※この作品はR-18です。

リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する   作:霧江

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あれスイッチ2って発売日まだですよね?
俺の元に届いてないぞ?
ああ、落選したっけ…(涙)


72時間

俺が上原家で居候して大体三週間。

俺は部屋で一人思考していた。

美鈴は前日の情事で疲れて昼寝をしているし、岬ちゃんは先ほどの調教で絶頂して気絶している。

というわけで、珍しくも一人の時間ができたのでスマホに考えをまとめていた。

 

ここ三週間という短い時間で、上原家は完全に壊れてしまった。

いくら聞き齧った心理学のテクニックを使ったとしても、これは早すぎるかなと思う。

子供の岬ちゃんは精神が未熟だから仕方が無いとは言え、大人の美鈴はこんなに上手く行くはずがなかった。

それだけに美鈴が特殊なケースだったということだった。

 

子供とは違い、自身の価値観が確立している大人はこう言った心理学テクニックはあまり通じない。

特殊な環境に置かれない限りは、自身の価値観を変えることなんてそうそう無いことだ。

これが世界Aの俺が検証してみた結果、出した結論だった。

しかし、美鈴は良家の娘として、恋愛経験がないくらいに人生経験が薄い。

しかも、お客さんが来ているのにリビングでオナニをするくらいに自身の欲望に忠実な人間だった。

そんな美鈴だから俺のテクニックは通じた。

 

世界Aの俺は前に言った通り、風俗に命をかけるような人間だった。

そのせいで俺はいつも金欠状態で、バイトや日雇いで命を繋いでいくような人間だった。

それで金を得たいがために、俺は一時期心理学にハマったことがある。

当時の俺はなけなしの金を使って心理学の書籍を買ったり、図書館で本を読んだりしていた。

浅ましい俺の考えでは心理学を用いて、風俗嬢のヒモになろうとしたけど、そう上手くはいかなかった。

 

「これは黒歴史だったけど…」

 

大体、殆どの心理学の実験は統制された環境の中で、時間をかけてするものが多い。

そもそも一般人の俺としては再現ができないと言うことだ。

しかも、それらの実験が後になって、無意味なものだったと明かされることも多かった。

 

有名なものだとマシュマロテスト、これは富裕層から貧困層までの子供を集めて、彼らにマシュマロを与えるという実験だ。

内訳としてマシュマロを食べずに我慢したら、マシュマロを二つ与える、ここで我慢できた子供は社会的に成功する

確率が高いと言う内容の実験だ。

結論から言うとこれは失敗した実験だった。

 

「世界Aの俺も完全に信じ込んでいたけどな…」

 

前述したとおり、マシュマロテストの対象は富裕層と貧困層の子供だった。

この実験ではそんな成長背景を完全に排除して、マシュマロを我慢できるかどうかのみを成功の基準にした。

普通に考えれば裕福な家庭で育った子供は、マシュマロ一つに命をかけたりしない。

マシュマロなんて数あるお菓子の一つに過ぎないから、貧困層の子供と違い、いくらでも我慢ができる。

それに彼らは元々金持ちだから、親の家業を継ぐだけで成功者になり得るのだ。

 

「そりゃ実験が成立しないんだよね。」

 

このように心理学というのは、人の心を研究するものだから、ちゃんとした実験設定が難しい。

そして間違った実験から生まれた理論はそもそも使えないのだ。

だから、心理学のテクニックを使うとしても、それが実際に効果があるのか見極める必要がある。

 

「それが洗脳…」

 

そう、洗脳だった。

意外かも知れないが、洗脳というのは実際に使える心理学のテクニックだ。

洗脳というのは中国から生まれた技術で、人を共産主義者にするために生まれたものだった。

実際に洗脳の被害者も多々あり、自由を信じていたアメリカ人が共産主義者へと変貌したケースもある。

洗脳は恐ろしくも強い効果を持っており、一度洗脳に掛かったら抜け出すことは難しい。

 

「だけど、条件が厳しい。」

 

洗脳は条件が厳しかった。

世界Aの俺はその条件を知って、洗脳を使うことを諦めた。

それは普通のフリーターには到底無理なことだった。

その条件というのは人を72時間の間、拘束して洗脳したい内容以外は何の情報も与えないこと。

 

人の脳は72時間の間に一つの情報に露出され続けると、その情報に洗脳されるという。

実際にこれはカルト宗教などでも良く使う方法だ。

因みに、これに掛からないためには、72時間ずっと洗脳内容に対して、反論し続ける必要がある。

 

閑話休題

 

「通常なら難しい条件だけど、上原家は出来る。」

 

上原家は今や俺の手の中にいた。

美鈴はセックスのためなら、俺の言葉は何でも聞くし。

岬ちゃんも美鈴に俺を取られないように必死で、俺のお願いはどんなものでも聞いてくれる。

 

「本当に二人とも可愛いなあ」

 

