リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
まるで普通の会社員にでもなった気持ちです。
翌日の朝、俺は雨音と共に目が覚めた。
周りは雨ということもあって、まだかなり暗い感じがしている。
スマホで時刻を見ると時刻は朝の9時30分。
完全に寝坊だった。
「うわ、他人の家で寝坊してしまった。」
いくら仲のいい絵里ちゃんの家だとしても、流石に寝坊は気が引けた。
俺は慌てて服を着替えて、部屋の外に出てきた。
「瑛二くん、おはよう!」
「絵里ちゃん、おはよう。」
俺が外に出てくると絵里ちゃんだけが元気に俺に挨拶して来た。
普段だったら、舞さんとかもとっくに起きているような時間。
どうも、絵里ちゃん以外はまだ誰も起きてないみたいだった。
俺は蓮さんたちはどうしたんだろうかと少し気になって絵里ちゃんに質問した。
「蓮さんたちは?」
「お父さんたち?まだ寝てる!」
俺の質問に元気に答える絵里ちゃん。
絵里ちゃんの感じからして、これはいつものことのようだった。
俺としては蓮さんたちは毎回早起きをしているイメージだったから、少し意外だった。
「蓮さんたちが寝坊とか珍しいね。」
「そうでもないよ?昨日も言ったけど、お父さんもお母さんもお酒に弱いから、お酒を飲んだ次の日は何時もこんな感じなんだ。」
「へえ、そうなんだ。何か意外だね。」
なのに、あんな感じで酒を飲んでいたのか?
昨日のお二人は俺が見てもかなり速いペースでお酒を飲んでいた。
お酒が苦手なら、もうちょっと節制してもいいところなのに、余程絵里ちゃんのぼっち脱出が嬉しかったんだろうな。
「瑛二くん。」
俺が一人で考え事をしていると急に絵里ちゃんが俺の名前を呼んできた。
そして、絵里ちゃんは目を閉じて、唇を俺の方に差し出してきた。
「絵里ちゃん?」
俺は一瞬戸惑ったけど、すぐに絵里ちゃんの意図がわかった。
これは…あれだな。
そう思った俺はゆっくりと絵里ちゃんに近づいた。
「チュッ」
そして、俺は絵里ちゃんの唇に軽くキスをした。
「えへへへ、瑛二くんにおはようのキスもらっちゃった。私、これに憧れてたんだ。」
絵里ちゃんはそう言って、嬉しそうに笑った。
これで正解だったみたいだ。
こいつ本当に可愛いな。
「そうなの?もう一回する?」
俺は絵里ちゃんに言った。
「する!」
絵里ちゃんはすぐさま返事をしてきた。
チュッチュッと何回も何回もキスを繰り返す。
キスが終わったかと思えば、また絵里ちゃんの方から俺にキスをして来た。
絵里ちゃんは本当にキスが好きみたいだった。
「チュッ、チュッ、瑛二くんとキスするの好きぃ❤️」
絵里ちゃんはどんどん蕩けた顔になっていった。
俺たちはそれからも何回も何回もキスをした。
俺としても何時二人が降りてくるかわからない状態でのキスは中々ドキドキした。
それから30分後、やっと蓮さんたちが降りてきた。
「うううう…頭痛が痛い。」
「本当だわ。頭がズキズキする。」
蓮さんと舞さんはどうも調子が悪いみたいだった。
蓮さんに至っては普段言いそうに無い馬鹿なことを言っている。
こういう二人は見たことがないから中々新鮮だった。
こんな弱点を俺に見せるくらいは二人が俺を信頼しているということなのだろう。
俺は何だか気持ちが良くなった。
「おはよう!」
「おはようございます。」
俺たちはキスはやめたけど、くっ付いた状態のままに二人に朝の挨拶をした。
「ぐっ、絵里、大声はやめて欲しい。うっ、頭に響くから…。」
「うううう、おはよう…」
二人は俺たちの挨拶に何とか反応した。
しかし、まだ頭が痛いのか喋りながらも顔を顰めたりしている。
