リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
「本当に?瑛二くんのお口を私の自由にしていいの?」
絵里ちゃんは俺に確認を取って来た。
絵里ちゃんの言葉の端々には欲望が見え隠れしている。
もはや飲めない薬のことなんかよりも、俺の口を滅茶苦茶にしたいという欲望だけが頭の中に残っているみたいだ。
これは何をされるか少し怖くなった。
最悪、絵里ちゃんの性知識だと、このままクンニをさせられることもありうる。
「うん。絵里ちゃんがしたいこと、なんでもしていいよ。大人のキスとかも」
俺は絵里ちゃんの欲望を誘導するために大人のキスを例えとして出した。
今まで俺は敢えて絵里ちゃんとのキスは全部軽めのバードキスで済ませていたからなのか。
大人のキスという言葉に絵里ちゃんは面白いくらい反応した。
「大人のキス…❤️ただのちゅうでもあんなに気持ちよかったのに❤️大人のキスなんかしたら❤️」
絵里ちゃんの顔がどんどん赤みを帯びてきて、蕩けたような表情になる。
「本当に、本当に、大人のキス、してもいいの?」
そう言った絵里ちゃんは俺に近づいてきた。
絵里ちゃんの吐息は熱情によって物凄く熱くなっている。
完全に出来上がっているみたいだ。
「もちろん。何ならこの薬、キスで飲ませて上げる。」
俺は絵里ちゃんの耳元に囁いて、舌の上に乗っている薬を見せた。
「ひゃん❤️」
耳元で囁かれて可愛らしい声を上げる絵里ちゃん。
絵里ちゃんはキスがし易いように俺の首に自身の腕を回した。
絵里ちゃんの流れるような金髪が俺の肌をくすぐる。
俺も絵里ちゃんをガッチリハグした。
「えへへ、瑛二くんとの抱っこ好き❤️」
ドクンドクンと絵里ちゃんの脈拍が肌が触れ合ったところから伝わってくる。
そして、絵里ちゃんの顔がドンドン近づいてきた。
まるで二人だけの世界になったみたいだと思ったその時。
トントントンと場所に似合わない乱暴な足音が室内に響いた。
どうやら、大分イライラとした感じの足音。
俺は一旦絵里ちゃんを離そうとしたけど、キスに夢中になった絵里ちゃんは俺を離さなかった。
「絵里ちゃん?ちょっとだけ離れてくれる?」
「いや❤️離さない❤️大人のキスするもん❤️」
こそこそとした声でそういう絵里ちゃん。
その間にも足音はドンドンとあちこちで聞こえて来ている。
どうやら、足音の主は何かを探しているみたいだった。
「絵里ちゃん、誰かが来ているから。」
俺は他の人の存在を絵里ちゃんに警告した。
「だから、それがどうしたの?その人と私たちのキスは関係ないもん。何ならその人に見られても全然良いから。」
そう言った絵里ちゃんはさらにキスを強行しようとした。
何というか、絵里ちゃんは俺より逞しいな。
確かに俺たちがキスをしようがしまいが、その人とは関係ないもんな。
何なら普通にちゅうをしていたと誤魔化せばいいし。
そう思った俺は絵里ちゃんのキスを受け入れようとした。
「わかった。でも、その前にこれ飲んで。」
絵里ちゃんの前に俺の唾でドロドロになったピルを見せる。
一応、喋る時は器用にどがしていたけど、唾に濡れることだけは避けられなかった。
薬を見た絵里ちゃんは一瞬だけ嫌そうな顔をしたものの、唾で溶けている薬を見てさらに顔を赤くした。
普通だったら新しいものにしてとか言いそうだけど、絵里ちゃんに取っては俺の唾さえも興奮材料になるみたいだ。
躊躇なく口を開いて、ゆっくりと近づいてくる絵里ちゃん。
「…行くよ❤️」
絵里ちゃんはそう言って、俺の舌を咥え込んだ。
「ちゅう、ちゅうちゅううう、ちゅう」
絵里ちゃんは卑猥な水音を立てて、俺の舌を必死に吸い始めた。
舌先に広がる温かい感触に俺は少しゾクゾクした感覚を覚える。
しかし、まるで俺の舌を引っこ抜きそうなくらい勢いだ。
「ちゅうう、ちゅうううう、ちゅりゅううう」
どんどんキスに慣れて来たのか、絵里ちゃんは俺の舌に自身の舌を絡ませてきた。
俺もそれに答えるように舌を絡ませる。
絵里ちゃんはそれで一瞬驚いた表情になったが、直ぐに目を閉じてキスを楽しみ始めた。
そうやって、俺たちはしばらくキスを続けた。
「ぷはあ❤️に、苦い…❤️」
やっとのこと、息つぎのために、口を離した絵里ちゃんは少し涙目になっていた。
俺もまだ口の中に苦味が残っていることを感じている。
俺の唾で薬が結構溶け込んだみたいだ。
一応、絵里ちゃんは薬を飲み込んでいるけど、このままだと薬の効果があるかわからない。
俺は絵里ちゃんにもう一錠薬を飲ませることを考えたけど、それはやめた。
こう言った薬はかなり健康に良くないからね。
「絵里ちゃん?今からすごく変なことを提案するけど。嫌だったら言ってね。」
「変なこと?」
俺の言葉に絵里ちゃんは頭を傾げた。
「俺の唾飲んでくれる?」
「ふえっ!?急にどうして…?」
絵里ちゃんは驚いたようだった。
それも当たり前か、急に唾を飲んでくれと言ったら、誰でも驚く。
