【R-18】男女比1:50の貞操逆転世界で、僕は 作:オッパイダーマン
そうして放課後、瑠璃子さんに学校を案内して貰う事となった。
「んで、ここが美術室。今の時間だと、美術部の人達が使ってるんじゃないかな〜」
「へぇ……」
美術室の前を横切る。
ちら、と見えた窓の中では女の子達が石膏像を囲んで何かを描いている。
石膏像は……なんかムキムキの男の、上半身しかない裸像だ。
美術部の女の子達は、その石膏像をどこか熱い目で見ている。
具体的には胸の周辺を。
……うん、見なかった事にしよう。
そうしよう。
「それでー、ここが視聴覚室。動画を見るタイプの授業がある時は、ここに集合するってわけ」
「へぇ……」
そう促されて、僕は視聴覚室の窓から中を覗き込んだ。
部活などでも使われていないようで、誰も居ない。
大きなスクリーンの前に、プロジェクターと旧式のDVDレコーダーが置いてある。
その側には、無造作にDVDのパッケージが置かれていた。
「雄介くんさ。ちょっと教室の中、入ってみる?」
「え?いいの?」
「バレなきゃね」
つまり、バレたらダメって事じゃん。
そう思いつつも、僕は瑠璃子さんと一緒に視聴覚室に入った。
そうして、改めて教室の中を確認する。
開きっぱなしの遮光カーテン……を、僕はこっそりと閉じた。
本来勝手に入ったらダメな教室だし、外からバレにくくしようと思ったからだ。
「あー、前に教室使った教師、片付けてないじゃーん。置きっぱなしだし」
「あ、ほんとだ」
瑠璃子さんの声に振り返ると、彼女はDVDレコーダーを弄っていた。
ランプが緑色に点灯していて、電源は入っているようだ。
中にディスクも入ってるみたいだし。
「んー?最後の授業、何だったんだろ?」
「何だろうね?」
「あーしも気になるし、再生ボタン押しちゃえ」
「あ、ちょっ──
流石にそれは拙くないか、なんて声を出すより先に瑠璃子さんがリモコンの再生ボタンを押した。
プロジェクターが点滅し、スクリーンに映像が──
『あっ……♡あっ……♡』
艶のある声が、教室内のスピーカーに響いた。
スクリーンには……下半身を露出した女性が、ディルドで自慰してる映像が映っていた。
ぬちぬちぬち♡♡
『あっ♡イク……♡イク♡』
って、え!?
なんでこんな、AVみたいな映像が視聴覚室にあるんだ!?
い、いや、視聴覚室はAVルームとも言うけどさ、アダルトビデオの略じゃないだろ!
困惑と羞恥を感じながら、僕の視線はスクリーンに映る女性の裸体に釘付けになる。
性的興奮と共に、顔が熱くなるのを実感する。
まずい、と僕は視線を逸らして──
『イッ──
「やばっ!」
瑠璃子さんが慌ててリモコンを止めた。
「「…………」」
互いに無言で気まずい空気が流れる。
そんな中、先に口を開いたのは瑠璃子さんだった。
「い、いやー……性教育の授業だったとは……ご、ごめんね?相田くん、変なもの見せちゃって」
性教育……?
あ、確かに授業のカリキュラムの中にあったけど……あんな物を見せてるのか?
随分と……何だか、こう、エッ……変だ。
気まずくなって、DVDレコーダーの近くにあったDVDパッケージを見た。
簡素なピクトグラムの上に、『思春期、性の解消〜正しい自慰の仕方〜』と書かれている。
って……え?
あれが正しい自慰の仕方?
という事は、この世界の女性の一般的な自慰って、ああいう、ディルドとか使ったタイプが普通の……って、違う違う。
「だ、大丈夫だよ。瑠璃子さん。僕、気にしてないから……」
嘘だ。
めちゃくちゃ気にしている。
でも、気にしてるって言ったら変態みたいだし……瑠璃子さんに気持ち悪がられたくないし、誤魔化す。
「な、なら良かったけど……」
瑠璃子さんが顔を赤くして苦笑した。
そんな瑠璃子さんを見て……瑠璃子さんも……あんな、感じで……って、だめだ考えるな、僕!
