リスタート:過去へ戻って孤高な女達を手駒にして現在の危機を打破する 作:霧江
俺は目を醒めた。
今、俺がいるところは上原家。
タイムマシンの操作でその続きからということで設定している。
別にタイムマシンの機能的にはさらに前へと飛ぶことだってできた。
しかし、俺はそうしなかった…というかできなかった。
これは全て上原さんの異常な性欲が原因だ。
未来の上原さんに聞いた話によると、学生時代にはオナニーさえせずに生きてきたとのことだった。
だけど、そんな彼女が結婚して初めてセックスを知った。
それから彼女は性に貪欲になったが、交通事故によって若くして夫を亡くした。
性に無知だった彼女は夫以外の人とそういった行為をすることを恐れた。
また、ネットにも疎かった上原さんは性に関する知識を仕入れることができなかった。
以来、俺に会うまで毎日のようにオナニーで体を慰めてきたとのこと。
上原さんにとって、俺との出会いは衝撃だったらしい。
未来の俺の記憶によると、あろうことかオナニーバレしてたったの3日後に俺を誘惑してきた。
それを純真無垢な俺は何も知らずにその誘惑に釣られた。
あれは凄まじい誘惑だった。
何かこう本能に訴えてくるものだった。
衝撃的すぎて未来の俺の記憶の中でも消えずに残っている。
恐らく今の俺さえも、未来を知らなかったら誘惑に乗るだろう。
いや、その場面に直面してみないと、俺もどうなるか分からない。
俺はまだ来てない未来に震えながらも覚悟を決めた。
リビングに出てみると、上原さんはすでに起きていた。
鼻歌を歌いながら、楽しそうに料理をしている。
どうやら、上原さんはご機嫌のように見えた。
俺はそんな彼女を少しばかり眺めて、邪魔にならないタイミングで挨拶した。
「おはようございます。」
「あら、おはよう。瑛二くん早いね。」
「何か目が早く醒めたの。」
俺もかなり早い時間帯に起きてきたつもりだけど、賢母である彼女は早い時間から朝の支度をしていた。
料理をする一連の流れは、見ていて楽しいものだった。
普段の上原さんはやはり清楚で美しい母親をしている。
「はあむ、お母ぁさん、おはようぅ。」
「あら、よく寝たの?おはよう。今日は早いね。」
続いて岬ちゃんが2階から降りてきた。
岬ちゃんは朝に弱いのか間延びした声で挨拶してきた。
その姿もまた様になっている。
やはり美人は何をしてもいいんだなと俺は思った。
岬ちゃんが近くにきたところで、俺も挨拶をする。
「岬ちゃんおはよう。」
「にしし、エイちゃんだ。おはよう。何か朝にエイちゃんがいるの変な気持ちだね。」
岬ちゃんは嬉しそうに言った。
そして岬ちゃんは俺の背中にもたれ掛かって体を預けてきた。
この頃の岬ちゃんは相当ボディタッチのハードルが低いみたいだった。
「おっと、急にもたれ掛かって危ないよ。」
「いいもん!エイちゃんは受け止めてくれるじゃん。」
そういって、俺は岬ちゃんを背負うようにして腕を触る。
岬ちゃんは嬉しそうに俺の背中におぶられた。
「ワイワイ!あっちに行って!」
「うん。わかったよ。」
岬ちゃんは楽しそうに俺に指示をだしてくる。
俺も岬ちゃんを楽しめるべく、岬ちゃんの指示にしたがった。
リビングをあちこち行ったり来たりする。
大体10分くらい経った頃、俺は体から汗をかき始めた。
「岬ちゃん今度はどこ行こうか?」
「うん…あっち」
岬ちゃんはどこか素っ気無い返事を返してきた。
「岬ちゃん?」
返事がない岬ちゃんに俺は訝しんだが、上原さんに遊んでいるように見せるために熱心にあっちこっちと移動した。
そうしているうちに、俺は気づいた。
岬ちゃんは俺の頸に顔を埋めていた。
頸をくすぐる弱い鼻息。
これは…匂いを嗅いでいる?
