リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
それでお盆の間、家のドアが開けっぱなしになっていて。
そのせいでストレスを感じてなのか、最近はずっと目の筋肉がピクピクと痙攣していたんです。
それが昨日は限界値に達して、頭痛まで感じていました。
しかし、不思議なことにドアが治ってから、全ての症状が消えました。
本当に人間の体は不思議です!
パツ菌のことを調査したその日の夕方。
食事を終わらせた隙間時間に俺は中村にもらった紙を見ながら電話をかけた。
「もしもし、こちら中村さんの携帯で間違いないでしょうか?俺、今日会った牧田というんですけど…」
初めての連絡先に連絡するということで、なるべく丁寧な対応をした。
何気に友達にこちらから電話をかけたのは初めてだったから、緊張していたのだ。
しかし、そんな俺の配慮は全くの無用だった。
「きめえ。」
電話口から鳴り響くぶっきらぼうな少年の声。
それは先ほど聞いた中村の声だった。
というか、電話かけて初めての一言がきめえって酷くないか?
「何、きめえって何だよ。」
俺は不満混じりの声で言った。
すると、中村は俺に素直に謝ってきた。
「ごめんごめん、何か俺の中でおめえはそういうこと言わなさそうだったからな。しかも、あんな猫撫で声まで出しているもんだから、つい本音が。」
何だ、本音か。
それなら仕方な…くない!
謝ってくれるのかと思ったら全部罵倒だった。
しかし、何故か俺としては嫌な気分は全くしなかった。
どちらかというとこういうことは初めてだから、新鮮で楽しい感じだった。
「お前の中の俺は何なんだよ。」
俺は中村に聞いた。
「何って、急に追っかけてきたかと思えば、急に怒りだして、自分を知り合いに連れてけと強要したあげくは、俺の知り合い全員に噛み付くやべえ奴?」
何一つ違わず、今日の俺の行動を言葉で表してくる中村。
俺はその言葉に言葉をつぐむしかなかった。
今日の俺ってかなりやばい奴だったんだなと改めて思う。
そして、そんな俺に協力して、友達になった中村も中々やべえ奴だ。
「もう一度いうよ。ありがとう。」
俺は中村に感謝の言葉を述べた。
本当に今日の俺は失礼で嫌な奴だった。
それを受け止めてくれた中村には感謝の念しかなかった。
「何だよ急に。」
急な俺の感謝に中村は戸惑っていた。
まあ、あまりにも唐突すぎたからだろう。
「いや、俺は出会い頭からお前に怒ってたのに、お前は俺を助けてくれたんだろう?」
「別にいいよ。最終的には俺も楽しませてもらったから。それに、怒ったのは友達のためだったんだろう?」
中村はそう言って俺をすんなり許してくれた。
本当にこいつはいい奴だなと俺は改めておもった。
俺はそれからも中村と雑談を楽しんだ。
「太一!お風呂入って!」
大体10分くらい話していたら、女の人の声が聞こえた。
どうやら、中村の母親みたいだ、
「ごめん。そろそろ切らないと、俺、風呂入るから。」
「わかった。じゃあ、今度もまた木曜日にお願い。」
「おう。あの時間にあの公園で待ってるぜ。」
中村は気取った感じで話を切り上げた。
けど、電話を切る直前にママ、今入る!と聞こえてきた。
あんな感じで強がっていても、ママって…
中村もまだ子供だな。
俺は新しい友達の以外な一面に、少しだけ笑った。
こうやって木曜探偵団は結成した。
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「はあ、どうしよう。」
深夜、俺は一人悩みにふけていた。
