リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
興味はあったけど、結局買ってはおりません。
私は今もその頃を思い出して後悔をしてます。
当たり前だけど、岬は妊娠したりはしてなかった。
妊娠のことはあくまでも岬の忠誠を確認するための話で、岬には予め避妊薬を飲ませていた。
妊娠に関する知識がなかった岬としては普通に妊娠すると思っていたみたいだった。
自身の未来がまだ輝かしいと言うことがわかったのに、岬はそれを喜ぶところかこんなことを言ってきた。
「え、瑛二の子供産めないの?」
ガクンと衝撃を受けている岬。
岬は本気で俺の子を授けたいと思っていたらしい。
俺としても岬と俺の子供は欲しいけど、それは今ではない。
岬を完全に手に入れた今でも、過去改変は起こらなかった。
つまり、岬は弁護士になれてないし、俺が逮捕される未来にも変わりがないと言うことだ。
そんな状況なのに子供を産むなんて無責任なことはできない。
岬を不幸にすることはできない。
俺は何とか岬を宥めるようにした。
「今はまだね。妊娠は大人になってからだよ。」
「絶対だよ!はい、約束!楽しみだなあ…」
岬は本気で俺の子供を授かることを期待しているみたいだ。
そんなに期待してくれるなんて俺も嬉しいと思った。
しかし、岬が大人になるまではちゃんと避妊をする必要があるな。
それともう一つ、上原家には大きな事件があった。
ずっと戦争状態だった上原家に平和が訪れた。
以前までは岬と美鈴が俺を取り合って、バチバチと睨み合った二人だけど、何とか和解した。
岬の洗脳が終わった後に、俺たちは美鈴と三者対面をした。
「岬、ごめん。俺は美鈴とも付き合っている。」
「そう。それで岬は二番目ね。」
俺は少し緊張しながら岬に真実を告げた。
別に言わなくても良かったけど、何故か岬には隠し事をしたくはなかった。
美鈴はこんな状況でも岬にマウントをとっている。
本当にとんでもないお母様だ。
「そうなんだ。」
しかし、岬は特に驚いた様子はなかった。
「知ってたよ。お母さんも瑛二の言葉は絶対って言ったでしょう?それってお母さんの彼氏も瑛二だからだよね?」
岬は洗脳の時には既に俺たちが付き合っていることを気づいていたらしい。
さすが岬は聡い子だった。
「怒らないの?」
俺は恐る恐る岬ちゃんに質問する。
「なんで怒るの?」
逆に岬はケロッとした表情で俺に聞いてきた。
「岬は俺に他に恋人があってもいいの?」
普通は恋人を多数持つなんて悪いことだ。
そんなことが当たり前なのに、岬は何ともなかった。
腹上死を知らなかった美鈴だったら、怒り狂っていただろうに。
幸いにも岬は美鈴の嫉妬心を受け継いでないようだった。
「いいよ。」
岬はあっさりと肯定した。
「いいんだ…」
「岬、本当に大丈夫なの?」
俺は呆気に取られてぼうっと呟く。
いよいよ、美鈴が逆に岬の心配をし始めた。
真剣な声で岬に問いただす美鈴。
「大丈夫だよ!あたし、お母さんに嫉妬もしたことあるけど、でも、あたしはお母さんも好きだから!それにお母さんも一人で寂しかったでしょう?お母さんも幸せになれるなら、あたし、二番目でも大丈夫だよ!」
輝かしい無邪気な笑顔で答える岬。
あろうことか岬は美鈴のことも心配していた。
本当に惚れ惚れする笑顔だ。
俺は岬に見惚れていた。
しかし、美鈴はそうでもなかったみたいだ。
どこか苦しいそうな表情をしている。
美鈴にもまだ人の、母の心が残っていたみたいだ。
美鈴は岬と違い、洗脳されていない。
だけど、全ては自分の欲望で自分の意思でやったことだ。
今までは欲望に目が行って、娘と向き合ってきてなかったけど、ここでやっと美鈴も岬と向き合った。
そして、美鈴は岬に全てを告白した。
自分の性欲のために、俺を家に招き入れたこと。
自分の性欲のために、俺を誘惑して、岬の友人を奪ったこと。
