戦術人形が指揮官を愛するまで_裏 作:イエローケーキ兵器設計局
「AK-15、すまん、肩車してくれ。」
指揮官、そこに脚立があるじゃないか、と毎回思いながらもまあ良いかと肩車する。のだが……。
「助かる……俺の身長じゃ微妙に足らなくてな。」
制服越しでもわかる硬い男性の象徴が後頭部に当たる。毎回のように当たるからもはや、わざと当てているのではないかとすら思えてきた。
「……。」
「もうちょっと……よしよし……。」
もぞもぞと動かれると危ない。
「よし、電球交換できた。AK-15、降ろしてくれ。」
「……。」
「AK-15?」
「……あっ、ああ。了解した。」
後頭部に当たる棒のことを少し考えていた自分が恥ずかしくなった。
「ありがとう。助かったよ。」
指揮官にお願い事をされる時は頭を撫でられるまでがセットであり所作である、私はそう学習している。
「AK-15、作戦の準備に取り掛かるから小隊の皆を集めてくれ。君しかいないんだ。」
指揮官に指示されて待機室を後にする。私しか居ない……ふふっ。
「AK-12、指揮官が呼んでいる。」
AK-12の部屋は……相変わらず指揮官の写真ばっかりだ。その写真、いつ撮った?
「わかったわ。すぐ行く。AN-94をお願い。RPK-16は私が連れて行くわ。あの写真は後で焼き増ししてあげるわよ。」
目を見開いたAK-12が隣のRPK-16の部屋のドアを連打している。またか……。
「AN-94、居るか?」
「はい……。」
AK-12の向かいのドアをノックすると細い声が聞こえた。
「指揮官が呼んでいる。」
「了解です……んっ……指揮官……しきかん……。」
指揮官をストーキングしたり、人間になろうとして人間に諭されたり、妄想癖が酷かったりする仲間を見ると自分だけはマトモで、理性的で居よう、と気が引き締まる。戦闘時以外だけでも。
「よし、全員集まったな?AK-15、AK-12、ありがとう。」
「今回の作戦を説明する。」
指揮官が地図を机に広げる。否、電子砂盤を展開した。
「今回の作戦領域はここ、セヴァストポリ海軍基地。」
海軍基地の地形情報と建造物が表示される。
「今回の作戦を指揮するのは……我らがウェザビー閣下だ。」
ウェザビー閣下?と考えた後、愚将ではあるものの名前を出せない時の代名詞だと思い出す。
「まあ……どうせ毎度のように後方指揮所を砲撃されるか爆撃されるかするだろう。全くもって学ばない奴らだ。我々はセヴァストポリ海軍基地に強襲をかける地上部隊を援護する。作戦開始は一ヶ月後だ。質問は?」
「指揮官、気になったのだけど。」
「AK-12、何だ?」
「ウェザビー閣下はここから攻め落とそうとしているのよね?」
AK-12が基地正面の地形を指差し、地形をなぞる。
「砲兵隊が居ないのに?」
「そう、AK-12、まずそこが問題になる。まあ、これには理由が有ってな。」
指揮官が砂盤上に仮想の砲兵隊を配置してシミュレーションを動かすと……砲兵の砲撃で海軍基地が崩壊した。
「下手な大威力砲の砲撃によって基地が崩壊しては困る、というのが1つ。」
指揮官が手を基地に翳すと崩壊した基地がもとに戻り、代わりに大きな戦艦が停泊する。
「更には……おそらく下手に砲撃すると……。」
戦艦の砲塔が動き、砲兵に向けて砲撃を開始した。
「こうなる。観測射撃でイチコロだろうな。」
この戦艦は艦砲射撃を他の標的にも行ってくるのだろうか?
「AK-15、顔に出てるぞ。確かに艦砲射撃はしてくるだろうが……囮はウェザビー閣下の軍に任せよう。我々はあくまで基地の制圧支援だ。港湾の封鎖は航空部門がやってくれるだろうし。」
Tu-95の群れが港湾の入り口に機雷を投下し、複数機を撃墜されつつも帰還していく。
「EMPを投げ込めば終わりじゃない?」
AK-12が妙案を思いついた顔で言う。
「残念だがその案は飲めない。上層部はあくまで内部の機能を生かしたまま掌握したいらしい。」
Tu-95がどこからか高速で低空を這い、爆弾を宙返りしながら投下、すぐさま飛び去っていく。作戦失敗。
「そう……。」
長考に戻るAK-12。
「なら、こうすれば良いんじゃない?」
RPK-16が何かを思いついたらしい。
「小型潜水艇で港口から侵入、戦艦を破壊してから地上部隊が攻撃を仕掛ける。どう?指揮官。」
「うーむ……対潜網で防がれている可能性があるし、第一、ソナーが設置されている可能性が高いエリアだからなぁ……。」
「戦闘工兵車で道を切り開きますか?」
AN-94が指揮官の顔を真っ直ぐ見て言う。そんな事出来たのか。
「そうだなぁ……それが現実的か……。」
会議は続き、明日に持ち越しとなった。
指揮官が寝る前の全てを終え、自室に入る。
「AK-15、夜警を頼むよ。」
「了解した。」
そう言って彼は扉を閉めて電子ロックと物理鍵を閉める。これから朝まで警備に立つ。誰もこの扉を通してはいけない。む?