「岬ちゃん、俺の匂いが好きなの?」
「うん。そうかも。」
岬ちゃんは即答した。
子供ながらもどこか艶っぽい声音だった。
「汗臭くない?」
「汗くちゃい。でも、それがいいかも。にしし」
岬ちゃんは恥ずかしそうに笑いながら囁くように答えた。
俺は困惑した。
俺が子供の頃には知識がなくて、気づかなかったけど。
今ならわかる。
信じられないことだが、岬ちゃんは臭いフェチだった。
それも花の匂いのように良い匂いではない。
汗の臭いとかの悪い方が好きみたいだった。
何というか、岬ちゃんもしっかりと上原さんの遺伝子を継いでいた。
この年で臭いフェチとか…
だけど、これは好都合だ。
岬ちゃんの調教プランが決定した。
「みんな朝ごはんよ。手洗ってきなさい。」
上原さんが俺たちを呼んだ。
俺たちは手を洗って、ダイニングに向かった。
「さあ、沢山食べていいわよ。」
「「いただきます!」」
俺たちは食事を初めた。
上原家の朝ごはんはてのこんだものだった。
門外漢の俺としては栄養バランス揃ってそうという感想しか出てこなかったけど、どれも形がいいし、どれも美味い。
これからこの食事を一緒にすることになるとは、俺は幸せだった。
そんな家族団欒の一幕。
遠くで見たら微笑ましい光景に違いないだろう。
平和で牧歌的な風景。
「お母さんの料理は本当に最高!エイちゃんこれも美味いよ!あーんして」
「ありがとう。あーん」
岬ちゃんは自分が好きなおかずを俺にあーんして食べさせてきた。
俺は特に断らずに素直に受け取った。
「あら、もっと仲がよくなってるわね。何かあったの?」
「にしし、エイちゃんの好きなところをもう一つ気づいたの。」
無垢な笑顔で答える岬ちゃんに上原さんは聞いた。
「へえ、どんなところなの?」
「それはひみつ!」
上原さんはそんな岬ちゃんを見て笑った、が俺は見た。
上原さんの目が怪しく光っているところを。
彼女は実の娘に嫉妬していた。
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それから俺たちは普通に学校に登校した。
特に変わり映えのない感じだった。
俺としては学校では特に何もないだろうと勘繰っていたけど、それがそうでもなかった。
今日の5限目は体育だったが、そこで異変が起きた。
特に意図した訳ではないけど。
今日はかけっこの授業ということで、走る授業だった。
それで俺は怪しまれないように子供らしくいっぱい走った。
それはもう汗だくになるくらいには。
授業が終わった頃は、俺の体育服はびしょびしょだった。
「エイちゃん、汗すごいね。」
「そうだね。もうびしょびしょ。」
俺は服を引っ張って風を起こした。
割と本当に気持ち悪かったのだ。
そんな俺を見て岬ちゃんは何ともないふりをして俺に近づいてきた。
スンスンと鼻を鳴らしているその様は、気難しい猫が心を開けたみたいな光景だった。
俺も岬ちゃんに近づく。
「そんなに俺の臭いが好きなの?」
周りに聞こえないように俺は岬ちゃんの耳元で囁いた。
「うん…いいにおい…」
臭いに集中して力無く返答する岬ちゃんはとても可愛かった。
俺はここで一つ攻勢に出ることにした。
「じゃあ、今日俺の家に遊びに来る?」
「うん、でも今日は撲殺戦隊が…」
好きな戦隊モノの本番があるからと悩む岬ちゃん。
昨日感じたことだけど、岬ちゃんの戦隊もの愛は凄まじいものだった。
だけど、俺も負けてはいられない。
俺はさらに岬ちゃんに近づく。
「どうしてもダメかな?」
「汗くさい…いい匂い…でも…」
岬ちゃんはさらに匂いに集中する。
まだ、俺と特撮を天秤にかけていた。
仕方ない、背中を押してやるか。
「特撮は録画すればいつでも見れるけど、俺は今日じゃないと匂い嗅がせないよ。恥ずかしいんだから。」
「うっ…わかった。行く。」
それからも少し悩んでいた岬ちゃんだけど、今後は臭いを嗅がせないという言葉に負けた。
やっと、岬ちゃんの天秤が傾いた。
彼女は大好きな特撮より、俺の臭いを選んだ。
こうして岬ちゃんは我が家に遊びに来ることになった。
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放課後、俺たちは俺の家に来ていた。