それにこの時代にスマホがない人の情報入手手段なんて学校かテレビしかない。

俺が頼めば数日テレビを見ないことなんて普通にやってくれるだろう。

そうなると問題は学校だけど、これはこの時期が問題を解決してくれる。

そろそろ5月にだけど、5月にはゴールデンウィークがある。

 

「タイミングが良かったな。岬ちゃんはこの機会を逃したら、洗脳が難しくなる。だから、岬ちゃんが優先だな。」

 

だが、洗脳とは無敵の方法ではない。

ある事実を人の脳に吹き込むことに成功したとしても、その事実が持続的に否定されると普通に洗脳は解ける。

だから、俺が吹き込むことは否定されづらいものである必要があった。

 

「恋愛観なんてどうだろう。恋愛観を人から指摘されることはないし、普通にクズみたいな男が好きという主張をしたとしても変な趣味と言われるだけで、否定はされない。」

 

その上、恋愛観は誰かから教えられるようなものではない。

つまり、恋愛観を歪められたら、もう二度と元に戻ることはないということだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

4月の最終週、岬ちゃんの洗脳計画に前立って、俺は美鈴を説得することにした。

と言っても美鈴の説得はそこまで難しくない。

美鈴はすでに俺に娘の人生を捧げている悪い母親だったのだ。

俺はセックス勉強を始める前に、美鈴にこういった。

 

「美鈴、今回のゴールデンウィークに俺は岬ちゃんを完全に俺のものにするつもりだよ。」

 

唐突な俺の言葉に美鈴は驚いたような表情をしていた。

 

「瑛二、急にどうしたの?」

 

美鈴は俺に言葉の真意を問いただしてきた。

俺は、俺の計画をわざと詳細に伝えることにした。 

岬ちゃんの恋愛観をぶっ壊して、洗脳して、岬ちゃんを俺だけを考える奴隷にする。

そのことを聞いた美鈴は軽く笑いながらこう答えた。

 

「ふふっ、今更ね。私はすでに全てのものを貴方に捧げているのよ。言葉通り全て、私の体も、知識も、お金も、この家も。そして、岬の人生だって、その例外ではないわ。」

 

「本当に悪い女だね、美鈴。しかし、だからこそ愛らしいよ。」

 

俺は美鈴の頭を撫でた。

美鈴は気持ちよさそうに目を閉じた。

本当にとんでもない女だ。

 

「それに最近、私も体力の限界を感じていたの、瑛二の性処理に岬が加われば、私も少しは楽になるかなって。」

 

…本当にとんでもない女だった。

ここ一週間はほぼ寝かせずに、快楽漬けの生活を送っている。

しかし、俺が意図した結果だとしても、それを美鈴が自分の口でいうのはまた違う話だ。

性欲と自分可愛さで娘の人生を売り払うとは、本当に悪い女だ。

 

「美鈴は本当に悪女だ。自分可愛さで娘を売り払うの?」

 

俺は敢えて美鈴を責めるようなことを言った。

 

「瑛二、貴方が私をそうしたのよ。私を完全に壊したのは、貴方。私は瑛二のためなら何でも出来るよ。岬を差し出すことだって喜んでできるわ。ちゅっ」

 

そう言って俺にキスする美鈴。

美鈴の目は真剣そのものだった。

 

「私はどうしたらいいの?」

 

娘を壊す手伝いを自分から進んでやると言い出す美鈴。

俺はしばらく悩んだけど、特に美鈴にやってもらうことはなかった。

 

「ふぅん、美鈴が実際にやることは食事の準備以外はほぼ無いな。」

 

「そう?必要だったら、何でも言ってね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「岬ちゃん、入るよ。」

 

「いいよ、入って入って。」

 

俺は岬ちゃんの部屋に入った。

岬ちゃんはどうやら勉強をしているらしかった。

流石は模範生というところか。

 

「邪魔だったかな?」

 

「そんなことないよ!」

 

岬ちゃんは即座に勉強をしていた手を止めて、俺に向き直る。

 

「エイちゃんがこの時間にくるなんて、珍しいね。」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ!あたしは嬉しいからいいけど!」

 

岬ちゃんは嬉しそうにして俺に抱きついてきた。

そして俺の胸ぐらに顔を埋めて匂いを嗅ぐ。

岬ちゃんにオナニを教えて、キスをしたその日からのこと。

最近は岬ちゃんからのスキンシップがさらに遠慮がなくなってきた。

 

「にしし、エイちゃんの匂い落ち着く。」

 

「よしよし、岬ちゃん可愛いね。」

 

俺はいつも通り岬ちゃんの頭を撫で撫でした。

今日岬ちゃんを訪れた理由は、俺が出した命令をちゃんと実行しているか確認するためだった。

 

「岬ちゃん、この前の命令のことだけど、ちゃんとやっているの?」

 

「うん!あれね!毎日ちゃんとやっているよ!」

 