その悩みの内容というのは、今日の通話で絵里ちゃんにパツ菌について聞くべきか否かについてだった。
「絵里ちゃんに話を聞くことができれば、調査にかなり進展があると思うけど…ううん…」
俺は一人唸り声を上げた。
今は何の手掛かりも無しの手探りの調査だけど。
イジメの張本人である絵里ちゃんに話を聞くことが出来れば、調査はさらに進展を見せるはずだった。
そんな風に良いこと尽くしのことではあったけど、俺には簡単にそうしする!と言えない理由があった。
「どうも、絵里ちゃんはパツ菌について話したくないみたいんだよな。」
そう、絵里ちゃんの心象が原因だった。
絵里ちゃんと俺の付き合いは1ヶ月くらいになった。
俺はその短いようで長い期間の間に絵里ちゃんのことについて色々わかってきた。
「絵里ちゃんはか弱い感じの見た目とは違って、かなり強かな性格なんだよね。」
それこそ、悪口くらいは全く気にしないくらいの強かさを絵里ちゃんは持っていると思う。
しかし、そんな絵里ちゃんでさえ、パツ菌のことについて全く口にすることはなかったのである。
「つまり、パツ菌って口にもしたくないってことかな…」
絵里ちゃんの古傷を、良い意図があるとは言え、抉り返すのは有りかと俺は悩んでいたのだ。
どうも結論を出せずに決めあぐねているその時だった。
急にポケットの中にある俺のスマホが振動し始めた。
「?」
壁の時計を見ると今の時刻は11時20分。
絵里ちゃんからの連絡がくるまではまだ40分も時間がある。
ということは、俺の両親とかと思った俺はポケットからスマホを取り出した。
「絵里ちゃんだ…今日は早いな。」
絵里ちゃんとの通話を初めて一週間になるけど、何時もは本当に12時に連絡がきていた。
こんなに早い時間に連絡が来たのは初めてだった。
このまま絵里ちゃんを待たせるのも悪いから、俺はそのまま電話を取った。
「もしもし?絵里ちゃん?」
「瑛二くん❤️」
俺が電話を取ると嬉しそうに絵里ちゃんは俺の名前を読んできた。
どうも通話の時間を待ち切れずに先に電話したようだ。
「今日はいつもより早いね。どうしたの?」
「それが、うっ❤️明日、瑛二くんに会えると思ったら、私、嬉しくて❤️我慢ができなかった、うっ、の❤️」
俺に会いたくて我慢できなかったとか、嬉しいことを言ってくれるものだ。
「そんなに俺と会うことを期待してくれたんだ。俺、嬉しいよ。」
「うん❤️会いたいっ、くぅ❤️」
絵里ちゃんは辿々しい感じの喋り方で言ってきた。
何だか絵里ちゃんの調子が可笑しい。
普段はこんな喋り方しないのに…
どこか体の調子でも悪いのか?
「絵里ちゃん、今日何か変だよ?大丈夫なの?」
「だ、大丈夫っ❤️ふぅっ❤️」
全然大丈夫そうじゃないのにな…
「別に無理して通話する必要はないよ。ほら、明日会えるから。」
俺は絵里ちゃんに配慮して通話を切り上げようとした。
「…っ❤️無理なんて❤️してない、もん❤️このまま通話してぇ❤️」
しかし、絵里ちゃんは全く俺の話を聞き入れなかった。
そこでやっと俺は今絵里ちゃんが何をしているかを気づいた。
普段とは違う辿々しい喋り方。
何だか色気のある艶っぽい声。
「…」
「くぅ❤️」
つまり、これは…
オナニーだった。
今、絵里ちゃんは俺の声と背徳感をおかずにオナニーをしている。
俺は先ほどの悩みが馬鹿馬鹿しくなった気分がした。
人が真剣に悩んでいたというのに、この子は本当に…
俺はそんな絵里ちゃんを少し揶揄ってやろうと思った。
「絵里ちゃん?」
「…な、なぁに❤️」
俺の呼びかけに辛うじて答える絵里ちゃん。
どれだけ、オナニーに熱中しているんだよ…
