※この作品はR-18です。

リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する   作:霧江

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誤字修正誠にありがとうございます!(土下座)


疲れ

大体2時間くらい撮影会は続いた。

絵里ちゃんの創意工夫した俺のエロいポーズをできる限り取ってやったものの、俺自身としてはどこにエロスがあるかわからなかった。

一足で立って両手を広げるとか、意味のわからないポーズも多かったけど、無事撮影会は終わった。

 

「じゃあ、俺は帰るね。」

 

ちょうど昼時になり、俺は絵里ちゃんに帰宅することを告げた。

俺としては流石に3食も用意してもらうのは気が引けていた。

だから、昼ごはんの時間まで絵里ちゃんと遊んで帰宅するつもりだった。

絵里ちゃんはオナニーに夢中で話できなかったけど、舞さんとは話が済ませておいた。

 

「もう帰っちゃうの?」

 

残念そうに言う絵里ちゃん。

そして絵里ちゃんはスマホと俺を交互に見て何やら悩ましそうな顔をする。

どうやら、性欲を優先するか俺を掴むかを悩んでいるみたいだ。

俺はそんな絵里ちゃんの選択を手助けすることにした。

 

「これはもう決まったことだからね。また来週くるよ。」

 

「うう…わかった。約束だからね!」

 

「うん。絶に対来る!」

 

名残惜しそな絵里ちゃんだったけど、帰りは早足で帰った。

よっぽど、先のことで性欲が溜まっていたのだろう。

途中、宮崎に話しかけられていたけど、絵里ちゃんは無視して家に走って帰っていた。

それを見た俺も駅へと足を運んだ。

帰り道、俺は宮崎の最後の発言について考えていた。

 

『くっ、やはり、命の恩は…』

 

悔しそうな顔でそう言っていた宮崎。

先ほどは絵里ちゃんの前で気にしないふりをしていたけど、彼の不穏な発言はずっと俺の頭の中で響いていた。

今よりも更に幼い絵里ちゃんを同じく年少の時にガスライティングした彼のことだ。

そんな彼が何もせずに絵里ちゃんに蔑ろにされた今の状況を受け入れるだろうか?

 

「そんなはずがないだろうな。」

 

俺は宮崎という男についてよく知らなかったけど、それでもそう確信が持てた。

だとしたら、彼はどんな行動をしてくるだろうか?

 

「命の恩…か」

 

俺は彼の言葉を口の中でもう一度呟いた。

宮崎からみて、絵里ちゃんの反抗は俺に命の恩があるからそう行動しているように見えるだろう。

すると、絵里ちゃんに命の恩を背負わせるために彼が取る行動は?

 

「絵里ちゃんの命を救う?」

 

当たり前なことだけど、それはとても難しいことであった。

人生において命の危機というのはそう何度も経験出来るものではない。

大抵は一回経験したら終わりだ。

 

「だったら、どうやって絵里ちゃんの命を救うというんだ?」

 

俺は自分に自問した。

命の危機がなければ、命を救えない。

だったら、命の危機自体を作り出せばいい。

 

「本当にそんなことをするのか?」

 

俺は信じられなかった。

自分が好きな子を自分の手で命の危機に追い込むなんて出来るのか?

頭の中で俺は岬のことを思い浮かべる。

愛して愛してやまない最愛の恋人。

俺としては岬が命の危機に瀕するだけで発狂する自信があった。

 

「それなのに、自身の手で愛する人を危険に晒せるのか?いや、絶対に出来ない。」

 

これはあくまでも俺の感想である。

宮崎にとってはまた違うかもしれない。

宮崎は欲しいものを手に入れるために、絵里ちゃんを平気に危険に晒すかも知れない。

そこでやっと俺の頭の中で以前見つけた山の境界のちぎられた草と宮崎家が過った。

絵里ちゃんを命の危機に晒した山の罠の材料を取ったと思われる場所。

 

「まさか、本当に?」

 

今の所、心証でしかない。

だけど、疑うには十分な材料が揃っていた。

 

「このこと、蓮さんに知らせるか?」

 