脳内に浮かぶ、ディルドで自慰する瑠璃子さん……を振り払い、普段通りの笑みを浮かべた。
「る、瑠璃子さん、取り敢えず次の教室に行かない?」
「う、うん。そうしよっかー、ははは」
気まずい空気を感じ取りながら、僕は目線を逸らした。
……陰茎はまだ、勃起したままだった。
瑠璃子さんにバレないよう、ちょっと内股にしたまま、僕は苦笑した。
そのまま、僕は瑠璃子さんを意識してドキドキとしながら、校内の案内を受けた。
図書室やら、保健室やら……いろいろと。
でも、あんまり集中できていなかったと思う。
かなり、こう、意識しちゃって。
だって、瑠璃子さん、可愛いから。
凄く美人だし、優しいし、距離もちょっと近いし。
意識するな!って言われても……男子高校生の身体を持つ僕には厳しいもので。
サキュバスの血を引いてる所為で、僕も性欲がめちゃくちゃ強い。
男子高校生の性欲と、サキュバスの性欲が合体して、今の僕はめちゃくちゃ性欲が強い。
何とか……本当に何とか……理性で抑えてる状態だ。
表面だけは普段通りを装って、内心はめちゃくちゃムラムラしてたけど……僕は瑠璃子さんと教室を巡った。
「それでー、ここが最後なんだけど……」
案内されたのは別棟の隅にある教室だった。
隣は空き教室だし、凄く隔離された場所にあるみたいだ。
変だ。
だって、実習室やら特別教室やら、生徒が集まる教室は、普通教室の近くにあった方が便利だからだ。
だからこそ、何の教室なのだろうと僕は室名札を見た。
そこには……『性行為実習室』と書いてあった。
「……ん?」
目を瞬いて、指で眉間を揉む。
そして、もう一度、室名札を見た。
『性行為実習室』と書いてある。
幻覚じゃなかったんだ。
やっぱりこの世界、変だ。
学校にそんな、そんな……『ヤリ部屋』みたいなのがあるなんて。
……口から出そうになった驚愕の声を飲み込み、瑠璃子さんに目を向けた。
「き、瑠璃子さん?ここって……」
「『性行為実習室』。学校内で男の子がエッチしたくなった時、パートナーとする為の部屋らしいけど……あ、あー、私、入った事ないから分かんないけどね?」
「へ、へー、そう、なんだ……」
最後の取ってつけたような言葉に苦笑しつつ、僕は教室へと目を戻した。
教室の外に『空室』と書かれたプレートがある。
カーテンは分厚いようで、外から教室の中を伺う事は出来ない。
気になるけど、瑠璃子さんの前で「気になるから入ろう」なんて口に出来ない。
それって誘ってるみたいだし、最悪だ。
そういう意図が無かったとしても、セクハラと受け取られてしまったら……瑠璃子さんに、嫌われたくないし、絶対に口に出来ない。
中がどうなっているのか、好奇心が湧くのは事実だ。
だけど、我慢できない程じゃない。
我慢できる。
瑠璃子さんに嫌な思いはして欲しくないし、スルーして──
「相田くんさー、教室の中……気になる?」
瑠璃子さんの方から言及してきた。
思わず、僕の目が丸くなる。
「え……い、いや?どうだろう?」
気にならない、なんて見え見えな嘘は吐けなかった。
だから、誤魔化すような言葉を口にしたのだけれど──
「あのさ……一緒に、入ってみない?」
「え?」
「前からあーしも気になってたけど、ここって男子同伴じゃないと入れないから……」
瑠璃子さんの言葉に僕は目を見開いた。
性行為を行うための部屋に一緒に入らないか、なんて……誘ってるような……いや、きっと、瑠璃子さんはそんなつもりで言っていない。
僕の考えすぎだ。
「……そ、それは……その」
そう思いつつ、なんて返そうか悩んでいると……瑠璃子さんが口を開いた。
「ってー、のは冗談。え、えへへ、本気にしちゃった?ごめんね?冗談冗談、冗談だから。あはは」
そう誤魔化すように瑠璃子さんが笑った。
しかし、どうにも冗談を言っていたようには見えなかった。
都合が悪くなったから冗談だと誤魔化したように見えた。
……だから、僕は少し悩んで、瑠璃子さんに目線を合わせた。
「……僕も、ちょっと教室の中が気になるかな。瑠璃子さんが良ければ見てみたいけど」
なんて、口にした。
誘ってるみたいで恥ずかしいけれど、きっと互いにそういう目的ではないと思ってるし、大丈夫。
瑠璃子さんには今日、親切にしてもらったし……僕に出来る事ならしてあげたい。
そう思って口にしたのだけれど──
「な、なら入ってみよっか!うんうん、気になっちゃうもんね、仕方ないし」
瑠璃子さんは恥ずかしさを誤魔化すように、早口でそんな事を言っていた。
なんだか落ち着かない様子だ。
「あ、うん……『性行為実習室』に入るのに、何か申請とか必要ないのかな?」
「え、いらない筈……多分。入っている間は『空室』のプレートを『行為中』に切り替えておけばー……って、本当にする訳じゃないからね?だ、大丈夫だからね?」
「だ、大丈夫だよ。分かってるから」
勝手に話して、勝手に自爆している。
マスクの上からでも分かるぐらい顔を赤くして、手振りで誤魔化そうとしているけれど……そんなに焦るような話だろうか?