「……AK-12。」
ピクッ、と目の前の段ボールが動く。
「はぁ……日中に出直してくれ。」
「日中は日中でガードが硬いんだから……たまには良いでしょ?たまには。」
「駄目だ。」
「べーっ!」
内部では面白い顔をしているのかもしれないが生憎、段ボールで何も見えない。
「写真売ってあげないわよ?」
「ぐっ……。」
「通してくれたら映像音声も付けちゃおうかしら。」
「ぐぐぐっ……駄目だ。通すわけには行かない。」
「……やっぱりAK-15は指揮官の忠犬なのね。まあ良いわ。これ、使って。」
端末とイヤホンが段ボールに開いた隙間から差し出される。
「なんだ?これは。」
「指揮官の部屋の監視カメラと繋がっているの。見てみなさいよ。」
電源ボタンを軽く押すと端末のスリープが解除されて私室のカメラに接続される。む?指揮官がベッドに座って何か屈んでいるような……。
「〜〜。」
「イヤホンを付けてみて。なんて言ってる?」
言われるがままイヤホンを付ける。
「AK-15、AK-15……ぐっ……なんであんなに可愛いんだ……はぁ……はぁ……くそっ、告白したところで俺なんかじゃ釣り合わないだろうな……俺だってこんな中途半端な身長に生まれたくて生まれたわけじゃないのによぉ……うーっ……。」
な、なんだこれは……!
「指揮官って意外と夜は夜で可愛いところあるでしょう?」
「だ、だからといって……!」
「情報によるとまだ童貞らしいわよ?私達もまだ誰一人として手を付けてない訳だし……あだだだっ!」
「これは任務だ。すまない。」
いつの間にかAK-12が段ボールから出てきていたので右腕を可動範囲外に捻りながらふと考える。そうか、指揮官は私のことが好きなのか……だから脚立を使わずに肩車をせがんで…………そうだったのか。
「ひーっ、ひーっ、これで右腕が使えなくなったらどうしてくれるのよ!」
「すまん。だが今夜のところは引き下がってくれ。」
ちぇーっ、と言いながらAK-12が段ボールを被り直して帰っていく。
「(反対側からドアをノックする音)」
「AK-15……居るか?」
「はい。ここに。」
「すまない、入ってくれ。」
指揮官がドアから顔を出すと、私に入るように命令した。だから入った。私は悪くない。
指揮官がドアをロックする。
「そ、そのだな……実は……。」
「指揮官、お話があります。」
「は、はは、何かな?」
RPK-16に昔、聞いたことを実践する日が来た、のかもしれない。でも彼女も処女だったよな……?
「指揮官、眠れないのですか?」
「……そうだ。俺は眠れない。」
「そうでしたら……命令してくだされば。添い寝でもその……夜の相手でも致します。私でよければ。」
「AK-15……気持ちはありがたい。でも、命令するわけには行かない。」
「そうですか……。」
ちゅっ。RPK-16はこう言っていた。殺す相手と好きな人には主導権を与えるな、と。
「……なっ、何をするAK-15……!」
「違いましたか?」
「ちちち、ちがくはないが!そそそのだな、物事には順番というものがあって!んっ……あぐっ!」
私室の入り口であることを忘れて押し倒してしまった。我ながら失敗だった。
「移動しましょう。ここは冷えます。立てますか?」
「あっ、あぁ。」
手を貸して助け起こす。手を繋いだままベッドまで歩く。
「AK-15、俺から言わせてくれ。笑ってくれても構わない。むしろ笑ってくれ。」
ベッドに2人並びで座って左からの声に耳を傾ける。
「俺は……AK-15、君の事が好きだ。その……さっきキスされた時に覚悟が決まったんだ…………そのまあ、なんだ……嫌だったら部屋から出てくれて構わない。それくらいのことをしている自覚はある。」
「……どう好きなんですか?」
「ど、どうって……。」
「指揮官、私の顔を、目を見て言ってください。私の手を掴んでも良いので。」
指揮官の両手を握って、私を見てもらう。
「可愛くて、カッコよくて……いつも肩車してくれて……重かっただろう?」
「い、いえ……資材よりも軽いので気にしていません。」
可愛い……私が……?可愛い……そうか……そうなのか……。
「資材より軽い……そ、そうか……。それに……。」
「それに?」
「俺は君の声が好きだ。性格もそうだが、一緒に居る人物の声は常に聞くことになる。その点、君の声は(ちゅっ)んっ……。」
「……ぷはぁ。それ以上は必要ありません。私には指揮官が必要です。上官として、男性として……だから……私に釣り合わないだとか思わないでください。」
「AK-15……。」
指揮官を左へ、ベッドの真ん中へ押し倒す。
「指揮官、我慢しないでください。私は貴方の戦術人形です。」
指揮官の上にのしかかる。ズボンを下げパンツも下げて……。
「指揮官、私は好きです、貴方のことが。」
指揮官の男性器を口に咥える。その行動に躊躇が挟まる余地はない。
「んっ……んっ……ほうへふは?ははひは、ふはふ、ふひへはふは?」
「AK-15……!すまん!」
「ごっ……!」
後頭部を掴まれて喉奥に太い男性器が……!そしてそのまま後頭部を掴んで上下させられて……!指揮官、貴方が気持ちいいのなら……!私は……満足です……っ!
