ一口頂戴」

 

「ん、いいけど……一口だからね?」

 

 

茜さんと瑠璃子さん、随分と仲良くなったな。

味の違うクレープを互いに交換し合い、一口ずつ食べあっている。

仲良きことは良いことだ。

 

しみじみと感慨深くなっていると、瑠璃子さんが僕に視線を向けてきた。

 

 

「ゆ、雄介くんもあーしの、一口食べる?」

 

「あ、ずるい!雄介、私のも一口食べて!」

 

 

そう言いつつ、二人は僕にクレープを押し付けて来た。

やめてやめて、顔にクリーム付いちゃうから。

 

 

「う、うん。ならお言葉に甘えて、一口ずつ貰おうかな。僕のも食べる?」

 

「「食べる!」」

 

 

す、凄い勢いで返事された。

びっくりした。

 

僕は瑠璃子さんと茜さんからクレープを預かり……彼女達が齧ってないところを一口ずつ齧った。

 

 

「うん、美味しかったよ。ありがとう。それで──

 

 

僕が渡したクレープを、瑠璃子さんは真剣な顔で見ていた。

……ん?

いや、そんな顔になる理由、なくない?

 

そう思っていたら──

 

 

がぶり!

 

 

と、僕の齧っていた所を一気に食べた。

 

 

「あ!あー!ずるい!ずるい!」

 

 

何やら、茜さんが騒いでいる。

……どういう事だろうか。

 

瑠璃子さんは「あ、やっちゃった……」って顔で、茜さんにクレープを渡した。

茜さんは意気消沈しながら、そのクレープを受け取った。

 

 

「あの、茜さ──

 

「うう、何が嬉しくて瑠璃子のやつと間接キスしなきゃならないんだ……」

 

 

あ、そういう……。

普段から直接キスしてるのに、間接キスとか欲しがるタイプなんだ、二人とも。

 

そんな事を考えていると、瑠璃子さんが僕の方を見た。

そして、耳打ちをしてきた。

 

 

「雄介くん、ごめんだけど……あのクレープ、もう一回齧ってくんない?大人気ない真似しちゃったからさ」

 

「……それは、別に良いけど……」

 

 

茜さんに気付かれないよう、頷く。

まぁ、こんなしょーもない事で茜さんを落ち込ませるのも不本意だし。

折角仲良くなってきたのだから、変な事で喧嘩して欲しくないし。

 

そう考えて、茜さんに声を掛ける。

 

 

「ごめん、茜さん。そのクレープ、少しだけ預かってもいい?」

 

「え?雄介……い、いいけど……」

 

 

僕はクレープに新しく、齧った跡を付けようとして……あれ、これ瑠璃子さんが食べた後に、僕も間接キスを……いやいや、何を恥ずかしがっているんだ。

 

僕はクレープを一口、齧った。

 

 

「うん、もういいよ。ごめんね?先に一口食べちゃって」

 

「あ、あ、うん!いいよ!全然!寧ろ、ラッキーというか……!」

 

 

茜さん、すぐ本音が漏れるタイプなんだよなぁ。

そこも可愛いけど……あの、クレープ食べてる顔がその、下心丸出しなのは何とかした方が良いと思うけど。

 

 

「ぐへ、ぐへへへ……」

 

 

……まぁ、幸せそうなら指摘はしないであげようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でクレープも食べ終えて……テラスから見える空も少し赤く染まりつつある頃。

僕は二人に目を向けた。

 

 

「それじゃ、二人とも。次はどこに行こうか?」

 

 

そう僕が口にすると、茜さんと瑠璃子さんが顔を合わせた。

そして何やらボソボソと小声で会話しだした。

 

内緒話か。

といっても、僕に対して悪意のあるような内緒話でもないだろう。

無理に探りを入れる必要はないか。

 

そんな事を考えている僕に対して、瑠璃子さんと茜さんが振り返った。

 

 

「雄介くん。あーし、もう一箇所行きたい所あるんだけど」

 

「わ、私も行きたい場所なんだけど……」

 

 

少し遠慮がちな二人に、僕は笑みを浮かべて頷いた。

 

 

「二人とも行きたい場所?うん、なら行こうかな」

 

「っ!じゃ、じゃー行こ!」

 

「うん、行こ!」

 

 

行き先も言わず、茜さんと瑠璃子さんが僕の手を引く。

 

いやぁ、しかし、随分と仲良くなったように見える。

僕の当初の目標は達成したといっても過言ではないだろう。

パートナーの女の子同士、これからも長い付き合いになるだろうし仲良くなるのは良い事だからね。

 

僕は笑みを浮かべながら、茜さんと瑠璃子さんに付いて行き──

 

 

「こ、ここ……なんだけど。あーしが行きたい所」

 

「う、うん。私も……雄介と一緒に入りたいな、って」

 

 

何だろう、プリクラでも撮りたいのだろうか。

可愛い所あるな……いやまぁ、普段から可愛いんだけどさ。

こういう年相応の可愛らしさってのは別腹で。

 

 

「へー、ここかー」

 

 

なんて考えながら、店の方へ目を向けると──

 

 

『HOTEL らぶ♡きゃっする』

 

 

という看板が見えた。

 

 

「…………ん?」

 

 

僕は目を擦り、店を見る。

お城のような可愛らしい外装、黒字にピンク色の看板文字。

そして──

 

 

『休憩2時間 2000円……延長1時間につき+500円」

 

 

と書かれた看板。

 

 

「…………え?」

 

 

僕は困惑していた。

だってここ、勘違いじゃなければ……ラブホじゃん。

何で、ショッピングモール内にラブホがあるんだ?

倫理観はどうなってるんだ、倫理観は。

 

 

「あ、あのさぁ……?」

 

 

僕は困惑しながら、瑠璃子さんと茜さんへ視線を向けた。

 

 

「雄介くん……だ、ダメかな?」

 

「……雄介、お願いっ」

 

 

緊張した様子だが、ショッピングモール内にラブホがある事について疑うような素振りはない。

これはただ、僕が断ったりしないか心配になってる顔だ。

 

……やっぱり、この世界は変だ。

異常だ。

メチャクチャだ。

 

でも、まぁ──

 

 

「いいよ。行こっか、二人とも」

 

 

郷に入れば郷に従えって言うし。

二人とはエッチしたいし。

 

常識よりも、二人との幸せが大事だ。

良いじゃないか、ショッピングモール内にラブホがあったって。

 

そうして思考を放棄した僕と瑠璃子さん、茜さんの三人で……ラブホテルの中へと入っていった。

 

 

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