リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
蓮さんの鉄壁の守りを見て、俺は改めてお泊まりは無理だなと感じた。
それに元々今日はお泊まりの予定もなかったから、俺は素直に家に帰ることにした。
しかし、これが絵里ちゃんはお気に召さなかったらしい。
「やだやだやだ!瑛二くん行かないで!私、もっと瑛二くんと遊びたいの!」
俺にしがみついて離れようとしない絵里ちゃん。
しかも、足を動けないようにガッチリホールドされて動くこともままならなかった。
そんな俺たちのことを見かねた蓮さんが俺の助けにはいった。
「絵里、牧田くんが困っているから。それくらいにしなさい。」
優しく絵里ちゃんを宥める蓮さん。
だが、絵里ちゃんは全く蓮さんの話を聞き入れなかった。
「嫌!今日は勉強会だから瑛二くんとほとんど遊べてないもん!」
「あの絵里ちゃん?俺、明日も来るから。」
俺も蓮さんに助け舟を出す形で口を挟んだ。
どうせ、今日はお泊まりは無理だ。
俺も準備なんてしてきてないし。
この際だから俺は蓮さんから点数を稼ぐことにしたのだ。
「絵里、牧田くんもこう言っているだろう?」
「嫌!私は今遊びたいの!お父さんお願い!お願い!」
それでも絵里ちゃんは駄々を捏ね続けた。
「あら、昔を思い出すわ。」
それを微笑ましく眺める舞さん。
よくよく見ると絵里ちゃんの駄々を受け止めている蓮さんも満更ではなさそうな顔だ。
何、この状況…
そう言えばこの前、蓮さんは絵里ちゃんが全く駄々もこねなくなったことについて俺に相談したっけ。
つまり、この状況は蓮さんにとっては至福の瞬間なのか…
「?」
急に俺は解放された。
絵里ちゃんがやっと諦めたのかと思ったけど違った。
絵里ちゃんは全く諦めてなかった。
それどころか次の一手に出たのである。
「ううう…お父さんお願い…」
今度は蓮さんの足に引っ付いて、上目遣いをする絵里ちゃん。
完全に自身が可愛いことを知っている子の行動であった。
「ぐっ…!」
蓮さんはその上目遣いに撃ち抜かれて今までは聞いたことがない変な声を上げた。
「しかし…女の子の家に男の子を泊まらせるのは…」
蓮さんは最後の抵抗をした。
「うう…」
そんな蓮さんを絵里ちゃんは何も言わず、目元に涙を溜めてにジッと見つめる。
崩れそうになかった鋼の防壁も、絵里ちゃんの前では呆気なく崩れた。
「ふう、わかった。牧田くん、君にはすまないが、今日は家で泊まって行ってくれないか?」
蓮さんは一つため息を吐いて、俺にそんなことを頼んできた。
まさか、蓮さんから家に泊まっていくことを頼まれるとは…
俺は考えもしなかった事態に固まっていたけど、この機会を逃す手は無い。
「え?わ、わかりました。」
ちょっと困惑した感じを出して俺は承諾した。
「牧田くん、急なお願いを聞いてくれてありがとう。」
俺にお礼を言う蓮さん。
家に泊まることを感謝されるとは…、いや、これはもっと何か違う意味のありがとうだ。
よく見ると蓮さんの口角が僅かに上がっている。
さては、このおじさん、娘に駄々を捏ねられたのがよっぽど嬉しかったんだな。
本当に娘バカなおじさんである。
「やった!瑛二くん!私の部屋で遊ぼう!」
俺はそのまま絵里ちゃんの部屋に連行された。
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それから、俺は絵里ちゃんの部屋で遊んだ。
絵里ちゃんの趣味は写真撮影だった。
自身のスマホを用いて写真を撮ることが好きでよく写真を撮っているとのこと。
俺にも写真を見せてくれたけど、門外漢の俺が見ても中々立派な写真が多かった。
照度とか角度とかも気にして撮ったりして、結構本格的な趣味だった。
「この写真もいいね!真夏って感じがしてすごいや!」
俺は太陽の光に照らされたひまわりの写真を見て言った。
どうやったかは知らないけど、しっかりと太陽の光が写真の中に映り込んでいる。
何というか技術が感じられる写真だった。
「えへへ、そう?」
俺の本気の賞賛に絵里ちゃんはデレデレし始める。
そうやって絵里ちゃんは俺に他の写真もいっぱい見せてくれた。
「ところで、人はあまり撮らないの?」
俺は一通り写真を見て感じたことを絵里ちゃんにいった。
絵里のスマホのアルバムには家族の写真以外は人の写真がなかった。
宮埼の写真も何枚かあったけど、そこまで多くはなかった。
「うっ…それが…」
あ…、そういえば絵里ちゃんは…
これはしくじったな…
俺は自分の発言を後悔した。
絵里ちゃんがしゅんとなっている。
早く何とかしないと!