「AK-15!出すよ!飲んでくれ!」
とても熱い粘質の液体が口内を蹂躙する。私はその全てを受け止め、飲み込んだ。
「がっ、がはっ……げほっ……!げほっ……!しきかん……。」
口から男性器が離れると、少し寂しくなった。彼が土下座の姿勢になって叫ぶ。
「ごめん、AK-15!苦しかっただろう!?」
「いえ……。」
不思議と満足感があった。好きな人を気持ちよくさせたい、これが……女性型として作られた人形の宿命……そう言ったモジュールは組み込まれていないのに。
「私は大丈夫です。さあ、続きを……指揮官。」
今夜からは貴方を慕う恋人です、指揮官。
「……初めてなのでゆっくり、お願いします。」
まさか私が戦闘服を脱いでこのセリフを言う日が来るとは思わなかった。
「ああ、わかった。その……なんだ……実は俺も……。」
「では、初めて同士……。」
仰向けの指揮官に抱きついて耳元で。
「沢山愛してください、指揮官。」
ゆっくり、私の疑似女性器の周りを舐めてくれる指揮官。本当に、そういうモジュール、入ってないっ……よな?
「指揮官っ……。」
「AK-15。好きだ。」
「私も……好き……んっ。そろ、そろ……お願いしま、す……。」
指揮官を仰向けに戻してさっきよりも大きく太く、硬く直立する男性器を少し舐めてから女性器へと導く。ただの厄介な穴だと思っていたけれど今は製造元に感謝。
「んっ……入って……。」
生体パーツを掻き分けて指揮官が入ってくると……普段の私が引っ込んで…、メスの私が……あっ……んっ……!
「AK-15、大丈夫か?」
指揮官が止まる。接合部を見るとまだまだ入り切っていない。
「ゆっくり、ゆっくりお願い……します。だいじょうぶ、なので……。」
「あ、あぁ……わかった……!」
全部入ったと思ったらまだ1/3が残っていた。も、もう入ら……なっ……!
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……!」
「A、AK-15……大丈夫か?んっ……。」
指揮官の舌と私の舌が絡んで離れても糸を引く。破瓜の痛みを感じている疑似女性器も分泌液が指揮官を包んで糸を引くかもしれない。
「私は……大丈夫なの……で、ゆっくり、動いて……ください。」
指揮官がお腹をぎゅうぎゅうに圧迫してゆっくりとしか話せないが、段々と慣れてくるはずだ。
「う、動くよ……。」
指揮官がゆっくりと腰を突き上げてくる。私の腰もつられて上がってしまう。
「逃げないでくれ。」
「そ、そんなつもりは……やっ……。」
腰を掴まれて無理やり引き寄せられて深く入ってくる。指揮官の力はそんなに強くないと思っていたが、もしかしたら……もう私は指揮官に夢中なのかもしれない。
「もっと、もっと可愛い声を聞かせてくれ、AK-15。」
「んっ……指揮官……指揮官……好きだ……愛している。」
「AK-15!俺もだ!」
「指揮官!愛してる!」
「AK-15!愛してる!」
気がついたら痛みも忘れて水音を響かせながら腰を激しく振っていた。もっと……もっと指揮官が欲しい!指揮官の子種が欲しい!偽物の女性器でも、私は指揮官を気持ちよくさせて子種を吐いて欲しい!
「AK-15!そろそろ出るよ!」
「指揮官!出してくれ!中に!」
「わかった!出すよ!」
口をくっつけて。
「へふ……!」
男性器から熱い液体が噴出して私の中を満たしていることがわかる。はぁ……好き……お慕いしています……指揮官。
気がついたら朝で、指揮官のベッドで裸になって休眠モードに入っていた。つまり、今起きたのだが、指揮官が視界に入る範囲に居ない。
「起きたかい?AK-15。」
今、視界に入った。湯気の立つコーヒーカップを2つ持っている。
「昨日の夜は夢だったのでしょうか。」
「夢じゃないよ、AK-15。」
口づけを交わしてから指揮官の持ってきたコーヒーカップを受け取る。
「これからもよろしく、AK-15。」
AK-15とRPK-16
:仲が極端に悪い訳では無いが指揮官(の下着窃盗事件)に関する事で喧嘩してから、エレメントは組めていない。なお下着を盗んだのはRPK-16ではなくAN-94。RPK-16はただ引っ掻き回しただけ。
ウェザビー閣下
:あるRTSゲームにおいて愚将として登場する架空の将軍。余計なことしかしない。