「昨日は楽しくてつい飲みすぎた。兎に角、頭痛が痛い。これは出勤は無理だ。おえ。」
「私も頭がカンカンしているわ。ううう…」
二人とも二日酔いに苛まれて、顔色がすごく悪い上に調子も悪そうだ。
蓮さんに至っては俺が絵里ちゃんとベッタリくっついているというのに何も言ってこない始末だ。
普段だったら、眉を上げるところだけど、今はそんな余裕が全くないみたい。
娘煩悩のおじさんがこの調子とは、大分重症だな…これは早めに外に出た方が良さそうだ。
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それから、俺たちは西之宮で朝ごはんを食べてそのまま出てきた。
ご飯と言っても普通のシリアルで、舞さんがそのことについて何度も謝っていた。
だけど、俺としては舞さんは凄く頑張ったと思った。
舞さんは少し動くだけでもとてもしんどそうで、今にも死にそうな顔をしていたのである。
「瑛二くん、雨降っているから日向ぼっこは無理そう。どうするの?」
「ううん…どうしよっかな…」
俺は少しばかり悩んだ。
俺はこの街についてそこまで詳しくなかったから、これと言った明快な答えがパッと出てくることはなかった。
雨の日で遊べるところ…ううん…
「図書館とかはどう?」
俺は初デートの時を思い浮かべて提案した。
雨の日に行けそうなところはそこしかなかった思い浮かばなかった。
それにこの前は外で見るだけだったから、今回は中に入ってみたいと思った。
図書館なんて中々行く機会というか、行く気にならないからね。
「いいよ!」
ということで俺と絵里ちゃんは図書館に来た。
前きた時も思ったけど、市立なだけあって中々立派な図書館であった。
中は雨の日ということもあり、かなり閑散としている。
絵里ちゃんと俺は二人で司書の人に挨拶した。
司書さんも俺たちを歓迎してくれた。
どうやら、絵里ちゃんと司書さんは知り合いみたいだ。
「へえ、結構大きいじゃん。こんなに本が多いなんて凄い。」
俺は図書館についての感想を述べた。
恥ずかしいけど、俺は生まれながら図書館という施設に立ち寄ったことが殆どなかった。
だから、今回の訪問は俺を新鮮な気持ちにさせてくれた。
図書館って中はこんな感じ何だなと思って、思わず周りをキョロキョロしてしまう。
絵里ちゃんはそんな俺を微笑ましそうに眺めていた。
「瑛二くんって、図書館ってあんまり行かないの?」
「そうだね。本とかは殆ど読まないから。」
子供の頃の俺は本当に本なんて読んでなかった。
それに大人の俺は本自体は読んでいたけど、全部直接購入したものだったから、図書館には行ったことがなかった。
「ええ?面白いのに勿体無いよ!」
「そう?折角だし色々読んでみようかな。絵里ちゃん、何かお薦めとかある?」
俺の言葉に絵里ちゃんはノリノリで本を薦め始めた。
本好きなだけあって、絵里ちゃんは色んなジャンルの本を読んでいるらしかった。
そんな絵里ちゃんが俺に勧めてくれた本が…
「これとかどう?凄く面白いよ!」
「おお、それだと俺も聞いたことがあるよ。映画にもなってなかったけ?」
世界でも有名なファンタジー小説だった。
なんか魔法学校での冒険ものの話。
俺はどの世界でも読んだことがなかったから、これを機に読んでみることも悪くないと思った。
映画の方に興味自体はあったけど、子供向けだと思って中々手をつける気になれなかった。
折角、子供になったんだし、俺は絵里ちゃんのお薦めに従うことにした。
「じゃあ、俺はこれにする。絵里ちゃんは何読むの?」
「私はこれ!この前からずっと読んでいるの!」
