リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
※日刊ランキングオリジナル5位ありがとうございます。
こんな駄作が5位とは本当に信じられない出来事です。
本当に嬉しくて今日一日中ソワソワしていました。
本当に言葉を尽くしても今の気分を表すことは出来ないと思います。
感想としては、もっと日本語の勉強頑張ります。
誤字修正していただいた方、本当に、誠にありがとうございました。
凄まじい量の修正をやって頂きましたので、本当にその方には頭が上がりません。
住んでいる方向を教えて頂きますとそこには二度と足を向けて寝ないことを誓います。
今日は20日の土曜日。
俺は27日に西之宮さんが事故に遭う例の頂上に来ていた。
「うわぁ…、また罠が出来ている。」
俺は引き気味でため息をついた。
今ではすっかり手慣れた感じになったけど、毎日のように出来ている罠を見ていたら気が滅入りそうになる。
「本当になんなんだよ。」
俺は悪態をつきながら罠の撤去作業に入った。
罠の撤去と言ってもそんなに大層なものでもない。
ただ、下に編み状で置かれている木の枝を崖に落とすだけの簡単な作業。
それでも転落の危険性があるから俺は細心の注意を払って作業を進める。
「よいしょっと」
俺は崖に何かの拍子で下に落ちないように丁寧に手袋をした手で木の枝を崖の下に落とした。
今回を含めると俺はこの罠を4回壊したことになる。
6日の間に4回、俺はかなり無理をして罠の破壊をやってきた。
もう岬と美鈴にする家を抜け出す言い訳もなくなって、二人を気絶させてから出てくる始末である。
「しかし、凄まじい執念だな。」
1回目の罠の撤去は初めて罠を発見した日から、2日が過ぎた火曜日だった。
罠は綺麗に修復されていた。
家にお気に入りの服を置いてきたという苦し紛れの言い訳で抜け出してきた甲斐はあったと言えた。
それのせいで俺は岬と美鈴にお気に入りの服とやらを見せる羽目になったけど。
「あれは恥ずかしかったな。なんか二人とも格好いいとかで煽ててきたからな。」
2回目の罠の撤去もまたそれから2日が過ぎた木曜日。
その時も変わらず罠は修復されていた。
因みに岬と美鈴に対する言い訳は、家に中学受験の参考書を置いてきたということ。
言い訳が言い訳だから、1時間も時間を使うことは可笑しい。
だから、俺は急ぎで山に登って、急ぎで罠を破壊してきた。
「その日は滅茶苦茶走ったんだよね。心臓が爆発して死ぬかと思った。」
通常なら20分は掛かる山みちを12分で踏破した。
子供特有の無限の体力がなかったら出来ない強行軍だった。
流石に汗まみれになって帰ってきた時は疑われたけど、俺は機転を利かせた。
咄嗟に家でエアコンを付けずに参考書を探していたという言い訳をした。
夏前と言えど、6月は普通に暑いから二人は納得した。
「我ながら素晴らしい瞬発力だった。」
それから少なくとも犯人は2日に一回のペースで罠を確認していることを知った俺はもしかしてと思った。
だから3回目は、2回目の撤去の次の日である金曜日に連日で行った。
そして俺の良くない予感は残念ながらも当たっていた。
連日の確認だったにも関わらず、罠は修復されていたのだ。
しかも、念のための確認として立ち寄った今日もまた罠は修復された。
これでこの罠を設置した犯人はここに毎日来ていることが確定した.