「もしかして、人を撮るなら、俺を撮ってくれないかなと思って聞いてみただけ。ダメかな?」
俺は自身の体を生贄に今の状況の打破を試みた。
絵里ちゃんは俺が好きだから、これで何とか元気を出してくれるはず。
「全然大丈夫!!撮る!!」
絵里ちゃんは先ほどの鬱屈とした空気を感じさせない勢いで俺の提案を飲んだ。
それからは俺の撮影会が始まった。
基本的に絵里ちゃんの元気づけのために提案したものだから、俺は充実に絵里ちゃんの指示に従った。
「じゃあ、瑛二くん、こっちに立ってみて。」
絵里ちゃんは窓際に俺を立たせた。
窓の外にはまだ夕日が登っている。
一枚目は夕日の光に照らされる俺が撮りたいとのことだった。
「わかった。ポーズは特に取らなくてもいいの?」
絵里ちゃんは俺の立ち位置とか顔の角度とかも全部決めてきた。
しかし、ポーズについては何も言ってこなかったから、俺は絵里ちゃんに確認した。
「うん!そのままでいいよ!そうそう!完璧だよ!撮るね!」
どうやら、ポーズは取らなくてもいいみたいだ。
俺は何のポーズも取らずに自然体で絵里ちゃんの撮影が終わるところを待つ。
夕日が眩しくて少し目を閉じたりもしたけど、絵里ちゃんは気にせずに撮影を続けた。
絵里ちゃん監督としては目を閉じることも計算の内みたいだ。
そして何度かシャッター音がしてから、絵里ちゃんは撮影を止めた。
「はわわわ」
自身が撮った結果物を見て変な声をあげる絵里ちゃん。
心なしか顔も赤くなっているみたいだ。
俺はどんな風に自身が取れたのか気になった。
「どんな感じなの?」
「すごく格好良く取れたよ!本当に格好いい!」
そう言って俺に写真を見せてくる絵里ちゃん。
俺は絵里ちゃんの写真を確認した。
「凄い…俺じゃないみたいだ。」
絵里ちゃんが撮った俺の写真はまるで俺じゃないみたいだ。
角度を変えるだけでこんなにも印象が違ってくるとは…
鏡の中でも一度も見たことがない自身の姿に俺は驚いた。
それに背景の夕日も相まって写真の中の俺は何とも神々しい感じに写っていた。
この構図で撮れば多分誰しも神々しく、格好よく見えるだろう。
俺は絵里ちゃんの撮影技術に感心した。
「これは凄い!俺でもこんな風に見えるんだね!絵里ちゃんは本当に写真を撮るのが本当に上手いね!」
「そんなことないよ。それに瑛二くんは普通に格好いいもん。」
そんなことないと思うけど…
それはさておき、俺は絵里ちゃんの写真を見ていると自分も写真を撮りたくなった。
「絵里ちゃん、俺も写真を撮ってみたいけど…やり方教えてもらえる?」
「本当に!?」
歓声をあげて、俺に顔を近づける絵里ちゃん、
絵里ちゃんは俺が自身の趣味に興味を持ってくれたことが嬉しいみたいだ。
「本当。絵里ちゃんの写真を見ていたら、俺も撮りたくなってきた。」
そう言って俺はスマホを取り出して絵里ちゃんに見せた。
「もちろんだよ!」
そう言って絵里ちゃんは俺にスマホカメラの使い方をレクチャーし始める。
はえ、結構難しい。
スマホってこんなにも写真機能が多かったのか…
「俺も絵里ちゃんと同じ感じで夕日を背景に撮りたい。」
「そう?何を?」
「絵里ちゃんを。」
「私を!?」
絵里ちゃんは予想だにしなかったという反応で驚いていた。
ここに二人しかいないからそんなに驚くことでもないのに。
「もしかして、だめだった?」