そう言って絵里ちゃんは俺に本の表紙を見せてくれた。
これも俺がタイトルだけなら聞いたことがある。
世界で一番有名な探偵ものの小説だった。
中々渋みのあるチョイスである。
「じゃあ、あっちに行って読もうか?」
「うん。」
俺たちはそのまま読書スペースに移動した。
いざ、本を読んでみると少し幼稚なところはあったけど、ものすごく面白かった。
これは普通に人気になることも分かる。
機会があったらあ映画も見てみるのも悪く無いと思った。
それから、数時間くらい時間が経った後、俺たちは談笑しながら小休止をしていた。
「どう?面白いでしょう?」
「うん、滅茶苦茶面白かったよ。」
俺は絵里ちゃんの問いに素直に答える。
こんなに面白いものだったら、もっと早く読んでみても良かったかも。
絵里ちゃんは俺の反応に嬉しそうにしている。
どうも、同じものを好きになれたことが嬉しかったみたいだ。
それに今までは本の感想について語り合える機会がなかったから、なおさら楽しんでいるみたいだ。
俺たちはしばらく本の内容について楽しく語り合った。
「ところで絵里ちゃん、一つ聞きたいんだけど…」
本の感想については大体語り終えてから。
俺には昨日から気になっていた点が一つあった。
「何でもどうぞ。瑛二くんになら何でも答えてあげる。」
絵里ちゃんは気前のいい返事をして来る。
ドンと来い!と言った態度の絵里ちゃん。
俺は恐る恐る質問の前置きを続けた。
「絵里ちゃん?ちょっと答え辛い内容かもだけど…」
「うん。」
「絵里ちゃんって避妊って知っているの?」
「ふえっ?」
絵里ちゃんは俺の質問に一瞬頬を赤くした。
そして、しばらく何かを考えるような素振りを見せて、今回は顔を青くした。
「知ってる…って、瑛二くん、どうしよう?」
絵里ちゃんは自分のお腹の辺りに視線をおくりながら言った。
絵里ちゃんはやっとことの重大さに気づいたみたいだ。
俺としては昨日の逆レイプはてっきり避妊も考えての行動だったと思ってたのだけれど、それは違っていたみたいだ。
昨日の行為は完全に性欲と衝動での行動だった。
「ううう、このままだと瑛二くんに会えなくなるかもしれない。それだけはいや!」
絵里ちゃんの青い瞳には不安の感情で揺らいでいた。
しかし、こんな状況でも俺に会えないことを心配するとはな…
絵里ちゃんは本当に可愛い。
俺は絵里ちゃんを宥めるため、絵里ちゃんの頭をなでなでしてやった。
「大丈夫だよ。絵里ちゃん。」
「ううう…瑛二くん…」
「俺、避妊薬持っているよ。」
そう言って、俺はポケットからピルを取り出した。
前回、絵里ちゃんに夜這いされてから、念の為に用意したものだった。
それも事後のものでしっかり用意している。
ちなみにこれを買ってくれたのは美鈴である。
「よかった。」
胸を撫で下ろす絵里ちゃん。
ピルに関する知識はあるみたいだ。
しかし、絵里ちゃんはピルを見てまた暗い表情をした。
「絵里ちゃんどうしたの?」
「瑛二くん、ごめん。私、昔から錠剤はどうしても飲めないの」
絵里ちゃんは少し涙目になって言った。
ああ、そういう、そういう人ってあるよね。
中々可愛らしい理由だったけど、この際はそれがかなり危うい。
事後のピルって早く飲めば飲むほど効果が増すからな。
俺は少し悩んだ。
「仕方ないな。」
そう言って、俺はピルの錠剤を取り出した。
そして、俺はそのピルを自分の舌に乗せた。
「絵里ちゃん、このピル飲んだら、俺の口を絵里ちゃんの自由にしていいよ。」
絵里ちゃんは俺が舌を出している姿を見て唾を飲み込んでいた。
蓮さんが二人のイチャイチャに反応しなかったのは、二日酔いもあるけど、二人の仲を認めたからです。