「本当に鳥肌が立つな。毎日ここの山を登ってきて、罠を設置するとか。それも簡単ではないはずだけど。誰かを怪我させるためだけのためにこれだけの努力が出来るなんて、犯人はとんでもないいかれ野郎だね。」
撤去とは違って、罠の設置には相当努力と時間がかかるはずだ。
山を上り下りするのに35分という時間、それに加えて罠を設置する時間を毎日使っている。
「これだけ巧妙な罠を作るのだからね。10分どころか、20分以上時間がかかっても可笑しくはない。」
しかも、罠が自然に見えるように、頂上ではないどこかで木の枝と草を調達している。
どこかから大量のそこそこの長さの木の枝と草を運び込んでは、それを目立たないように罠を作りあげる。
それを毎日の如くする人間はどんな人間なんだろうか。
「そんな人間と同じ街に住んでいるとか、本当に恐ろしいな。」
俺はぶるっと身震いをした。
「これはもう警察に言った方がいいのか?」
俺は本気で悩んでみたけど、それはいい考えのようには見えなかった。
今の所、この罠による被害者は誰も出てない。
そんな状態で警察に通報したとしても警察は対応はできないだろう。
それに犯人が動物用の罠だったと言い逃れしたらそれだけだ。
「実際にどうかは分からないけど、現実的な案ではない。通報することによって、西之宮さんがこの山にきた時、俺が来れなくなる可能性だってある。」
通報をしたら絶対に保護者には連絡が行くからな。
それで山に来れなくなったら、俺が西之宮さんを救うことが出来なくなる。
俺の計画は頓挫してしまう。
「はあああ、俺の計画か…」
俺の足りない頭としてはこれが最善だとは思っている。
警察に通報しても西之宮さんが助かるという確証はないからな。
しかし、それでも思ってしまう。
そもそも俺の計画なんかのために、西之宮さんを危険に晒していいのかと。
そんなことをしたら、俺は岬に顔向けが出来そうになかった。
「少なくとも岬には恥ずかしくない人間になるには…」
時間はまだある。
俺は色々考えてみることにした。
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6月27日土曜日、朝ごはんを食べた俺は家を出た。
今回は岬たちに特に言い訳はせずに、少し一人になりたいと言って出てきた。
二人は俺の真剣な表情に黙って頷いてくれた。
「時間は10時か。まだ昼までは時間がかなりあるな。」
俺はスマホを取り出して時間を確認した。
岬が言うには西之宮さんが事故に遭うのは昼くらいのことと言っていたから、もっと遅く出発してもよかったかもしれない。
だけど、俺はそうはしなかった。
いや、正確には出来なかったと言うのが正しい。
「色々考えてみたけど、あんなしょうもない計画のために岬の親友の西之宮さんを危険に晒すことは出来ない。」
それが俺が出した結論だった。
俺は未来の岬を思い浮かべる。
あんなにも楽しく親友のことを語っていた大人の岬。
その笑顔に比べれば、この一目惚れ乗っ取り計画なんて無価値なものだ。
だから、俺は計画を大幅に修正した。
「西之宮さんが罠に掛かる前に警告する。」
そうすることで一目惚れはされなくても、西之宮さんを危険に晒すことなく、好印象を与えることが出来る。
それが一週間を費やして、俺なりに考えた最善の方法だった。
「さてと、それでは山登りと行きますか。」
昼っていうのが、いつかは分からない。
これは人によって感覚がズレてくる表現だから、早ければ早い方がいいと思った。
俺は素早くに山を駆けあがっていく。
ここ二週間はずっとここを登っているからすっかり山道にも慣れた。
「だれかぁ…たすけてぇええ…」
「!!」
弱々しい女の子の声に俺はハッとなった。
素早くあの罠付近へと近づく。
すると、そこには金髪の女の子がいた。
彼女は両手で崖に捕まって、何とか落ちずに持ち堪えている。
火事場の馬鹿力で何とか耐えているみたいだった。
「大丈夫?今すぐ引き上げるから!」
俺がそう言った瞬間、彼女は安心した表情をする。
しかし、それは悪手だった。
俺が来たことで彼女は緊張がほぐれたのか手から力を抜いた。
「あ…」
彼女は短い声を上げて、崖に捕まっていた手を離してしまった。
「危ない!」
俺は咄嗟に身を投げて彼女の腕を掴むことに成功した。
幸いすぐ近くに木があったから、俺はそこに無理やり体を巻きつけて固定した。
「くっ」
力を振り絞って彼女を引き上げようとする俺。
しかし、子供とは言え人一人を引き上げることは大変だった。
そんな俺を見て金髪の女の子は不安そうな表情をしている。
そして、不安で彼女は足をバタバタし始めた。
「怖い、怖いよ。」
彼女は恐怖に耐えきれずにうわごとのように呟いている。