「エイちゃんの家、初めてかも」
「そうだっけ?」
「そうだよ。いつも外でばかり遊んでたし。」
俺は鍵を開けて家にはいる。
家の中には人気がいなかった。
母親はまだ来てないのかなと思ったけど、そうでもなかったらしい。
食卓の上にメモがあった。
どうやら、朝には家に戻ったけど、もう一度外出したっぽかった。
今日は夕方には戻るとのこと。
俺はほくそ笑みをした。
これは好都合だった。
「誰もいないの?」
「うん、お母さんたちは夕方になったら戻ってくるって。」
岬ちゃんは保護者がいない環境というものを気にしているみたいだった。
俺としては特に問題もなかった。
事後報告でも親も特に怒ったりはしないだろう。
俺はジュースとコップを持った。
「入っていいの?」
「もちろん。」
俺は岬ちゃんを自分の部屋に案内した。
岬ちゃんは黙々と俺の後を続いて部屋に入る。
「ここがエイちゃんの部屋か!」
「そうだよ。どう?」
「男の子の部屋って感じ!」
岬ちゃんはテンション高めにいった。
臭いの件とは別に、俺の部屋が見れたことが嬉しいらしい。
キャキャと喜ぶ岬ちゃん。
それをもっと眺めていてもよかったけど、俺はすぐに本題に入ることにした。
「じゃあ、約束通り、臭い嗅がせてあげる。」
「やった!にしし」
嬉しそうに笑う岬ちゃん。
本当に俺の臭いが好きみたいだった。
そして岬ちゃんは俺に抱きついた。
俺はなされるがままに、岬ちゃんが好きなようにさせる。
岬ちゃんは朝と同じく俺の頸を嗅いでいた。
「すうぅううう、はあああああ、本当にいい臭いなの。」
岬ちゃんは心のゆくまで、俺の臭いを堪能している。
流石の俺も恥ずかしくなるくらいだった。
「岬ちゃん、恥ずかしいよ。もう満足したんじゃないの?」
俺は再び恥ずかしいという言葉でこの状況が限定的であることを岬ちゃんに知らしめた。
そして、俺の方こそ施す側であることをしっかりと認識させる。
「ぶう、約束したよね!私は撲殺戦隊ブレイカーも諦めてきているの。」
岬ちゃんは頬を膨らませて抗議した。
自身が諦めたことを取り上げて、それだけの価値はして欲しいとアピールする岬ちゃん。
これで岬ちゃんの中で、俺の臭いを何かを犠牲して買ったという計算式が出来上がった。
「しゃあさ、俺の臭いと撲殺戦隊どちらが好きなの?」
「そ、それは…」
口籠る岬ちゃん。
本当に戦隊モノが好きなんだなと思った。
俺は更なる追い打ちをかける。
「ちなみに撲殺戦隊が好きと言ったら、俺はもう岬ちゃんに臭い嗅がせないよ。」
「そ、そんな!何でそんなことするの?」
「別に減るものでもないじゃん.撲殺戦隊より俺の臭いが好きと言うだけだよ?見るなとか言わないから。それとも?俺より撲殺戦隊が好きなの?」
ここで俺は傷ついたかのように一回岬ちゃんを離した。
あたかも、本当にそうすると言わんばかりに。
「!?」
そんな俺の態度と俺に押し除けられたという事実にショックを受けていた。
しばらく、悩む表情を見せた岬ちゃんは決心したかのように言った。
「エイちゃんの方が好き。」
「何だって?しっかり言ってみて。何を何より好きなのか。」
「エイちゃんの臭いが撲殺戦隊ブレイカーより好き。」
岬ちゃんは大きい声で言った。
言葉だけだけど、岬ちゃんに特撮より俺は一番だということを言わせることに成功した。
これは何ともないようなことではあるが、俺の中では大きな進展だった。
「もう一度言ってみて。」
「私はエイちゃんの臭いが、撲殺戦隊ブレイカーより好きです。」
俺の言葉に岬ちゃんは何回も俺の臭いの方が好きという言葉を繰り返した。
言葉だけなら、俺のにおいが撲殺戦隊が好きと言うことは容易い。
だけど、それを言葉に出すことは意味のあることだった。
俺は再びほくそ笑みを浮かべた。
「ありがとう。良くできました。」
俺は岬ちゃんの頭を抱いてナデナデする。
岬ちゃんは俺の胸板に鼻を埋めて、必死に臭いを嗅ぎ始めた。
まるで、犬っころみたいなその姿に俺は笑いをこらえられなかった。
受け継がれた変態の血筋
実は前々から前兆はあったけど、純粋な牧田少年は気づかなかっただけ。
大人の知識を持って、わかった事実なので、初めて気づいた感じになってます。
次も岬ちゃん編