でも、薬の大半が俺の口で溶けた今、薬の効果をちゃんと発揮させるためにはこれが一番いい方法のように思えたのである。
「俺の口で避妊薬がかなり溶け込んでしまって、唾とかに薬の成分が残っていると思うんだ。」
「そうなの?」
絵里ちゃんは不思議そうに聞き返してくる。
それに対して俺は素直によく分からないことを白状した。
「実は俺も詳しくは知らないけどね…。嫌だったらいいけど…」
「わかった。瑛二くんの唾、私に飲ませて❤️」
俺の適当な返事にもかかわらず、絵里ちゃんは普通に承諾した。
俺に見上げてあんと口を開く絵里ちゃん。
心なしか絵里ちゃんはこの行為に興奮を覚えているみたいだった。
それに図書館という環境でこういう倒錯的な好意をしているという事実に俺もかなり興奮していた。
「べええええ」
俺は絵里ちゃんの可愛らしいお口に唾を垂らした。
絵里ちゃんは餌を求める小鳥のようにそれを口を開いて受け止めた。
直ぐには飲み込まずにじっくりと俺の唾を口の中で味わう絵里ちゃん。
しばらくして、絵里ちゃんはそれをごくごくと全て飲み込んだ。
「苦い❤️はあああ❤️私、瑛二くんの唾飲んじゃった❤️くぅううう❤️お腹の奥がキュンキュンする❤️」
とんでもない倒錯的な行為だったけど、絵里ちゃんはそれでも物凄く興奮していた。
それこそ、今にもオナニーを開始しそうな勢いだった。
実際に俺が絵里ちゃんの手を止めなかったら、この場でオナニーをしていたのだろう。
くそ、絵里ちゃんめ、エロ可愛いすぎる。
俺は絵里ちゃんの痴態を見て物凄く興奮した。
だから、俺は人が近づいているという事実に気づかなかった。
「お前は!!」
急に図書館の中に鳴り響く男の子の大きな声。
俺は強制的に現実に意識を取り戻された。
俺はこの声を知っている。
というか、宮崎の声だった。
「宮崎くん?」
「剛太?」
まさかの急展開に俺は大いに戸惑った。
急に現れた宮崎は体のあっちこっちが濡れている状態だった。
どうやら、雨の中で走ってきたようだ。
「くそ、お前何をしているんだ!絵里から離れろ!」
怒りに身を任せて、俺から絵里ちゃんを離れさせようとする宮崎。
絵里ちゃんはそんな宮崎は初めて見たからなのか、少し怯えたような感じになっていた。
「絵里ちゃん、大丈夫だよ。ここは俺に任せて。」
俺は絵里ちゃんを安心させるために、もっとギュッと抱きしめてあげた。
それでやっと絵里ちゃんは安心してくれた。
だが、宮崎はその様子を見て更に怒りを露わにした。
「貴様!僕は離れろって言ってんだ!」
宮崎は怒りのせいか、前とは違う乱暴な口調で俺に詰め寄ってきた。
「嫌だよ。何でお前なんかの命令を聞かなければいかないんだ?」
俺は更に宮崎の怒りを煽った。
すると宮崎は面白いくらい反応した。
「うるさい!黙れ!僕の絵里から早く離れろ!」
怒りでドンドン声が大きくなる宮崎。
ふふ、計画通りだな。
「貴様!」
俺がそれでも絵里ちゃんから離れないからか、宮崎は悲鳴にも近い怒号をあげる。
しかも、今度は物理力を行使するため、宮崎は俺たちに近づこうとしてきた。
その時だった。
「君、ここは図書館です。静かにしなさい。」
冷たい感じの女性の声がきこえてきた。
当たり前だけど司書さんだった。
宮崎は大人の登場で大いに困惑したようだ。
「でも、あいつが…!」
宮崎は何かを言おうとした。
しかし、司書さんは宮崎の発言をバッサリ切った。
「この際、そんなことはどうでもいいんです。ここは図書館です。静かにできないなら出て行きなさい。」
宮崎に司書さんは冷たく言い放った。
だけど、宮崎は最後まで諦めなかった。
あろうことか、奴はこんなことを言って来た。
「あいつが絵里ちゃんにハグを強制したんです!」
宮崎の言葉に司書さんの眉が少し釣り上がることが見えた。
「あら、絵里ちゃん、そうなの?」
少し怒りが混じっている司書さんの声。
絵里ちゃんの名前を知っているとは、この司書さんは俺が思ったよりも絵里ちゃんと親密みたいだ。
絵里ちゃんはそれまで空気になっていたけど、司書さんの一声で復活した。
「ううん、玲奈さん、そんなことないよ。」
絵里ちゃんはやっと俺から離れて司書さんに向き合った。
「へえ、そうなの?と言うことは、抱っこは同意の上でと言うこと?」
「う、うん。」
絵里ちゃんは頬を赤く染めて頷いた。
司書さんはあらあらと言って少し興奮した様子だった。
何という生暖かい目線。
この人も絵里ちゃんのことを心配していたみたいだ。
一方で宮崎はというと、絵里ちゃんの言葉で固まっていた。
「ねえ、絵里ちゃん、二人はどんな関係なの?」
興味津々という様子の司書さん。
そこは俺が変わって答えることにした。
「絵里ちゃんと俺は恋人同士です。」
「へえ、絵里ちゃんそれは本当なの?」
司書のお姉さんはどうも俺が信用出来ないようで、絵里ちゃんの方を見て聞いた。
司書さんのギロっとした目が俺を睨む。
何だこの威圧感は…?