自分可愛さで岬の人生を俺に差し出したこと。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。私のわがままで…」
「ううん、大丈夫だよ。お母さん、ありがとう。瑛二をこの家に入れてくれて、瑛二にあたしを差し出してくれて、あたしを洗脳してくれて。あたし今最高に幸せだよ。そして、これからも大丈夫、だって、瑛二が、お母さんがあたしを幸せにしてくれるでしょう?」
岬は輝かしい笑顔ですべてを許してくれた。
その言葉を聞いた美鈴は泣きながら岬に抱きついた。
俺も何だか申し訳なさそうな気持ちになった。
だから、これ一つは誓うよ。
「俺、誓うよ。絶対に二人を幸せにする。」
こうして上原家にやっとのこと、平和が訪れた。
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色んなことがあったゴールデンウィークも最終日を迎えた。
その間も俺はセックスと勉強で有意義な休日を過ごした。
勉強については、一人で勉強をする方法をある程度身につけた。
岬と美鈴をセックスで気絶させたりした時は、一人で勉強をしたりした。
そのおかげか、俺の学力はかなり良くなったと思える。
俺は成長している、そう実感を感じることができた。
問題集を解いた時も、当たっている問題が多くなってきたのだ。
しかし、過去改変は一向に起こる気配がない。
一応説明書には大きな変化があった時だけ、過去改変が起きるとはなっていた。
だけど、今回は何も起こらなかった。
何が問題だろうと悩んでみても結論は出ない。
「一体どうすればいいだろう?」
声に出して悩んでみたところで、俺の足りない頭では結論が出ない。
だからと言って、これを岬か美鈴に相談することも憚れる。
岬と美鈴に嫌われることはごめんだ。
俺がそうやって悩んでいたところ、電話のベルがなった。
俺は美鈴かと思って電話をみたけど、お父さんからの電話だった。
「珍しい、お父さんだ。メールとかはちょくちょくきてたけど、電話は初めてかも。」
それだけ、父は忙しいかった。
そんなお父さんから来た電話だ。
何かの急用かもしれない。
俺はすぐに電話に出た。
「もしもし、お父さん?」
「瑛二、お父さんだ。最近はどうだ?お父さんはやっと仕事が落ち着いた。」
久しぶりの父の声は元気そうだった。
仕事が落ち着いたと言っているから、急用でもなさそうだ。
「俺は元気だよ!み…上原さんも岬…ちゃんも俺に良くしてくれているんだ。」
俺はなるべく元気に明るく答えた。
危うく、美鈴と岬を呼び捨てにするところだったけど、俺は何とか誤魔化した。
父は俺のそんな声を聞いて、安心したようだった。
「そうか、それはよかった。」
額面だけ見たら、特に問題ないけど、父の雰囲気には何か含みがありそうな感じだった。
「どうかしたの?」
俺は父に事情を聞いてみた。
「今、母さんは大変みたいでな。瑛二は元気で良かったよ。」
そうか、介護は大変な仕事だからな。
母もなかなか電話をする時間が取れてない。
「そうなんだ。お母さんは大丈夫?」
「ああ、瑛二が心配することはない。」
父はそう言った。
しかし、これは俺を安心させるために言ったのかな?
だとしたら、あんまり安心はできないけど…
まあ、父の配慮を無下にはできないから、ここは父を信じることにする。
俺はそこからさらに追求することはやめた。
「そういえば、お前の誕生日だったな。何か欲しいものはないか?」
父は強引に話題を変えてきた。
誕生日か、そういえばそうだったな。
世界Aの俺としてはもう誕生日を覚える意味がなかったので、忘れていた。
周りに人がいなかったからな。
言われてみれば俺の誕生日は6月だった。
もうすっかり誕生日を過ごす習慣がなくなって忘れていた。
「欲しいものか…」
急に欲しいものと言われたところで特に欲しいものはなかった。
俺はしばらく考えてみたけど、特に答えは出てこない。
子供らしいものの方がいいのかと思ったけど、もらっても使わないだけだろう。
それだとパソコンとか?