「じゃ、相田くん。は、入ろっか?」
「うん」
瑠璃子さんは緊張したまま、プレートを『空室』から『行為中』に切り替えた。
……何だか凄い背徳感だ。
僕は苦笑しつつ、瑠璃子さんと一緒に『性行為実習室』に入った。
教室の中は保健室みたいだった。
教室の端に大きなベッド……そこを囲うカーテン。
隅っこにシャワー室もある。
ただ、明らかに普通の教室ではない物が色々と置いてあって──
「あ、これ……
戸棚にある開封済みの箱を覗けば、
しかもサイズ別で幾つか。
側には……こう、大人の玩具も置いてある。
……保健室ってより、保健室風のラブホって感じだ。
そんな部屋に瑠璃子さんと一緒に居るのは気まずい。
その気まずさを誤魔化すために、僕も教室の中を物色する。
「……これ、下着?」
未開封のビニール袋に入った男性用っぽい下着を見つける。
市販品じゃないっぽいし、ホテルのアメニティみたいだ。
……こんなのに学費が使われてると思うと、変な気分になるな。
まぁ、僕は払ってないし、国から支給されてるんだけど……って事は、これ税金ボクサーパンツなのか?
変な事を考えながら下着を眺めていると、瑠璃子さんと目があった。
「……へ、へ〜」
興味津々、と言った様子で僕が持つ男性下着を見ている。
……?
あ、そっか。
貞操観念が逆転しているのだとしたら……美少女が、女物の下着を持っているような状況か。
普通の男子高校生なら興奮するような……いや、ちょっと特殊な状況だな。
僕には分からないや。
「あっ」
僕が下着を戸棚に戻すと同時に、瑠璃子さんは取り繕うように目を逸らした。
もう遅いけど……気付いていないフリをしてあげよう。
そうして再び、部屋を物色する。
本棚には、幾つか本が置いてある。
タイトルは、どれもこれも……あれ、だけど。
『よく分かる性行為』とか『四十八手全集』とか、そんなのばかりだけど。
まぁここ『性行為実習室』だから、それが普通……なのかな?
分からないけど。
しかし……本棚の一段目と二段目はみっちりと本が詰まってるけど、三段目に隙間が空いている。
誰かが本を抜き出して、持ち帰ったのだろうか。
なんて事を考えつつ、僕はちらっと瑠璃子さんを見た。
「…………」
瑠璃子さんは……僕に背を向けて、本を読んでいた。
机に置かれた本を何やらジッと見つめている。
何を読んでいるのか気になるし、声でも掛けようかと近付いてみると──
本の内容が目に映った。
それは無修正の男性の裸体、その写真だった。
「……へー……モザイクなしだと、こんなんなんだ……」
それを見ながら、瑠璃子さんは小声で何やら言っている。
真剣な顔で本を見ているけれど……これ、僕はどういう反応をすれば正解なんだ?
読んでいる事を異性にバレるのは恥ずかしいかもしれないし、ここは離れるべきか?
そうだ、離れて何か話題でも振って、気付かないフリを──
「……あ」
「あっ」
目があった。
「「…………」」
互いに黙る。
気まずい状況の中、瑠璃子さんが苦笑した。
「と、取り敢えずさー……見なかった事にして、くれる?」
「う、うん」
「ありがと……あ、あはは」
「はは、はは」
そうして2人、気まずい笑みを浮かべてベッドに座った。
椅子がなくて、ここぐらいしか座る場所がない。
「「…………」」
……何だか恥ずかしくて、気まずい。
そして、身体が熱い。
興奮した所為だろうか。
僕はブレザーを脱いで、ベッドに置いた。
「……えっ」
その音に瑠璃子さんは驚いたような声をあげて、僕を凝視した。
「え?どうかした?瑠璃子さん」
「い、いやぁ……その、何で急に脱いだのか気になっちゃって」
「あー……少し身体が熱かったからね。冷まそうと思って」
「……そ、そっかー」
瑠璃子さんはマスクの上から分かるぐらい、顔を真っ赤にして……そして──
「相田くんって、さー……」
「え?うん?」
「危機感、なさすぎじゃない?」
「……え?どういうこと?」
危機感?
何か危険なもの、ここにあったっけ?
そんな事を考えていると、瑠璃子さんが少し近付いて来た。
「あ、あーしだってさ、女なんだよ?分かってる?」
「そ、それは……うん。分かってる、けど?」
だって、凄く良い匂いするし。
可愛いし。
今も僕、ドキドキしてるし。
「わ、分かってないし!今も……あ、あーしから誘ったけど……こんな部屋に、女と2人で入って来ちゃって……」
「い、いや、でも……そ、そうかな?瑠璃子さんはそういう事、しないよね?」
困惑していると、瑠璃子さんがまた擦り寄ってきて──
肩を押された。
「っ、え?木谷、さん?」
ベッドに転がった僕に対して……瑠璃子さんが、馬乗りになった。
顔を真っ赤にして、恥ずかしそうな表情で。
「な、なにを──
「ほ、ほら!こんな風に、怖い女の人に押し倒されるかもしれないから……!」
「こ、怖い……?」
こ、怖い女?
いや、瑠璃子さんはめちゃくちゃ可愛いけど……。
と、というか、丁度、瑠璃子さんのお尻が……僕の股間の上に──
「だからさ、もうちょっと気を付けた方がいいって……こういう怖い目に遭いたくなかったら──
ちょっ、瑠璃子さんが動く度に擦れて、あ、やばっ──
「っ、え?」
瑠璃子さんの尻に、僕の固い物がぶつかってしまった。
……終わった。
絶対に、嫌われた。