俺は気圧されて黙っていることを決意した。
絵里ちゃんはそんな俺を傍にテレくさそうに頷いた。
「うん、玲奈さん、瑛二くんは私の彼氏だよ。」
「あ…ああ…ああああ…」
宮崎はその言葉を聞いて言葉を失っていた。
言葉にならない呻き声をあげている宮崎。
これが脳破壊か…初めて見たな。
俺がバカなことを考えている間にも絵里ちゃんと玲奈さんの会話は続いた。
「本当に?そこのその子が言ったように強制されてはいないの?」
「本当だよ。私は瑛二くんが大好きだもん!」
人前でも隠すことなく、俺への好意を見せてくれる絵里ちゃん。
俺は少し恥ずかしくなって、あははと乾いだ笑い声をあげる。
「本当に本当の本当?」
「本当だもん。何で信じてもらえないの?」
…中々信じてもらえない。
絵里ちゃん、本人が言っていると言うのに…。
そんなに俺って絵里ちゃんに釣り合ってないように見えるのか?
少しだけ自信を無くしそうだ。
「だって、その子、絵里ちゃんとはあんまり似合わないと言うか何と言うか…」
と言うかこの人本当にそんなことを考えていたのか。
しかも、それを本人がいる前で言うとか…
俺は司書さんのチクチク言葉に少しだけ傷ついた。
「むっ」
絵里ちゃんは頬を膨らませる。
俺の悪口を言われて少しムッとしているみたいだ。
絵里ちゃんはこれ以上言葉を尽くしても信じてもらえないと判断したのか、とんでも無い行動に出た。
「チュッ」
絵里ちゃんは二人に見られているにも関わらず、俺にキスして来たのである。
「あら、最近の子は本当に色々と進んでいるものね。絵里ちゃんは本当にその子が好きなのね…」
司書さんはキスしている俺たちを見て何か感心しているようだった。
司書さんはやっとのこと、俺たちが恋人同士と言うことを認めてくれた。しかし、宮崎はと言うと。
「なあああああああああああ!?」
俺たちのキスを見た途端、彼はぶっ壊れた。
閑静だった図書館に宮崎の怒りの声が鳴り響く。
この声量だと図書館にいる人間全員に届きそうだ。
実際に何人かの人はこちらを覗き込みに来ている。
宮崎の悲痛な叫びを聞いた司書さんは切れた。
「ちょっと、君、本当にうるさい!」
司書さんは今まで一番大きい声をあげた。
そして、彼女は宮崎を片腕で持ち上げて何処かへ消えた。
「お前!お前だけは!うっうううう!ぐううううう!」
「静かにしなさいって。」
その間も宮崎はずっと俺に何か言おうとした。
途中で見かねた司書さんが宮崎の口を塞いだことで、内容は知ることができなかったけど。
それが俺に対する憎しみの言葉ということだけは確実だった。
こうやって寝取られ作戦は予想外にも上手く行った。
しかし、宮崎は司書さんによって外に連れられて行く時も、俺をずっと睨んでいたな。
あんなに憎しみの込められた目を見たのは、どの人生でも初めて見たかも知れない。
あれはどんな感情の発露だったのだろうか?
何か知らないけど、しくじったという感覚だけが俺の胸中に残って、俺の心臓をチクチクと刺して来た。
絵里ちゃんの孤立が解かれて宮崎は物凄く焦ってます。
司書さん。
佐伯玲奈さん(27歳)
ショートヘアの似合う黒縁のメガネのお姉さん。
絵里ちゃんとも仲がいい。
趣味はボクシングで腹筋がバキバキ。
背中に小さい蝶のタトゥーを入れている。