彼女の動きで俺の腕も徐々に力が抜けていく。
俺はそんな彼女を安心させるために作り笑顔をした。
「大丈夫、大丈夫だからね。じっとしてて。今から引き上げるから。」
腕と体の苦痛に耐えながら何とか笑顔で彼女を安心させる俺。
彼女は俺の笑顔を見て、やっとのこと足の動きを止めてくれた。
どうやらぼうっとしているみたいだったけど、この際どうだっていい。
俺の腕は彼女の腕を捕まえるために、彼女の体重を一気に支えたことで疲弊していた。
これ以上時間をかけたらこの子はもちろん、俺もやばい。
今ここで彼女を引き上げないと俺は死ぬ。
背筋を伝ってくる冷たい死の気配。
ここからは短期決戦だ。
「ぐああああああ!」
俺は目の前の現実に夢中になった。
ここで一気に引き上げないと俺は死ぬんだ。
そう頭に刻み込んで、死ぬ気で腕に力を入れた。
奇声とともに一気に彼女を引き上げる。
火事場の馬鹿力もあってか、俺は何とか彼女を引き上げることに成功した。
「はあはあ」
息切れをして倒れている俺。
その上に金髪の女の子が俺を覆い被せる形で倒れている。
俺たちはしばらくそうして生きているという事実を噛み締めていた。
「あ、あの、ありがとうございます。」
金髪の女の子は俺にお礼を言った。
俺は息切れで何も言えなかった。
「だ、大丈夫ですか?どこか怪我を!?」
彼女は俺の反応に驚いて俺の体を確認した。
「腕に血、血が…」
彼女は俺の腕を見て青ざめた顔で言った。
言われて見れば、片方の腕から暖かい何かが流れる感触がした。
俺は何とか左腕を持ち上げて見た。
赤くて、ドロドロとした感触の液体が腕にベッタリと付いていた。
うわあ、痛そうとどこか他人事のように考える。
今はアドレナリンで苦痛が感じられないけど、後になったらすごく痛そうだ。
多分、木に必死に縋り付いて、その時、木肌に擦られたのだろう。
そこまで深い傷にも見えなかったので、俺は彼女を安心させる。
「大丈夫、だよ。擦れただけ。」
「そんなことありません。こんなに血が流れているのに!」
そう言って彼女は俺の腕を抱きしめた。
俺の血が彼女の服と髪に俺の血が付いている。
俺は思わずこんなことを言った。
「大丈夫って、汚いよ?」
「私を救ってくれたあなたの血が汚いわけありません!」
そう言って彼女は自身が汚れろことなんて気にせず、俺の腕を自分の服で綺麗に拭き取ってくれた。
幸いにも大きな傷ではなさそうだ。
必死に木にしがみついていたから、血が腕に満遍なく塗り手繰られていただけみたいだった。
「よ、よかった。」
彼女は安堵のため息を吐いた。
そして血みどろになった服でもう一回俺の腕を拭いてくれた。
その過程で彼女の綺麗な金髪にまで血がついた。
「綺麗な金髪…なのに、勿体無い。」
無意識に呟いた一言。
それを聞いたのか彼女の顔は赤くなっていた。
「ありがとうございます。」
彼女はそう言って俺の上半身を優しく抱き上げた。
俺はやっと周りの状況を確認することができた。
その時だった。
急に大人の話声が聞こえてくる。
「絵里!」
「絵里に何かあったら私は…」
男性と女性の声がした。
恐らく西之宮さんの両親なんだろう。
「あそこです!」
それともう一人の声が聞こえた。
これは子供の声だった。
「お母さん、お父さん!」
目の前の金髪の子が二人の声に答えた。
やはりこの子は西之宮さんか。
金髪ということから予想はしていたけどな。
「絵里!?絵里大丈夫なの?」
「私は大丈夫!でも、早く来て!」
西之宮さんはそう叫んだ。
1分も経たない内に俺が来た方向と反対側で人が現れた。
先に姿を現したのは中々聡そうな見た目の男の子だった。
こいつは…宮崎検事で間違いないだろう。
続いてきたのはどちらも黒髪の夫婦だった。
恐らく西之宮夫婦だ。
俺は急展開すぎる状況において、何も言えずにいた。
「お母さん!お父さん!この人を助けて!」
絵里は両親を見るや否や、両親にお願いをした。
西之宮夫婦はそんな俺を見て怪訝そうな顔をした。
一体コイツは誰だという目線だった。
そんな時、宮崎検事と思しき男の子は爆弾発言をした。
「僕、アイツが絵里の背中を押しているところを見たんです。」
随分と信頼のある子供なんだろう。
西之宮夫婦の俺に対する目つきは、ゴミを見るような目になった。
世界Aを連想させて気持ち悪い。
しかし、どうしたものかな。
基本その場凌ぎで書いているから、キャラクター性がちょくちょく変わります。
それに連なってストーリーも一緒に変わりました。
元々のプロットではクズの瑛二が西之宮絵里を救って寝取るという簡単なものでした。
しかし、いつの間にか瑛二が岬ラバーになってしまったので、真人間に近づきました。
なので、この展開がもっと説得力がありそうと思ったので、このような話になりました。