いや、スマホがあるから意味はないか。
「ううん…」
俺は思案に老けていた。
あ、一つだけあるかも。
しかしなあ、これを買ってくれるのか?
ダメ元だけど、言うだけ言ってみるか。
「お父さんデジタル通貨って知っている?」
「デジタル通貨?」
父は特に知らないという感じだった。
それもそうか、この時代にはあんまり有名ではない。
というか、この時代にはデジタル通貨が史上最低の評価を受けていた時期だ。
「なんかね。スマホで見たけど、未来には紙のお金が消えるんだって。」
「ふうむ、そうだろうか。」
父は俺の言葉を聞いてもあんまりピンと来ない感じだった。
この時代の人に仮想通貨の素晴らしさを説明してもわからないことは当たり前か。
父の声からは微塵も興味が感じられない。
何か知らない単語を言われたなくらいの反応だ。
本当に興味なさそうだなと思った俺は父に仮想通貨の価値を説く事を諦めた。
「うん!そうなんだって。電子通貨って何か格好いい響きだから、それが欲しいな!」
その代わりに俺は子供らしく、何かいいとか格好いいから適当に理由づけをしておねだりをする感じに切り替える。
父に俺の熱意が伝わるようになるべくテンションが高めの大声で話をする。
「そ、そうか、」
そんな俺の熱意に父は少し引いている感じだった。
こんな俺を見たのは初めてだからなのだろう。
俺も父にこんな風に何かを熱情的に強請ってみた覚えがない。
でも、これが成功したら、未来で金を稼ぐという目標を一気に達成できる。
「そうだよ!」
俺はさらに押し気味に答えた。
そこでやっと父は俺の勢いに負けた。
強請ることがほぼなかった、俺のおねだりは新鮮なものだったのだろう。
父もこんなに強請られたのは初めてだから、せっかくなら買ってやるかという気持ちになったのかもしれない。
「わかった。どれくらい欲しいんだ?」
父は俺にそれが何個欲しいんだと聞いてきた。
これは多ければ多いほどいい。
しかし、無理を言っても父は叶えてくれないだろう
これはあくまでもダメ元であることを忘れてはいけない。
「100個!」
俺は小学生らしい単位を言い放つ。
俺のイメージとしては、小学生はいつも100を言っているイメージがあった。
そんな微笑ましい感じを演出するために俺は100個という数字を出した。
「100個か。」
だが、電子通貨を100個を買おうとしたら、未来ではとんでもない金額になる。
とても買えそうなものではないけど、先ほども言ったけど、2015年は史上最も電子通貨が安い年だった。
スマホで調べたところ、2万ドル、円に換算すると2,400,000円だ。
今のように買えない額ではない。
「…わかった。考えてみる。」
父は一応俺の話を承諾する形で話を打ち切った。
恐らく、仮想通貨の価値をまだ知らないからできる言葉だ。
未来に比べて安いとはいえ、小学生にするプレゼントとしてはとんでもなく高いものだ。
一応、100個とは言ったけど、全部もらえるなんて思ってもない。
せめて、10個、1個でもそこそこの金額には違いない。
「瑛二、何か言いたいこととかはないか?」
「特にないよ!」
父は休みの時間が終わったのか、最後の最後に俺に確認してきた。
俺としては特にいうことはなかったので、そのまま話をしめた。
「何かあったら、いつでも電話して来い。」
「わかった。」
父は俺に念を推してきた。
不器用だけど父は俺を本当に心配してくれているんだなと感じた。
「お父さん、またね!」
「ああ、また電話するよ。」
俺は電話を切った。
「これでもダメか。」
相変わらず過去改変はなかった。
恐らく、父は俺に仮想通貨を買い与えなかったのだろう。
240万円は高いからな、仕方がない。
何か別の方法をまた考えてみるか。
やっと、平和を取り戻すした上原家。
しかし、その有様は大きく変化しました。
美鈴はやっと娘と向き合って嫉妬の炎を消化することにせいこうしました。
次の話くらいに現代編が入る予定です。