俺は少し悩んだ。

だけど、それは諦めた。

どうしても、蓮さんがそれを信じてくれなさそうだったのだ。

もちろん、宮崎が信頼されているということもそうだけど。

それ以前に、これは常識の問題だった。

そんな主張をしたところで、俺だけが頭が可笑しい子に思われるのが目に見えてわかる。

 

「幼い少年がここまで緻密な計画を立てるとか、信じてくれるはずがないよね。当の本人である俺さえも半信半疑の状態だ。」

 

年端も行かない少年が娘をガスライティングして、罠を作って娘を永遠に従属させようとしたなんて。

その主張をこれからしようとしている俺からしても、到底信じられるものではない。

それにガスライティングについて、そもそも認めてはもらえないだろう。

つまり、この主張をするには宮崎が絵里ちゃんを命の危機に追い込んだという揺らぎのない物的証拠が必要だった。

 

「そんなものがあるのか?」

 

俺は不安だった。

どう考えても宮崎は俺が正面で相手取ることが出来ないと感じたのだ。

だけど、やるしかない。

 

「そのためにももっと絵里ちゃんを俺にメロメロにしないと。」

 

そして、宮崎に俺たちのイチャイチャを見せつけるのだ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は上原家に戻った。

たったの一日だけの外泊だったけど、何だかもの凄く長く家を空けたような感覚だ。

それだけここ二日はいろんなことがあった。

肉体的にはそれほどだけど、精神的にはかなり疲労を感じている。

 

「ただいま…」

 

「瑛二、おーかーえーりー」

 

岬が一人で俺を迎えてくれた。

どうやら、美鈴はないみたいだ。

 

「美鈴は?」

 

「お母さん、買い出しに行った!」

 

買い出しか、いつものことだな.

美鈴は基本的に土曜日に買い出しに行って一週間分の食材を買ってくる。

今日もその買い出しで不在みたいだ。

 

「瑛二、どうしたの?疲れて見えるの。」

 

岬は機敏に俺の疲れを察知したみたいだ。

 

「分かっちゃった?少しね。昨日と今日は本当にいろんなことがあった。」

 

絵里ちゃん絡みでもいろんなことがあったけど、

中でも宮崎と遭遇したことが一番の疲れの原因だった。

しかし、それを岬に言えるわけでもない。

 

「ちょっとね。本当に色々あって…」

 

俺は適当に誤魔化した。

 

「そうなんだ。」

 

岬は俺がこの話題について触れたくないことを察して納得してくれた。

 

「言いたくないなら、別にいいよ。でも…」

 

そう言った岬は俺に迫ってくる。

俺は岬の勢いに飲まれて後退りした。

そうしているうちにいつの間にか俺は壁に追い込まれた。

しばらく、俺の目をじっと見つめる岬。

俺もつられて岬の顔をじっと見つめる。

真剣な岬の顔はかっこ可愛いかった。

 

「岬…?」

 

俺は困惑して岬の名前を呼んだ。

だけど、岬は無言のまま手を持ち上げる。

そして、ドンという音がした。

まさかの壁ドンだった。

 

「え?」

 

驚いた俺は思わず音がしたところに視線が行ったその時、急に視界が一変する。

岬はくいっと俺の顎を引っ張って自身に視線を戻したのである。

 

「疲れなんてあたしで忘れてさせてあげる。」

 

そう言って岬は俺にキスをした。

 

「ちゅう」

 

「!?」

 

あまりに急な出来事に俺は頭の中が真っ白になった。

ズキュンというオノマトペが似合いそうな豪快なキスに俺は思わず目を閉じた。

最近は寝取られにハマって無様な姿を良く見せた岬だけど。

やはり、岬は格好いい。

 

「「ちゅう、ちゅりゅりゅ」」

 

しばらく、唾液を交換したのちに岬は俺を離してくれた。

岬と俺の口の間に銀の橋が出来て、途切れる。

 

「にしし、どう?疲れ吹っ飛んだ?」

 

普段通りの笑顔で俺に聞く岬。

俺はそんな岬の笑顔をみて、疲れが吹っ飛んだことを感じた。

そして、俺は改めてこの子が本当に好きなんだなと実感した。

 

「きゅん」

 