「ダメじゃない、けど、うう…少し恥ずかしい…」
そう言いながらも絵里ちゃんは何とか俺のお願いを聞いてくれた。
代わりに、他にも写真を撮らせて欲しいと言われたけど、問題はないだろう。
光が入る角度を見て自身から色々位置調整をし始める絵里ちゃん。
俺に何故こんな位置取りをするのかを一々説明しながら完璧なポジションを探していく。
「これで撮ってみて。」
「わかった。」
そう言って俺は何度かシャッターを押してみた。
しかし、ブレたり、光のせいで絵里ちゃんが撮ったようないい感じの写真にはならなかった。
被写体が良くても技術がないといい写真は撮れないみたいだ。
「中々上手くいかないね。」
「そうなの?」
「うん。絵里ちゃんの可愛さがあんまり上手く表現できてない。」
「ふふ、何それ。」
絵里ちゃんは俺の言葉にはにかみながら笑った。
その時、室内に風が吹き込んできた。
夕日を受けて茜色になっていた絵里ちゃんの綺麗な金髪が風でゆらゆらと揺れる。
まるで北欧の妖精様みたいな姿に俺は無意識にシャッターを切った。
「……。」
俺は自身が作り出した結果物をみて固まっていた。
呆然と自身のスマホ画面を見つめる俺。
そこには誰しも一目惚れしそうなくらいに魅力的な少女の笑顔がうつされていた。
「どうしたの?」
絵里ちゃんは固まっている俺に近づいてきた。
「絵里ちゃんが綺麗すぎて驚いている。」
「ふえ?」
急な俺の発言に絵里ちゃんは変な声を上げた。
次第に顔が赤くなる絵里ちゃん。
やはり、絵里ちゃんは自分の容姿を褒められることに弱いな。
しかし、これは本当にとんでもない写真だ。
俺に岬がなかったら、俺さえも一目惚れしていたに違いない。
「ありがとう…」
普段とは違って本気で恥ずかしがっている絵里ちゃんに俺はまたキュンとした。
それから、撮影会は2回戦を迎えた。
約束通り俺は絵里ちゃんの被写体になった。
先ほどの復讐と言わんばかりに絵里ちゃんは俺に上半身裸とかセクシーポーズとかをさせてきた。
こんなのに一体どこに需要があるかはわからないけど、絵里ちゃんはホクホク顔だった。
「本当にこんなポーズでもいいの?」
「うん!最高にいいよ!」
俺はボディビルダーみたいなポーズを取って絵里ちゃんに聞いた。
何んかこう脇が強調されたポーズとか、胸筋を強調するポーズもさせられた。
筋肉なんてそんなにないのに、何故ボディビルダー?とは思ったけど口には出さない。
絵里ちゃんのことだから多分本当に作品活動のためだろうと思って、俺は普通にその指示に従う。
「うんうん!いいよ!」
「本当に?一回見せて。」
「…これは個人的な撮影だから見せてあげない!」
最初は結果物を見せてくれていた絵里ちゃんだけど、次第に結果物を見せてくれなくなった。
というか個人的な撮影とは一体なんだ?
先程みたいに作品性が認められたものだけ、人に見せているとか?
「もしかして、自分が作品と認めた写真以外は見せたくない感じなの?」
「うん?そうそう、そんな感じ。まだ、先程みたいな写真は撮れてないから。瑛二くん、今度は下も脱いでみて。」
「それは流石にできないよ。」
それからも舞さんが俺を呼びにくるまで、俺たちの撮影会は続いた。
絵里ちゃんが1回目の写真に頬を染めた理由は、瑛二の姿が自身を救ってくれた時と重なったからです。
次は絵里ちゃんのエロ回です。