笑いながら肯定する岬ちゃん。

岬ちゃんは最近俺の心を掴むために、忠誠ごっこにどっぷりとハマっていた。

岬ちゃんは忠誠ごっこをすればするほど、俺との関係が深まると考えている。

だから、月曜日以外はほとんど忠誠ごっこをしようとせがんでくるようになった。

その命令というのも忠誠ごっこの一環だった。

 

「でも、録画されてなかったよ。俺に嘘をついたの?」

 

俺は岬ちゃんにその命令を遂行する姿をとるように指示した。

しかし、岬ちゃんは命令を遂行する自身の姿を撮影してなかった。

 

「えっとね。それが音楽を再生しながらだと、録画ができなかったの。エイちゃん、復唱が一番大事だと言ったから。」

 

「そうなんだ。」

 

俺は岬ちゃんの話で、録画がされてなかった理由に納得した。

 

「復唱するものは全部覚えたの?」

 

「うん!」

 

岬ちゃんは元気に答えた。

やはり岬ちゃんは物覚えがいいタイプだ。

そんな頭をこんなゴミのようなもののために使うとは、俺は少し興奮した。

 

「じゃあ、俺が撮ってあげるから、やってみて。」

 

俺はそんな岬ちゃんの姿を撮影し始めた。

岬ちゃんは俺にビシリと敬礼をした。

まるで軍人みたいな敬礼だけど、これは撲殺戦隊で取ってきたポーズだ。

 

「あたしは瑛二様の奴隷です。」

「あたしは瑛二様の命令なら何でもします。」

「瑛二様の命令の前であたしの意思は無意味なものです。」

「瑛二様の言葉は絶対に正しいです。」

「瑛二様のために何かをやるのは、あたしの喜びです。」

「あたしは瑛二様を愛してます。」

 

真剣な顔で変な言葉を唱える岬ちゃん。

岬ちゃんの狼っぽい顔立ちでこれを唱えているところをみて、俺は最高に興奮した。

俺は未来の上原岬弁護士がこれを唱える姿を幻視した。

背中がゾクゾクしてきた。

 

そう、これは洗脳ごっこの時使った構文である。

岬ちゃんにはこれを毎日毎晩唱えて寝るように命令している。

これに効果があるかは未知数だけど、思考誘導効果的な何かを期待している。

まあ、本番はゴルデーンウィークだけどね。

 

「いいよ。岬ちゃん最高にアホっぽいよ。」

 

「ぶう、アホっぽいって、何なの。」

 

頬を膨らまして、不満を表出する岬ちゃん。

岬ちゃんはプンスカと起こっている。

 

「俺はアホっぽいの好きだよ。岬ちゃん、アホっぽくて最高に可愛いかった。」

 

「にしし、じゃあ、あたしアホでもいいよ。」

 

俺が褒めると岬ちゃんはすぐに怒りをおさめた。

ちょろい、岬ちゃん色んな意味で美鈴似の娘であった。

俺は岬ちゃんに先ほど撮った映像を見せてやる。

 

「うわあ…エイちゃん、これ恥ずかしい。」

 

頬を染めて羞恥心を露わにする岬ちゃん。

俺はそんな岬ちゃんの頭を撫で撫でした。

すると岬ちゃんは気持ちよさそうに目を閉じている。

本当に美鈴そっくりである。

 

「俺のために、恥ずかしいことをしてくれて、ありがとう。これから岬ちゃんにはもっとひどいことをするかもしれないけど、許してくれる?」

 

「?」

 

岬ちゃんは俺の言葉に首を傾げた。

 

「そうしたら、エイちゃんは私を好きでいてくれるの?」

 

岬ちゃんはそう質問した。

俺は岬ちゃんから美鈴を奪った。

俺は岬ちゃんから幸せな家庭を奪った。

母親を考える純粋な心さえも、俺が奪った。

もう岬ちゃんには俺に縋ることしか道がない。

 

「もちろんだよ。」

 

俺は頷いた。

俺の提案を断ったとしても、岬ちゃんを幸せにすることは決定事項なのだ。

頭の中でいつかの美鈴の言葉が漂う。

 

『それに瑛二が岬ちゃんを不幸にはしないって信じているわ。』

 

君を地獄に落とした俺だけど、最後にはきっと幸せにしてあげる。

独善的で最悪だけど、それだけは誓うよ。

だから、許してほしいな。




瑛二は世界Aで風俗を通いながら、趣味で心理学の本を読んでました。
そのために、キャラに合わない感じでたまに心理学用語を使ったりしてます。
パブロフの犬がその例ですね。

話は変わってきますが、洗脳について、これは本当に効果があります。
世間では普通に洗脳を使った犯罪が起こったりもします。
カルト宗教やねずみ講がその最たる一例になります。
洗脳を回避するためには、作中で言った通り、洗脳内容に72時間の間ずっと反論したりする必要があります。
しかし、72時間の法則を緩和するために、犯罪組織はクスリをつかって、人の認識を破壊する集団もあったりします。
なので、洗脳を避ける最も簡単な方法は、そもそも怪しい集団についていかないことが一番です。
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