俺は思わず口から奇声を漏らした。

俺としては恋に落ちる音を表現するつもりだった。

 

「瑛二?どうしちゃったの?頭壊れた?」

 

失礼なことを言う岬。

岬は俺の頭に傷がないか確認し始めた。

やはり、俺の意図は伝わらなかったみたいだ。

 

「いや、大丈夫。頭は大丈夫だから!あれは俺が恋に落ちたことを音で表現してみただけだったの!」

 

「にしし、何それ。」

 

それでやっと安心したように笑う岬だった。

それから、俺は岬に連れられて俺の部屋へと向かった。

最初はラブラブエッチでもするのかと思ったけど違った。

 

「はい!横になって!」

 

自身の太ももをポンポンと叩きながら岬は言った。

俺は素直に岬の導きに従って、岬の太ももを枕にした。

岬の太ももはプニプニしてて柔らかかった。

それにどこかで微かに感じられる柑橘系の匂いが俺の鼻をくすぐった。

 

「あたしの太ももの寝心地はどう?」

 

「すごくいいよ。毎日枕に使いたいくらい。」

 

俺は岬の太もももとい、枕をさわさわとした。

最近は寝取られプレイが多かったから、こうやってイチャイチャするのは久しぶりだ。

やはり、岬とのイチャイチャは最高である。

 

「ふふっ、くすぐったいの。」

 

岬は少し困ったように笑うだけで、俺の行動を止めなかった。

それどころか、俺の頭をヨシヨシと撫でてくれた。

しばらく、そうしているうちに10分が経った。

俺は岬のなでなでによりどんどん眠気を感じていた。

 

「岬、脚痛くない?」

 

「全然痛くないの。」

 

何ともないように答える岬。

だけど、俺は岬の太ももから頭をどかした。

 

「ああっ、何で?」

 

岬は不満そうな声を上げた。

 

「それが、どんどん眠くなってね、ふああむ、流石に岬の太ももで寝たら岬が動けないだろう?」

 

「あたしは別にいいのに。」

 

「そうなんだ。でも、ありがとう。気持ちだけもらうよ。俺はこれから一眠りするから、岬は他のことやっていいよ。」

 

そう言って俺は枕を持ってきて横になった。

しかし、岬は全然俺から離れる素振りを見せなかった。

岬もまた俺の隣に横になって、俺の頭を撫で続ける。

 

「岬?」

 

「いいの、いいの、宿題も全部終わったし、別に何かやることもないから。」

 

そう言って俺の顔をじっと見つめる岬。

何か寝辛いけど…

他のことでも考えるか…

俺は一瞬岬から視線を逸らしたその時。

 

「チュッ」

 

急に岬がキスをしてきた。

先ほどのように舌を入れてくるキスに俺は眠気が覚めた。

 

「!?」

 

「にしし、瑛二、他のこと考えたでしょう?ダメなの、あたしのことだけ考えて。」

 

「岬…。」

 

これじゃ眠れないけど…

 

「はい、今はあたしと休むことにだけ集中して。」

 

また、岬は俺の頭を撫で始めた。

うう、気持ちいいし、確かに岬のことしか考えられないけど。

 

「岬、全然休める気がしない…」

 

俺は実直な感想を岬に伝えた。

 

「む、そんな悪いこというお口はこうなの!」

 

岬は再び俺に強引にキスをするのであった。

それから、俺は岬の基準で、岬と休憩以外何も考えなくなるまで14回もキスを受けた。

これでは休めないと思ったけど、これが意外と休めた。

 

最初こそ激しめのキスをしてきた岬だけど、後半になるにつれて甘々のキスで俺の緊張を解いてくれた。

それに宮崎のことみたいにストレスの原因になることを考えそうになる時も岬はすかさずキスをしてくれる。

最近はずっと宮崎の件で頭を悩まされていたから、この処置はかなり効果があった。

久しぶりに何も考えずに休めた気がする。

 

「岬、すき」

 

「にしし、あたしも瑛二がすき」

 

そう言ってまたチュッとキスをしてくれる岬。

そうやって何度も何度もキスを交わすうちに俺は眠りについた。




やっと瑛二が宮崎の悪意について気づきました。
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