「俺は絵里ちゃんが好きだから、心配なんだ。俺は絵里ちゃんが痛かったり、病気になるところは見たくない。だから、今日はもう通話は止めよう?」
「ふえ!?今、何て…❤️」
絵里ちゃんは好きという言葉を聞いて、面白いくらい反応してきた。
俺はそんな絵里ちゃんにほくそ笑んだ。
しかし、このまま絵里ちゃんが欲しい言葉をしてあげるのは勿体無い。
「何って、今日はもう通話やめようって。」
俺はすっと呆けた。
「ふぅう❤️そうじゃなくて!それより前!」
「前?俺は絵里ちゃんが痛かったり、病気したりする姿は見たくないってところ?」
「くうううう❤️そうじゃない❤️その言葉の前の言葉❤️」
唸り声を上げて絵里ちゃんは必死に俺から好きという言葉を引き出そうとした。
俺はもう一度だけ絵里ちゃんを揶揄うことにした。
「あ、わかった!明日会えるのとこかな?」
「ううう…❤️瑛二くんの意地悪…❤️ふあん❤️あああん❤️」
俺は普段通り絵里ちゃんを揶揄った。
しかし、絵里ちゃんにはその普段感もまたおかずになっているみたいだ。
絵里ちゃんはもはや嬌声を隠す気もない。
何というか俺は絵里ちゃんは本当に上級者だなと感心した。
「ごめんごめん、絵里ちゃん、好きだよ。」
「瑛二くんが❤️好きって❤️くうううううう❤️」
電話越しでも分かるくらいにぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅと卑猥で激しい水音が聞こえてくる。
絵里ちゃんのオナニーも終盤に差し掛かっているみたいだ。
「もっと❤️もっとお❤️お願いいいい❤️言って欲しいいいいい❤️」
絵里ちゃんは性欲に完全に支配されて、俺に縋るようにお願いをしてきた。
「もう、仕方ないなあ…、でも、少し恥ずかしい。」
俺はそこで少し渋るような態度を見せた。
「いやだあああ❤️私のこと好きって、いってえええ❤️ふあああああああ❤️」
普段の理知的な側面はどこにいったのやら、絵里ちゃんは子供のように駄々を捏ね始めた。
こういう絵里ちゃんも、ギャップがあって、味があって、いい。
できることなら、今の絵里ちゃんの顔を一目見たいくらいである。
そろそろ、これも終わりにするか。
「恥ずかしいから一回しか言わないよ…。」
「うん❤️」
俺は絵里ちゃんが次に続くだろう俺の言葉に全ての神経を集中していることを感じた。
「絵里ちゃん、好き、だよ。」
俺は囁くような小さい声でそう言い放った。
「耳からビリビリとぉ❤️くうううううううう❤️私も瑛二くんが大好きなのおおおお❤️あああああああああ❤️」
絵里ちゃんは俺に対する告白と共に奇声を上げた。
耳から伝わるゾクゾクをおかずに絵里ちゃんは盛大に絶頂した。
しばらく、獣のような雌鳴き声が聞こえたけど、勢いのままに終話ボタンを押したみたいで、急に通話は切れた。
「あ、パツ菌のこと聞くの忘れた。」
電話が切れて俺はそれに気づいた。
一回折り返すかと一瞬考えたけど、すぐにそれはやめた。
今の所、手間は多くても調査自体は順調に進んでいる。
敢えて、絵里ちゃんの古傷を抉るような真似はしたくなかった。
「まあ、絵里ちゃんが言いたくないみたいだし。どうしても、調査が出来なくなるとかじゃなければ、絵里ちゃんに直接聞くのはやめとくか…」
そう決めた俺は眠りにつくために、目を閉じるのであった。
その翌日絵里ちゃんからメールがあった。
内容は昨日のことについて。
俺はそのメールに何のこと?とだけ送っておいた。
その言葉に絵里ちゃんは安心したのか、何でもないという返事があった。
多分、今週最後の投稿になります。